風と共に去りぬ 風丸×宮坂
作者:もちこ
2012/01/21(土) 12:55公開
ID:55zAnhAAloI
side:宮坂
ーき、気まずい・・・・
思わず風丸先輩から顔を背けた。
さっき、顔が近づく気配がした・・・・
ーもしかして風丸先輩は、僕にキ・・・・
僕は、ハッとしたように首を振った。
そんな事を考える自分が、恥ずかしかった。
顔が火照る所から、きっと今、僕の顔は赤くなっている。
「あ〜・・・じゃあ俺、部活行くな?」
風丸先輩は、頭を掻いて僕から顔を背けた。
ーあ・・・
一瞬見えた風丸先輩の耳が赤かった。
「あ、そうだ」
教室のドアに手を掻いてかけていた風丸先輩は、ズボンのポケットから何かを取り出した。
「これやるよ」
「ふぇ!?」
投げ出された何かを、僕は受け止めた。
それは、手の中で金色に光っていた。
「こ、これ・・・・」
「第二ボタン。欲しかったんだろ?」
風丸先輩は、ニッと笑うと教室を後にした。
ー先輩、覚えててくれたんだ!
心臓が高鳴る。
ーあなたは、どれだけ僕の心を突き動かすんですか!
僕は、教室を飛び出した。
「先輩!」
「へっ?」
僕は、勢いのままに風丸先輩の首に抱きついた。
「どわあぁぁぁぁ!?」
静かな廊下に響く風丸先輩の声。
「いてててて・・・・・」
風丸先輩は、尻餅をついた状態で、首に抱きついた僕の額を軽く叩いた。
「全く、いきなり何すんだよ・・・・・」
「・・・・風丸先輩がいけないんですよ」
思いがけない返答に、風丸先輩はキョトンとしている。
「僕が・・・・僕がここまであなたを好きになったのは、風丸先輩・・・・・あなたのせいです」
僕はグッと唇を結び、風丸先輩と顔を向かい合わせた。
「僕があなたを、ここまで惚れさせた責任をとって下さい」
風丸先輩は、一瞬静止したが、すぐに小さく笑った
「じゃあ・・・どう責任とって欲しい
・・・・?」
そこまで考えていなかった。
戸惑う僕の額に、風丸先輩が唇を落とす。
「宮坂・・・・大好きだよ・・・・」
その言葉を聞くと同時に、僕は風丸先輩と唇を重ねていた。
「・・・ッ・・・・・ン」
風丸先輩の手が後頭部に触れる。
どれくらい唇を重ねていたか分からない。
唇が離れると風丸先輩は、僕を抱き締めた。
「離したくないなぁ・・・・・」
まるで、小さい子の我が儘だ。
僕は、小さく笑った。
「僕は、今もこれからも風丸先輩のモノですよ?」
僕は、風丸先輩の肩口に顔を埋めた。
「先輩、卒業試合行かなきゃいけないんじゃないですか?」
「ん〜・・・まだ宮坂と一緒に居たい・・・・」
僕は立ち上がり、駄々をこねる風丸先輩を見つめた。
「ほら、我が儘言わないで下さい」
僕は風丸先輩に手を差し伸べた。
「行きましょ?」
渋々立ち上がる風丸先輩。
「試合・・・見に来るだろ?」
「当たり前です!風丸先輩の雷門での最後の試合なんですから!」
風丸先輩は、クスッと笑うと僕の手を取り歩き出した。
完
- ■作者からのメッセージ
-
終わりました〜(´∀`*)
春と言えば卒業式ですね
私も、もうすぐ卒業式です(もちこはまだ学生ですww
寂しいです(´□` ;
さて、次回はまた咎狩りを更新しようと考えていますので、よろしくお願いしますm(_ _m*)
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