宇宙戦艦ヤマト編その1『新たなる旅立ち編』
※今後の伏線も兼ねています。


 

-2201年。23世紀初の年も戦で始まろうとしていた。

−無限に広がる大宇宙……。宇宙には愛と戦いが入り乱れている。多くの戦乱を経験した22世紀末の地球人なら宇宙の可能性を信じる上で誰もが持っている認識だ。

ドラえもんものび太も多くの戦いを経験したからそれはよく知っている。ドラえもん達には不思議だったのは何故、かつて地球を去った天上人などの外宇宙勢力が、
環境が汚染されきった地球に対し、何ら手立てを打っていない事だった。戦いを終えたのび太達は冬の長期休みの間に兵団が倒された後の地球を訪れていた。

「ねえドラえもん。どうして天上人達はどうしてこんなになった地球をほっといたんだろう?」
「おそらく地球が自分達より遥かに軍事力が上回った事で手を出したくても出せなかったんだろうね」
「どうして?」
「当り前さ。ノア計画を実行に移そうとすれば、間違いなく地球連邦の逆鱗に触れる。
連邦軍のあの軍事力なら天上人程度は物の数じゃないだろうし、逆に滅ぼそうと思えば簡単に出来る。」
「それをしていないのは地球連邦政府の良心だろうよ」

スネ夫もドラえもんに同意している。侵略しないのは地球人がその愚かさを一番よく知っているからだろう。
数千年の長きに渡って身内同士で血みどろの争いをしてきた人類の業は自らの手でその代償を支払うしかないのだ。

「美琴さん、元気でやってるかしら?」
「そうだね。あの人ならきっとうまくやってるさ……」

ドラえもんはしずかには美琴のことははぐらかした。美琴を待ち構えている運命が残酷である事はこの時点でさえ本人の他は男性陣しか知らないからだ。

‐その通りだった。美琴は元の時間軸で未来を少しでもいい方向に変えようと奮闘している。それは上条当麻と言う一人の高校生が美琴の時代に起こる戦争の中心に関わること、
そして彼がその戦争でどんな結末を迎えるのか。それを知ってしまった事による物である。この事はドラえもん達は美琴本人からの頼みで、しずかへは口止めされている。
これはみんなによる、しずかへの配慮だった。

轟音が響き、ドラえもんたちの迎えがやってきた。軍の極東支部所属の可変モビルスーツ「RGZ‐95 リゼル」。大気圏内用に可変式ウィングタイプのバックパックを装備したタイプだ。
一個小隊が飛来し、ドラえもん達を乗せる。

「ご苦労様です」
「さっ、提督たちや来賓の方がお待ちです」
「来賓?」
「あなたがたが良く知っている方ですよ。とある惑星の大使だそうですが…」

リゼルのパイロットはそれだけいうと、ドラえもん達を乗せて離陸する。`大使`。ドラえもん達が関わった人物たちの中でそれほど大成した人物はただ一人。
ドラえもんとのび太は懐かしい人物との再会に胸踊る気持ちだった。

 

 

 ‐地球連邦政府との国交が成立し、ネウロイとの戦いに一段落ついた(ティターンズ残党と戦争は続いているが)世界から未来世界を休暇で訪れた菅野直枝は空戦技能を鍛えるために、
横須賀基地を訪れていた。扶桑では`気難しい性格`で知られた彼女だが、未来世界の住人達や501の隊員との交流(宮藤芳佳という後輩が出来たことも影響)である程度は改善された。
現在は当面、自由行動が許されている(502への復帰は代理人員の関係上、まだ先になりそうである)身分だが、体を動かしていないとどうも落ち着かない。

「ん?あれは……?」

直枝は港に停泊している一隻の超弩級戦艦に思わず目を奪われた。その艦容は扶桑皇国海軍軍人ならば誰もが憧れる最新鋭戦艦のそれと酷似していた。その名は大和型戦艦。

「大和……!?んな馬鹿な!?」

艦首の紋章が波動砲(直枝はあの戦いの際にアンドロメダ級超弩級戦艦の拡散波動砲を目にしていたので、波動砲の事は知っていた)に変わっているなど、
細かいところが改良されている以外は正しく大和型戦艦の艦容を維持していた。ただしサイズは大きくなっているが……。

