短編『異聞・扶桑海事変』
(ドラえもん×多重クロス)



――1945年のある日、飛行64戦隊がミッドチルダに派遣される数日前。智子と黒江、それに圭子は若き日の悔恨とも言える扶桑海事変の頃の夢を見ていたのだが…。


――それは夢か現実か。三人はそれぞれの職場で仮眠を取っていたのだが……。


「子……智子!いつまで寝てるの!」

「ハッ……た、武子?」

智子は目を覚ますと、辺りの風景が寝る前の職場では無く、若き日に苦労も喜びも味わい、過ごしたウラルの前線基地である事をすぐに理解した。忘れることなど出来ない出来事なのだから。智子は頭が混乱しつつも、加藤武子との会話を上手くやり過ごすと、すぐに他の連中のもとに向かった。すると、廊下で同じ事を考えていた黒江と圭子が息を切らせながら立っていた。黒江は当然ながら元の長身の姿だ。ただし、左手に1945年以降に手に入れるハズのISがある事から、すぐに“仲間”だとわかった。

「あ、穴拭……お前……」

「あ、綾香。アンタ……」

「寝てたら“ここ”にいた。何もかがあの時……“扶桑海”の時に戻ってやがる。どーいうこった?」

「分からない……武子はあの時の頃のままだったし……圭子、江藤隊長は?」

「同じよ。“記憶も経験もある”状態になったのはあたし達三人だけみたい。全く……“世にも奇◯な物語”じゃあるまいし。あたしなんてアフリカにいたっつーの」

「……と、いうことは……あたしたちって“大人”になった後の状態なのよね?」

「たぶん」

「と、いうことはリンカーコアができてるから魔力は尽きないし、飛天御剣流も打てるし、ミッドチルダ式の魔法が打てるっつーことなのよね」

「そーいうこった。ゲームで言えばRPGをチートで始めるようなもんだが、どうしてこうなった?皆目見当がつかん」

黒江は首を傾げる。二十数年の人生でここまで不思議かつ奇妙な話になど遭遇したことがないからだ。記憶や経験、状態を引き継いだまま過去に戻る。SFでも手垢がつきまくっているパターンの題材だ。こういうのは大抵、何かの期限があるか、いずれは元に戻るというパターンが多いのが……。

「私たちは“この時”のことを心のどこかで悔やんでたんじゃないかな……?」

「?」

「考えてもみろ。江藤隊長が軍やめたのはこの時の上の政治的争いに失望したのが原因だったし、戦いで同期や先輩・後輩問わず、多くのウィッチが死んだ。それに北郷“大佐”の事に気づいてやれなかったせいで、あの人に無茶させちまったんだ。それとヒガシ。お前の怪我もな」

「ええ。この戦いで扶桑は多くを失うわ。あたしも黒江ちゃんの言う通りにあの式典の無茶を悔やんだ……。それは変えようのない事実。これは夢でも幻でもいい。だけど……未来は変えられるはず。運命はひり開くもの、決められたものじゃない」

「ええ。少しでも変えられるなら変えてみせる。あの子達に恥ずかしくないように」

「決まりだな。……ん?ところで今日は“何日“だっけ?」

「確か今日は……ちょうど坂本たちが来る日のはずよ」

「すると、まだ初期だな……。アイツはまだ駆け出しだったんだよな。どーしてああなったんだ?」

「リバウで何かあったんじゃ?芳佳に見せてあげたいわよね、この時の坂本を」

「だな」

――この日は1937年7月11日。三人の記憶だと、北郷が坂本、竹井、若本の3人、つまり、“後々の撃墜王”達を引き連れて赴任してくるはずだ。記憶だと模擬戦を智子が持ちかけて負けたので、全員で特訓させられたはずである。

