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運命戦記リリカルEXTRA.AC改 EPアーチャー編1 、少女との出会い
作者:起源くん   2012/10/12(金) 03:54公開   ID:L0gu7.dO5Yw
アーチャーが目を覚ますと、そこは遥か上空にいた。

「へ? ウオォォォォ!?」

そのまま重力に従い、落下を始めた。
空の上なので、アーチャーになすすべ無く、一軒の家に落下をした。

「くっ、一体何がどうなっているんだ・・・・・・・・・・優人?」

アーチャーそこで気づいた。自分のマスターである衛宮優人がいない事に―――。

(優人がいない!? まさかセラフに・・・・・いや、私がこうして存在しているのだから、彼は生きている筈―――)

アーチャーは再び周囲を見渡すと、車椅子に座っている少女と目があった。

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

しばしの沈黙、アーチャーは少し焦っていた。
空から降ってきた上に、時代錯誤の格好をしているのだから、どう見ても不振人物である。

(不味い・・・・・非常に不味い。どうにかごまかさないと・・・・・・・・・・)

アーチャーが必死に言い訳を考えていると、少女が口を開いた。

「おじさんもしかして、サンタさん?」

「サ、サンタ?」

「あれ? ちゃうの? 赤い格好に白髪やから、てっきりサンタやと・・・・・・・・・・」
「すまないが、私はサンタでは無い。それに、今は三月だ。とっくにクリスマスは過ぎ去っているぞ?」

アーチャーは立て掛けてあったカレンダーを指差した。確かにそこには三月と書かれていた。

「そうやね・・・・・今さらサンタさんが来る筈・・・・・無いんや・・・・・」

少女は落胆してしまった。それを見たアーチャーは、罪悪感を覚えた。

「と、所で親御さんは何処だ? 一応、家を壊してしまった謝罪がしたいのだが?」

「いないんよ・・・・・」

「何?」

「お父さんとお母さん、三ヶ月前に事故で無くなったんよ・・・・・私も、その事故で足を・・・・・」

そう言って、自分の足を擦りながら答えた。
その顔はとても悲しそうな表情をしていた。

「身寄りはいないのか? 親戚とかは?」

「一応いるにはいるんやけど、どうも世界中を飛び回っおるんや。だから家にはおらへん。たまに手紙が来るだけや・・・・・」

「なら君は―――」

「うん・・・・・ずっと一人で住んでいるんや・・・・・」

それを聞いて、アーチャーは怒りを覚えた。
こんな幼い、しかも不自由な体の少女を一人にさせている事に―――。

「・・・・・所で君は、サンタさんに会いたかったみたいだが、何を頼むつもりだったんだ」

「あんな・・・・・一緒に暮らしてくれる家族が欲しいんよ・・・・・もう一人は嫌や・・・・・」

少女はポロポロと涙を流しながら言った。
されを見たアーチャーは、ある決断をする。

「所で、君の名を教えてくれないか?」

「え・・・・・私は、八神はやてや・・・・・」

「じゃあはやて、提案があるのだが、私が君の家族になってあげよう」

「え? ええの?おじさん?」

「ああ、だからもう泣くな。子供は笑顔でいるのが一番だからな」

アーチャーにそう言われ、はやては涙を拭き、笑顔を見せた。

「おじさん、ホンマおおきに!」

「それと、おじさんは止めてくれ、私の事はアーチャーと呼んでくれ」

「ありがと、アーチャー」

こうしてアーチャーとはやては家族になった。
奇しくもその日は、衛宮優人と高町士郎が出会った日でもあった。




その次の日から、アーチャーは行動を開始していた。
家の修復は昨夜こっそり魔術で直したが、慣れない魔術だったので、一晩掛かってしまった。
先ずは最初にやる事は、衣類の調達である。
アーチャーは体が大きい為、はやての父親の服ではサイズが合わなかった。そこで、洋服屋に行く事にした。
アーチャーは赤い外装を外して、その上からロングコートを羽織って街に繰り出した。