「ようナオちゃん、こんなところでなにやってんだ」
「あれ?坂本大佐じゃないスか。どうしてここに?」
「あの後、再度所属先が変わってあの艦に復帰することになったのさ」
「あの戦艦に?」
「ああ。宇宙戦艦`ヤマト`。人類の象徴たる超弩級戦艦だ」

「ヤマト……」
「ああ」

そう。宇宙戦艦ヤマトこそ、強大な星間帝国であったガミラス帝国と白色彗星帝国にも屈しなかった人類の強さの象徴。
そして直枝のよく知る大和型戦艦の生まれ変わり。この世界では悲運の最期を遂げた大和を復活させた代物。
坂本茂は白色彗星帝国戦後殆どの人員を失ったヤマトの艦載機隊の隊長を努め、一時的に加賀へ移動したが、今回の訓練航海に先立ってヤマトに復帰した。

「地上で訓練もいいが、宇宙での経験もしないとな。根回しはしてある」
「ち、ちょっと待ってくださいよ。あっていきなりオレに宇宙に行けと?」
「そういうことだ。それに君をよく知る人物からの推薦もあってな」
「え?一体誰に?」
「ラバウル……いや`リバウの魔王`西沢義子飛曹長だ」
「なぁにぃぃぃぃ!?姉御が……オレを!?」

西沢義子(にしざわ よしこ)。史実ではラバウルの魔王と恐れられた大日本帝国海軍のエース「西沢広義」中尉に相当するウィッチ。
空戦能力では扶桑の中でも屈指の強さを誇るが、指揮官適性ゼロなのがほぼ唯一の欠点で、501の坂本美緒、504の竹井醇子とは戦友。
彼女と直枝が面識があり理由は、直枝の少尉時代にまで遡る。502の基地に義子が立ち寄った際に模擬空戦を行い直枝を完全に圧倒した。
その際に、「カンノ」「姉御」と呼び合う仲になった。彼女は直枝が慕っているウィッチの一人だ。
直枝を推薦したのは何れネウロイが宇宙から襲ってくるだろうという危惧を持っていたからである。(一応そういう戦術眼は持っていた)

「そうだ。ちょうどコスモタイガーでヤマトに行くところだから付いて来てくれ」
「ちょっと待ってくださいよ、心の準備がまだ……」
「善は急げだ!!」
「うぁぁ〜!!」

坂本茂は強引に直枝を格納庫に連れて行く。直枝はこの時ばかりは自分の不運を呪った。

 

 

‐その頃、かつて宇宙戦艦ヤマトと戦い、今やヤマトの好敵手となった元大ガミラス帝国総統「デスラー」率いるガミラス帝国軍残存艦隊は、
自らの母星たるガミラス星に別れを告げようとしていた……。

そのとなりの青い星「イスカンダル」。地球連邦政府にとって大恩有るこの美しい星は今、新たな戦いの引き金となろうとしていた……。

「総統、まもなくマゼラン星雲のエリアに入ります」
「……そうか。18ヶ月と23日ぶりだな、タラン」

デスラー達は長いさすらいの旅に出る前に一目、母星の姿をみようとやって来た。これが母星との今生の別れとなるのだ。
将兵の誰もが滅び行く母星の姿に涙を流していた。しかしその彼等の母星に侵略者の魔手が伸びていた。その名は暗黒星団帝国。

「総統、ガミラス星にエネルギー反応が……!?」
「何っ!!全艦突撃!!」

デスラーは思わずそう命令を下してしまう。だが、彼等もその命令の盲点に気づかなかった。数年前よりさらに不安定さを増していた
「ガミラス星」は刺激すれば爆発しかねない爆弾であり、言わば「限界まで膨らんだ風船」のようなものであることを……。

 

 

 

 

 

 

 

 

‐地球連邦軍の象徴の一つとして扱われている宇宙戦艦ヤマト。その艦歴は波乱に満ちている。
戦艦大和をベースに改造されたのを勘案してもなお凄いものだ。その情報は一部であるが、連邦の友好国家にも伝わっていた。彼等はヤマトを非常に恐れた。
単艦で`恒星間国家を滅ぼした`力`はまさに自分たちに取って脅威そのもので、
時空管理局をして『第120観測指定(魔術の存在が確認されたため)世界に手を出すな』と言わしめた要因の一つ。
そのヤマトに無理やり乗り込むはめになった菅野直枝は坂本茂の操縦する『一式宇宙艦上戦闘機`コスモタイガーU`』(通称`コスモタイガー`)の後期型
(現場では新コスモタイガーと呼ばれている)三座型の後部座席に乗り込んでいた。ヤマトが訓練航海の為に発進したタイミングで合流する。
既に艦載機搭載のための着艦口が開かれている。そこへ着艦するのだ。

