さて、ニャコの服の問題だが、未だに解決策が思いつかなかった。
ニャコの今の格好で外を出歩くわけにはいかないしな。かといって、ずっと家の中というのもかわいそうな気もするし。
一応、考えてるのがやはりネットで買うか、ニャコが着てもおかしくない男物を買ってきて一時的に着せるか、というものだけど。
そのどちらかにしようかと思ってたら、そんな俺に気付いたニャコが問い掛けてきたのでそう答えてやる。
「あ、それなら――」
　 と、ニャコが何かを思いついたらしく、瞳を閉じたかと思ったらそれが起きた。
なんと、ニャコの服が淡く輝いたかと思ったら、その形を変えていったのだ。この時の俺は何これ？という心境で見てたけど。
で、少し経つとニャコの服装はミニスカートっぽいワンピースのような物になったのである。
何それ？と指さしつつ問い掛けてみると、ニャコの服はナノマシンで形成されてるとのこと。
また、予備のナノマシンも体内にある程度保管されてるのでサイズ的にはこれが限界だが、形や色は自由に変えられるというのだ。
　 うん、季節的にも今のニャコの服装はありだから、これなら外に出ても問題は無い。でも、出来ればもっと早く教えて欲しかったが――
とぼやいたら、言われて今思い出したとのこと。そういや、ニャコって記憶が一部を残して無かったんだっけ。
とりあえず、これなら出掛けられる。服のサイズはあれが限界とのことだが、それはお店に行って買えばいいだけの話だ。
出掛けられれば、お店でサイズを測るのも可能――と、ここで気付く。ニャコのメカミミとしっぽがそのままであることに。
それは取れないのか？と聞いてみたら、しっぽはともかくメカミミは無理とのこと。
なんでもしっぽはレーダー、メカミミは体内には収まりきらない重要な機器が詰め込まれてるらしい。
なので、しっぽは外してもいいが、メカミミは外すと最悪故障を起こすかもしれないというのだ。
それはどうしたものかと思ったが、後日偶然にもメカミミを隠せそうな幅の広いリボンをを見つけたので、それで隠すことにした。
流石に完全に隠せないが、ある程度違和感は誤魔化せるとは思う。誤魔化せるよな？　見た感じ、飾りみたいに見えるし。
　 さて、これでニャコの問題は大体解決したし、今は気持ちを落ち着けるか……さっきの着替えで見えたあれこれのことで――