――ミッドチルダへ派遣された連合艦隊は武蔵に代わり、姉妹艦の信濃がその任に就いた。戦艦信濃は正確には改大和型として、地球連邦海軍の技術が最初に導入された最新鋭艦。武蔵と比べてみるとその違いがよく分かる。艦の全長が263mから30mほど延長され、艦幅も拡大されている。これは50口径46cm砲を積むための措置である。レーダーなどの電子装備は到着後部分的に未来装備が導入され、射撃精度は武蔵以前の姉妹艦を上回る。これら各種の細かな改良で基準排水量は75000トンへ、満載排水量は83000トンあまりへと増大しているのであった。
「こうして見ると信濃は武蔵より強大なのだな」
「ハッ。ドイツとやりあうにはおあつらえ向きの艦であります」
「当てにさせてもらうぞ、艦長」
機関故障を起こし、本国での修理が必要と判定された戦艦武蔵に代わり、連合艦隊司令長官騎が翻る事となった戦艦信濃はこの日を以って小沢治三郎中将ら首脳陣が武蔵から移乗してきた。信濃の艦長は史実では不運の最期を遂げた阿部俊雄大佐である。
「私が前に乗っとりました大淀と比べますと実にでかい。安心感が大きい」
「そう言えば君は水雷畑だったな」
「ハッ。我が艦では噴進弾の研究をやっとりますので見事、戦果をあげてご覧に入れましょう」
信濃はミッドチルダ到着後の海戦後に扶桑海軍史上初の就役済みの実用艦の未来装備によるミサイル装備が施された。初の事例であるので、アイオワ級戦艦の装備レイアウトが参考にされたという。所詮はテストを兼ねた仮設装備の域は出なかったが、改装は思いのほか早く終わり、艦橋には未来技術による戦闘指揮所が設けられた。そのため武蔵より遥かに総合戦闘能力は上となった。
「未来技術のおかげで禁忌と言える兵器のネウロイ化研究は破棄され、代わりにこれらの研究が盛んになった。ある意味ではティターンズとトレヴァー・マロニー“少将”のおかげですな」
「だな。毒には毒を以って征するという言葉があるが、悪魔に魂を売るようなものだからな」
これはティターンズが未来装備の優位性を見せつけ、更にトレヴァー・マロニーが中心になって進めていたウォーロック計画がウォーロック自身のネウロイ化という最悪の形で破綻した事で“人類兵器のネウロイ化”が禁忌とされ、代わりに未来世界の先進軍事技術の導入が進められた事を軍人として喜ぶ阿部大佐の言である。彼の言う通り、マロニーは事後、『禁忌に手を出し、あまつさえ赤城を喪失させ、同盟国に多大な損害を与えた』とウィンストン・チャーチル首相の怒りを買い、大将の座を剥奪され、更に東部戦線に左遷させられた。彼の失脚は連合軍内の“兵器をネウロイ化させる”研究の強制破棄をも意味した。その代わりに科学者に与えられたのが未来世界での先進科学であった。その産物がミサイルであり、レーダーなのだ。
「ある意味ではティターンズは危機感を煽ってくれたよ。そのおかげでこうして科学の発展が急激に起こった。ネウロイ化などという馬鹿げた考えが蔓延る根を自分で摘んでくれたあの少将には感謝せねばな」
小沢は兵器のネウロイ化へ疑問を持っていた。それが頓挫した事を大っぴらに喜んでいるようだった。何にでも踏み込んではいけない領域がある。それがたとえ戦争であろうが。未来世界で核戦争が抑止されていたのもこの考えが各国の歴代指導者にあったためだろう。
「ところで、例のH型戦艦の空撮写真の現像は完了したかね」
「ハッ。では作戦室で確認しましょう。資料一式は連邦軍から配布されております」
彼等は作戦室へ足を運ぶ。そこでは参謀たちが既に対H級の議論を行なっていた。