「お、おぉ……あんな狭いところに着艦できんの〜!?」
「そうだ。そうでないとヤマトの航空科チーフは務まらんさ」

ヤマトの着艦口は水上艦艇であった大和型戦艦がベースになっている関係上、下部に設置されている。技量がそれなりになければ着艦が難しいと連邦宇宙軍の将兵から陰口を叩かれている。
(これは水上艦艇を改装した関係で、下部を格納庫に当てたために生じた事)

『古代艦長代理、聞こえますか?』
『おお、坂本か。よく来てくれた。ひよっ子共のお供は大変だな』

(史実では彼もその一人だったが、この時空では白色彗星帝国との戦いのヤマト帰還直後にヤマトに配属されているために一歩進んだ立場になっている)

『ええ、まあ可愛いもんですよ。そんなわけで士官学校飛行課程卒業生54名、ヤマト配属を命じられました』

銀色の塗装がなされた複数のコスモタイガーが編隊を組んでヤマトへ着艦する。見事な着艦を行ってヤマト艦内に降り立つ。直枝は改めてヤマトの様子を見る。
以前目にした水上艦艇としての大和だと、どの当たりに当たるのだろう。たしかアレの場合だと零式水偵か瑞雲が搭載されていたが……。

 

 

「元の大和より大きくなってないか……?これ」
「この艦は元はといえば、移民船の一つとして建造されていたからな。途中で宇宙戦艦に変わったけど」

それは真実だった。ヤマトは当初は移民船の一種として建造されていたが、波動エンジンの技術が地球に入ったのを機に軍艦として変更された。
これはヱルトリウムと経緯を同じとしている。なので図らずしも並の正規空母並の機数が搭載可能となっている。
ただしこれらの諸元を実現するために元々の大和型戦艦のサイズの263mからは2倍を超える、500mを有に超える巨艦へ生まれ変わっている。
(改装の際に元々付いていた武装や備品は博物館行きとなったとか)直枝は不思議な感覚を覚えつつ、坂本と共にヤマトの幹部レベルの乗員に報告をしに行った。

ヤマトの第一艦橋は主だった幹部レベルの乗員の勤務場所となっている。
艦長席は最初の航海で初代艦長の「沖田十三」提督が亡くなってからは空席となり、現在は沖田から引き継ぐ形で戦闘班長の古代進が艦長代理を兼任している。

「坂本、その女の子は一体誰だ?」
「この子は例の`ストライクウィッチ`ですよ。名前は……」
「扶桑皇国海軍所属、菅野直枝大尉であります。宜しくお願い致します」
「そうか。君が……」

ヤマト特有の制服(服や↓の色で見分けるので、他の艦の乗員には大昔のSF並だと揶揄されている)を着た一人の男‐宇宙戦艦ヤマトの工作班長であり、
技師長の真田志郎は直枝の素性を瞬時に理解し、握手する。このようなありえないほどの理解力などから、彼は`こんなこともあろうかと`神として軍内で名が轟いているのだ。

「真田さん、この子を知っているんですか?」

第一艦橋の最前列の席の一つに座っていた若い男‐艦長代理の古代進がやって来た。坂本が連れてきた女の子の正体が気になるようだ。
真田は古代の心情を理解し、直ぐ様説明した。子供でも分かるように噛み砕いて、なおかつ理論的に。

「みんな、`平行世界`というのは知っているな?」
「ええ。もしもこうだったらどうなっていたのか、を具現化させたもう一つの現実のようなものでしょう?」

第一艦橋の乗員たちは皆、真田の説明に聞き入っている。それほどまでに彼の言葉は力があるのだ。

「そうだ。昔から物理学的にも天文学からの観念からも存在が指摘され、つい最近に実在が確認された。彼女はその平行世界の住人。
それも安土桃山時代以降は大きく異なる歴史を辿った日本から来たのだ。」

