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Fate/ZERO―イレギュラーズ―
第5話:無量大数の狂戦士
(Fate/ZERO×銀魂×境界線上のホライゾン×神咒神威神楽×灼眼のシャナ×11eyes×戦国BASARA×龍が如く×ジョジョの奇妙な冒険×装甲悪鬼村正×Dies irae)
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―――冬木市某所
冬木の地のセカンドオーナーである遠坂家すら、その存在を知らない―――モニタールームにて、モニターを見る責任者らしき青年と送られてくる情報を処理していくスタッフ達の姿があった。
そこには、冬木市中に仕掛けられた隠しカメラから送られてくる映像が、壁一面を覆い尽くすほどの無数のモニターに映し出されていた。
もちろん、その中には、倉庫街で戦う銀時らの姿を映すモニターもあった。

「…随分と、ややこしい事になってきたな」
「どうかしたのか? 」
「は、はい!! 」

そんな最中、情報を処理していたスタッフの一人が険しい顔をしながら、徐に呟いた。
これを聞き逃さなかった青年は、ポツリと呟いたスタッフに、刃物のような鋭い視線を向けた。
スタッフの一人は怯えるように身体を委縮させたが、すぐさま、青年に倉庫街での出来事についての報告をした。

「…キャスターの背後に現れた謎の全裸が、キャスターの頭の上に―――」
「それ以上言わずとも良い…むしろ、聞くに堪えぬわ」

もっとも、全裸―――アーチャーに関する事柄だと分かった瞬間、青年は、スタッフが言いきる前に言葉を遮った。
ここ数日間、モニターに映る画像には、何か騒動がある度に、アーチャーこと全裸が映っていた。
勿論、大半は全裸の姿だったが…
もはや、聞く価値すらないとした青年であったが、その背後に、六十年前からの協力者である老人が現れた。

「かかかか…これは、また、予想外の展開になったものじゃのう」
「ふん…貴様か」

老人はモニターに映る映像を見て、愉快そうに笑った。
それに対し、青年は一瞥しただけで、老人を無視するかのように、すぐさま映像を見続けた。

「そう厄介者扱いするでないわ。わしらは、六十年来の同士であろうが」
「そうであったな…我に特別思う事などないがな。それに、かような些事など、我が計画に毛ほどの影響も…」

老人は、青年の態度に言葉では非難していたが、キチキチと蟲の蠢くような音―――この老人特有の忍び笑いをしていた。
それを知っているのか、老人の非難を聞き流した青年は、全裸の行動など、自分の計画にとって障害ですらないと言いかけた。

「た、大変です、―――様!! 」
「…どうした、手短に話せ」

その直後、モニターを監視していたスタッフの一人が声を張り上げて、青年の名を呼んだ。
スタッフの慌てぶりに怪訝な顔をする青年であったが、次の瞬間、その眼は驚きに見開くこととなった。

「マスターと共に、バーサーカーが、セイバー達のいる倉庫街に近づいています!! 」
「何…!? 」
「あやつめ…!! どうする? このままでは、計画に支障が出るぞ? 」

そのスタッフが大型モニターに出した映像には、バーサーカーとそのマスターである間桐桜の姿が映し出されていた。
予期していなかったバーサーカーの登場に、青年も老人も驚きを隠せなかった。
もし、このバーサーカーが倉庫街での戦闘に参加すれば、聖杯戦争の決着がすぐにつくだろう。
それだけは何としても阻止しなければならない―――焦る老人に対し、青年はすぐさま手を打った。

「…ならば、駒を使うまでよ」

青年は受話器を取ると、自身の駒である人物へと早急に連絡を入れた。



第5話:無量大数の狂戦士



その頃、未だショックの抜けきれない一同を尻目に、キャスターは全裸の首を掴みながら、ガクガクと揺らしていた。
もはや先程の余裕などまったく感じないほど、キャスターは動揺しまくっていた。

「ひ、人の頭の上に何をするかぁ―――!! 」
「え〜」

泣き眼になりながら喚くキャスターだったが、いくらバビロンの大淫婦と称されていたとはいえ、いきなり頭の上にナニを乗せられたのだから無理もなかった。
だが、全裸はわざとらしいくらい不満そうな声をあげながら、小指を鼻につっこみながら、キャスターを下から見上げた。

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