ははは………こんにちは、高畑・T・タカミチです

はぁ………ここで会うのは2度目ですね

当然、ここにいるのも前回と同じ理由ですよ………

ということでさっさと行ってみましょうか………



魔法先生ネギま! ―深淵より呼ばれし者―  第5話



「ほらどうした、タカミチ。咸卦法を使わねば危険だぞ?―――氷爆!」

「ちょっ…ちょっと!?タ…タイ―――むぎゃぁぁぁぁ!?」

ルークがエヴァの家に訪問して2日目

突然訪問したルークを快く受け入れた(裏事情あり)エヴァは現在タカミチを特訓中の様である

前話で語られていた仕打ちに耐える際、咸卦法を発動した事を受け、現在はエヴァがタカミチを虐めていた

当然、ルークからダークシールを受け取り経験値もアップでおいしい訓練をしているはずのタカミチ

しかし、彼は今最大のピンチを迎えていた

「おい、タカミチ。貴様ふざけているのか?咸卦法は愚か、気すら纏うことなく私の魔法を受けるとは―――」

「それがおかしいんだ!全くと言っていいほど気が練れないんだ!」

そう、咸卦法を覚える為の訓練であるのに、気がまったく練れないのである

もちろん、魔力も同様である

そしてそれを必死に説明するタカミチであったが

「―――――そうかそうか………力を封印された私の魔法程度、気を纏う必要も無い………そういうことだな?」

当のエヴァは一切聞いていなかった(笑)

というかむしろ悪い方向に進んでいたりする

「ならば問答無用だ!―――リク・ラク・ラ・ラック・ライラック・来たれ氷精・闇の精!闇を従え吹雪け常夜の氷雪!闇の吹雪!」

「僕の話を聞いてよぉぉぉ!?」

彼の危機はその後も暫く続くこととなる

一方のルークはと言うと

「いくぞ、チャコ!真空破斬っ!」

「ケッ、マダマダキレガタリナイナ!」

前回と同様に、瞬動を使いその勢いと共に風を纏った一撃を放つ

しかし、チャチャゼロはククリを避け、手に持ったナイフで風を文字通り切り裂いた

「はぁ………やっぱりそう簡単にはいかないよな………」

「初メテノヤロウニハ効キソウダガ、2回目ハソウ簡単ニキマラネェダロウナ」

ルークとチャチャゼロは先日の戦闘の反省会をしていた

といってもチャチャゼロに反省する部分はほぼ無いので、必然的にルークの反省会だったりする

「うーん………やっぱり知識があっても完全にその力を発揮できる訳じゃないんだな」

「流派ガ違ウ剣術ナンダロ?ルゥ坊ガ使ッテル剣術カラ派生シタトハイエ、所詮ハ別物ダ。
ソウイウノハ基本カラ磨クシカナイダロウナ」

「やっぱりそうなのか。剣術か………」

チャチャゼロの言葉を受け、色々と模索するルーク

「マァ、ジックリト悩ムンダナ、ケケケ」

チャチャゼロは既に定位置となりつつあるルークの頭に移動してくつろぎ始めていた

「ふぅ、何だ?反省会は終わったのか?」

そんな1組の元にエヴァが姿を現した

「ヨウ、御主人。青二才ノ修行ハドウシタンダ?」

「あっ………タカミチが氷漬になってる気が………するけどきっと気のせいだな」

ルークが何気なく見た方向には、何かの氷像があったとかなかったとか

「ルゥ坊モ何気ニ黒クテイイカンジダゼ、ケケケ」

そんなルークの反応を楽しそうに見下ろすチャチャゼロであった

「それよりも修行はどうしたんだ?」

「あぁ、タカミチめ………ヤツは気すら纏わずに私にケンカを売ってきたのでな、少々お灸を据えてやったのだ」

「気を纏わなかったのか………」

エヴァの話を聞き、何かを思い出しそうなルーク

「全く、どういうつもりなんだ。昨日まで出来たことを突然出来なくなるなど有り得ないに決まっているだろうが」

「昨日まで出来……………あっ」

それを今思い出したようである

「エヴァ、タカミチの気のことは俺に任せといてくれ」

「そうか?ならば私は『あれ』の研究でもしておくとしよう」

「うん、よろしく頼むぜ」

こうしてルークは、氷付けにされたタカミチにストーンチェックと呼ばれるお守りを首にかけると
音もなく逃げ去ったのだった

尚、逃げる際、事情を知ったチャチャゼロが

「オメェモ悪ダナ、ケケケ」

と言った事を追記しておく


さて、話をガラリと変えてしまおう(えっ!?)