そして真田は我々のよく知る歴史で言えば、直枝が誰に相当する存在なのかを告げる。それは第一艦橋の誰もが驚く事だった。

「この子は我々の歴史で言えば、かつて大日本帝国海軍の大戦後期の代表的なエースパイロットだった`菅野直`に相当する存在。
`デストロイヤー`、`ブルドッグ`と言えば分かるな?」
「なっ……この子があの……?」

中でも一番驚いているのは古代だった。彼は戦闘機の搭乗員でもある関係上、かつて名を馳せた撃墜王達の名は諳んじている。
その中でも大戦後期の劣勢な大日本帝国海軍航空隊の中でも最末期まで戦果を挙げた部隊「海軍第343航空隊」の編隊長の一人であった男。
その可能性の一つがここにいるのだ。
古代は感心したような顔で直枝を見る。

「そういうことになるんで、お手柔らかにお願いしますよ。古代艦長代理」
「あ、ああ……」

(あんがと〜真田さん。艦長代理を出し抜いてやったぜ!)

いささか驚きが抜けない様子の古代に、直枝は`してやったり`といった心境で、心のなかでガッツポーズを取った。
噂に聞く、ヤマトの猛者どもに舐められないようにするには第一印象で勝負するしかないと踏んでいた彼女としては、真田志郎に物凄く感謝するしかない。

‐ヤマトは間もなくコスモタイガーを全機収容し、地球の大気圏を抜けようとしていた。ひとまずの目的地は火星。
そこで同じく訓練航海に出ている数隻の主力戦艦級と新造の戦闘空母型、護衛艦らと合流して訓練を重ねるのだ。
(元々のベース艦であった大和型戦艦が連合艦隊旗艦であった関係と、当初の建造目的が移民船であったので、
下手な情報処理艦以上に通信設備は充実している。それを活用しない手は無い)

僚艦となる戦艦群は、白色彗星帝国との土星決戦をすんでのところで生き延びた艦もあれば、つい最近に新造されたばかりの性能向上型もいる。
空母に至っては航空隊要員こそベテランだが、艦はできたてホヤホヤの新米艦。これらの艦艇は護衛艦と共にヤマトを待ちうけていた。

これらの乗員達はあのヤマトと共に訓練できると知り、士気が上がっていたが、精鋭搭乗員ぞろいのヤマトについていけるのだろうか、と不安たっぷりであった。

 

 

 

 

 

 

ーn宇宙戦艦ヤマトは訓練航海のために火星付近で友軍艦隊と合流し、訓練に励んでいた。ヤマトの新たなる旅立ちである。

「第一、第二主砲は右舷のダミー艦を狙え。コスモタイガー隊は対艦攻撃訓練を行い、練度の向上に努めろ」

この時期のヤマトの乗員の殆どは有望な者が多いとは言え、これが初の艦隊任務である若者が大半を占めていた。
コスモタイガー隊を率いているのは事実上の隊長格「坂本茂」。そして艦橋には士官学校を首席で卒業した俊英「北野哲」が勤務している。
そんなヤマトにおいて`来客`扱いになっている菅野直枝は艦内からコスモタイガーの訓練の様子を見ていた。
コスモタイガーの対艦攻撃の標的艦は地球連邦軍が退役させた旧型のサラミス級巡洋艦やM−21741式宇宙戦艦(ヤマト登場以前に作られていた惑星間航行用の戦艦。
沖田提督の指揮艦は日本で記念艦となったが、この艦はアメリカのドックで本土決戦に備えて秘匿されていたものである。
旧名は`ノースカロライナ`。波動エンジンの実用化とその搭載艦が順次編入されるに当たって、第一線戦闘艦としての任を解かれ、
標的艦としての第二の人生を歩む事になった)である。標的艦は駆逐艦からのリモコン操縦で動き、コスモタイガー隊の練度上昇に一役駆っていた。

対空砲火をくぐり抜け、模擬弾を叩き込むコスモタイガー。この頃には新コスモタイガーがヤマトなどの艦船には全面的に配備されていたので、
コスモタイガーの新型への機種統一は一応成功している。

