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Fate/ZERO―イレギュラーズ―
第7話:魔術師達の暗躍
(Fate/ZERO×銀魂×境界線上のホライゾン×神咒神威神楽×灼眼のシャナ×11eyes×戦国BASARA×龍が如く×ジョジョの奇妙な冒険×装甲悪鬼村正×Dies irae)
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暴走するバーサーカーによって、倉庫街が更地と化していた頃、その光景を見届ける二人組―――双眼鏡を持った、赤いコートを着た男と顔隠すようにフードを深く被った少女がいた。

「派手にやりやがったな…あのバーサーカー…駆けつけてきた警官まで皆殺しかよ」
「…」

赤いコートを着た男は、荒れ狂うバーサーカーが警官達を惨殺していく様を見ながら呟くも、フードを被った少女は、終始無言のままだった。
一応、雇い主から話は聞いていたが、赤いコートを着た男は、改めてサーヴァントの凄まじさを目の当たりにして、背筋を凍りつかせていた。
とここで、赤いコートを着た男の携帯電話に、雇い主からの電話がかかってきた。

『片は付いたか? 』
「…ああ、今、終わったところさ。サーヴァント達は全員逃げきったようだぜ。あんたが呼び出した警察の連中は、バーサーカーに皆殺しにされちまったよ」

まるで、雑務を終えたのを確認するかのような雇い主の言葉に、何か癇に障った赤いコートを着た男は皮肉を付けくわえつつ、報告した。
少しは、こっちの苦労も知りやがれ―――そう思いながら、電話越しの雇い主が、どのような反応をするのか期待していた赤いコートを着た男だったが、雇い主の返事は極めて簡潔なモノだった。

『そうか』
「それだけかよ…あんたが死地に行かせたようなもんじゃ…」
『駒がいくら壊れようと…まして、他人の駒が壊れた程度で騒ぐ必要がどこにある』

まるで警官達が皆殺しになるのを知っていたかのような雇い主の口ぶりに、戸惑う赤いコートを着た男だったが、雇い主は、冷徹さの塊のような言葉ともに電話を切った。
赤いコートを着た男は、雇い主の異常さを、改めて気付かされた。
恐らく、雇い主にとっては、自分達を含めた全ての人間が駒なのだろう。
だから、感情に流されることもなく、駒を捨てる時は容赦なく捨てる事が出来るのだ。
例え、それが、雇い主の右腕と称される直属の部下―――ここから銀時達のいた場所に発煙筒を投げ込んだ、フードを被った少女だったとしても、例外ではないだろう。

「…ふぅ、ほんと怖い雇い主だぜ。それじゃあ、お嬢ちゃん、さっさととんずらしようぜ? 」
「ええ、そうね…次の仕事が入ってきたしね、ルーキー」
「その呼び名は止めてくれ…隊長」

肩をすくめながら、赤いコートを着た男は、肉眼で倉庫街の様子を窺っていた、フードを被った少女を促した。
もっとも、お嬢ちゃん呼ばわりされたのが気に入らなかったのか、フードを被った少女は、最近になって神室町で雇われた元ヤクザ―――赤いコートを着た男に付けたあだ名を口にしながら頷いた。
赤いコートを着た男は苦笑いしながら、フードを被った少女と共にこの場を去って行った。



第7話:魔術師達の暗躍



冬木市ハイアットホテル最上階の一室にて、ケイネスは据え付けのワイドテレビにて、緊急ニュースを見ていた。
興奮をあらわにするレポーターは、冬木市湾岸地区の倉庫街にて原因不明の爆発が発生し、それに駆けつけた警官達も何者かの襲撃を受け、全滅した事を報じていた。
まさか、それが、たった一人の少年―――バーサーカーによってなされたことなど知る由もなく。

「なるほど…聖堂教会の手際も中々ということか…」

事の真相を知るケイネスは、監督役などと息巻く聖堂教会の隠蔽工作に感心しながらも、不本意極まりない結果に不満を抱かずにはいられなかった。
万全を期して挑んだ初陣は、望んだ成果とは程遠いモノだった。
バーサーカーという桁外れの怪物やキャスターのような最強の魔術師ならば、まだ分からないわけでもない。
だが、あの異形のゴーレムとそれを従える天パ―――セイバーと銀時に関しては、手心を加えられたにも拘らず、ランサーは仕留める事が出来なかったのだ。
これまで失敗や挫折を経験した事のないケイネスにとって、自分の目論見が外れるなど、言語道断だった。

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