な ぜなにナデシコ・シルフェニア出張所



第 1回:人型機動兵器











座談会メンバーでお話していた折、ナデシコの設定って公式・非公式・SS内限定公式と入り混じってるよね、という話になり、ノリで書いてみました。

これは「ソースの提示を絶対とし、確認できる完全な公式設定のみ」を記したものであります。

とは言いつつも、編集などにあたって文を多少いじっている部分がありますので、気をつけてはいますが、多少解釈が変わってしまっている可能性もあり ます。また、余談、目視〜とある段落は文として明記されていたわけではないので100%の信憑性はありません。
なお、疑問質問ツッコミ等は全力で受け付けますが、その際それに対する回答を私、ないし私がお願いした方以外の方はなさらないようお願いします。
この物言いは好きではありませんが、あまりお痛が過ぎると削除されてしまいますので、あしからず。











Contents


 ・エステバリスシリーズ

  ・エステバリス

   ・陸戦フレーム

   ・空戦フレーム

   ・ゼロG戦フレーム

   ・砲戦フレーム

  ・Xエステバリス

  ・エステバリスカスタム

  ・エステバリス2(量産型)

   ・砲戦フレーム

  ・スーパーエステバリス


 ・ネルガル重工製 新型機動兵器

  ・アルストロメリア


 ・木連に所縁のある機動兵器

  ・ジン・シリーズ

  ・ステルンクーゲル

  ・夜天光

  ・六連

  ・積尸気


 ・ANOTHER

  ・ブラックサレナ





 ・余談

  ・戦闘機動、偏差射撃、エース













【エステバリスシリーズ】


[エステバリス]

 ネルガル重工が開発した全長6mほどの近接戦闘用人型戦闘兵器、またはそのシリーズの総称。略して「エステ」とも呼ばれる。胸部と頭部が一体と なった、アサルトピットと呼ばれるコクピットを各種フレームに換装することで、陸、空、宇宙などの、様々な戦場、様々な軍事作戦に対応できる。なお、アサ ルトピットはパイロットにあわせてカスタマイズされているので、別のパイロットが乗ることは不可能。だがそれを生かして、パイロットの方が独自に頭部など の細部を変更し、個性化している。ちなみに、アキト機が基本のものに一番近いようである。
 フレームには空戦、0G戦、砲戦、陸戦フレームのほかに、生体ボソンジャンプ実験のためにチューリップの中にダイブさせられた耐圧フレームや、相転移エ ンジンを搭載したスタンドアロン型(他のフレームのように外部動力源を必要としない)、ダイマジンと戦った月面フレームなども存在する。
 機体は思考そのものをダイレクトにコンピュータに入力できる、イメージフィードバックシステム(IFS)を採用しており、高い性能が認められている。 IFSは素人にも操縦できるものである(あくまで操縦できるだけで、うまく闘えるかどうかは別の問題ではある)が、使用にはシステムをサポートするIFS ナノマシンを体内に注入しなければならないので、これを嫌がるパイロットが多いのも事実である。
 しかし、蜥蜴戦争時にナデシコAに搭載されていたカスタム機から量産機まで、宇宙軍で幅広く採用されている機体である。ネルガルとの関係が良好とは言え ない統合軍にも、陸戦警戒用などで採用されており、その優秀さが伺える。
 なお、目視ではあるがエステバリスシリーズのコクピット内におけるコンソールは、左手側は操縦桿、右手側はパッドのようなものになっている。
 「エステバリス」はキンボウケ科の宿根草で、花言葉は「悲しき思い出」。
 
参考:(GEKINADE ZENBU P.30)
   :(NADESICO PERFECTS P.82)
   :(機動戦艦ナデシコ1000%コレクション 設定資料)



 《陸戦フレーム》

 頭頂高:6.24m
 本体重量:800Kg(アサルトピット重量:350Kg)フル装備時は1170kg
 材質:特殊硬化セラミック&超硬質合成樹脂(金属部品は可能な限り使用していない)
 標準装備:ワイヤード・フィスト(×2)
        :イミディエット・ナイフ(×2)
 オプション:ラピッド・ライフル
        :グレネード・ランチャー
        :ミサイル・ランチャー
        :レール・カノン
        :火炎放射器
        :二連荷電粒子砲

