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進化の龍よ蒼き航路を超えて
プロローグ「進化の光よ蒼き航路へ」
(ゲッターロボサーガ×アズールレーン)
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「それに・・・だ、見たか獏?」

「ああ、確かに見た」

「これが、この世界の戦力・・・」

「「「女が海の上を走ってる」」」


遠くからこちらを見て反転していく女性たち、有り得ないその移動方法に3人は目を丸くして呟いた。姿は人間サイズの女性で6人組で船の主砲のようなものを身につけて行動しているのはまだ理解出来た。

問題はそんな6人組は海の上を滑るように走ってるのだ。拓馬と獏は知らないがカムイは嘗て見た資料で氷の上を刃が着いた靴で滑るスポーツのスケートを連想してこんな感じなのか?と考えていた。その女性たちは口を開けて困惑していた、恐らく先程からの戦闘機は彼女たちが警戒の為に出したものと思われるからだ。それがアークの手のひらでスクラップになっているのを発見した為喧嘩を売ってしまったのではないか?と思うのだろう。何せゲッターアークは歴代ゲッターロボの中でも一際顔が怖いことで有名だ。


「おっと少しばかり失礼するぜ」


そのまま反転する女性たちに回り込むゲッターアーク、その速さは彼女たちとは比べ物にならない速さである。50m程の圧倒的巨体が凄まじい速度で回り込んで来るのは恐ろしいのだろう、泣き出しそうな者まで出始めていた。というか殆どアークのその顔面が恐怖を引きたてたのだが。


「ま、待ってくれ!」

「信じられないようだが、俺達はこの世界の人間じゃないんだ」

「君たちを恐れさせたのであればすまなかった、俺達は敵ではない…それだけは信じて欲しい」


アークからの慌てた3人の声には驚いたのだろうか、固まった6人組は警戒をしつつも落ち着きを取り戻していた。ゲッターアークもまた、多少距離を離して海面付近に浮かび上がる。


「敵・・・じゃないんですね、よかったぁ・・・」


6人組の中では年が上の方であろう水色の髪の女性が安堵した声を上げて一息ついた。装備としてはソナーや対空砲を多く配備した様なものを使用している。


「信じてくれてありがとよ、俺はゲッターアーク担当の流拓馬」

「んで俺が拓馬の古い馴染みでゲッターカーン担当の山岸漠だ。んでこっちが」

「カムイ・ショウだ。ゲッターキリクを担当している・・・しかし、直ぐに敵じゃないと判断するには軽率じゃないか?」


ゲッターアークのコックピットを開きその掌に降り立った3人は各々自己紹介を済ませた。カムイはこんな所で警戒を外した青髪の少女に対して疑問を呟く。


「まあそうだけどさ、この世界の人間じゃないんだって言われたら警戒は外すさ。これまでにも何回か異世界の人達が来たからね。最近も来たんだよ」

「・・・マジかよ、異世界ってそんなにほいほい行き来できるもんかよ?」


返答した淡い金髪のボーイッシュな少女の発言にカムイは納得はしたがなんとも言えない顔をして、拓馬は獏に疑問を流した。


「行けるわけないだろう、あのゲッター艦隊でさえ時空間の移動には制限をかけているんだから・・・いや平行世界や異世界なら行けるのか?って話が脱線しちまったな、まだ嬢ちゃん達の名前を聞いてなかったな」

「そうだったね、私はクリーブランド。ユニオンの海の騎士さ!」

「私はヘレナ、クリーブランドと同じユニオン所属で後ろで隠れちゃってるのが・・・」

「ろ、ロイヤル所属のししシグニット!ウチは食べても美味しくないよォ!?」


獏が拓馬に返答しつつも女性たちの名前をまだ聞いてなくそれに対してまず3人が返答した。ボーイッシュな少女はクリーブランド、青髪の少女はヘレナ、そしてその後ろで怯えながら返答した白髪の少女はシグニットと名乗る。


「クリーブランド、ヘレナ、シグニット・・・?確か・・・前に習った昔の軍艦の名前だな」

「つまり・・・だ、俺たちの世界では既に存在しないかつての軍艦が人の姿をとった世界がこの世界の正体か」


獏とカムイは彼女たちの装備や名前からこの世界の特徴を読み取った。拓馬は興味深くその装備を眺めガタガタしているシグニットにやりすぎたか?という感想を出した。周囲への警戒を解いた残りの3人──先の3人と比べ大型かつアークが握り潰してしまった戦闘機を打ち出す装備を持つ人達──が感嘆を感じさせながら話しかけてきた。

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