「穴拭、“今回”は負けんなよ?前の時は私まで特訓させられたんだからな」

「わかってるわい。10年分の経験と技能はダテじゃない。今は飛天御剣流の心得もあるし、大佐相手でも戦えると思うわ」

「機体が九五でも、か?」

「あ〜〜!!忘れてた!!この時はまだ九七でさえ満足に配備されてないんだった……」

智子はここでストライカーユニットの進歩を具合を思い出した。この時期はまだ宮藤理論を元にした近代的ストライカーユニットは初期型である九六式と九七式が次世代機扱いで、現場レベルでは戦間期型の複葉機たる九五式が使用されていた。1945年の、ジェットストライカーへの根本的な交代が始まった時期のストライカーの常識でできる空戦機動を取ればこの時代のストライカーでは空中分解してしまう可能性が高いということを。

「今となっちゃ九七でも満足出来ないしね、あたし達。八四があればよかったんだけど」

圭子はここで九七式戦闘脚の構造的脆弱性を指して、“満足出来ない”と言った。その通りだった。“キ61 飛燕”、“キ84 疾風”を始めとするレシプロ最終世代機を知ってしまい、更に頭の中で戦法が大火力による一撃離脱に切り替わっている状態ではこの時代の主力火器では到底満足できないからだ。

「ああ。84とホ5でもそばに置いときゃ良かったかなぁ。コイツは持ち込めたみたいだしな」

「ちょ、黒江ちゃん!それチートだって。インフィニット・ストラトスなんて、未来でもチート気味なんだから」

「ああ。使うつもりはねーよ。コイツ使っちまうといろんな意味で危ないしな。余程の事態は別だけど。お前らはどーだ」

「あたしはポケットに入れといたダガーナイフ、ベットの近くに置いてたバレットM82と弾のケース一個」

「あたしは特に」

「ま、お前は刀が主な武器だからな。私もだが。さて、坂本の可愛い姿を見に行くとすんか」

「ぐ、グフフ……」

「なんだよヒガシ、その顔は。何笑ってんだよ」

「いやあ、久しぶりに元の姿の黒江ちゃん見たもんだからね、つい……ね」

「テ、テメー!!」

三人は未来世界での関係がそのまま持ち込まれたので、親友同士である。そのため、その姿を見た武子に“!?”と驚かれたのは言うまでもない。



――さて、外に繰り出した智子達は駆け出し時代の坂本らを見かけたわけだが、特に坂本の大人になった頃の豪放さと余りにかけ離れた姿に案の定、面食らっていた。

「あなたが海軍さんの?」

「は、はい……」

「所属と階級を教えてくれるかしら?あたしは穴拭智子。飛行第一戦隊所属の……“少尉”よ」

智子は以前の記憶とは対応を変え、真面目な態度で駆け出し時代の坂本に接してみた。ちなみに階級を言う時に間が生じたのは、うっかり1945年時の階級を言いそうになったためである。飛行時間を問わなかったのは“知っている”からだ。

「ええと……所属は扶桑海軍第一二航空隊北郷部隊の坂本美緒です。階級は一飛曹です」

オドオドとしていて、どこかしどろもどろとした態度で所属と階級をいう坂本。智子は心の内でどうしても大人になった時の豪放で、“ワッハッハ”と大笑する人物と一致しないために大いに驚いていた。


――あれーーっ!?坂本の奴ってこんな性格だったっけ!?逆にこっちが困るんだけども……。

「まあ、これから同じ釜の飯を食う仲だし、アテにさせてもらうわよ」

「は、はいっ」

この時、智子は心の中で、“決まったーっ!”とガッツポーズして、その場をカッコよく去った。武子からは逆に“智子、あなたがあんなカッコいいこというなんて……。熱でもあるの?”と真顔で言われてしまい、彼女はこのとき、改めて若き日の自分の態度がどういうものか思い出し、“若気の至りって奴よね”と感慨にふけったとか。他の二人には、“吹かしちゃって”、“見ててこっちが恥いんだけど”とズバッと言われたとか。