 反重力推進機関をはぶいて飛行能力をなくしたかわりに、武装の強化とエネルギー供給なしでの稼働時間を延長させた。母艦との接触を断たれる可能性が高い 地上での戦闘用に用途を特化させたものである。

参考:(機動戦艦ナデシコ1000%コレクション 設定資料)



 《空戦フレーム》

 頭頂高:6.24m
 本体重量:1310Kg(アサルトピット重量:350Kg)
 材質:特殊硬化セラミック&超硬化合成樹脂(金属部分は可能な限り使用していない)
 武装:ラピッド・ライフル(オプション)

 反重力推進機関とラムジェットを搭載、大気圏内での効率的な高速飛行を可能とした空中戦用のフレームである。戦闘機以上の旋回性能やスピードを誇り、単 機種での敵との空中戦のみならず、陸戦エステバリスや砲戦エステバリスとの混成小隊の隊長機としての役目も持っている。機体に搭載した高性能センサ類を 使って情報収集とそれに基づく作戦指揮を行いながら大型の重力波アンテナによって陸戦・砲戦エステバリスと母艦とのエネルギー・ラインの中継を行い、障害 物の多い陸戦でのアドバンテージを高める。

参考:(NADESICO PERFECTS P.84)
   :(機動戦艦ナデシコ1000%コレクション 設定資料)



 《ゼロG戦フレーム》

 頭頂高:6.24m
 本体重量:1200Kg(アサルトピット重量:350Kg)
 材質:特殊硬化セラミック&超硬質合成樹脂(金属部品は可能な限り使用していない)
 標準装備:イミディエット・ナイフ(×2)
 オプション:ラピッド・ライフル
        :フィールドランサー

 反重力推進機関を搭載し、姿勢制御用の重力波放射器を全身に散りばめた宇宙戦闘用フレームである。ディストーション・フィールドの開発により戦艦の防御 力が一気に増大し、接近戦が主流となった蜥蜴戦争においては切り札となった。また、その気密性を利用して水中戦用にも転用可能。

参考:(機動戦艦ナデシコ1000%コレクション 設定資料)



 《砲戦フレーム》

 全高(肩の高さ):6・03m
 本体重量:1570Kg(アサルトピット重量:350Kg)
 材質:特殊硬化セラミック&超硬質合成樹脂(金属部品は可能な限り使用していない)
 武装:120ミリ・カノン
    :ワイヤード・クロー(×2)
    :ミサイル・ポッド(×2)

 大口径カノン砲を装備した遠距離からの砲撃用フレームである。重装甲は装甲の強化だけではなく、砲撃時の反動に耐えさせる意味もある。脚部に装備された 機体固定用のアンカーもそのため。陸戦フレーム、空戦フレームと小隊を編成して作戦行動を行う。

参考:(機動戦艦ナデシコ1000%コレクション 設定資料)




[Xエステバリス]

 エクスバリスと通称される。ウリバタケがネルガルの金で無断につくっていた重装備エステバリス。ゼロG戦フレームをベースに改良をくわえた「エス テバリスの機動性と月面フレームのパワーを兼ね備えた最高の機体」になるはずだった。
 重力波の変換効率は5倍だが、そのエネルギーに機体が耐えることができない。グラビティブラストを装備しているが、装備しているだけで、エネルギーを チャージしようとするとフルチャージする前に機体が爆発してしまう。すごいんだけど困った逸品。ムネタケは「エステバエックス」と呼んでいた。

参考:(機動戦艦ナデシコ1000%コレクション 設定資料)



[エステバリスカスタム]

