■一覧に戻る
■ページ指定
■別話を閲覧する
■感想を見る・書く
Fate/ZERO―イレギュラーズ―
第1話:戦争前夜
(Fate/ZERO×銀魂×境界線上のホライゾン×神咒神威神楽×灼眼のシャナ×11eyes×戦国BASARA×龍が如く×ジョジョの奇妙な冒険×装甲悪鬼村正×Dies irae)
  [→]  【PAGE 1/8】
「いや、さぁ…これ、思いっきり場違いだと思うんだけどね」

白髪天然パーマの男―――坂田銀時は、ため息をつきながら、愚痴をこぼした。
たまたま、今週号のジャンプを買いに出かけた銀時は、その帰り道、バナナの皮に足を滑らせて、川に転落―――気がついた時には、見知らぬ場所に―――アインツベルン城にいた。
恐らく、銀時は、召喚に用いた聖遺物の影響で、聖杯戦争に参加する深紅の色をした蜘蛛型ロボット:セイバーの仕手として呼ばれた―――アイリスフィールから説明を受けた銀時は、予想外の事態に頭を抱えるしかなかった。
その後、しばらく城の中で退屈そうに過ごしていた銀時であったが、切嗣らが日本へ行く前日、アインツベルンの当主からの呼び出しを受け、切嗣らと共に銀時もアインツベルン城にある礼拝堂に赴いた。
そこには、この城の主であるユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン―――通称:アハト翁が、侍女であるホムンクルスを従えて、待ち受けていた。

「魔術師殺し:衛宮切嗣よ。よくぞ、期待通りのサーヴァントを召還してくれた。後は、分かっておるな」
「はっ…十分に心得ております」
「すみませーん。すげぇ面倒くさいんですけど」

アハト翁は、一応、形だけの賛辞を切嗣に送ると、いつものように強烈な眼光で切嗣を見据えた。
妄執ともいえるアハト翁のプレッシャーに辟易しつつも、切嗣は、固く無表情を装ったまま、深々と頭を垂れた。
空気を読まずに、銀時は、鼻をほじくりながら、本当にめんどくさそうに愚痴を言った。

「アイリスフィールよ、器の状態は? 」
「何の問題もありません。冬木の地でも機能するものと思われます」
「問題ありまくりだから。ていうか、あんたら、さっきから俺のこと、無視してねぇか? 」

だが、何時もの様に、アハト翁は、銀時の事を無視しつつ、アイリスフィールの方に視線をうつした。
今回の聖杯戦争において、聖杯を完成させるために必要な『器』を預かる役を任せられているアイリスフィールは、よどみなく返答した。
それに対する銀時は、無視されたことに苛立ちながら、ワザとシカトをしているのか睨みをきかした。

「うむ…今度ばかりは、ただの一人も漏らすな。六のサーヴァントを狩り尽くし…第三魔法<ヘブンズフィール>を成就せよ!! 」
「「御意に」」
「…」

だが、アハト翁は、またもや、銀時の言葉を無視して、呪詛めいた激情を込めた勅命―――聖杯戦争に勝利し、アインツベルンの悲願である第三魔法の成就を、切嗣達に命じた。
切嗣とアイリスフィールは、声をそろえて返答した瞬間、銀時は無言のまま、おもむろにアハト翁のところまで、近づくと―――

「おい、爺よぉ。何、人の言葉無視して、色々と勝手に決めってんだ、このやろー」
「いだだだっ!! ちょ、髭、髭!! その引っこ抜けるか抜けないかの力加減で、わしの髭を引っ張るのはよせぇえええ!! おい、早くこいつをなんとかせんか!! 」
「いい加減うっとおしいから、抜いちまえよ、その髭」
「メイド、てめえええええええええ!! 」

―――アハト翁の髭を思いっきりつかみ上げながら、だるそうに言った。
これには、さすがのアハト翁も無視などできるはずもなく、銀時に髭を掴まれたまま、痛そうな悲鳴を上げながら、もがいた。
アハト翁は隣にいた侍女は助けを求めるが、侍女はアハト翁を助けるどころか、一瞥しただけでどうでもよさそうに言うだけだった。

「ちょっと、駄目よ、銀時!! いくらお爺様が、近くにいる人の声が聞こえないほど呆けてきたといっても、老人虐待はよくないわ!! 」
「おいいいいいい!! 今まで、そう思ってたのか!? なんじゃ、わしは、まだ、ぼけ、いでええええええ!! 」

これには、アイリも慌てて、最近になってお爺様呆けてきたんだなぁという事をバラしながら、銀時を止めようとした。

  [→]  【PAGE 1/8】

■感想を見る・書く
■別話を閲覧する
■ページ指定
■一覧に戻る