――それからしばらく、どうにか私たちは……変な話だがこの当時の立ち振る舞いを意識して演技するのに必死だった。夜の休憩時間だけは大人としての振る舞いができ、それが息抜きだった。ヒガシの奴は“あたし達、アカデミー賞取れるわよ”と笑ってたけど、その通りだった。穴拭が一番苦労してたっけ。確かもうじき模擬戦を持ちかける日のはず。それで一泡吹かせてやるか。


これは黒江の独白だが、実際に三人は精神的に大人なので、この当時の立ち振る舞いをするのは気が引けた。圭子に至っては26歳なので、10代の振る舞いを意識してするのは楽ではあったが、恥ずかしくもあった。が、20代としての立ち振る舞いをすれば、周りから不審がられるので、仕方がない事でもあった。
そんなこんなで模擬戦を智子は北郷章香に持ちかけた。

「……と言うわけです」

智子は陸海軍の技能確認を名目に模擬戦を持ちかけた。記憶の中での言い訳とほぼ同じ理由だが、今回は真面目なご名目を立てての持ちかけであった。

「なるほどね。ウチはまだ魔女になって日の浅い若い子が多い。共同戦線を貼る君たちが不安に思うのも無理は無いね。スムーズな連携を図るのなら大歓迎だよ」

「ありがとうございます」



「はぁ……どうしてこうなったのかしら……。」

――武子は頭を抱えていた。智子や圭子はともかく、黒江までもが俄然とヤル気満々な態度を見せるというのは予想外だった。武子は比較的冷静で、大人びた態度を見せる場合が多い黒江にストッパーを期待していたのだが、その真逆になってしまったのだから。

「まっ、いーんじゃね?」

「綾香……あなたねぇ」

「あのヒョッコ共の実力を見るのにちょうどいい機会だし、それに私も噂の軍神とは戦ってみたかったんだ♪」

黒江はこの時期は本来、基本的には“お硬い”真面目っ子だったのだが、この黒江は“23歳の黒江綾香”なので、茶目っ気のある性分が出ている。武子はそんな意外な側面を初めて見たらしく、目を白黒させている。

「綾香、あなたって意外にジョークできるのね。知らなかったわ」

真面目な軍人と思われた黒江に茶目っ気があるのを“初めて知った”武子は嬉しそうな顔を見せた。黒江はそんな武子の姿にこんな事を想ったとか。

――そーいやフジの笑ったところ久しぶりに見たなぁ。呉があんな事になっちまってからは精神的にやばかったからな。

黒江は1944年に“起こるだろう”呉軍港の壊滅が武子を追い詰めた事を思い出し、寂しく思った。黒江はミッドチルダに派遣される事が通達されるまでの数ヶ月間の間、武子が心から笑った所を見たことは無かったのが頭をよぎったのだろう。

「バーロー。お硬いのは私の性分じゃねーんだよ」

「そうなの」

「……ああ」

それは演技ではない、黒江の心からの言葉だったかもしれない。武子はどこか雰囲気が“今まで”と違う黒江の背中を追いかけながら、嬉しそうな表情をしていた。その顔はこれから7年後に起こる悲劇が何であるかも知らない、まだあどけない少女のそれだった。


――そうそう。95はこんなだっけ。すっかり忘れてたわ。この頃はこうやって発動機背負ってたっけ。

智子は“久しぶり”に纏う前宮藤理論型のストライカーユニットに懐かしさを感じた。自分らの父母ら世代が若き頃は、これよりも戦闘機の雰囲気が色濃い、言うなれば“魔導エンジンと機銃、小さな翼、シートとハンドルやステップが付いた箒に跨がっていた”というのだから、それに比べれば遥かに進歩したが、宮藤理論が確立された後の世代のそれと比べると旧態依然としたスタイルであるのは否めない。坂本が九六式を纏っているのと比べると雲泥の差だが、近いうちに九七が回されてくるはずだと自身を奮い立たせ、いざ、模擬戦に打って出た。





