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学園黙示録Highschool OF THE DEAD ifストーリー 第五話 「平穏な日々」
作者:黒猫のK   2012/10/24(水) 03:12公開   ID:1bcWS7H6AjA
食事を終えた僕たち3人は授業に遅れないよう急いで教室に戻る、途中三年の冴子とは別れ僕と麗は教室の前まで到着した。
「なんとか間に合ったな。」
教室に入ろうとする僕、僕の手を麗が引いた。
「なんだよ?」
「ねぇ孝、今日一緒に帰りたいの。放課後私の部活が終わるまで待っててくれない?」
「別にいいけど…」
「よかった。ありがと♪あ、もう授業始まっちゃうね。」
教室の扉を開け自分の席に向かう麗。麗がかなり真剣にお願いしてきたため思わず反射的に返事をしてしまった。
僕も自分の席に着き、授業が始まる。さーて、放課後は何をして時間をつぶすか?


今日の授業が終わり、放課後になった。
麗が部活に行く前に声をかけてくる。
「私の部活が終わるまでちゃんと待っててね!」
「わかってるよ。」
僕らが話をしていると永も来た。
「おぉ、一緒に帰る約束か?」
「そうだ、たまには永も一緒に3人で帰ろう。」
「悪いな孝、今日は部活仲間と飯を食いに行くんだ。だから2人で仲良く帰ってくれ。」
僕の肩をバシバシと叩いて去って行く永。なんであいつあんなにニヤニヤしてたんだ?
「じゃあ私も部活行ってくるね。」
「おう、頑張ってれよ。」

麗の部活が終わるのを待つ間僕は久しぶりに屋上に行くことにした。
屋上の扉を開けると春の心地よい風と奇妙な歌が聞こえてきた。
「マンダ、マンダ、マンダ、マンダ〜♪」
「おい、森田なんだよその歌?」
「あれ、小室じゃん。どうした珍しいじゃん?」
「ああ、今日一緒に帰る奴がいるからそいつの部活が終わるまで時間をつぶしにきたんだ。」
僕の返事を聞いて森田がいきなり怖い顔をして聞いてくる。
「おい、小室お前まさか彼女と帰るなんて言わないよな。」
「な、違うよ!つうーか顔怖いぞ森田。」
「だよな〜。小室に彼女できたなんて情報入ってないもんな。」
普通の顔に戻る森田。
「麗と一緒に帰るだけだよ。」
ピタリ、動きが止まる森田。ゆっくりと顔こちらに向けながら聞いてくる。
「お、おい小室その麗ってのはまさか宮本麗じゃないよな?」
「いや、同じクラスの宮本麗だぞ。」
「小室ォォォォォ貴様!!うちの学年でトップ3には入るニューフェイス美少女の宮本麗と一緒に下校だと!?この裏切り者がァァァァァ!!」
「お、落ち着けよ森田。」
「これが落ち着いていられるか!そういえばお前宮本さんと妙に仲いいもんな。それはつまりそーゆーことか!」
「どーゆーことだよ。まぁ麗と仲良いのは認めるけど、それに幼なじみだしな。」
「幼なじみだと!?神よどーして小室なんかに…」
「わかった。わかったから落ち着けよ森田。頼むからその振り上げてるギターをおろしてくれ。」
「ちっ、しょうがねーな。貸し一つだぞ。」
「なんでそうなるんだよ。」
「しかし、実際のところどうなんだ?付き合ってるのか?」
「いや、付き合ってはいないよ。」
まぁとても気になる存在ではあるが…
「そうか、それを聞いて少し安心した。しかし、情報を新しく更新しないと…」
そういって森田は懐から一冊の手帳を取り出す。
「何だそれは?」
「これか?これはなオレがバンドを組んだ時にメンバーに入れたい美少女たちをリストアップしたものだ!」
「へぇー面白そうだな。ちょっと見せてくれよ。」
「仕方ない、特別だぞ。よし、まずはオレの大本命…高城沙耶からだ!!」
「高城か…確かにかわいいけどけっこうツンツンしてるとことかあるからな…」
「何を言う!そこがいいんじゃないか。そしてさらに実はグラビア体系なところもグッドだ!オレも三回告白しているが…全て無視されている…」
目頭を押さえて泣き出す森田。とてもじゃないが僕と高城が幼なじみだなんて言えないな…
「よし、気を取り直してお次は…究極の姉系三年毒島冴子先輩だ!」
「なるほどな。確かに納得だ。」
「オレの夢は毒島先輩にTバックに裸エプロンで出迎えてもらうことだ。」
悪いな森田お前の夢は僕がすでに叶えてしまった。冴子の裸エプロンは素晴らしかったな…思い出すだけで下半身が…っていかんいかん。
「あ、そういえば毒島先輩といえば最近気になる情報があるんだよな。」
「どんな情報だ?」
冴子に関する情報?いったいなんだ?
「いや、始業式の日に毒島先輩が二年生にいきなり抱きついたって情報なんだけどな。」
なんだと…
「いや〜二年だろ誰だろうなそのうらやましい奴?写真撮った人がいたみたいなんだけど後ろ姿でいまいちはっきりわかんないんだよな。」
写真まで出回っているのか…
「ほら、これなんだよ。小室も見て見ろよって…んんん!?」
携帯の画面に映る写真と僕を交互に見る森田。
「この写真の男小室に似てないか?そういえばお前始業式の日いなくなったりしてたよな。ま、まさかお前…」
「ま、待て森田!こ、これはだな。」
「貴様宮本さんだけではなく、毒島先輩までも…神の裁きを与えてやる!!」
「ご、誤解だ森田〜」
まぁ本当のことなんだが。
「問答無用。」
ギターを振り回して追いかけてくる森田。その形相は奴らより恐ろしい。
必死に逃げ回る僕。その時麗の槍術部がちょうど練習が終わり、グランドから引き上げていくのが視界に入った。
「悪いな森田。麗の部活が終わったみたいだ。僕はもう帰らないと。」
「逃げるのか?小室!明日覚えてろよ!」
僕は雄叫びをあげる森田を残して屋上を後にした。