それはエヴァが先ほど言った『あれ』のことである

それを語る上で、必要になってくるのが昨日のことである

「ただいまぁ♪」  「カエッテキテヤッタゾ」

それはエヴァを怒らせるだけ怒らせて逃げ出したルークとチャチャゼロが戻ってきた時のことである

「ほう、貴様ら。よくそんな呑気な雰囲気で帰ってこれたものだな」

「オッ?御主人、ワズカニ魔力ガ戻ッテナイカ?」

「あぁ、丁度いいところに餌があったからな」

その視線の先には、ボロキレのようにされたタカミチがいた

尚、首筋に2つの傷跡があったことを追記しておく

「さて、貴様たち―――覚悟は………ん?チャチャゼロよ、まさか動けるのか?

餌のおかげで僅かではあるが魔力を復活させたエヴァは殺る気満々であった

しかし、未だにルークの頭の上にいるチャチャゼロがナイフを構えたことに違和感を感じていたのだ

「ケケケ、ルゥ坊ノオカゲデ動ケル様ニナッタンダゼ」

「なっ!?貴様、チャチャゼロに一体何をしたんだ!」

魔力を供給する存在のいないチャチャゼロが動く―――つまりそれは魔力を持たぬ人形自身が魔力を持つことである

そしてそれを利用すれば自らの呪いを解くことも可能かもしれない

エヴァにとってそれは重要なことだったのだ

「何って、俺の世界のアクセサリーをあげただけだぞ?一定時間毎に魔力や気を回復してくれる代物だ」

「なんだと!?魔力を生み出すアイテムがあると言うのか!?それを私にも寄越せ!」

「出来ればあげたいけどこれは1つしかないんだ」

「ケケケ、残念だったな、御主人」

「ちっ………うん?ならば簡単じゃないか。チャチャゼロから奪えば済む話ではないか」

「流石ハ御主人ダナ。悪ノ中ノ悪ッテワケダ」

「まぁ、そういうことだ。チャチャゼロよ、悪いがそれは頂くぞ!」

「ケッ、簡単ニ渡ストデモ思ッテルノカ?ケケケ」

両者とも、戦闘準備は万端と言ったところか、お互い殺る気満々であった

「まぁまぁ、落ち着けよ。エヴァにはアクセサリーの代わりにこれをあげるからさ」

そんな雰囲気の中、ルークはエヴァを落ち着かせる為にあるものを渡した

「ん?何だ―――って貴様!やっぱり殺してやる!見た目が幼女だからといってグミで喜ぶとでも思ったか!」

それはオレンジ色のグミであった。しかし、それはエヴァの逆鱗に触れていた

「自分デ幼女ッテ言ッテル時点デ終ワリジャネェカ?」

「ははは………チャコは黙ってろよ。それよりもだ、それは俺の世界のグミなんだ。まぁ騙されたと思って食べみろって」

乾いた笑いをしつつチャチャゼロを黙らせると、ルークは強硬手段とばかりにオレンジのグミをエヴァの口に放り込んだ

「き……貴様ぁぁぁぁ!やっぱり今すぐに―――――なっ!?何だこれは!?」

放り込まれたグミを思わず飲み込んでしまったエヴァ

そして怒りは頂点に達しようとした時、異変が起きたのだ

「こ…これはどういうことなんだ!?魔力が満ちてくるではないか!」

エヴァの封印されたはずの魔力が蘇る―――それも血を吸うことで得られる魔力の数倍の量をである

「さっきのは俺の世界の回復用のアイテムでな、使用者の魔力や気を3割ほど回復してくれるんだ」

「なっ…なんだとっ!?そんなものがあるのか!」

そのグミの効力は600年生きてきたエヴァにとっても驚愕の物であり

「……………おい、ルーク。1つ頼みがある」

少し考えた後、先ほどまでの殺伐とした雰囲気から一転し、真面目な表情で話しかけてきた

「ん?何だ?」

「そのグミを全部………とは言わん。いくつか譲ってくれないか?」

「御主人ニシテハ珍シイコトダナ。イツモナラ問答無用デ奪ッテイタノニヨ」

「うるさいっ!これほどのアイテムは恐らくこの世界には存在しない。だからこそ、この機会を逃すわけにはいかん!」

「うーん、全部じゃないなら別に良いけどさ。それでも数はそんなにないぞ?」

「いくつかあれば構わん。それを解析し、製造方法を見つけることが出来ればそれで事足りる」

「あぁ、なるほど。俺の世界じゃかなり量産されてるはずだし、方法させ分かれば作れるかもしれないな」

「ふむ、おそらくだが独特の技術が用いられているのだろう。それでどうだ?もちろん、対価は払うつもりだ。
それに完成すれば、貴様にもそれを渡す事を約束しよう。これなら悪い話ではないと思うのだが?」