 リョーコ・ヒカル・イズミが搭乗した、カスタムメイドされたエステバリス。「(背中の重力波)ユニットをふたつつければ、出力は倍になるだろ」と いうリョーコの一言によって作られたスペシャルバージョンである。確かに、背中の重力波ユニットをふたつにする事で機動力は増したが、乗りこなすにはかな りのテクニックが必要であり、そうした意味からも3人娘専用機と言える。また、基本的な武装は量産型エステバリスと同じだが、ふたつの重力波ユニットから 得られる高出力エネルギーを利用して、大型レールカノンを撃つことが可能。左手の甲には有線交信用のワイヤー射出ギミックがあり、リョーコはこれを使って ウインドウ通信にプロテクトをかけているブラックサレナとの強制交信に使用した。リョーコ機にある2本の角は指揮官用の強化センサーである。背中には母艦 からエネルギー波を受け取るための可変動ウイングが小4枚、大2枚装備されている。

参考:(GEKINADE ZENBU P.30)



[エステバリス2(量産型)]

 ネルガル重工が開発した機動兵器――エステバリスシリーズの量産型。全長6.25m、重量1.8t。蜥蜴戦争の末期、火星極冠での「遺跡」争奪戦 で、初めて実戦に投入され、以来、3年近く使われ続けている。主力機動兵器の座はステルンクーゲルに譲ったものの、蜥蜴戦争に参加したベテランパイロット の多くは、このエステバリスを愛用しているようだ。
 確かにスピード・出力・火力などはステルンクーゲルに劣るが、IFSによる「柔軟な機動性」はステルンクーゲルを凌駕しており、優秀なパイロットであれ ば互角以上に戦うことが可能である。標準装備はラピッドライフル×1。背中には母艦からエネルギー波を受け取るための可変動ウイングが小2枚、大1枚装備 されている。基本カラーはブルーとグレーのツートンカラーである。
 リョーコの部隊――ライオンズシックルが使っていたのは、エステバリス2の宇宙戦用の装備、0G戦フレームであった。また、「火星の後継者」のクーデ ター時に地球で積尸気と戦ったのは陸線フレーム、ルリ達とプロスペクターがナデシコクルー集めについて話すシーンで画面奥に見えるのも、陸戦フレーム。

参考:(GEKINADE ZENBU P.31)



 《砲戦フレーム》

 砲撃戦に特化したフレーム。その武装は120mmカノン×1、2連装対空砲×2、スーパーガトリング砲×1、ミサイルポッド×2など、蜥蜴戦争で 使用された砲戦フレームの発展型で、コロニー防衛用の移動砲台として開発されたもの。その運用方法から砲台フレームとも呼ばれる。シラヒメにも、アマテラ スにも多数配備されており、ブラックサレナを迎撃した。以前の砲戦フレームに比べればセンサーが強化され、射撃精度が格段に上がって入るのだが、それで も、ブラックサレナの機動性には通用しなかった。

参考:(GEKINADE ZENBU P.31)



[スーパーエステバリス]

 エステバリスを武装強化し、出力系統にもカスタムチューニングを施した特別機。蜥蜴戦争時にアカツキが搭乗した彼の専用機をパワーアップしたもの である。なお、元になったアカツキ専用エステバリスのゼロG戦フレームは、ナデシコA搭載エステバリスより後に作られた(当時では)最新型であり、ジェネ レータがコンパクトになっている。タカスギ大尉の乗機であり、アマテラスではこの機体で爆発の中からリョーコ機を救出。火星での北辰六人衆との戦いでは、 六連と互角以上の戦闘力を見せた。
 標準武装は可動する連装式キャノン砲×2、ミサイルポッド×2、大型レールカノン×1。背中には母艦からエネルギー波を受け取るための可変動ウイングが 小2枚、大1枚装備されている。カラーリングは濃いブルー。
 可変動ウイングの数は量産型と同じだが、高出力を要する大型レールカノンが装備可能。トータルでの戦闘力は量産エステやステルンクーゲルよりも上であ る。

参考:(GEKINADE ZENBU P.31)
   :(NADESICO PERFECTS P.82)







【ネルガル重工製 新型機動兵器】


[アルストロメリア]