「格上の砲を持つ戦艦相手とはいえ、甲斐との共同射撃で立ち向かえるはずだ!」
「ドイツ戦艦のダメコン技術を甘く見るな!」
「ではどうするのだ!?」
「おう。やっとるな」
「お、小沢長官!」
参謀たちが一斉に小沢に敬礼する。作戦室には未来世界から送られてきたH級戦艦の資料一式(旧ナチスが終戦間際に破棄した予定性能処元書類の復元や後世の目による評価本も含まれる)や偵察機が撮影した空撮写真が用意されていた。
「H級の性能はどんな感じかね?」
「基本的にはバイエルン級からの流れを汲んだ改良型のようです。カタログスペック上はリベリオン製戦艦やブリタリア艦を上回り、バイタルパートの最厚部は武蔵をも超えています。途中で改良したのでしょう」
H級戦艦は完成した艦容では後期設計を基にしたらしいと参謀が報告する。主砲が伝統の長砲身48cm砲に、装甲厚が当初案よりも増大されている証拠に、空撮写真での威容は武蔵以前の如何なる戦艦をも上回っていた。
「そうか。それで実際の評価は?」
「未来世界では結局建造されていないので、なんとも言えませんが……ドイツ艦の防御力はプロパガンダで誇張されたクチがあるので希望はあります」
参謀の一人が言う。実際に世界大戦が起こった世界では原型艦と言えるビスマルクは想定されていた距離で砲撃戦を行い、集中砲火に耐えた。が、日米新戦艦(アイオワや大和)と戦えばカモにされるだろうという提言が21世紀以後には散見されるようになった。H級は新規設計ではあるが、所詮はバイエルン級の延長線上に位置する艦。それに完全な次世代型である改大和型が負けるはずがないと。
「そうか、ご苦労」
希望を見出したらしい小沢はニヤリと笑う。彼は然るべき兵力さえ与えられれば有能さを発揮できる。(彼が未来世界で低評価気味なのは、史実で彼が戦線で空母部隊を指揮したマリアナ沖海戦・レイテ沖海戦の双方においての日本軍は既に度重なる失策で全ての点で衰勢しており、もはや世界三位を謳われた開戦時の能力は発揮できなかったのに対し、アメリカは世界一位を裏付けられる桁違いの戦力を揃えていて、日本軍を一方的に屠ったからである)彼は未来世界で過去に存在した自身の汚名返上と名誉挽回、扶桑皇国の誇りを賭けて、エーリヒ・レーダーへ再戦を挑もうとしていた。改大和型戦艦。未来装備を以ってして生まれ変わった大和の二人の妹達はドイツ帝国海軍が誇る超大和級戦艦という怪物に挑む。運命の悪戯か、日独戦艦対決は新たな段階を迎えようとした。この日の夜には甲斐も信濃同様の簡易改修第二弾が初められ、補給艦が運んできていた部品が組み立てられ、船体中央部の高角砲と40ミリ機関砲の代償にCIWSや、対艦対空ミサイル発射装置が仮設される。戦闘艦の中で、船体に比較的余裕がある戦艦でまず実験するのが扶桑海軍の方針らしく、大和型を近代化改修の母体に選定するあたりは新型艦だからであろうか……。それとも呉の一件で失った複数の軍艦の代わりを大和型に求めたからだろうか。それは軍令部しか知りえぬ極秘事項なのだから。
――さて、時空管理局本局に極秘裏に投錨した宇宙戦艦ヤマト率いる地球連邦宇宙軍機動艦隊。この時期の宇宙戦艦ヤマトは乗員の大半こそ世代交代してはいるが、有望株を多数揃えていた。その筆頭格が彼、加藤四郎であった。
「精が出るな加藤」
「艦長代理」
格納庫で新コスモタイガーの整備を行う加藤に話しかける古代。彼は亡き戦友の弟である加藤四郎に目をかけており、次期隊長としての育成を始めていた。加藤もその期待によく応え、数ヶ月でその戦技はかつての副隊長である山本に比肩しうるレベルに到達した。