「うーん………わかった、たしかに数を増やすことが出来ればこっちとしても助かるわけだしな。
一応、全種類持っていて少なくとも10個ずつはあるはずだ。だから俺が手持ちで5個ずつ。
残りはエヴァに預けるからさ、期待してるぜ」

「ふっ、任せておけ。この私が無駄に600年生きていないことを証明してやろう!」

威厳は何となくある………しかし無い胸で威張る幼女の姿はとても600歳には見えなかった

「ケケケ、御主人モ必死ダナ」

「そうそう、ルークよ。対価についてだがな、今はハッキリと決めていないのでな、
決まるまではそのチャチャゼロを渡しておこう。」

「おっ?いいのか?」

「チョット待テヨ御主人!人形権侵害ダゾ!」

「ふっ、まぁ良いではないか。ルークのこと、嫌いではないのだろう?
それにルークといればそのアイテムは持っていられるのではないか?」

「ケッ……………仕方ガナイカラ暫ク厄介ニナッテヤル」

ここに来てチャチャゼロはツンデレ属性を手に入れようとしていた(笑)

「と言うことだ。精々こき使ってやってくれ」

「じゃあ改めてよろしくな♪」

「セッカクダ、タップリト鍛エテヤルカラナ。ケケケ」

「さて、今日は気分が良い。タカミチ、今日の食事は豪華……に………」

こうして、一触即発な場面になりつつあったエヴァ宅にも平和が戻り、パーティーでも開きそうな勢いのエヴァ

しかし、エヴァ宅の料理長は見るも無残な姿であった

「御主人、ヤリスギタナ」

「おい、コラ!タカミチ!貴様は飯当番なんだぞ!?早く起きろ!」

「何だ、エヴァって600年も生きてるのに飯作れないのか?」

「う…うるさい!?だ…大体だ、そういう貴様は作れるのか!?」

「もちろん作れるさ!こう見えても俺は向こうの世界で『クッキンガー』と呼ばれていたからな!」

「ほう、ならばその腕前、見せて貰おうか!」

「ふっ!おいしすぎて泣いても知らないからな!」

その後、ルークはクッキンガーの名に恥じぬ料理を披露し、エヴァの舌を………まぁ、何と言いますか………

まぁとにかく、クッキンガーの名に恥じぬ料理を出したのだった(笑)

そして、ルークはエヴァに(料理はともかくとして)気に入られ、
客人として(今更ですが)持て成され、その日は就寝したのでした

余談であるが、目を覚ましたタカミチの前にはルークが作った料理と
『レンジって言う機械で温めて食べろよ』と書かれたメモが置かれていた

当然、タカミチは感激しながら食べていたことを追記しておく



そして、ルークがエヴァ宅に来て3日目

「俺さ、詠春さんのところに行こうと思う」

朝の朝食の時、ルークはこんなことを言い出したのだった

「ほう、詠春のところへか。神鳴流でも習いに行くつもりか?」

それに喰い付いたのはエヴァ。どうやら詠春と面識があるようである

「いや、剣術の基礎を学びに行こうと思ってるんだ。詠春さんに少し稽古をつけてもらったことがあるんだが、
学ぶべきことが多かったんだ。だから俺が今必要としている剣術を身につける為に行こうと思うんだ」

昨日のチャチャゼロとの反省会以降、剣術についてずっと考えていたようである

そして行き着いた先が、この世界に来て初めて出会った剣士のことであった

「そうか。まぁ私が貴様を引き止める理由はない。頑張って力をつけてくることだな」

「エヴァもグミの事、頼むぜ」

「ふっ、任せておけ。それとチャチャゼロ、おまえはルークについて行ってやれ」

「チャコ、いいのか?」

「マァ、暇潰シニナルカライッテヤルヨ」

などとチャチャゼロは言っているが、朝食が始まる前からずっとルークの頭に乗っていた辺り、
エヴァが言わなくても付いて行っていたであろう

「じゃあこれからも頼むぜ」

「マァ、楽シメル間ハツイテイッテヤルヨ」

「ではチャチャゼロ。長い旅行になりそうだ、体を見てやるからついて来い」

「リョーカイダ、御主人」

そういうとエヴァとチャチャゼロは奥の部屋へと姿を消した

「ルーク君」

そして残されたのはルークとタカミチ

さきほどまで黙っていたタカミチが口を開いた

「僕もルーク君が決めたことだし、強くなって帰ってくるんだろうから反対はしない。
でもね、詠春さんのところに行く前にアスナちゃんの前に顔を出して行ってみないかい?」

