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Fate/ZERO―イレギュラーズ―
第2話:聖杯戦争、開幕
(Fate/ZERO×銀魂×境界線上のホライゾン×神咒神威神楽×灼眼のシャナ×11eyes×戦国BASARA×龍が如く×ジョジョの奇妙な冒険×装甲悪鬼村正×Dies irae)
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「ふむ、そうか…アインツベルンも、冬木市に到着したか」
『はい。アサシンからの報告によれば、アインツベルンのマスターは、サーヴァントと共に、冬木市の市街地にいるとの事です』

綺礼からの報告を受け取った時臣は、今後の計画について、しばし考え込んだ。
本来なら、綺礼の召喚したアサシンに、他のマスターやサーヴァントの情報を収集させる手はずであった。
しかし、綺礼の呼び出したアサシンは、とある方法で敵の位置を予言する宝具を除けば、ステータスや気配遮断スキルが低く、お世辞にも戦闘どころか、諜報活動にさえ役に立つとは思えないサーヴァントだった。
一応、敵の位置さえわかるならば、情報を収集できる術を、時臣のサーヴァント―――アーチャーが持っていた事は幸いだった。

「…分かった。では、アサシンには引き続き、他のマスター達の居場所を探ってもらいたい。こちらも、増援を出そう」
『了解しました』

ひとまず、考えをまとめた時臣は、綺礼に指示を出した後、やれやれと席を立った。
とここで、時臣は、砕け散った化石を目にとめると、思わず深くため息をついた。

「ふぅ…まさか、これほど計画が狂うとは…」

まさか、自分の娘に出鼻を挫かれるとは、時臣は考えもしていなかった。
仕方なく、時臣は、璃正神父が代わりに用意した聖遺物で、アーチャーを召喚することができた。
だが、時臣にとって、ここでも誤算が生じることになった。
呼び出された少年―――アーチャーと少女型自動人形ことホライゾン・アリアダストは、一人と一体で、一体のサーヴァントという変則的なサーヴァントだった。
両者共にステータスこそ低いものの、ホライゾンは強力な対城宝具を所持していた。
また、アーチャーも戦闘支援という意味では強力な宝具を有していた。
だが、それを帳消ししてしまうほどの弱点を、アーチャーは抱えていたのだ。

「悲しみの感情を得た瞬間に消滅する―――これほど、扱いづらいサーヴァントを選んでしまうとは…」

悲しくなれば、消滅する―――強力な宝具を使用する為に、アーチャーに課せられた代償だった。
そして、時臣にとっても、アーチャーに課せられた代償はデメリットが大きかった。
苦渋の決断だったが、時臣は、当初の計画を大幅に変更せざるを得なかった。
しかし、時臣も、ただ、それを嘆くだけの男でもなく、即座に、アーチャーの持つ別の宝具を活用することで、時臣は新たな計画を作り上げたのだ。
常に余裕を持って優雅たれ―――遠坂家の家訓に忠実であり続けた時臣だからこそ、為し得た事だった。

「ふっ…そう、遠坂家の家訓を担う者として…」
「あっ、トッキーじゃん。どうしたんだよ? 」
「少しばかり相談があるのだが…その前に、アーチャー、何をしているのかね? 」

自身の矜持を再確認し、気を持ち直した時臣は、アーチャーのいる部屋に入った瞬間、思わず固まった。
そこには、いつも笑顔で時臣に軽い調子で返事をしながら、エロゲーをプレイしているアーチャー(全裸)がいた。
まぁ、全裸については、何時も通りなので、あえて突っ込まない時臣であったが、どうしても聞かねばならない事があった。
時臣は、そのディスプレイに映る画像―――時臣の妻である遠坂葵によく似たキャラを指差した。

「ん、いや…これから、聖杯戦争始まるまで、奥さんと娘さんと離れ離れじゃん。だから、トッキーが寂しいといけないと思ってよ。奥さんをモデルに自作のエロゲーを徹夜で作ったんだぜ。今、試しプレイしているんだけど、結構いい出来だぜvこれで、独りの夜には、役立ててくれよ」
「アーチャー…」
「ん、どうしたんだよ、トッキー? 」

次の瞬間。
たまたま、遠坂邸を通りがかったとある女子高生は、二階の壁を突き破って、全裸が外に投げ出されるのを目撃した。


第2話<聖杯戦争、開幕>

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