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運命戦記リリカルEXTRA.AC改 無印編5、光よ貫け
作者:起源くん   2012/08/04(土) 10:21公開   ID:ACn/HtNdYIQ
夜の学校、なのは達はそこにいた。
なのははレイジングハートを掲げ―――。

「レイジングハート!」

【ジュエルシードシリアル20、封印】

四つ目のジュエルシードを封印に成功した。

「お疲れなのは」

「今回は簡単だったね」

ユーノはなのはを労い、
優人は魔術を使ってなのはの疲労を癒していた。

「終わったんなら、さっさと帰るわよ」

「夜の学校は、不気味だもんね。」

「う、うん。さっきの見たら怖いもんね。」

三人が怖がるのも無理はない。
ただでさえ怖いのに、先程戦ったジュエルシードの暴走体を見たら、他にも何かいると思ってしまう。

「大丈夫だって、ここには何も無いって」

優人は自信満々に言った事に、四人は不思議そうに思った。

「なんで、そう思うの?」

ユーノが尋ねると、優人は当たり前のように答えた。

「だって―――見えるから――」

その言葉に四人は固まった。
そう、優人は幽霊を視認する事ができるのだ。

「と、とりあえず帰るわよ!」

アリサの号令と共にその場を後にする五人。
最後に優人は、誰もいない校庭に手を振ってから、四人の後を追った。




家に戻った優人達は、なのはの部屋でこれまでの成果を確めていた。

「ジュエルシード。これで四つだね」

「そうだね。ジュエルシードは全部で21個だから、後17個だね」

「まだ3分の1か・・・・・」

まだまだ先の長さに、三人はため息をつく。

「話は変わるけど、明日のサッカーの試合どうする?アリサ達は取材に行くみたいだけど・・・・・」

明日は高町士郎が監督しているサッカーチームの試合があり。新聞部はその試合を記事にする予定があるのだ。
しかし、立て続けの魔法の使用でなのはは疲労を感じている。
優人の魔術は傷は治せるが、疲労の回復には限度あり。なのはの体に疲労が溜まっているのは明白。優人は心配そうになのはに聞いた。するとなのは笑顔で―――。

「大丈夫!私は平気だよ!」

そう言うが、なのはが強がっているのは目に見えていた。そこで優人は――。

「取材が終わったら、どこかに遊びに行かない?」

「え?・・・・・取材が終わったら?」

「ああ、最近遊んでないし。少しは気分転換も必要だと思う」

「でも・・・・・」

「良いんじゃないかな。たまには息抜きも必要だよ」

なのははしばらく考えた。
ジュエルシードの事を考えれば、明日も探した方が良い。しかし、ユーノが以前言っていた事を、なのはは思い出した。

『ジュエルシードは発動しないとただの石同然なんだ。だから発動前に探す事はほぼ不可能に近い。後手に回るかも知れないけど、発動後に封印が一番確実なんだ』

その事を思い出したなのはは、不謹慎ながらも少し休んでも良いかなと思った。

「・・・・・そうだね。少しくらい休んでもバチはあたらないよね」

「そうと決まれば、アリサ達も誘おう。大勢の方が楽しいし」

「うん!」

「それじゃ、おやすみなのは」

「おやすみ!優くん、ユーノくん」

優人とユーノはなのはの部屋を出ていき。なのはは明日に備えて、早めに寝ることにした。




次の日、優人達は士郎が監督している翠屋JFCの試合を見ていた。
結果は1対0で翠屋JFCの勝利に終わり。勝利祝いとして士郎は、翠屋でケーキをご馳走している。
もちろん新聞部も一緒にご馳走になっている。

