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マブラヴオルタネイティブ-フォーアンサー
【第弐拾壱話】刻んだ過去 刻む未来
(マブラヴオルタネイティブ×アーマードコアフォーアンサー)
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ステイシスの右手に持つハイレーザーライフルの赤い閃光が相手のホワイト・グリント白い機体に向かって延びる。
しかしやすやすと当たる相手ではない。QBでかわし、かわしながら両手のライフルで攻撃する。
ステイシスが背中のミサイルを放つ。上方から敵を襲う、避けにくいものだ。
ホワイト・グリントが背中のミサイルを放つ。空中で複数に分裂し、再度敵を追尾する避けにくいものだ。
両機が爆煙に包まれる。その爆煙の中から、赤い閃光と2発の弾丸が走った。
超上位ランカー同士のハイレベルの戦闘。両機の戦いはそれは芸術といっても過言ではなかった。
そんな中自分は手も出せず、ただ見入っていた。オペレーターが何か言っているが知ったことか。
ただ見ていたかった。
しかし何事にも終わりはある。
『メインブースタがイカれただと!?狙ったか…ホワイト・グリント!
よりにもよって海上で・・・駄目だ、飛べん・・・』
言うようにステイシスのメインブースタは火花を放ち、機能を停止していた。
『…浸水だと!?バカな。これが私の最期と言うか!認めん…認められるかこんなこと!』
しかしメインブースタの推力を失ったステイシスは力無く海中に沈んでいった。
「おいおいマジか。あのバケモンと一人でやりあえと?」
『こんな状況だ、逃がしてはくれまい』
「だよぁ…どうするよ?」
『私は別にあれを倒せとは言わん。だが…必ず生きて帰って来い』
「まぁ精々足掻いてみるよ!」
俺は意を決して跳んだ。


「やばい!AA《アサルト・アーマー》・・・うあぁああああ!!」
ブレードで斬りに近づいたとき、ホワイト・グリントの全身が緑の光に包まれた。
爆発。そうとしか表現できない。俺のネクスト、ストレイドのPAは一瞬にして失われ、APも大きく削られた。
『退いて下さい、結果は既に見えています』
「結果は見えてる…だと?」
相手のオペレーターの言葉に、戦闘中ながら反応してしまった。
『はい。ランク1のステイシスも沈黙し、残っているのはランク31の貴方だけ。これ以上続けても無意味です。
立ち去ってください』
「確かに俺はそんな強くねぇさ・・・でもよ」
ギリッっと歯が軋む音がする。確かにこのまま続けても俺は死ぬだろうよ。でも・・・
「決め付けてんじゃねぇ!!」
叫びに怯んだか、慢心か、ホワイト・グリントが一瞬止まった。その瞬間、俺はQBで彼我の距離を詰めた。
ホワイト・グリントのミサイルが零距離で打ち出される。爆風で自分もダメージを受けることなど厭わないかのよう。
「ぐうっ・・・あっ・・・」
人生で初めて感じるほどの激痛。今の一撃でストレイドは右手と右足を失っていた。
「くそやろおおおおおおおお!!!!」
痛みを無視して左手のブレードを振るう。しかし、遅かったか当たりは浅い。
「逃げてんじゃねぇ!!」
ブレードを振った勢いでQB。身体ごとホワイト・グリントにぶつけて壁に押さえつける。
「くたばれええええええええ!!!!」
右肩のレーザーキャノン。
俺は一心不乱に打ち込んだ。
キャノンの砲口を相手のコアに押し当てて何発も。

『ホワイト・グリントの撃破を確認。もう、終わったんだ。もういいぞ?』
「あ?え?」
『本当に、たいしたヤツだよ、お前は。帰ったら一緒に旨い物でも食いに行こう』
「あ・・・終わったの・・・か?」


―――ザッ――ザッ―――

「旨かったなぁ、あそこの料理」
「あぁ、旨かった」
「ところで重要な話がある」
「ん?」
「お前のネクストが治せません」
「はぁ!?」
「お前派手にぶっ壊しやがって・・・貴重な機体なんだぞアレ」
「どうすんの?」
「そのことでな、依頼があるんだ。聞いたことぐらいあるだろ?唯一意思を持つネクストの話」
「まぁ、少しはな。暗い噂しか聞かないけど」
「乗って動かせたら報酬はその機体と1000000Cだそうだ」

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