 ネルガル重工が開発した新型機動兵器。エステバリスの発展型だが、実は開発にあたってはブラックサレナの技術、実験データが使われている。全長 6mの機体にボソンジャンプシステムを内蔵している点が従来の機動兵器と大きく異なる。ただし、ブラックサレナと違い、ジャンプ可能な距離は100mから 2〜kmと限定されている。つまり、蜥蜴戦争で木連側が使用していたジンシリーズの縮小版ともいえる。短距離ジャンプによる奇襲、近接戦闘を想定している ため、両の前腕部に巨大なクローを内蔵。ボディカラーはホワイト。
 「火星の後継者」が地球の拠点を襲撃した際、月臣はこの機体に搭乗し、地球連合総会議場の決死隊の前にジャンプして出現。巨大クローを使い、2機の積尸 気をそれぞれ一撃で破壊してみせた。最小限の攻撃で敵機を沈黙させたのは、月臣の腕によるところも大きい。この時、同時に他の拠点にも、アルストロメリア がボソンジャンプで出現し「火星の後継者」を押さえ込んでいる。
 ちなみに「アルストロメリア」はアルストロメリア科の球根植物。夢百合草、百合水仙とも呼ばれる。花言葉は「持続」「エキゾチック」
 (GEKINADE ZENBU P.32)







【木連に所縁のある機動兵器】


【ジン・シリーズ】

 蜥蜴戦争時において木連が使用していた、数十m級の巨大人型機動兵器。ゲキ・ガンガーを模して作られている。機体によって差異はあるがグラビ ティ・ブラスト、ロケットパンチ、レーザーやロケットミサイルなどを装備しており、単独でのボソンジャンプが可能。なお、白鳥九十九はテツジン、月臣元一 郎はウミガンガーを模したマジン、高杉三郎太はリクガンガーを模したダイテツジンに搭乗していた。他にも、マジンの巨大バージョンであるダイマジン、テツ ジンの巨大バージョンであるデンジンが存在する。ナデシコ側では見た目のそっくりさで「ゲキガンタイプ」などと呼称していた。
 ちなみに、よほど戦況が切迫していたためか、「火星の後継者」はサクヤ攻防戦でマジンを配備している。しかしながら、攻撃力こそあれ、機動性はエステバ リスやステルンクーゲルに遠く及ばない旧型であるため、全滅してしまっている。

参考:(GEKINADE ZENBU P.32)
   :(機動戦艦ナデシコ1000%コレクション 設定資料)



[ステルンクーゲル]

 木連とクリムゾン・グループの技術連携によって開発された機動兵器で、統合軍が正式採用している。両脚部の大型重力波ユニットはエステバリスを凌 ぐ高出力と高機動性を持つ。エステバリスとの最大の違いは、その操縦方法。IFSではなく、より学習機能の発達したコンピュータが基本操作を行う 「Easy Operation System」を導入している。このシステムは操縦者がナノマシンを注入する必要がないため、地球でのパイロットの新規採用にあたり、希望者が殺到したと いう。人体への安全が保障されているとはいえ、未だに体内にナノマシンを入れることへの抵抗は根強いようだ。
 全高7m。標準武装はハンドレールガン×1。機体からパワーケーブルを引っ張って電源を確保し、マガジンパック内の実体弾を撃ち出す。弾倉は40〜60 発ほど。その銃身の長さから、兵士達の間では「物干し竿」とも呼ばれている。カラーリングはホワイトである。

参考:(GEKINADE ZENBU P.32)



[夜天光]

 北辰が乗る機動兵器。木連が蜥蜴戦争時に運用していたジンシリーズの小型化発展形である。ボソンジャンプシステムを搭載しているが、中距離程度の ジャンプしか行えず、また回数にも制限がある。両肩に装着した回転ターレットノズルにより「傀儡舞」と呼ばれる変則機動が可能。胸部にはフィールド発生器 を装備。このフィールドは、ブラックサレナのハンドガン程度の攻撃なら楽々弾き返す。基本武装は錫杖、ミサイルランチャー×2。アキトのブラックサレナと 数度戦闘しており、最後はブラックサレナと格闘戦を展開。コクピットを潰され、機能停止。ちなみに「夜天光」とは、夜の自然光、微かな光のことである。影 の存在である北辰の乗機らしいネーミングだが、機体のカラーリングは血のような赤である。
 なお、余談ではあるが、Tatsuo Sato's 機動戦艦ナデシコ<特別編>の新作エピソードであるエピローグにおいて、ハーリーは回収した夜天光の機体内には誰もいなかったと報告している。