「う〜ん♪このケーキ美味しいわね」

「これはね、翠屋の新作ケーキなんだ」

「え?食べちゃってよかったの?」

「今回は祝いと試食を兼ねているから大丈夫」

「よし!また新聞に書くネタが増えたわ!」

そう言うとアリサは、新作ケーキの味を細かく書いていた。

「・・・・・アリサって、ジャーナリストの才能あるよね」

「・・・・・うん、何でも記事にしちゃうもんね」

アリサのジャーナリズムに感心する側、なのはだけが浮かない顔をしていた。

「・・・・・」

「なのは?」

「にゃあ!?ど、どうしたの優くん?」

「どうしたの、じゃないよ。さっきから浮かない顔をしているけど・・・・・」

「え?・・・・・な、何でもないよ」

「何でもない訳ないでしょ。気になる事があるならさっさと言う!」

アリサの気迫に怖じけついたなのはは口を開こうとしたが、また紡ぎ。

「たぶん私の気のせいだと思うから、気にしないで」

「そう?それならいいけど・・・・・」


彼女がそう言うなら、本当に気のせいだろうと、アリサはそれ以上の詮索をやめた。

「それじゃあケーキを・・・・・ああぁーー!」

なのはは叫ぶ。何故なら自分のケーキが無くなっていたのだ。
その犯人は目の前に座っている―――。

「優くん!なんで私のケーキ食べてるの!」

「ん?」

優人は呑気に、なのはのケーキを一口ほうばっていた。

「だって・・・・・なのは一口も食べていないから、要らないんじゃないかと・・・・・」

「ちょっと考え事しただけだよ!もう、返してよ!」

なのはは一口食べられたケーキを奪い返し、そのままケーキを一口食べた。
そこで彼女は気づく。これは優人が口にしたケーキだと。

(・・・・・こ、これって、か、間接キスになるのかな?で、でも・・・・・)

一人悶々していると、優人はケーキの方を見て―――。

「要らないんなら頂戴」

「あげないよ!」

なのははやけくそに、ケーキを食べた。




ケーキを食べ終えた優人達は、約束通りに街に遊びに行った。

「へぇ〜魔法文化が無いのにすごいな」

人間姿のユーノは感心しながら、街を見回っている。

「そんなにすごい事なの?」

「僕達の世界、ミッドチルダは魔法で発展した世界だから、魔法無しは考えられないなよ」

ユーノは、ミッドチルダは魔法と科学で発展した世界なのだと。四人に詳しく話した。

「みんな魔法が使えるの?」

「いや、使えない人もいるよ。他にも、この世界の出身の人もいるんだ」

「え!?そうなの!」

「うん。スズキとかサトウっていう名字の人がいるから、恐らく先祖がこの日本の出身だったんだと思う」

「そんな昔から・・・・・」

「うん、本によると。およそ140年前に何かあったらしく。しばらく観測指定になったのが切っ掛けだと思う」

「観測指定?」

「うん。管理外世界の次元に何かあった場合に一時的に監視するんだ。けど、結局とりごし苦労だったらしいよ」

その時、管理局の人間が現地の人と交流した結果。ミッドチルダに移住する人が居たとユーノは言う。

「へ〜意外とこの世界の事を知られているんだ」

「うん、この世界の食文化もミッドにはあるから」

「もしかして日本の料理も?」

「うん、あるよ。板前がいるからね」

優人達はお互いの世界の話をしながら街を歩いてた。
その時―――。

「「「!」」」

「ちょっと!急に立ち止まんないでよ!」

「どうしたの?」

アリサとすずかは感じ取れなかったが、3人は感じ取れた。
ジュエルシードの発動時と同じ感覚である

「ユーノ!」

「間違いないよ。ジュエルシードが発動したんだ」

「何ですって!?」

「こんな街中に・・・・・」

今までのジュエルシードは人気の無い場所だったが。今回は街中、しかも休日日なので人通りは多い。

「アリサとすずかは急いで避難してくれ!行くぞ!二人とも!」

「うん!」

「わかった!」

アリサとすずかをその場に残し。優人達はジュエルシードの元に向かった。




「何これ―――!?」

現場に到着した彼等が見た物は、樹が街を飲み込んでいる光景だった。

「今までと桁ちがいすぎる!!」

優人もこの事態に驚いていた。
今までのジュエルシードの暴走体は、せいぜい中型動物の大きさにしかならなかったが。今回は街を飲み込む程の大きさになっていた。

「多分これ、人が発動したんだと思う」

「どういう事だ?」

「願いっていう物は人の方が強い。ジュエルシードは願いが強ければ強いほど強力な物になるロストロギアなんだ」

「そうか・・・・・とりあえず現状を把握したい。近くのビルの屋上に行こう」

「それなら任せて、僕の飛行魔法で行けばすぐだよ」

「頼む。それじゃ行くよなのは」

優人に声を掛けられたなのはビクッとしてから、優人の方に振り返った。

「え!?あ、何?」

「何?じゃないよ。ユーノの飛行魔法でビルの屋上に行くんだよ」

「あ、うん。わかった・・・・・」

なのはは浮かない顔をしながら、ユーノの元に向かった。

(どうしたんだなのは・・・・・)

