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感情喪失のエリート 第三章 ダークサイダー《闇界者》
作者:高峰 南   2024/08/25(日) 17:02公開   ID:8xQ9MWiAZZQ


「お?何だぁここ。俺等のとこから出たことなんか初めてだ。」
亀裂から出てきた、今まで伝説とされていたダークサイダーは、どこか人間ではない、魔力のようなものを感じる謎の生命体だった。
「へぇ。こいつらがチキュージンか。サンプルでも取って帰るか。」
当然、ほとんどの人はパニックを起こし、なぜか体育館に逃げようとしている。
「こいつがダークサイダー...。」
森下先生が呟く。
「先生。コイツの倒し方とか知らないんですか?」
「え?えっと...人間で言う脳みその部分が核で、そこを破壊すればいいっていう話だ。」
周りを見渡し、落ち着きがある人物を探す。ふと美夢の姿が目に入った。ダークサイダーとは違うが、強いエネルギーを感じる。2人なら倒せるかもしれない。
「美夢。なんか刃物持ってる?」
「えっ。持ってないけど...。」
ポケットに入っているサバイバルナイフを取り出し、美夢に投げる。
「これ使って。アイツの脳みそがある部分の、核、破壊するよ。」
「...分かった!」
美夢は結構乗り気なようだった。
「紺崎!水原!やめとけ!死ぬぞ!」
森下先生は、先生として生徒を死なせてはまずいのか、必死で止めようとしてくる。
「やめません。美夢も私も、親への謝罪など必要ありませんから。いくよ。美夢。」
「おい!」
無理矢理森下先生を振り切り、挟み撃ちにするように走っていく。
「何だ?俺に歯向かう気か。じゃあとっとと死ね!」
波動攻撃のようなエネルギー体を飛ばしてくる。避けながら美夢の方を見ると、サバイバルナイフが大きく変化し、短刀のような形になっていた。美夢は感情が高ぶると説明できない力を手にするのか?そもそもあの体積の刀身がこんな大きい体積に変化すること自体が説明できない。
「美夢。思いっきりナイフをアイツの頭狙って振り切って。」
「分かった!」
このダークサイダーがこっちに波動攻撃を仕掛けてくるとき、わずかに爪が光っていた。全く同じではないが、美夢の瞳が青く変色し、同じように光っている。美夢も、今なら波動攻撃を使えるかもしれない。そう思って叫んだのだった。
「なッ!後ろから?間に合わねえ!」
「ハアアァァッ!」
美夢が振り切ると同時に波動が発生し、アイツの頭を斬った。
「ナイス美夢。」
だが、まだ死んではいないようだった。うめきながら亀裂に戻ろうとする。美夢がそれを追っていこうとしたが、それを止める。
「美夢、行ったらだめ。」
「うん。」
「お前ら2人、ちゃんと覚えとくからな...。今度逢ったときは...殺してやる。」
そう言って、ダークサイダーは亀裂の中に戻っていった。そして亀裂は跡形もなく消え去っていた。

「紺崎!水原!大丈夫か!?」
どうやら森下先生は過度な心配性のようだ。
「大丈夫です。何もなっていません。」
「良かった...。」
美夢はと言うと、変形したサバイバルナイフを見つめ、何があった?という顔をしている。
「ごめん。紺崎さん。ナイフ...変形しちゃった。」
「いいよ。それ、あげるから。後で実験室に行こう。ちょっと実験したいことがあるから。」
「え?うん。分かった。...ありがとう。」
そうして私たちは騒々しいグラウンドを後にした。

「あの...使用許可は取ったの?」
「うん。」
そういいながらゴム手袋をはめ、マスクをする。
「この綿棒で、頬の内側を軽く擦って。」
「うん。細胞を見るの?」
「そう。後で私の分も見るけどね。何か細胞が変化していたりしたら、分かることがあるかもしれないから。」
小学生のときにやったように、プレパラートを作り、顕微鏡で細胞を観察する。
特に気になっていたことは美夢が謎のエネルギーを使っていたことだ。別世界とつながったことにより異変が起きている可能性が高い。私に関しては、5分以上全力で走り回っていたのに、全く疲れが出なかった。そして頑張れば空を飛べそうなほどに高くジャンプすることができるようになった。そこも含めて気になる。
「うわっ。染色液入れていないのに核のようなものが見える。」
次は染色液を入れて見てみる。すると、今度は核と核のようなものの2つが見えた。
私の方でも、同じような結果になった。これからいえるのは核のようで核ではないものが美夢と私に何らかの変化を与えたということだ。
「また今度...他の人にもやってもらったら...いいんじゃない?」
「だね。とりあえず、このレポート出してくるから、先に寮に帰ってて。」
「分かった。」
この結果を見て、理科担当の山瀬颯斗先生がなんというか...。不安に思いながらも職員室へ歩き出した。

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■作者からのメッセージ
最初は、優等生の生活を書こうかと思っていましたが、バトル系になっていきそうです。ちなみに、これはクロームブックでやっているので、いつ使えなくなるのか分からず...ま、次作お楽しみに。
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