「それは出来ないだろう。ガトウのおっちゃんとの約束でアスナは記憶を消されて俺のことも覚えていないんだろ?」

「もちろん、記憶は消してある。でも、それでも僕は2人を会わせておきたいんだ」

「うーん………やっぱり会うのはやめておくよ。今はまだその時じゃないと思うから」

「ルーク君………」

「それよりもだ、アスナの事を聞かせてくれよ。アスナは元気にしてるか?」

「あ…あぁ、元気だよ。最近は学校にも行って、ケンカまでしてくるくらいさ」

「へぇ〜、あのアスナがねぇ。でもみんなの願いどおり、普通の生活を送ってくれてるんだな」

「そうだね。でも相変わらず無愛想なところはそのまんまなんだよね」

「やっぱりか。でもそれを聞いて安心した。そして俺はもっと強くならないといけないな」

「それは僕も一緒さ。エヴァの別荘、それにルーク君から貰ったアイテム。これを使って咸卦法を物にしてみせるよ」

「俺だって剣術を極めて見せるぜ!今はまだアスナの事は知れ渡っていないがいずれは知られることになる。
その時に守れる様に頑張らないとな!」

「そうだね、お互い頑張ろうね」

そして2人は話もまとまり、現在は朝食の後片付けをしていた

ルークはともかく、タカミチは立派なエヴァ家の使用人になりつつあった(汗)


こうして、その日は修行などで別荘を利用し、何事も無く1日が過ぎた

そしてルークがエヴァ宅に来て4日目の朝

朝食を済ませたルークはお供にチャチャゼロを引き連れ京都へと向かうのだった


第6話に続く





あとがき

どうも、ズズでございます。
さて、第5話でしたがいかがでしたでしょうか?
私としてはルゥ坊&チャコのコンビを結成出来てうれしかったりしております(笑)
そうそう、実はここでエヴァがルークに浮遊術が使えるマントでも渡そうとしていたのですがやめました。
浮遊術はいらない意見の方が多いようですし、次の京都幼少編(何だこれ……)では必要ない物ですので〜
それとグミの品質が2年持つのかと言われればきっと大丈夫!と言わせてください(汗)

さて、ここでweb拍手の返信をさせていただきますね。

11/10
23:13 『個人的にはアビスキャラが別に出さなくていいかなー……って思いました。』
一応出てくると言っても回想シーンなど、ストーリーに関わらないと思いますのでご安心を〜

11/11
0:14 『ローレライの鍵は持ってるんですか?』
えぇっと………ハッキリとは申しませんが、『今』はないですねぇ(汗)

0:50 『今回も面白かったです^^次の更新を待ってます』
それはこちらとしてもうれしい限りです♪ただ課題の量が微妙に増えてきているので更新は不安定になるかもです………

1:24 『今回も面白かったです!久しぶりに動いたら壊れたって、チャチャゼロ一体何年放置されてたんだ…?』
チャチャゼロは関節部分などが少し劣化しており、動きづらかったと言う感じです。
埃など汚れは無く、一応エヴァが常にお掃除していたようです。

9:28 『課題もがんばってください(笑)』
あんまりふざけてやると留年するので頑張ります!応援ありがとうです(涙)

13:49 『断空剣など作られるFOFは使えないんですか?』
えっとですね、特技や譜術を使用した際に作られるFOFは使用者の肉体にのみ付加します。
例えば断空剣を4連発で放てば風の派生技を出せるほどの力を得ることが出来ます。
尚、光と闇のFOFの利用法については悩んおりますのでもう少々お待ちを………

20:28 『ダークシール『のみ』・・・タカミチ強く生きろよ(笑い)』
ルーク君はあくまでド忘れしていただけで、クローナシンボルに頼りすぎた為のちょっとしたミスです(笑)

11/12
18:31 『続き楽しみにしています』
ふぅ、何とか本日もいつも通り更新出来た(汗)
でもそろそろヤバイです(滝汗)

11/13
19:14 『面白かったです。でも二年後ならもう少し強くなっていても良いのでは?』
ルークは結構強い部類に入るのですが、チャチャゼロとの相性が悪かっただけなのですよ。


さて、次回よりいよいよ京都幼少編がスタートです(笑)
それでは本日はこの辺で失礼します。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
それではさようなら♪




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