「そんで、そこを右に曲がった所が、デパートなんよ」

「記憶力はいいんだな・・・・・」

はやてのナビゲートのおかげで、迷わずデパートに着く事が出来たのであった。
そして洋服屋で、服選びを始める。

「どれがええんやろ・・・・・」

「はやて、先ずは値段で決める物だ」

「そうなんか?」

「ああ、こう見えても倹約は得意なんだ。任せたまえ」

そう言って、アーチャーは次々と安売りをしている服を片っ端から手に取り、それをレジに持っていくと、会計を済ました。

「これだけあれば、しばらくは大丈夫だろう」

「ほなら、次は何処へ行くん?」

「次は食材の調達だな」

そう言って、デパートの地下にあるスーパーマーケットに向かうのであった。
一通り買い物を終えたアーチャー達は、家路に着くのであった。




家に戻ると、アーチャーは直ぐ様買ってきた食材を持ってキッチンに向かった。

「はやて、少し待っていたまえ。今料理を作る」

そう言って、アーチャーは買ってきた赤いエプロン装着し、手際よく料理を作っていき、それらをテーブルに乗せていった。

「わ〜〜凄い豪華やな〜」

「今日は、私達が家族になったお祝いだからな、今回くらいは贅沢しても構わんだろう」

アーチャーがそう言うと、はやての表情は綻びた。
彼女が欲しかった一緒に暮らしてくれる家族が、目の前にいるのだから―――。
食事をしている最中に、はやてはある疑問が浮かんだ。

「なぁ? アーチャーは何をしとる人なんや?」

そう聞くと、アーチャーは一瞬困った顔をしたが、直ぐ様笑顔で答えた。

「そうだな・・・・・私は正義の味方なんだよ」

「正義の味方って・・・・・じゃあアーチャーは今も悪い人と戦ってるん?」

「ふむ・・・・・どうだろうな? 少なくとも、周囲には悪い人間はいなさそうだからな・・・・・今は、困っているはやてを助ける事が、仕事だな」

アーチャーがそう言うと、再びはやての表情が暗くなってしまった。
それを見て、アーチャーは少し慌てた。

「は、はやて!? どうした!? ま、まさか、料理が口に合わなかったとか!?」

アーチャーにとって、久々の料理だったので、多少腕が落ちているのは覚悟の上だったが、まさか口に合わなかと、本気で心配したが、はやては首を横に振った。

「ううん、料理はホンマにおしいんよ。だけど・・・・・・・・・・」

はやてはしばらく口を紡ぎ、そして、話始めた。

「なぁ、もし私が困らなくなったら、一緒に暮らしてくれる家族が出来たら、アーチャーは家を出て行ってしまうん?」

その言葉を聞いて、アーチャーは理解した。
彼女は自分が困らなくなったら、一人じゃなくなったら、アーチャーは出て行ってしまうんじゃないかと、不安になっていたのだ。
それを知ったアーチャーは、笑顔で答えた。

「・・・・・出ていかない。少なくとも、君がちゃんと独り立ち出来るまでは、君の側にいよう」

「独り立ちって・・・・・いつまで?」

「そうだな・・・・・君が成人・・・・・二十歳になるまでだ。それまで、居なくなったりしないと誓おう」

「ホンマに! それなら指切りや!」

そう言って、はやては小さな小指を出し、アーチャーの小指に絡ませる。

「指切りゲンマン♪ 嘘ついたら針千本の〜ます♪ 指切った♪」

はやては嬉しそうに歌い、最後にアーチャーの指を離した。
こうして、家族が出来た二日目の夜は過ぎ去った。




そんな彼らの様子を、不気味に観察している人物がいた。
その人物は、顔をフードで隠しているが、男だと分かる。

「・・・・・・・・・・マスターに報告だ」

そう言って、男は闇に消えた。


―――――――――――


キャラステータス

クラス名 アーチャー

真名 無銘(エミヤ)


使用魔術 古代魔術


得意魔術 投影

ステータス

筋力 D

耐久 D

俊敏 D

魔力 C

幸運 E

スキル

対抗魔力(D)
魔術ランクDまたは魔法ランクBからCまでを無効または軽減する。

単独行動(×)
本来はアーチャーのクラスに付くスキルだが、魂の改竄によって失われている。

魂の改竄(EX-)
マスターの魂と繋がり能力を上げ、一部のスキルを共有することができる。しかし、上げすぎると魂が癒着し離れなくなる。現在は上手く機能していない。

心眼・真(B)
修行、鍛錬で修得した戦術論理。

千里眼(C)
視力の良さ、遠方の標的の捕捉、動体視力の向上

宝具
無限の剣製・改(E+〜A+++)
固有結界を展開し、記録されている投影宝具を全て出すことができる。
通常はワンランクさがるが、展開時は全ての宝具に+が付く。
現在は使用不可能。


衛宮優人がこの世界に来たと同時に、八神はやての家に落ちて来た。
衛宮優人との繋がりが不安定の為、居場所が特定出来ないうえ、能力が大幅に下がっている。
現在は、はやてと共に暮らしながら、優人の居場所を探している。


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■作者からのメッセージ
三万突破! とても嬉しいです。
そして、関西弁がとてつもなく難しい・・・・。
変になるかもしれませんが、ならないように頑張りたいと思います。
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