世界:
世界は元々マナという一つにして全てであった存在であったが、そこに魔力が流れ込んできて、今の世界となった。
そのため、流れ込んできた魔力の種類や濃度によって今の世界の土地や気候が出来上がっている。
(例えば、熱い気候であるのは火の魔力が集っているからではなく、火の魔力が集中して存在しているから熱い気候になっている)
マナ:
世界の最小単位。つまり言い換えればこの世界はマナそのもの。
質量保存則により、その総量は不変。
エーテル:
魂・精神より発生する霊的物質。魔力が浸透していない無色の物質。生命の源泉。
生誕時にその貯蔵量は決まっており、一生を通じてその貯蔵量が変化することはない。
エーテルはマナでありながらマナに干渉しうる唯一のものであり、魔法を使うために必要なもの。
そのためエーテル貯蔵量に比例して魔法の発動は速く、効果も強力なものになるが、貯蔵量に反比例してその制御は困難となる。
制御技術は修練次第で向上する。エーテル制御は魔力再構成に際しての正確性を担うものであり、制御技術が向上したところで魔法の速さ・効果に影響しない
が、正確であれば魔法そのものの安定性と質は向上する。
エーテル貯蔵量は魂の器量ともされ、生きている限り恒常的に発生及び放出されるものである。
エーテルの枯渇は生命維持の危機を意味する。エーテルを放出していれば生きているとされる。
エーテルは体外に放出されると途端に霧散する。
(備考。エーテル貯蔵量と制御:タンクに入った水と、その蛇口の関係。多量であるほどその放出の勢いも強く、制御しづらい)
魔力:
異界より浸み込み、世界のあらゆる物質の性質を決定付けたもの。
魔力はたくさんの種類があって、それぞれ属性として様々に大別される。
この世界の様々な現象は魔力によるものであり、然るに魔法を使う際も魔力が必要となる。
魔力は少量分ならば体内に備蓄することが出来る。
一般に媒介を用いずに魔法を行使するには体内の魔力を用いる。
マナ自体が存在しないような「何も存在しない空間」では、マナが存在しないので魔力も存在しない。
魔法:
人為的に様々な現象を起こす技術。
魔法は自身(エーテル)と世界(魔力)に依存するものであり、決して本人の能力に依存して無制限に行使されるものではない。
神代より発展してきたものであり、今となっては膨大な数の魔力構成式が確立されている。
都市部では魔法の研究や開発が盛んであり、学校の科目にも必修として含まれる。
しかし、魔法は使えると大変便利とはいえ、使えなくとも支障はない。
魔法はあくまで人の助けになる技術である。
魔法構成式:
魔法の設計図。人為的に現象を引き起こす、魔法という本来かなり複雑な過程を、過去の偉人が突き止め形としたもの。
エーテルと魔力があり、構成式を知っていれば、エーテルが半自動的に魔法を構成する。
その魔法使用時には、対応する魔法構成式の紋様が皮膚上に浮かび上がる。
大規模、複雑なものとなると魔法陣と呼ばれ、地面などに描かれる。
五元体系:
1.現象構成法体系:
自然現象に類似した現象を引き起こす系統。魔法の基本にして、最も応用が効く。一般的な魔法はほぼここに含まれる。
2.闇魔法体系:
魂や精神、エーテルに干渉を及ぼす系統。魔族が為す魔法。規格の違う異界の魔法体系とされる。
3.精霊魔法体系:
世界そのものでもある精霊を使役する系統。精霊を抑え付けるだけの器は存在しないため精霊に縁のある媒介を用いるが、その効果は一線を超えている。霊媒は
魔法統括機関である教会の総本山に霊宝として封印されている。
4.物質構成法体系:
エーテルによって物質を構成する系統。体外において霧散しようとするエーテルを長時間繋ぎとめ制御、残る極々僅かな干渉効率の元、魔力より微細なマナを構
成しなければならない為、最高難度のエーテル操作技術が必要とされる。しかしながら、理論的にはあらゆる物質の製造を可能とする。
また、魔力の代替としてエーテルを用いれば、難易度は桁違いに跳ね上がるが、それこそ望むままの物質を完全に自由自在に創造できる。
ただしその場合は、エーテルが霧散しようとする上に周囲の魔力の干渉を受ける。故にエーテルによってその物質に干渉する魔力を排除しなければならず、膨大
な量のエーテルと操作技術が必要となる。
魔科学はこの法体系の元に成り立っている。エーテルによる肉体強化や治療もここに含まれる。
5.世界の歪み:
上記4つにも該当しない、未だ未定かつ不可解な魔法。
物質構成法体系におけるエーテルの魔力代替は、本来こちらに属する。
奇蹟。世界の矛盾。常識ではありえないもの。
備考:魔法統括機関である教会によって2,3,4は(4は兵器開発においてのみ)禁忌とされている。使用した者は教会によって法的に罰せられる。
魔科学:
魔力を文様という特殊な技術を以って物質に詰め込む、媒介と呼ばれる物質を開発する学問。
これによって、環境に左右されずに何処でも魔法を行使できるようになる。
魔科学者はエーテル貯蔵量に関係なく、修練すれば必ず向上するエーテル制御によって魔科学を成すものであるので、これを目指す者も多い。
魔科学自体は元を辿れば神代の頃より続く学問であるが、兵器(個人が携帯する武器ではなく、戦略級の大量殺戮を目的とするもの)開発など、平均的な一個人
が行使しうる魔法を超えた領域に挑む行為は禁忌とされる。
媒介:
限定、もしくは非限定された魔力の塊。許容量と回収・維持率が高いほど高価。
魔科学の媒介は刻まれた特殊な文様により魔力を注入し、留めている。
ただし、文様が傷つくと一気に崩れ散る危険性を孕んでいる。
魔科学製の武器は媒介より強度などは格段に上がるが、素材が限定されるので媒介としての性能は落ち、製造難易度も上がる。
この場合は勿論、武器としての性能を向上させる付加価値としての目的で付与する方が一般的。
精霊:
世界の分身にして世界そのもの。
元々世界がマナであった時には一つであった(合体の意味ではなく、始めが一つ)のだが、魔力がもたらされて今の世界が形成された時に細分化した。
しかしながら、細分化し、精霊ごとに性格も容姿も異なるようになっても、やはり本当は一つである。これは同一人物ということではなく、大元で一緒というこ
と。
精霊は大別される魔力の性質ごとにそれを司るものとしてその魔力全てに存在している。
精霊は担当する全ての魔力に存在しているが、世界に魔力が集中して存在する場所に、精霊は形を持って存在している。
この形を持った精霊は、担当魔力濃度が低い場所では自身を維持できず、不足する魔力を歪なまでに吸い上げようとする。
精霊は世界そのものでもあるので、精霊の有するエーテル、魔力は人間にとっては無尽蔵とも言える。
そのため古来より精霊を封じてその力を利用しようとする試みが幾度となく成されてきたが、今は世界を押さえつけるだけの器など存在しないと結論付けられて
いる。