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運命戦記リリカルEXTRA.AC改 日常編1、ラブレター
作者:起源くん   2012/09/30(日) 17:23公開   ID:L0gu7.dO5Yw
ジュエルシード事件から数週後、日常に戻った優人達に、ほんのささいな事件が起きた。
発端は、いつもみたいに朝の登校時の出来事である。
優人が下駄箱の扉を開くと一枚の手紙が入っていた。

「ん? これは・・・・・」

封筒の裏表を見るが、差出人の名前は載っていなかった。
どうすれば良いか悩んでいると、アリサが声を掛けて来た。

「何してんのよアンタ? 急がないと遅刻するわよ」

「いや、これが入ってて・・・・・」

手紙をアリサに見せると、アリサは声を上げて驚いた。

「アンタこれ、ラブレターじゃない!」

これが、騒動の発端であった。




昼休み、新聞部のメンバーは屋上に集合していた。
今朝のラブレターについて話し合っていたのだが―――。

「きっと、間違って入れたんだよ」

「そんな訳無いでしょ! 優人の下駄箱に入っていたんだから、アンタ宛に決まっているじゃない!」

「優人くん。手紙を読んだの?」

「いや、まだだけど・・・・・本当に俺宛なの?」

「読めば白黒つく筈よ。さっさっと読みなさい!」

アリサに命令され、渋々手紙を読む事にした。
しかし、そこに書かれていたものは―――。

“好きです。ずっと好きでした。
初めて見た時から好きです。
好きです。好きです。好きです。
好きです。好きです。好きです。
好きです。好きです。好きです。
好きです。好きです。好きです。
好きです。好きです。好きです。
好きです。好きです。好きです。
私と付き合って下さい。
放課後、校舎裏で待っています”

優人は思わず手紙を閉じた。
その顔は真っ青になっていた。

「優くん? どうしたの? 顔が真っ青だけど・・・・・」

「・・・・・俺の名前が載っていない・・・・・つまりは俺宛じゃない筈だ・・・・・」

あまりにもヤンデレ的な内容を見たせいで、正気度を失い。現実逃避をした。


「何言ってんのよ! もういい、あたしに寄越しなさい!」

アリサは優人から手紙を奪い取ると、広げて読んだ。
アリサ、すずか、なのはも手紙を読んだ事により、多少の正気度を失った。

「これは・・・・・きつい・・・・・」

「えっと・・・・・新手の嫌がらせ?」

「優くん! こんなに関わらない方が良いよ!」

確かに、こんな手紙を送った人物は九割がろくな人物でない。
なのはのいう通り関わらない方が良いのだが―――。

「いや、ちゃんと返事をしよう」

「え?」

「優人、本気なの? アンタ、こんな不気味な手紙の主と付き合うつもり?」

アリサがそう聞くと、優人は首を横に振り、本音を言った。

「付き合うつもりは無いけど・・・・・返事をしないと、dead endになりそうだから・・・・・」

「ようは、報復が怖いって事ね・・・・・」

「優人くん、大丈夫?」

「大丈夫。返事をするだけ、怖い事なんて無い・・・・・筈」

優人達は、不安を抱えながら昼休みを過ごした。




放課後、優人は約束の場所、校舎裏に来ていた。
それを見守るように、アリサ、すずか、なのはの三人が物影に隠れていた。

「結局、手紙の送り主は分からなかったね」

「そうね。でもこれで誰だか分かるわ」

「・・・・・優くん、大丈夫かな?」

三人がヒソヒソと会話をするなか、一人の少女がやって来た。
容姿はそれなりに可憐で、クラスのアイドルという言葉が似合いそうな少女だった。

「ん! 加藤茉莉じゃない!?」

「え!? 知っているのアリサちゃん!?」

「ええ、悪い噂だけどね」

加藤茉莉、学年の一、二を争う美少女。しかし、性格に難がありすぎる残念少女でもある。
激しい思い込みや、かなりの我が儘の性格で、周りを振り回すトラブルメーカーでもある。現に―――。

「ここに来てくれたって事は、返事はOKって事ね!」

「え! そ、それは違っ―――」

「それじゃ、早速初デートよ!」

「話を聞いてよ!?」

茉莉は、優人の話を聞かず、どんどん話を進めていった。

「最初は何処か良いかしら? 公園? デパート? ゲーセン? それとも、わたしの部屋? や〜ん、大胆ね♪」

「だから! 俺の話を聞け!!」

優人は叫ぶが、茉莉はまったく聞かず。それどころか、優人を何処かに連れて行こうとする。

(どうしょう・・・・・一般人相手に魔術を使う訳いかないし、でもこのままだと、BAD ENDになりそうだ・・・・・)