参考:(GEKINADE ZENBU P.33 P.93)
   :(Tatsuo Sato's 機動戦艦ナデシコ<特別編> エピローグ)



[六連]

 北辰六人衆が搭乗していた6機の機動兵器。「むづら」と読む。脚部を省略し、機動性を重視した機体である。脚部の代わりにランディングギアを装 備。変速機動「傀儡舞」をするための回転ターレットノズルも搭載している。積尸気と同じく、外部ユニットを付ける事でボソンジャンプも可能。胸部にはコク ピットを防御するため、3基のフィールド発生器がある。これらは3基同時に稼動するわけではなく、弾道に合わせてそれぞれ瞬間的に開くようになっている。 基本武装は、錫杖と多連装ミサイルランチャー×2。最終決戦でエステバリスカスタムやスーパーエステバリスに敗れる。機体のカラーリングはブラウン系であ る。「六連」の由来は「昴」と呼ばれる牡牛座にある散開星団・プレアデス星団から。
 なお、目視ではあるが、劇中で夜天光はフィールドをエステと同様、全身を覆うように発生させている。

参考:(GEKINADE ZENBU P.33)



[積尸気]

 「火星の後継者」の機動兵器で、夜天光の量産型。「ししき」と読む。ボソンジャンプシステムを外部ユニットとする事で、機体の小型化に成功した。 しかし、肝心のボソンジャンプシステムは、一度しか使用できない。そのため、ボソンジャンプによって奇襲攻撃をかけても、単体で帰還する方法はなく、敵を 殲滅する事が前提となっている。甚だリスクの高い兵器と言えるが、サクヤ攻防戦ではこの奇襲攻撃が奏功。統合軍の艦船17隻を瞬時に撃破し、戦況を逆転し た。
 両肩にターレットノズル、肩と胴体の間に可変ノズルを各1基持つ。その可変ノズルの反対側には2基ずつ計4基のハードポイントがあり、対艦ミサイル4発 を装備できるようになっている。標準装備はハンドガン×1。カラーリングはグレーで統一されている。「積尸気」は蟹座の甲羅部分にある青白く光る星団を鬼 火に見立てた中国の呼び名で、縁起の悪い星座とされている。ラテン名ではプレセペともいう。
 ちなみに、目視ではあるが、上記全ての木連の機動兵器のコクピットにおいて、パイロットは全員両手に操縦桿らしきものを握っている

参考:(GEKINADE ZENBU P.33)







【ANOTHER】


[ブラックサレナ]

 ブラックサレナとは、特定の機動兵器の機体名ではない。エステバリス・アキト専用機の単体での作戦行動を可能にするために、分厚い装甲を何重にも 装備。さらに移動用ブースター等を加えていった結果、元のエステバリスのシルエットを全く残さない機体となってしまった。それがブラックサレナである。当 然、単独での戦闘能力はエステバリスの比ではない。また、アルストロメリアはブラックサレナの実験データを基に作られており、アルストロメリアのプロトタ イプと言う事もできる。
 両肩に付けられたウイングは上下左右に可動し、中にはブースターノズルを装備。他にも、機体各部にノズルが内蔵されており、アクロバット的な高機動を実 現。機動性と頑丈さを追求した分だけ武装は少なく、基本的には両腕に装備したハンドカノン×2のみ。火星での夜天光との戦いでも、夜天光のフィールドを破 るために、頑丈さを活かした「体当たり」戦法を取っている。尻尾のようなテールバインダーには、マジックハンドを内蔵、ツメはアンカークローになってい る。
 鳥を思わせる、高機動ユニットを装着した形態では、全長約10m、幅約10m。この形態では、単体でのボソンジャンプも可能。ただし、ハンドカノンを使 用することはできず、作戦行動でこの形態をとるのは、ボソンジャンプ、敵中突破の場合のみである。アマテラスでの戦いでは、追撃してくるエステバリスに対 し、高機動ユニットのブースターパーツをパージして命中させるという荒業を見せた。
 なお、これは余談であるが、Tatsuo Sato's 機動戦艦ナデシコ<特別編>の新作エピソードであるエピローグにおいて、サブロウタは配備された高機動ユニットを使ってルリを送迎している。その際、サブ ロウタはそのスピードに感動している。ここから察するに、どうやら高機動ユニットは「火星の後継者」の乱の後、正式に宇宙軍で配備されたようである。ま た、目視ではあるが、ブラックサレナは高機動ユニット装着時、背面を下にしている。つまり背泳ぎの格好である。
 ちなみに「ブラックサレナ」はユリ科の多年草で、黒百合とも言う。花言葉は「呪い」「恋」。

