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進化の龍よ蒼き航路を超えて
プロローグ「進化の光よ蒼き航路へ」
(ゲッターロボサーガ×アズールレーン)
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「KAN-SENと呼ばれているわ、あと私はウォースパイト…ロイヤル所属の騎士よ。こんなに大きな物を操縦できるなんてすごいわね」

「同じくロイヤル所属のアーク・ロイヤルだ、3人ともよろしく頼むぞ。しかしプロペラも無いのにどうやって飛んでるんだこれは?」


続けて名乗った2人の内ウォースパイトと名乗る少女は自分たちがKAN-SENと呼ばれる存在である事を明かし、アーク・ロイヤルと名乗る女性がシグニットへといかがわしい目線をしながら名乗りを上げた。ウォースパイトの姿を見た3人は目線を逸らし、気づいたウォースパイトは察したのか顔を覆った。


「・・・私はこれが正装だから、決して忘れたわけじゃないわ・・・本当だからね!?動きやすくていいからね!?」


カムイだけはウォースパイトのとある逸話がKAN-SENのウォースパイトにこの格好──下はスカートやズボンどころかパンツ一丁──に成り果てたのかと呆れながらも納得してしまった。


「最後になりますが、私は重桜所属の天城と申します。これからよろしくお願い致しますわ」

「あ、はいよろしくお願いします!」

「尻尾・・・尻尾だよな」

「ああ、狐の耳もある。本当に異世界である事が実感してきたな」


最後の6人目、拓馬と獏の祖国である日本のかつて存在していた海軍の戦艦と同じ名を受け継ぐ大きくフサフサした複数のしっぽと狐の耳を生やした女性・・・天城を見て反射的に挨拶を返した拓馬はなんでだろうなと思いつつも怒らせちゃいけないタイプの人だと本能的に察したのだった。


「天城殿、エリザベス女王陛下とは通信は取れただろうか?」

「ええ、観測されていた反応の「ゲッターアークだ」そうそう…げったーあーくの事は連絡して後はも──ッ!!」


突如として激しく咳き込む天城、倒れかけた天城を支え背中をさするアーク・ロイヤルの姿を見て拓馬はただ事ではない・・・何らかの病気か何かであるのを察知した。

「えと…ウォースパイトさんよ、天城さんは持病でもあるのか?」

「天城は私たちKAN-SENの誕生に関わる『メンタルキューブ』の不具合で生まれつき不治の病にかかっているわ…最近は体調良かったのに・・・」

「・・・あんたらの基地はどっちだい?」

「どうする気?」

「基地に向かえば治療はできるんだろ?それならアークに乗せて行けば早く済む…違うか?」


違くはないけど果たして他の2人は許すか?そう進言しようとしたアーク・ロイヤルは獏とカムイがアークの体をよじのぼり何時でも動かせるように待機し始めていたのを見て杞憂だったかと苦笑を浮かべる。


「重桜に恩を売るのもありますが、女王陛下も緊急事態には目をつぶってもらえるはずですが・・・」

「そうね、陛下もこういう事なら認めてくれるはずだからお願いするわ」


待ってましたと言わんばかりに笑顔を浮かべた拓馬は他の二人のようにするすると装甲をよじ登りアークのコックピットへと潜り込む。アークの両目に光が灯され瞳孔が浮かび上がる。飛行により適した状態なのか背中に生えた幾数本の角の様な物が角度を広げ展開された。


「すまねえな獏、カムイ・・・」

「気にすんなよ。あんな状態になってるのに見過ごせるかってんだ!」

「これから友好関係を結ばなければならないんだ、必要な処置とすればいい。アーク・ロイヤルと言ったか基地の方角は?」

「カムイ殿だったか、方角ならここから南西へと向かってくれ、とりあえず掌に乗せてもらえばいいのか?」

「方角の設定は完了した、アークの掌に乗ってもらう・・・速度は低速で頼むぞ拓馬」

「おうよ、ゲッターアーク…発進ッ!!」


下半身を水面下に沈め、両腕に6人を乗せてアークは少しずつ上昇していく。生身のKAN-SEN達への負担を考え普段よりはかなりの低速で空を舞う。KAN-SEN達からは普段より遥かに早く、空を飛ぶ未知の体験となったのだが・・・。

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