アーチャーと共に戦った聖杯戦争は終わった。
最初の戦いで親友の慎二を殺め、苦悩した。
次の戦いでは、ダン・ブラックモアに戦う意義を見いだして欲しいと言われ、自分なりに探そうと決めた。
三回戦ではありすと戦い苦悩したが、凛とレオの話を聞いて自分も戦う理由を探そうと決意する。
その後、ユリウスのハッキングを介して凛とラニの決戦場を見る事が出来た。
そしてラニがエーテルの心臓を使い自爆しようとした。
俺は令呪の1つを使い、凛を助けた。
その後彼女にこっぴどく叱られたが、反省したと言ったらとりあえず許してくれた。
四回戦では、自分自身の存在意義を見出だせずにいた。
ラニに俺が人間では無いと言われ動揺するが、凛が協力を申し出してくれて希望を見いだした。
五回戦ではユリウスとの戦い。
初日、アサシンの奇襲によりアーチャーは瀕死の重傷を受けた。
しかし、凛の魔力供給によりアーチャーは復帰。
再度アサシンに挑むも、アサシンのスキルにより劣勢を強いられた。
その後、凛と作戦会議をした時に俺がムーセルに再現されたプログラムだと告げられた。
心の何処がそうかも知れないと思っていた。しかし、実際告げられるのは堪えた。
凛は『戦い続ける?』と聴いてきた。
俺は頷いた。このまま死ぬなんて考えられない、俺は生きたいと答えた。
すると凛とアーチャーはそれで良いと言ってくれた。
こんな自分でも聖杯は何かをもたらしてくれると信じて。
そして凛の作戦により、アサシンのスキルを封じ。さらにアーチャーの宝具によりユリウスに勝利を納める。
六回戦目は、相手の徹底的な情報隠蔽に翻弄されるが、凛に相手のクラスを告げると相手の正体がラニだと判明した。
友人との二回目の殺し合いに挑み、凛が作った、対バーサーカーの呪装(プログラム)のお陰でラニに勝利した。
決勝戦、少年王レオとの対決。
初日、死んだ筈のユリウスが襲い掛かってきた。
しかし、成長した俺達の敵では無く、再びユリウスに勝利した。
消え行くユリウスの問いに俺は、
『お前の心に触れたかったから――』
そう答えると、ユリウスは照れくさそうに手を出した。俺は握手をしようとしたが、触れた途端にユリウスの腕が崩れ落ちた。
『面倒な男に付き合わせたな・・・・』
そう言ってユリウスは消滅した。
俺は三人目の友人を失った。
それから数日後、レオとガウェインと戦うが、聖者の数字の前では手も足も出なかった。
しかし、凛の協力で聖者の数字を打ち破る事が出来た。
そして決勝戦で、互いの全力の力で戦い、約束された王(レオ)に勝利することが出来た。
余談だが、アリーナを探索していた時にモンスターに襲われが、アーチャーと共にこれを撃退した。
あれは何だったのだろう?
そしてムーセル最下層、熾天の玉座で待ち受けていたのは・・・・。
『やぁ、よく来たね衛宮優人』
トワイス・H・ピースマン、ムーンセルの聖杯戦争の創設者。そして、戦争に取りつかれた亡霊。
彼は言った。人類に戦争は必要不可欠だと。
しかし、俺にはそんな事はどうでもよかった。
大切な人を、愛する人を守れるなら、世界がどうなってもいい。
そして、トワイスの望む戦争が凛を傷つけるなら、俺はそれを認める訳にはいかない。
そして、聖杯戦争最後の戦いを始めた。
トワイスのセイヴァーはこれまでの戦ったサーヴァントより格調が高かった。
けれど、これまでの道程を歩んだ俺達の敵ではなかった。
俺達はトワイスを倒した。
後は聖杯に接続すればいいのだが、不正なプログラムである俺は、聖杯に接続した途端に消されてしまう。
けれども、俺は自身の願い。凛の帰還の為に聖杯に接続する事にした。
聖杯の中に入り、願いを伝え、分解の時を一緒に聖杯に入ったアーチャーと共に待った。
しかし、いつまで経っても分解されず。不思議に思った俺は、原因を調べてみた。
そこで、自分の元になった人物が生きていると知った。
しかし、今いる俺とそこにいる自分は別存在。いずれは分解されてしまう。
けれども、一通のメールを出す時間はある。俺は凛にこの事を伝えた。
『そこにいる俺を頼む』
そして分解の時が始まる。
短い生だったが、後悔は無い。
あるとすれば、アーチャーみたいな家族が欲しかった事だが、これ以上欲張れない。
俺は静かに目を閉じた。
それが終わりでは無く、これから長い物語の始まりだとは、想像つかなかった。