参考:(GEKINADE ZENBU P.34)
   :(GEKINADE ZENBU P.88)
   :(Tatsuo Sato's 機動戦艦ナデシコ<特別編> エピローグ)







【余談:戦闘機動、偏差射撃、エース】

 ドッグファイトなどにおける近接戦闘機動時、こちらと同様、相手も動いていて、その機動の予測は困難である。また、人の反応速度など及びもつかな いような尋常ではない速度での交戦となるので、パイロットが撃つと決めてトリガーを引き、機体が銃弾を発射して目標の空間に届く頃には、敵機は既にその場 から遠く離れているのがほとんどである。このため、現実の戦闘機や戦車等も含めたパイロットの射撃の腕というのは狙った場所に撃てる射撃能力以上に、自分 と相手の動きを読んで、当てるのではなく当たる場所に撃つ偏差射撃の腕が重要となってくる。なお、現実世界では、空戦で5機落とせばエースと褒め讃えられ るが、実際にはそれくらい敵機撃墜は難しいのである。
 しかし、世に天才は存在する。愛機の機番号14が黄色で描かれていたことから通称『黄色の14』と呼ばれたアフリカの星、ハンス・ヨアヒム・マルセイユ 大尉は10分間に8機、1日で17機を落とすというスコアをマークしている。彼は天才的技量の持ち主でドッグファイトの達人であり、偏差射撃は神技の域に あった。何もいないところに機銃を撃つと、吸い込まれるように敵機が飛び込んだといわれている。まじでアムロ・レイみたいな人である。
 なお、歴史上の最多撃墜記録はエーリッヒ・ハルトマン大尉。第二次世界大戦の二年半を通してトップの1425回出撃と352機撃墜の記録を持つ、当時 20歳過ぎという若年のエース。前述のマルセイユとは正反対の一撃離脱タイプで、無駄の多いドッグファイトを避けて自分の編隊(開戦から一年後の21歳で 中隊長を、22歳で連隊長を拝命している)にも一撃離脱を徹底し、ソ連東部戦線から「黒い悪魔」と呼ばれ恐れられた。余談であるが、彼のコール・サインは 「カラヤ・アイン(白の1番機)」。乗機の機首に黒いチューリップ模様をペインティングしていた。
 こういった歴史上のエース達の何がスゴイって、巨額の開発費用を投げ捨てるような一機限りの特別仕様な高性能機(個人に許されるある程度のカスタム チューンは別として)ではなく、みんなが使っている普通の、あるいは劣ってすらいる機体で敵機を撃墜し、機銃の雨の中、生還してくるところである。エース は生き残って戦果を積み重ねるから、エースなのである。








次回!


なぜなにナデシコ・シルフェニア出張所!!!





ナデシコ! ユーチャリス!


なにげに知らない宇宙軍とか統合軍の艦船シリーズ!


そして軍の階級制度!


ボソンジャンプの成否条件の個人的考察!






予定は未定!


期待したら負けかなと思っていればいいと思うよ!




 なお、前述の通り、質問疑問は掲示板にどうぞ。

 モノによってはFAQとして順次追加予定。

 その際は根拠、ソースなどをお願いいたします。