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Fate/ZERO―イレギュラーズ―
第6話:撤退者達の誓い
(Fate/ZERO×銀魂×境界線上のホライゾン×神咒神威神楽×灼眼のシャナ×11eyes×戦国BASARA×龍が如く×ジョジョの奇妙な冒険×装甲悪鬼村正×Dies irae)
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倉庫街で、バーサーカーが次々と塵を潰していた頃、使い魔の視覚を通して、状況を見ていた一人の男―――間桐雁夜は毒づいていた。

「くそっ…!! バーサーカーの奴…派手にやりやがって!! 」

召喚された時から、雁夜もバーサーカーが強力なサーヴァントである事は分かっていたつもりだった。
だが、雁夜は、次々と敵対するサーヴァントを屠るバーサーカーの圧倒的な力を目の当たりにして、改めて気付かされた。
―――こいつだけは、召喚してはならないサーヴァントだという事を。

「俺は、お前みたいな塵の糞なんざ要らない。俺が穢れる」

桜に叶えるべき願いを言ったバーサーカーは、魔力供給を試みよとする桜に対して、そう告げた。
現世に現界する為に必要な魔力の供給を拒むバーサーカーに、雁夜は不思議に思った。
しかし、マスターである桜から教えられたバーサーカーのステータスを聞いた瞬間、その疑念は一気に吹き飛んだ。

「ああ…確かに、規格外だろうな…一切の魔力供給を必要としないバーサーカーなんて…!! 」

バーサーカーが、魔力供給を必要としない理由は二つ―――無量大数という桁違いの貯蔵魔力と、もうひとつ、バーサーカーの固有スキル<自己愛の理:EX>だった。
この固有スキルは、バーサーカーの持つ神域すら超越した常軌を逸する唯我の渇望から生じたもので、狂化による理性の消失を防ぎ、<単独行動:EX>がスキルとして追加されるのだ。
歴代のバーサーカーは、いずれも魔力供給の枯渇による自滅で敗退している。
だが、このバーサーカーに限って言えば、それは絶対にあり得ない事なのだ。

「バーサーカーは最強だ…この第四次聖杯戦争の、いや、歴代聖杯戦争のサーヴァントの誰よりも…」

誰ともなく呟いた雁夜の言葉は、ただの過大評価ではなかった。
事実、バーサーカーの蹂躙を見ていた者ならば、誰もがそう思っていた。
だが、雁夜にとって、それはどうしようもない絶望と同意義だった。

「頼む…だれか、バーサーカーを倒してくれ…桜ちゃんを助けてくれ…」

涙を流しながら、神に祈るかのように蹲る雁夜の嗚咽が、下水道の中に空しく響いた。


第6話:撤退者達の誓い


「さぁて…とんだ化け物が出来てきたわけだが…どうする? 銀さんとしちゃ、このまま逃げたいところなんだけど」
「そうね…あいつが、そんな事を許すとは思えないけど」

顔をひきつらせた銀時は、桁違いの強さを誇るバーサーカーに、冷や汗を垂れ流した。
もはや、逃げたいところだったが、セイバーの言う通りで、あのバーサーカーから逃げる事は極めて困難だった。
もはや万事休すとなった状況に追い詰められた銀時達に対し、ミトツダイラ達を倒したバーサーカーは無表情で呟いた。

「こいつらも…あの掃き溜めと同じで、自分以外が壊れると泣き始めるのか」

さっきからこいつら、何やら訳の分らぬ事を囀りながら、湧き出てきた。
何がしたいのか、これっぽっちも理解できないが、バーサーカーは、唯一つ、こいつらがあの掃き溜めどもと同類だという事は理解できた。

「先に周りの奴から壊してやるよ」
「トーリ様…!! 」

だから、バーサーカーは、この塵どもは他人が壊れると泣き出すなら、まずは余分なものから壊すことにした。
そうすれば、勝手に泣いて、勝手に動きが雑になって、綺麗に削れて踏みならせるだろう。
そう思ったバーサーカーは、とりあえず、あそこで動かなくなった塵―――アーチャーを踏みつぶそうと、アーチャーのところに近づき始めた。
アーチャーに近づこうとするバーサーカーが、何をするのか察したホライゾンが駆けつけようとした。
だが、ホライゾンが駆けよる前にバーサーカーは、アーチャーを踏みつぶそうとして―――

「あぁ? 」
「と、トーリ君を、こ、殺さないで…!! すきな人なの…!! ほ、ホライゾンがすきな人なの…!! お願い…!! 」

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