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正義の紅い魔王
プロローグ
(カンピオーネ!×Fate)
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実際、女性やギルガメッシュと話している今も――ギルガメッシュから、大量の魔力が流れて来ている。
「まぁ、そう言う訳でね。貴方には、【魔王《カンピオーネ》】になって貰うしかないの。でも安心して、私達の世界では――【魔王《カンピオーネ》】の持つ力は物凄く大きいの、貴方達の身を守る事や理想の為にも役に立つはずよ」
「つまり。俺が【魔王《カンピオーネ》】にならなければ、これからの世界には居られないと」
「正確には、一寸違うけど。概ね、その通りよ」
女性がそこまで話すと、ギルガメッシュが
「ふん。如何やら、我の権能《ちから》が行き渡った様だな。雑種、我との話は此処までだ。我が顕現するまで、決してその命を他の者に譲るではないぞ!」
と言って来た。
「そう、もう時間ね。それじゃ、また会いましょ――八人目の【魔王《カンピオーネ》】」
その言葉と同時に、意識は薄れ、現実の感覚が曖昧となって行く。
――◆◇◆――
「し……う……、……ろ……う! 士郎! 目、覚ましなさい!」
「う……うぅ……。凛……、如何した」
「良かった、目が覚めたのね。それより、士郎。自分の体に異常が無いか、調べて見て」
「ああ、了解した……凛。解析 開始《トレース・オン》」
――――魔術回路二十七本、正常稼働。
――――魔力量、正常。
――――身体年齢、推定十七歳。
――――身体能力、正常。
――――【全ては遠き理想郷《アヴァロン》】、正常稼働。
――――ギルガメッシュより算奪した権能【一定時間の巻き戻し】、使用可能。
「……は?」
俺はもう一度、自身に解析の魔術を掛ける。
しかし、結果は同じだった。
「……驚いた、士郎。何故か分からないけど、私達若返ってるわ」
「いや、凛。俺が驚いているのは、そうじゃなくて……」
「士郎には他にも異変が在るの」
凛が難しい顔を作る。
「いや。そのな、なんと言うか……。怒るなよ、凛」
「何よ、ハッキリ言わないと分からないじゃない」
「俺自身の異変には、何となく……心当たりが在るんだが。俺の権能の中に、時間の巻き戻しと言う能力が追加された」
「は? 如何言うことよ。ちゃんと説明しなさいよ」
そこで俺は先程まで居た、不思議な空間での出来事を説明した。
「つまり、士郎は……この世界で八人しかいない【魔王】。えっと、カンピオーネになったと……」
「ああ、そう言う事になる」
「それで士郎の体に起こった、若返り以外はカンピオーネになった際に得たモノだと」
凛の言葉に無言で頷きを返す。
そして、一頻り叫んだ後
「もう、いいわ。何か、考えるのが馬鹿らしくなったわ」
と、言葉を続けた。
「取り敢えず、あの女性の言葉が正しければ――俺達は、この世界で追われる事は無いと思う」
「ええ、そうでしょうね。サーヴァント並かも知れない相手が顕現して来ているんじゃ、それこそサーヴァント並の強さを持つ人しか相手にならないでしょうからね」
この後も、話し合いを続け。結果、この世界の裏の組織と連絡を取る事にした。
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作者:
愚か者
(ID:********)
投稿日:2012/07/24(火) 21:14
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