靴に履き替え玄関から出ると麗が数人の部活友達と話していた。僕に気づいた麗が手を振ってくる。そんな麗に友達たちが
「お、彼氏のお出ましじゃん麗。」
「いいな〜うらやましいな〜」
などとからかう。
「もう、からかわないでよ!」
と言いながら麗がこちらに駆け寄ってくる。
「お待たせ孝。じゃあ帰ろ。」
歩き出す僕と麗。そんな僕らに麗の友達が
「2人ともお似合いだよ〜」
と声をかけてくる。
僕は恥ずかしくて顔が赤くなるのを感じた。隣の麗を見ると麗の顔も真っ赤だった。
「ね、ねぇ私たちそんなにお似合いのカップルに見えるのかな?」
麗はなんだかご機嫌だ。
「さ、さぁどうだろうな?」
や、ヤバいこれは恥ずかしい。しかし、僕と麗が恋人か…
僕はたしかに麗のことが好きだ。僕が麗が留年したとき麗の気持ちをわかれなかった時麗は永と付き合い僕は一度は麗への思いを忘れようとした。しかし、終わった世界の中で生きていくうちに麗への思いが心のなかでまた大きくなり始めていた。それは、再び奴らが出現する前にいる今も変わることはない。
だか、僕の心のなかには毒島冴子という女の子がいる。僕は麗と同じくらい冴子のことも好きだ。だけどいつまでも、このままというわけにはいかないのだろうな…
「どうしたの孝?」
「いや、なんでもないよ。」
まぁ来るべき時が来たらまた考えればいいだろう。
とりあえず僕は今を生きよう。



僕が送る平穏の日々それが再び壊れるかもしれない日があとわずかに迫ってきていた。

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■作者からのメッセージ
第五話投稿です。最近初めのころよりペース遅れてすみません。
第四話までを呼んでくれた皆さんありがとうございます。たくさんの人に読んでもらえていて嬉しいです。
また、感想をくれた皆さんありがとうございます。やはり感想をもらえると書きがいがあります。とても参考になるのでこれからもドシドシお願いします。
今回の話は原作にもある孝と森田の話を自分なりにアレンジしてみました。
次は今後の話の展開を決める大事な話になると思います。皆さんに喜んでもらえるように頑張りたいですo(^▽^)o
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