そんななのはの様子を心配しながらも、優人はなのはとともに抱えられ、ビルの屋上に向かった。




ビルの屋上についた3人だが、その光景は酷いものだった。
樹が街すべてを喰らい尽くすが如く巨大になっていた。
ユーノが結界を張ったお陰で被害は広がっていないが、それでも大惨事に違いはなかった。

「多分、この樹の何処かにジュエルシードと発動させた人がいる。その近くにジュエルシードがあるはず」

「その人を探せばいいんだね?レイジングハート!セットアップ――!」

なのはは待機モードのレイジングハートをデバイスモードにし、バリアジャケットを展開した。

「探せる?レイジングハート」

【やってみます。エリアサーチ】

レイジングハートは魔力で出来た桜色の光球を放ち、樹の周りを飛び回せた。しかし――。

【周辺の魔力値が非常に大きい為、発見は困難です。申し訳ありません】

「そんな!!」

「エリアサーチが駄目だと打つ手がない・・・・・」

打つ手が無いと、ユーノが呟いていると優人が―――。

「それを探し出せばいいんのか?」

「そうだけど・・・・・サーチが使えないとどうしょうも・・・・・」

「任せてくれ」

そう言うと優人は、樹を観察し始めた。

(断片的な情報から割り出す―――)

優人はラプラスの眼を使った。
この眼は優人がかつて聖杯戦争に勝つために培った観察眼。
この眼で見た物の情報を瞬時に分析する事が出来る。
余談だが、これを使えばテストをオール100点はとれるが、カンニングみたいなものなので、優人は使わないようにしている。

「わかった!」

「え!?本当に!?」

「ああ、だけど距離が思った以上にある。封印魔法が届くかどうか・・・・・」

「それなら大丈夫。なのは、レイジングハートをデバイスモードからシューティングモードに!」

「う、うん!レイジングハート、シューティングモード!」

【シューティングモード以降】

するとレイジングハートは形状を変化し、先端部分が音叉状に変化した。

「これなら魔法距離がぐんと上がるよ。だけどこれだけじゃ、あの樹を突破して封印は出来ない。どうするの?」

「足りない威力は俺が補う!なのは、レイジングハートを―――」

優人はなのはと一緒にレイジングハートを持った。

「俺が狙いをつける。なのはは封印に専念してくれ」

「わかった!」

優人はレイジングハートの向きを微調整しながら狙いを付け―――。

「行くぞなのは!gain mag!」

優人の魔力強化により、レイジングハートから出ている羽根がより大きくなった。

「レイジングハート!」

【ジュエルシード、シリアル10封印】

レイジングハートが放った封印魔法は、樹の中心を貫いた。
ジュエルシードが封印されると、街を飲み込んでいた樹は消滅し、その中心には少年と少女が横たわっていた。
少年の姿を見たなのはは、浮かない表情を浮かべた。

「あの子・・・・・やっぱり・・・・・」

「どうしたのなのは?」

「さっきサッカーの試合に出ていた子だよ」

「どれどれ・・・・・あ、確かに出ていた。けど、どうしてジュエルシードを持っているんだ?」

「たぶん、試合が終わった時に拾ったんだと思う・・・・・私、見たから・・・・・」

なのはは告げた。
サッカーの試合後、あの少年がジュエルシードらしき石を拾っていた事を。しかし、確証も出来ず。そのままにしてしまった事を二人に話した。

「私のせいだ・・・・・」

「なのはのせいじゃないよ。ジュエルシードは発動しない限り、石同然なんだ。わからないのはしょうがないよ」

「全ての出来事を未然に防ぐ事は出来ない。だから、俺達は出来る事をするんだ。それが被害を少なくする方法だと、俺は思う」

「出来る事をする・・・・・」

優人の言葉に何かを思ったのか、なのははユーノにある頼みをする事にした。

「ねぇユーノくん。お願いがあるんだけど」

「何?なのは?」

なのはは決意の眼差しをしながら伝えた。

「魔法の上手な使い方。教えて欲しいの!」


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