ここはどこだ?
俺はエルドランドで確か・・・


一面真っ白の世界で赤髪の少年、ルーク・フォン・ファブレは悩んでいた。
そのとき、突如としてルークの目の前に人の形をしたものが出てきた。


「お前・・・もしかしてローレライか?」
「そうだ。もしかしなくともローレライだ。」


陽気に答えたローレライは腕を広げて見せた。
ルークはそれをまじまじと見た。


「実は提案があってきた。
 お前にとってもいいことだろう。」
「提案? いったいなんだ?」


ローレライの話に興味を引かれていくルーク。
身を乗り出しているかのような姿勢だった。


「過去へ戻るんだ。違った未来に、お前の望む未来にするためにね。」
「過去に戻る? そんなことができるのか?」


ルークはローレライの突拍子のない話に、さぞ驚いたようだ。
ローレライはその表情を無視して話を続ける。


「可能だ。まず、セブンスフォニムで時空を狂わす。
 そこから少し微調整をして、再びセブンスフォニムを使って固定。
 そうすりゃ戻ることができる。」
「どのへんに戻るんだ?」
「お前が超振動で飛ぶ半年前に予定している。」


話の内容がわかったのか、うなずくルーク。
ローレライはその顔を見たあと、話を続ける。


「いいか? まず、過去に戻るのはお前だけじゃない。
 とりあえず、お前の仲間全員を過去に戻す。
 そうしていたほうがいいと思うからな。
 そして過去に戻ったらお前は部屋にいるはずだ。
 ガイには事情を説明しているから、二人で屋敷を出るんだ。」
「屋敷を出たあとどうするんだ?」
「ある人物に会うようにしている。
 その人物の元に半年間いろ。」
「わかった。」
「それじゃあ、はじめるぞ。」


ローレライの声とともに、時空が歪みだす。
そのあと、時空が何度か歪んだあと綺麗な丸の形になった。


「それじゃあ、行ってくる。」
「あぁ、頑張ってこい。」


ルークは時を遡った。


そのあとルークは目を覚ました。ベットから勢いよく起き上がると、
そばにはガイがいた。


「お目覚めか? ルーク。」
「あぁ、ガイ。・・・またよろしくな。」
「まぁそう硬くなんな。俺たちは友達だろ?」
「あぁ。」


ベットから起きた後、身支度を整え終える。


「そろそろ行くか。準備は良いか、ルーク。」
「あぁ、もちろんだ。ところでどうやってこっから出るんだ。」
「あぁ、それならまず俺の部屋だ。」


ガイの言いなりになって、部屋までついてく。
ガイの部屋の中は綺麗に整頓されており、
掃除なんか一時はいらないようになったていた。


「ここだ。」


ガイはベットをずらすと、床をはがした。
そこには階段があり、少し暗かった。


「一体なんだこれは?」
「これは緊急用の脱出口だ。
 結構お世話になっていたなぁ。」


昔をしみじみと語りだすガイ。
ルークはじと目でガイを見やった。


「・・・とっとと行こうぜ。」
「あぁ・・・」


秘密通路の中は、意外と明るかった。
長い長い通路を抜けたあと、出たところはバチカル城門から少し離れた所だった。


「おまえらか?ルークとガイってのは。」


突如、後ろからした声にびびる二人。
二人はゆっくりと後ろを向いた。
そこにいたのは特徴的な髪型で、グラサンをかけており、
片手にはエレキギターを持った男がいた。


「俺の名前は熱気バサラ。よろしく。」
「俺はルークだ。」
「俺はガイ。よろしく。」


それぞれの自己紹介を終えた後、
ルークは疑問をバサラにぶつける。


「お前は一体何者だ??
 第一、その服装はこの世界のものじゃにだろ。」
「あぁ、ローレライってやつに連れてこられた。
 別の世界からナ。」


ここまで来ればローレライに不可能は無い様に思える。
ルークとガイは深いため息をした。
 

「で、俺はお前に教えないといけないのがある。」
「それなんだよ?」
「歌だ。」
「歌? 譜歌じゃなくて?」
「譜歌って何だ? 俺が言ったのは歌!
 今からお前らに教えてやるぜぇ!!!」


