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あの子に好きって言いたくて! 第4話「恋する想い、隠さなきゃ」
作者:悠一   2024/12/13(金) 22:55公開   ID:FavXYaaTXGM
4月の終わりごろ、僕はいつものように休み時間を過ごしていた。
そんなある日、伊東に声をかけられた。
「おう若林、球技大会が3週間後にあるぞ」
球技大会か。俺は運動が好きじゃないからなぁ…。サボろうかとも考えたが結局は実行しない。なんだかんだ言って、体育祭は好きだったし。
岩田さんと同じチームになれば、少しでも関われるかもしれない。そうなったらいいな、なんてくだらないこと考えて。
「俺以外にも恋愛感情を隠してる人もこの学校には居るんだろうな。」
同じチームになれたらいいな。なんてくだらない願望だ。十中八九叶うわけがない。そもそも、俺は彼女のことを諦めるんだ。「憧れるのをやめましょう」という言葉があるが、僕も岩田さんにあこがれるのをやめる。

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その頃俺―大森智也は電車の中で清原への恋愛感情を想っていた。
(清原さん可愛すぎだろ…あの人眼鏡で可愛さを隠してる気かもしれないし、周りからどう見られてるのか知らないけど、あの人の可愛さを分かってるのはこの学校でたぶん俺だけさ…。)
そんな時、隣の席のお姉さんにぶつかってしまった。
見た感じムチムチでエロいボディ。学生時代からずっとモテてそうだし。
「あっ…ごめんなさい…」
慌てて平謝りしたが、彼女は「いいよ」と許してくれた。痴漢扱いされるのも恐れたが正直ほっとした。
「君名前は?」
エロいお姉さんに名前を聞かれた。
「大森です。大森智也です」
「私は山田葉月。普通の会社員。よろしくね。」
どうも彼女は俺と同様、電車で通勤しているらしい。
「何か悩みあるの?」
そう尋ねられると、「あ、ちょっと…」と言った。
「どんな悩み?」
それ聞くかよ。さすがに初対面の人に恋の悩みは言えねぇよ。
「聴いてあげるから何でも言ってみ〜」
俺は少し悩んでから、同級生の女子に恋をしていることを白状した。
「で、どうしてその子のこと好きなの?」
「あの…からかわないでくださいね。
実は清原さんって人、優しくしてくれた地元の先輩に似てるんです。
僕小学校の頃、ずっと地味な存在でした。いわゆる陰キャですね。そんな僕のことを、家が近所だった先輩はいっつも気にかけてくれてたんですよ。山内先輩って言うんですけどね、優しくて好きでした。山内さんと同じ部活で、いっつも一緒にいた青木さんっていう人もまた美人で、好きでした。
今考えるとこれは初恋だったんでしょうね…」
「へぇ〜。君青春してんじゃん。いいね〜」
正直、自分の気持ちを聞いてもらえてうれしい。山内さんにはずっと優しくしてもらっていたし、恋愛感情もあった。


「で、その子に告白する気はあるの?」
そう山田さんに聞かれると、俺は「いや、告白する気はない。恥ずかしいし、もし清原さんに告白したなんてバレたら、俺の人生は終わる。それは本当に恐ろしい。」と答えた。
最後に山田さんに「誰にも言わないでくださいね」と念を押しておいた。
でもさ、絶対俺以外にもいるはずだよ。あの人のことを好きな男は。涼宮ハルヒの憂鬱でも、長門は人気だったしさ。
そうだ、せめて清原さんと話す時間を作ろう。それぐらいしても罰は当たらないだろう。
その翌日、さっそく僕は清原さんと話すことを決めた。
「あの…清原さん…」
「大森くんだっけ…どうしたの?」
ダメだ…緊張する…やっぱり緊張するよ。好きな子と話すのは。でも今更引くに引けない。
「清原さんってさ…学校楽しい…?」
何とか話せた…。
「うん、楽しいよ。大森くんは?」
「俺も。」
やっぱり好きな人と話すのは緊張するよ…。

俺は今日の学校帰りも悩んでいた。そしてまた、山田さんに話しかけられた。
(肩ポンポン)
「今日も恋してるかい大森くん。」
「あ、山田さん…昨日会ったばかりだけど…っていうか毎日会ってる気がすする…」
「で、今日は好きな子と話せた?」
「え、まぁ…でも好きな子と話すのはやっぱり緊張するんですよ…」
そう話した後、僕は山田さんに「やっぱり好きな人と話すのは緊張するよね…」と言われた。続けて
「でもさ、あんまり緊張してるのを面に出すとさ、恋愛感情がバレるかもしれないよ。本人にバレるんならまだしも、他の人にバレたら…」
俺は正直それが一番怖い。
僕は山田さんと奇遇にも同じ駅で降りた。
「じゃ、また明日。恋の話聞かせてくれよ」
俺の話を楽しみにしてくれるなんて…。でも正直、僕は山田さんが「人生の師匠」になる気がする。なんかそんな気がしてならない。
恋愛って、いいもんだよな。


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