――さて、この時のメンバーは海軍側は史実通りだったが、陸軍側は圭子がメンバーから外れ、その代わりに黒江が加わっていた。

「ん、珍しいな加東。お前が待機なんて」

「黒江ちゃんに代わってくれって頼まれてこうなったんですよ」

「アイツがねぇ」

江藤はそんな圭子を珍しそうに見ながら模擬戦を観察した。そこで見たのは……。





「行くわよっ!!」

「おう!」

智子と黒江は未来世界では互いにペアを組んで飛ぶ事が多いので、アイコンタクトだけでほとんどの事は伝わる。この時の北郷達には足りない実戦経験も二人は豊富な状態であったため、北郷と対等に渡り合えるほどの空戦機動を見せた。それは味方側である武子も驚かせた。まるで“実戦慣れした”かのように相手の動きを先読みして高度や射撃位置の占位を巧みに行う様は、それまでの二人とまるで別人のようだったからだ。


――嘘……これが初めて編隊組んだ二人の動き?まるで昔から……!でも……綾香は隊長や圭子の僚機をやってたから智子の動きを見るのはこれが初めてのはずなのに…?

武子の心のなかでは黒江と智子の動きがまるで“お互いを知り尽くしたかのような”見事な連携ぶりであることに驚きと疑問が入り交じっていた。驚きは二人の見事な連携への、疑問は初めて組むはずの黒江がピタリと智子をカバーしていることへの。それは北郷も同様であった。実戦は自分たちのほうが経験しているはずなのに、動きを読まれているというのは“軍神”の異名を誇る北郷としても予想外の出来事だったからだ。

――この子達……私の動きを読んでいる上に、九六の性能限界を知っている……?そんなバカな!?コイツは最新鋭の機体で、まだ配備されて間もないんだぞ……!?

北郷はより性能に優れる九六を履いているはずの自分がよもや若い二人に押され気味なのに焦りを見せた。それは江藤も同様であった。

――オイオイオイ!!章香とまともに戦えるだって!?アイツらいつの間にそんなに腕を上げやがったんだ!?聞いてないぞ!?

江藤は自分以外、北郷章香と対等に戦える者はいないと自負していたため、その驚きは一塩であった。その顔にはこう書いてあった。

――私以外のウィッチに落とされるんじゃないぞ、章香!と。

隣で模擬戦の様子を確認していた圭子は「あちゃ〜あの二人、マジになってるわ」と頭を押さえた。それを江藤は見逃さなかった。

「かぁと〜ぅぅ〜!」

「は、はいぃぃぃぃ〜っ!!」

「お前、あの二人が急にああなった理由を知ってるな?」

「いや、その、あのぉ……」

流石の圭子も江藤には弱かった。江藤の追求を躱せず、冷や汗をかきまくっている上に目も泳いでいる。こうなってしまうと吐いたほうが楽だと判断し、江藤を連れだして、耳打ちする形で真実を告げた。

「じ、実は……」

「なぁにぃ!?お前や穴拭、黒江は八年後までの記憶と経験値を持ってる状態だって!?」

「そう……なります」

「しかしそんな事があり得るのか?」

「それは分かりません。私達も8年後のそれぞれの職場で寝てたらこうなってたんですから」

「この事は武子には黙っておいてください。色々ややこしいし」

「……確かにな。通りでアイツらが章香と戦えるはずだよ」

江藤はそう言って笑って見せる。圭子にとってこれは夢とも幻ともつかない“束の間の時間の幻影”かも知れない光景。しかし確かにこの時代の人々が生きている証がある。それを改めて実感した。圭子はインカムでこの事を二人に報告する。黒江も智子も“相手が江藤隊長じゃしょうがない”と諦め、割りきって本気モードに入った。

