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Fate/ZERO―イレギュラーズ―
プロローグ:英霊召喚
(Fate/ZERO×銀魂×境界線上のホライゾン×神咒神威神楽×灼眼のシャナ×11eyes×戦国BASARA×龍が如く×ジョジョの奇妙な冒険×装甲悪鬼村正×Dies irae)
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1940年代某日、第二次世界大戦の最中に、日本の小さな都市で繰り広げられた三度目の戦争が終わりを迎えようとしていた。
聖杯戦争―――あらゆる願いを叶う<聖杯>が選抜した七人の魔術師と、魔術師たちによって召喚された7体の英霊<サーヴァント>が死闘をもって、聖杯を勝ち取る闘争。

「戦争? 斯様な児戯を戦争と呼ぶなど、愚かの極みよ」

第三次聖杯戦争の顛末を見届けた男は、呆れるように、侮蔑するように呟いた。
戦とは、これまで積んだ事の帰結―――戦争に至る過程に何をしたかによって勝敗は決する。
故に、男にとって、血を血で洗う魔術師達の戦争でさえ、力比べ程度のごっこ遊びもいいところだった。
だから、男には、三度目も失敗に終わるという結末はわかり切った答えだった。

「器を失った今、この児戯につきあう道理などない。そうであろう? 」

そう問いかける男の背後には、この聖杯戦争に参加した者たち―――旧日本軍から派遣された部隊の隊員達が立っていた。
隊員達は、男の問いかけには答えなかったものの、どの目にも執念の炎がぎらついていた。

「理を弁えぬ夢想家どもには、夢を見させておけ。我らが狙うは、六十年後…その為の用意をせよ」

聖杯という怪しげな代物まで使って勝とうとした第二次世界大戦も、兵站の破綻による自滅によって、日本の敗北という結果に終わるだろう。
なればこそ、勝利を信じる夢想家であるより、堅実的な敗北者として―――今から、次の聖敗戦争にむけての下準備を始めるのだ。
ありとあらゆるところに根を張り巡らせ、第四次を万全の体勢で挑むために、男は、隊員達を引き連れて、その場を後にした。

「全ては我の策の内よ」

男は、鋭く冷たい氷のような刃の瞳で、60年先を見据えながら、呟いた。



Fate/ZERO−イレギュラーズ―



時は過ぎて、六十年後、日本から遠く離れた異国の山奥にあるとある城。
ここで、今まさに聖杯戦争に参加せんとする衛宮切嗣と、切嗣の妻であるアイリスフィール・フォン・アインツベルンによって、聖杯戦争に向けてのとある儀式が行われようとしていた。
聖杯戦争において魔術師達の手駒となる英霊―――サーヴァントの召喚である。

「こんな単純な儀式で構わないの? 」
「ああ。サーヴァントの降霊には、それほど大掛かりなものは必要ないんだ。さぁ、これで準備は整った…」

書き終えた魔方陣を見ながら、アイリスフィールは、夫である切嗣に尋ねた。
切嗣は、歪みや斑がないかを念入りにチェックしながら、アイリスフィールに説明をした。
そして、チェックを終えた切嗣は、頷いて立ち上がると、祭壇に縁の聖遺物―――かの騎士王のものとされる二つの品を設置した。

「しかし…ご老体は、何を考えて、こんな物を…」
「何か騎士王に縁のある聖遺物だと言っていたけど…ねぇ? 」

とはいえ、切嗣にしてみれば、騎士王に縁のあるという二つの聖遺物は、眉つばもいいところだった。
最初に、切嗣がアハト翁に手渡された物を確認した時は、思わず首をかしげた程だった。
それは、アイリスフィールも同じだったらしく、不安そうに二つの聖遺物を見つめた。

「木刀と鎧の一部…どう考えたって、おかしいのだけど…まぁいいか…考えても仕方のないことだし」

今一つ信憑性に欠ける代物ではあったが、アハト翁から手渡されたモノ―――恐らく、何か事情があってのことであろう。
結局、そう結論付けた切嗣は、そのまま、サーヴァント召喚の儀式を続けることにした。

「おじいさまーこれ、なに〜? 」
「ああ…パソコンとかいう切嗣の妙なからくり押したら、何か届いた品だったかのう…」

切嗣に渡されるはずだった騎士王の鞘が入った箱を持った、切嗣の娘であるイリヤスフィールと、うっかりネット販売で購入した怪しげな品を渡してしまったアハト翁がそんな会話をしていたことを知る由もなく。

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