いきなりギターをかき鳴らすバサラ。
ギターから出てくる音はどんな物よりも刺激が強かった。
何よりも歌詞だ。
心のこもった歌詞にルークは心を打たれた。
演奏が終わると同時にルークは叫んだ。


「俺にも歌を教えてくれ!!!」


その言葉に、ガイとバサラはにやりとほくそえんだ。
まるでこうなることを知っていたかのように。


「解った。しかし、お前に教える時間はあくまで半年。
 いいな?」
「解った!!!」


それから半年。
ルークの必死の特訓?は実を結び、
バサラからも認められるようになった。
そのときにはルーク専用のギターも作った。
そして約束のとき。
再びルークの目の前にローレライが現れた。


「バサラ、条件どうり半年の時間で返す。
 ルークのことありがとう。礼を言う。」
「いや、そんなことはどうでも良い。
 俺もこの世界を楽しめたし。それに、
 この世界にも俺の歌が分かるヤツがいたからな。」
「そうか。」
「おい、ローレライ! 師匠をどうするきだ。」
「元いた世界に戻すだけだ。」


ルークはこの半年で、バサラのことを師匠と呼んでいた。
バサラは混乱しているルークに冷静に言った。


「大丈夫だ。俺がこの世界にいなくても、
 俺らは歌で繋がってる。そうだろ?」
「・・・はい!!!」


バサラはルークがここに戻ってきたように、
丸の穴の中へ入っていった。


「そろそろ帰らないと、ヴァンが来るぞ。」
「そうだなティアとも会えなくなっちまう。」
「それじゃあ、帰るとしますか。
 ルーク行こう。」
「あぁ。それじゃあな、ローレライ。」


彼らは、屋敷に戻った。
シェザンヌはとても心配しており、
ファブレ公爵はかんかんに怒っていた。


そして運命の日。


ヴァンとの特訓をしていたあと、
突然譜歌が聞こえてきた。


「ヴァンデスデルカ・・・覚悟!」


ヴァンに切りかかるティアがいた。
前と同じようにナイフを受け止める。
受け止めたのは、前と違いバサラとの修行中に作った、
特注のエレキギターだが。


前と同じように超振動が起こる。
飛ばされたのも前と同じタタル渓谷だった。
ルークは前回と同じように寝ていた。


「起きて・・・ルーク。」


ルークはその言葉の主の言うとうりに起きた。
そこには目に涙をいっぱいにためたティアの姿があった。


「ルーク!・・・・」


ティアはすぐにルークに抱きついいて、
その喜びを体全体で表していた。


「良かった・・・本当に、本当に・・・」
「ティア、心配させてすまなかった。」


感動もつかの間、突然魔物が現れた。
魔物とは雰囲気を読めない生き物である、
そう二人は確信した。
ティアがさっそく譜歌を読む。


「待て、ティア。」
「なに?」


譜歌の中止をさせるルーク。
ティアはその行動に、疑問を抱く。


「師匠が言ってたんだ。
 戦っても何も生まれねぇ、歌ってこそ意味があるんだって。」
「???」


頭に浮かぶ疑問符が、さらに増えていくティア。
ルークは、エレキギターを構えると魔物に叫んだ。


「てめぇ、『俺の歌をきけぇ!』」


高らかに、そして彼は叫ぶ。
満月の下で。





感想

ZEORさん続編投稿

そうですね〜

バサラの強烈な性格が乗り移ったルークと言うことになるのだとしたら、この先一体どうなるのか全く読めませんね。

ただ、ゲーム準拠と言う事は事実上不可能でしょうし、完全オリジナルシナリオと言うことになるのでしょうね。

この先が楽しみです♪


いや、バサラは私も好きですし、できれば曲の掲載もしてあげたい所なんですが……

Jのつく機関が煩そうなんで、申し訳ないです。



押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


ZERO さんへの感想はこちらの方に

掲示板でも歓迎です♪



戻 る

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.