「本気で行きますよ、北郷さん!!」

黒江は刀への魔力の注入を左手を使って行う。黒江は知る由もないが、その動作は奇しくも、かつて向こう側の地球を宇宙最大の犯罪組織“不思議界フーマ”から守りぬいた最後の宇宙刑事、“宇宙刑事シャイダー”がレーザーブレードにエネルギーを注入するのと同様の動作だった。

「せ、先生!」

「坂本、下がってなさい。この子達とは私がやる」

「で、でも……」

「なあに。安心しなさい。そう簡単に負けるつもりはないさ。若、坂本を頼む」

「は、はい」

北郷は智子と黒江の二名を自分一人で迎え撃つことを選択し、二人の前に立ちふさがる。
二人も武子に断りを入れて、決闘する準備を整える。


「準備はいいですか?」

「フフフフ。まだまだ私も若い子に遅れは取らないつもりだよ?」

北郷は智子達のこの剣に怯える坂本を落ち着かせると、二刀を鞘から引きぬいてそれぞれの刃を輝かせる。そして96のエンジンを全開に吹かして智子と黒江に挑んだ。そしてここからは達人たちの技と技のぶつかり合いだった。



――先に仕掛けたのは智子だった。大上段から振りかぶって一撃離脱の要領で一気に斬りかかる。

「はぁぁっ!!」

「甘いっ!!」

智子の刀を一方の刀で受け止め、もう一方の刀で反撃を返す。二刀流であり、剣術の免許皆伝という彼女のパーソナリティが二人の手練との互角の戦いを可能とした。ただし彼女は大日本帝国では剣道の総本山であった修道学院が扶桑皇国では存在しない都合上、講道館がその役割も引き受けている節があり、“講道館剣術”なる流派がある。彼女はそこの免許皆伝であった。


「おっと!」

智子は北郷の剣を体を仰け反させる形で回避すると、95式戦闘脚の“ハ9”900馬力液冷エンジンを吹かし、上昇させる。後々のハ40やハ45など、高出力エンジンを使った高性能機と比べると全てに於いて非力であるが、現状ではこれで我慢するしかない。いい高度まで上昇ると、今度は急降下してそのまま刀を構える。

「飛天御剣流“龍槌閃”ッ!!」

ここで、智子は独自の鍛錬で触りの部分だけではあるが、フェイトが送っていた飛天御剣流の資料から、いくつかの技をモノにしていた。これは智子の剣の才覚が可能とした芸当であった。この時点の肉体では、戦闘時の身体強化を前提にしなければ使用できないのだが、威力は十分。そもそも飛天御剣流そのものが殺人剣なので、対人戦では敢えて狙いを逸らしている。そのため智子は北郷の刀めがけて技をかけたのだ。――最も飛天御剣流の正当な使い手である“緋村剣心”という男なら逆刃刀という特殊な刀で殺さないようにできるのだが。

「!!……ッ!!」

――ガキィィィン!と盛大に刀同士の切っ先がぶつかり合い、北郷は体に来る衝撃が自分の知るどの剣戟よりも遥かに大きいことに驚きを露わにする。そして見たことも聞いたこともない剣の技へも。

「い、今のは……?」

「これは実戦本位の剣術なんで本気でやったら人くらい平気で殺せちゃいます。だから狙いは外したんです。」

「なんだって……!?そんな流派聞いた事ないぞ!?」

「あたしもさわり程度しか知らないんで、使える技は少ないんですけどね」

智子はそう言って不敵に微笑う。飛天御剣流。それはそもそも一子相伝のような形で伝わる剣術であるが、ある程度の高い才覚があればいくつかの技は体得可能である。智子はそのケースに分類される。

「す、凄い。あんな技が……剣があったなんて」

坂本はそんな技を使って見せた智子へ憧れを見せる。剣術の心得がある者なら、この光景が如何に凄いものか理解できるからだ。若本もこの光景に目を白黒させているが、智子が実行したのはそれほどの所業だった。



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