ジューンブライド企画
機動戦艦ナデシコ短編
六月の『花嫁』?
リンゴーン、リンゴーン
チャペルに鐘が鳴り響く。
今日は結婚式である。
快晴の六月の空は二人の門出を祝福しているようだった。
控え室でウェディングドレスに着替えを済ませ薄く化粧をして出番を待つ花嫁に職場の同僚から次々と賛辞が送られる。
「おめでとう!」
「おめでとうございます!」
「おめでと〜!」
「よかったね!」
「しかし以外だったわね〜。あなたが彼に選ばれるなんて」
皮肉も今日は軽く受け流す。
だって今日は彼との結婚式なのだから。
……彼? 『彼』って一体誰?
だって僕は……。
横にある姿見に映った自分の姿を見て絶句した。
そこに映っていたのは花嫁衣裳を着た……アオイ・ジュンだったからである(大笑)。
「さ〜、花嫁さんはそろそろ式場に行く時間よ〜!」
ミナトに急かされ、混乱した頭のまま立ち上がるジュン。
皆に背中を押され式場に入ると後ろ姿でも判るナデシコクルーたち。
そして花婿の場所にいた人物は……テンカワ・アキトだった(笑)。
神父はミスマル・ユリカである(大笑)。
混乱したジュンをよそに式は滞りなく進んで行き……。
「では、誓いのキスを……」
神父(ユリカ)の言葉にジュンのあごに手をやるアキト。
顔を上に向かせ、ゆっくりと近づいて行く二人の唇。
そして……。
ジュンは現実逃避していた(爆笑)。
(こ、これは夢だ! きっと土壇場で目が覚めて、『ゆ、夢か……』なんて事になるに決まってる!)
しかし、ジュンの逃避もむなしく……。
舌を絡めあうようなディープなキスを皆の前で披露する羽目になるのだった……。
「☆△!? ♂♂!? ◇○!? ♀♀!? %$!? ▽♭!? ◎@!? □♪!? #※!?!?!?!?」
目を白黒させながらアキトの舌が与える快感に腰が砕けそうになるジュン。
(な、なんだこれ!? キスだけでこんなに気持ちいいなんて!?)
あまりの快感に腰が砕けてしまうジュンの腰をすばやく抱いて、お姫様抱っこでチャペルを出るアキト。
チャペルの外にはすでに車も用意してあった。
アキトはジュンを助手席に座らせ、自分は運転席に座る。
「じゃあ、新婚旅行に行ってくるよ!」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「行ってらっしゃ〜い!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
アキトの声に皆が笑顔で送り出す。
そのアキトの隣にはいまだに逃避し続けるジュンの姿があった……。
その日の夜……、無事に到着したホテルで初夜を迎える二人(笑)。
「やっと二人きりになれたね……」
そう言ってまたジュンにディープキスをするアキト。
キス一つで身体の奥底が熱くなるジュン。
ドレスを脱がしながら全身にキスをしつつ、身体の要所要所を嘗め回すアキト。
その動きはまるで女の身体を知り尽くした達人である。
この時ジュンは初めて自分の身体が……かなりの『ボンッキュッボンッ』である事に気づいた。
胸などは挟まれて窒息死できそうなほどである(笑)。
そして下着まで脱がされ、愛撫で全身を性感帯のようにされたジュンにアキトが覆いかぶさる。
「いくよ……」
そう言うと、アキトは自分のいきり立った分身をジュンの中に……。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」<サイズ変更+3>
布団を跳ね上げ、起きるジュン。
慌てて辺りを見渡し、自分がナデシコ内の自分の士官室にいること、自分の身体が男であることを確認し、盛大なため息を吐く。
「ゆ、夢か……。良かった……」
夢であった事に酷く安堵し……、なにが悲しくて男と結婚式を挙げて初夜まで過ごさなければいけないのか、と嘆くのだった……。
その後、ジュンが食事に向かう途中、突如フラッシュバックした夢の内容に自己嫌悪に陥り、
「僕はホモじゃない!!」
と壁に頭を打ちつけ続け、血溜まりに沈んでしまったのは仕方ないことなのかもしれない。
ちなみにあと五分発見が遅れたら危なかったそうである。
あとがき
ども、喜竹夏道です。
六月と言うことでやってみました『ジューンブライド』ならぬ『ジュンブライド』(笑)。
「短かっ!? しかも夢オチ!?」と言わずに楽しんでいただけましたら幸いです。
途中でマジにTS物にして十八禁化しようかとも考えたんですが、一般作にしました。
TS物で十八禁化して欲しい人は感想掲示板やWeb拍手のコメントで書いてください。
手が空いたら書くかも知れません(笑)。
でもホモは書きませんのでご容赦を。
押していただけると作家さんも喜びます♪
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