「宇宙でも戦えるストライカーユニットがありゃな……」

菅野は宇宙戦を行うことができない今のストライカーユニットに歯がゆい思いを持っていた。
宇宙でも使えるジェット・ロケット双方のハイブリット式は、3年以上の歳月はかかるだろうし、
未来で「扶桑海の巴御前」が使っているものにしても、まだ正式採用前の先行試作の代物に過ぎない。
それらは各戦線での支えとなっているエース達に優先的に配備されているが、ジェットへの生産設備の転換に時間がかかり、
設備がある扶桑の出身者でもジェットを受け取れたのは数える程度に過ぎない。真田が開発陣に加われば年単位で時間が縮められると思うのだが……。

「ぼぉっとしているワケにもいかねえ。どうしたものか……」

菅野は宇宙で自分の出番はまずないだろうが、何か役に立てないものかとヤマトの艦医である佐渡酒造に相談してみることにした。

 

「フム。要するにお嬢ちゃんは自分も何かヤマトの役に立ちたいんじゃな」
「そういう事だよ、佐渡大先生」

禿げ上がった頭と、名は体を表すの要領で無類の酒好きな『名医』(実はこの時、人生で一、ニ番の誤診をやらかしているが、それが誰であるか本人すら知らなかった)
佐渡酒造は菅野の相談に快く応じ、アドバイスを与えた。

「ヤマトは結構忙しいからのぉ。島の航海班や真田君の工作班はお前さんの性には合わんじゃろう?」
「ええ」
「と、なると手空きの生活班、飛行科搭乗員が定数には達していない戦闘班になら何とかねじ込めるじゃろう。ワシが古代や雪に話つけとくから酒でも飲んどけ」
「オレ、未成年ですよ?」
「心配いらん。この時代、ノンアルコールのビールテイスト飲料って便利なモンが発明されておる。あれ考えた奴は偉大じゃぞ〜」

佐渡酒造は冷蔵庫から未成年者用のノンアルコール・ビールテイスト飲料を取り出し、菅野に差し出す。

「キ◯ンじゃん!!確かにこれ考えた奴はスゲエ」

佐渡から缶で渡されたビールテイスト飲料を飲み干しながら菅野はヤマトのこの航海での自分の身の振り方に想いを馳せていた……。

 

この火星基地で訓練を行なっている艦艇はヤマトの他には、戦艦「テメレーア」、「ハウ」、「ライオン」、
空母「クイーン・エリザベス」、「インヴィンシブル」、「オーディシャス」、「イーグル」、巡洋艦「高雄」「愛宕」、「摩耶」などの艦艇である。
これらは修理完了間もなかったり、新造の試験航海故に正規の艦隊編成には組み込まれていない。

連邦軍の上層部はこれらの試験航海をヤマトに同行させてすまそうという思惑があった。
ギアナ高地に一つの電報が舞い込んできたのはヤマトが火星に着いて三日後のことであった。

「将軍、長距離通信が入ってきました」
「どこからだ?マクロス級、それともメガロード級か」
「ハッ……それが……旧・ガミラスの、しかもデスラーからなのです」
「何、デスラーから?」
「なんでもイスカンダルの事についてなのですが……」
「デスラーからの通信を部屋の端末に繋ぎ給え。今すぐだ」

レビルはデスラーが直々に地球に通信をかけてくるとは何事か?と通信端末の電源を入れる。

それがヤマトの三度目の航海の幕を切って落とすきっかけになろうとは誰も思いもよらなかった。

 

内容は以下の通り。

「ガミラス星が未知の敵との戦闘の最中に大爆発を起こし、その影響でイスカンダルが軌道を外れ、暴走を始めた。
イスカンダルには古代守とスターシャがおり、このままでは2人の命が危ない。至急なる艦隊の派遣を望む」と。

これに藤堂平九郎軍令部総長の副官である「芹沢虎鉄」中将(白色彗星帝国帝国戦時は参謀総長であった)は憤慨。「よくもぬけぬけと……」
と怒り心頭。だが、レビルと藤堂は「あのデスラーがプライドを捨ててこのような打電をしたのだ」と諌め、イスカンダルの危機を察し、
すぐにヤマトに打電。ヤマトに艦隊を率いてイスカンダルへ馳せ参じよとの指令を通達し、艦隊を臨時編成させた。
その日の内に、ヤマトは火星にいた友軍をまとめ上げ、発進した。

 

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