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Fate/ZERO―イレギュラーズ―
第4話:拳の語り合いと魔術師の余興
(Fate/ZERO×銀魂×境界線上のホライゾン×神咒神威神楽×灼眼のシャナ×11eyes×戦国BASARA×龍が如く×ジョジョの奇妙な冒険×装甲悪鬼村正×Dies irae)
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「まずいな…双方ともに本気を出すつもりのようだ。これでは、どちらかが脱落しかねない」
「え、でも、それって、好都合なんじゃないか…奴らが潰し合うのを待つ作戦じゃ…」

冬木大橋のアーチの上から、倉庫街の戦いを見ていたライダーは、焦るような声で呟いた。
初めて見せるライダーの焦りに、ウェイバーは訳もわからず、ライダーの狙いを問いただした。

「いや、古今東西の英雄達と会う機会など滅多にない。だから、わしとしては、一人でも多くの者と絆を結びたくて、ランサーの挑発に乗ったサーヴァント達を待っていただけなのだが…」
「へ…? 」

それに対し、ライダーは笑いながら、ランサーの誘いに乗らなかった理由をあっさりと告げた。
つまり、ライダーは、他のサーヴァントと、絆とやらを多く結びたいから、ランサーの誘いに乗らず、待っていただけなのだ。
その事に知ったウェイバーは、間の抜けた返事をしながら、ライダーの無謀とも言えるような楽天振りに唖然とするしかなかった。

「セイバーとランサー、互いに、こちらの胸を熱くさせてくれるような者たちだ。絆を結べぬまま、このまま死なせるのは、あまりに惜しい」
「死なさなくて、どうするのさ!! 聖杯戦争は殺し合って、え、ちょっと!? 」

そんなウェイバーに、いつもと変わらない笑顔を見せたライダーは、未だ激闘を繰り広げるセイバーとランサーを見ながら、立ち上がった。
半ばヒステリー混じりで糾すウェイバーであったが、忠勝の背中から噴射口が飛び出しくるのを見て、遮られた。

「そうとなれば、見物はここまでだ。わしらも参ずるぞ、ますたぁ、忠勝!! 」
「…!! 」

そして、ライダーは、ウェイバーと忠勝にセイバーとライダーの戦いを止める事を告げると、助走をつけないまま、冬木大橋のアーチから勢いよく飛び出した。
そして、すぐさま、ウェイバーを掴んだ忠勝もライダーの後を追うように、背中から青白い炎を噴出させながら、空へと駆けようとしていた。

「馬鹿、馬鹿、馬鹿ぁ!! お前、やっている事が出―――本田忠勝、出陣だ!!―――ぎゃあああああああああああああああああああ!! 」

もはや出鱈目としか言いようのないライダーの行動を非難するウェイバーであったが、ライダーの呼びかけと同時に、その声は夜空に響き渡る悲鳴へと変わった。
そして、空を飛ぶ忠勝の背中に着地したライダーは、すぐさま、倉庫街へと向かって行った。


第4話:拳の語り合いと魔術師の余興


斬り捨てた騎士達の身体から巻き上がる火の粉を背に、炎の馬にまたがる紅蓮の槍兵に迫る深紅の鎧武者。
騎士達を屠った太刀から銀時の木刀に持ち替えたセイバーと戦斧を手にしたランサーは、幾度目かもしれぬ打ち合いを続けていた。
数の利で言えばランサーが有利であったが、サーヴァントの戦闘能力はセイバーが上―――勝負は再び、拮抗状態へと陥っていた。

「うぉらぁ!! 」
「この…っ!!」

と次の瞬間、互いの武器がぶつかり合い、鋭い轟音が響き渡ると同時に、セイバーとランサーの鍔迫り合いとなった。
セイバーの力に、ジリジリと押され始めるランサーであったが、即座に背後に展開した弓兵達によって矢が放たれた。

「やばっ!! 」
「―――っ!! 」

このまま身動きの取れないセイバーに向かって放たれた矢に、セイバーは即座にライダーを蹴飛ばした。
そして、セイバーは、幾つかの矢を斬り払いながら、空へと飛んで行った。

『ランサー!! 大丈夫か!? 』
「ええ、何とか。でも、本当に変わった英霊がいたものね」

セイバーの蹴りを受けたランサーに、ランサーのマスターは声を張り上げると同時に、治癒魔術を使った。
治癒の効果で回復したランサーは、治癒してくれたマスターに軽く礼を言いながら、空を舞うセイバーに目を向けた。
何かと変わり種のサーヴァントであるが、並のサーヴァントとほぼ同格の<騎士団(ナイツ)>の兵士たちを次々と斬り捨てるセイバーの力は、間違いなく本物だった。

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