どうするか考えていると、一人の少女が飛び出して来た。

「優くんを離しなさい!!」

飛び出した少女は、なのはだった。
なのはは、茉莉の手を強引に優人から離し、庇うように立ちはだかる。

「何よアンタ! 私と衛宮くんのデートを邪魔しないでよ!」

「何がデートよ! 優くん嫌がってるじゃない!」

「そんな訳無いでしょ! ねぇ? 衛宮くん♪」

「え? そ、それはもちろん―――」

「ほら! 嫌やじゃ無いって言っているわよ!」

もう、思い込みの範疇を越えていた。
彼女の頭の中には妄想しかなかった。

「大胆! 貴女は衛宮くんの何なの!?」

「え!? そ、それは・・・・・」

なのはは、どう答えようが戸惑ったが、意を決してこう答えた。

「ゆ、優くんの彼女です!」

なのはは、顔を真っ赤にして答えた。
もちろんこれは嘘、しかしこう言えば、加藤茉莉は諦めると考えての嘘だった。しかし―――。

「何言ってんだよなのは。俺達付き合っていないだろ?」

優人はそれを、見事にぶち壊した。

「優くん! こういう時は嘘でも頷くものだよ!!」

「それでも、どんな相手でも嘘をつくのはいけないと思う。ほら、よく言うじゃない、嘘は泥棒の始まりって」

「それ、今は関係ないよ!」

「な〜んだ。やっぱり嘘なんだ」

そう言って、茉莉は優人の腕を組んだ。

「ほら、邪魔しないでよ。私達はこれからデートなんだから」

「う〜〜〜」

正直言って、なのはには打つ手がなかった。
頼みのアリサ達は何故か物影から出ようとしてくれなかった。

「アリサちゃん、出ていかなくて良いの?」

「せっかくの生修羅場よ! これを見なくちゃ損よ!」

そんな事を考えていた為、なのはの援護に行かなかった。

「さぁ行きましょ、こんな女ほっといて、初デートに―――」

「その前に聞いていいか?」

優人は、茉莉にある事を聞こうとした。

「何かしら?」

「俺の何処を好きなんだ? 自分から言うのもなんだけど、地味だし、影薄いし、俺よりカッコイイ男子はいるのに、何で俺なんだ?」

優人は確かに影薄すく、地味な上、クラスではあまり目立たないのだ。
容姿的は多少良くても、優人以上のイケメンはかなりいる。
すると茉莉は―――。

「だから良いじゃない! その影の薄さは、私の魅力を引き立てるし! 容姿もまあまあだし! それになりより、私の言うこと文句言わずに、何でも聞いてくれそうじゃない!」

「・・・・・? あれ? それって単に、尻に敷けそうだからって事?」

「そうよ! そうじゃなかったら、誰がアンタみたいな凡人と付き合う訳無いじゃない! むしろ感謝して欲しいくらいだわ!」

茉莉の本性を知った優人も、これにはショックを受けた。
何もそこまで言う必要は無いじゃないかと。
するとなのはは、無言で茉莉の肩を掴み―――。

「え? な、何よ!?」

「・・・・・少し、頭を冷やそうか?」

後に茉莉は語る。
あの時の高町なのはは、魔王であると―――。




なのはの威圧感+αによって、茉莉は泣きながら逃げていった。
何が起きたかは、詳細を明かせ無いが、その様子を見ていた優人もビビっていた。

「ねぇ優くん」

「はい! なんでしょう!?」

「加藤さんの言っていた事は気にしない方が良いよ。私、優くんの良い所、一杯知っているんだから」

なのはの表情は、先程のような冷たい物では無く、いつものような明るい顔であった。

「・・・・・ありがとうなのは」

優人がそう言うと、なのはは笑顔で返してくれた。
すると優人は、ある提案をした。

「なぁ、これからデートしない?」

「え? わ、私と二人で?」

優人は静かに頷いた。
なのはは少し戸惑ったが、ゆっくりと頷いた。
二人は手を取り合って、街に向かいだしたのだった。



「ねぇすずか? あたし達、完全に忘れらているわよね?」

「アリサちゃんのせいだよ・・・・・」


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何か、微妙な出来になってしまいましたが、せっかくだから投稿する事にしました。
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