「いつ実戦に出るかわかりませんからね。整備は念入りにしとかないと」
「その意気だ。今度の戦、お前には一小隊を任せる。部下を指揮しながらの空戦になるが、できるか?」
「任せて下さい」
加藤は自信満々に答える。その姿は彼の亡き実兄である加藤三郎を思わせた。古代はどこかそれが懐かしく感じられた。
(やはり兄貴と似てるな。血は争えないな。こりゃうかうかしてられんぞ)
加藤兄弟の戦闘機乗りとしての才能に若干の羨しさを滲ませる古代。艦長代理の任も兼任しているためにコスモタイガーでの出撃機会が減り、ここ最近はスコアを伸ばしていない。元来は戦闘機乗りである故か、若干のライバル心をもっていたりする古代であった。
――この時の連邦軍の陣容にはロンド・ベルも含まれており、彼等は戦機が熟するのを待っていた。その中には新たなスーパーロボットも含まれていた。
ロンド・ベル 臨時旗艦“宇宙航宙戦艦シナノ” 格納庫
ロンド・ベルの構成艦艇は内惑星巡航用の核融合機関搭載艦である。そのためヤマトとの共同戦線を張るには困難であると判定された。そのため臨時に波動エンジン艦が使用されたのであった。
「隼人の奴が送ってきた新ゲッターチーム、どう思うかい甲児くん」
「竜馬達に負けず劣らずおもしれー野郎共だぜ鉄也さん」
兜甲児と剣鉄也はロンド・ベルの召集に応じ、愛機と共に再び参加していた。彼等が話しているのはこの度、戦列に加わった新生ゲッターチームの事だ。科学者に転身した神隼人の手で選別された屈強な若者達で構成されていた。まずは一文字號(いちもんじごう)。彼はまだ高校生であったが、一流のガンダムファイターにも匹敵する身体能力を備え、流竜馬と同様の肉体派。ただ竜馬と異なり、頭脳の方は残念な子である(隼人曰く、ゲッターに乗れるのは凄いやつか、バカだ!との事で、號は後者である)。2番目の橘翔(たちばなしょう)は2号機乗りの例に漏れず頭脳派で、ゲッター乗りとしては史上初の女性である。隼人の研究仲間の元・新早乙女研職員の橘博士の愛娘であるが、性格はどこをどうしたか、完全に男そのもの。(メカトピア戦争当時は16歳ながら空軍に志願、在籍していたとか)三号機のパイロットは大道剴(だいどうがい)。先輩の巴武蔵や車弁慶とは異なるタイプのパイロットで、どちらかと言うとテクニックタイプ。この三人が新生ゲッターチームを構成する面々だ。
「ネオゲッターロボか……ゲッター線で動いていないのにゲッターと名乗っていいのか?」
「政府の圧力が少なからずあったらしいけど、3機合体機構と三タイプ形態あればマスコミがゲッターにしちまうんだって。それを使ってで隼人のネーミング案飲ませたんだって。まぁプラズマ炉がエネルギー源だから有限だけどな」
ネオゲッターロボの動力源は通常エネルギーである。攻撃力自体はゲッターGと遜色ないが、その代償に他のスーパーロボットのような長時間の戦闘が出来ないのが難点である。その点を差して、甲児や鉄也などの古参スーパーロボット乗りは“本当のゲッターとは言えない”と評している。
「ブライト艦長は何してるんだ?」
「ああ、アムロさんと作戦室で作戦練ってるよ。何せこの艦の使い勝手はラー・カイラムとは違うからな」
そう。このシナノはヤマトの姉妹艦であるので、攻防速共にラー・カイラム級とは次元が違う。恒星間航行艦な上に航空戦艦として造られたので、艦載機数も単艦でラー・カイラム級数隻分を数える。そのためブライトはその運用に苦労していた。
――作戦室
「まさか私が臨時とは言え、ヤマト級の試験運用を任せられるとは……」
「お前は今や“連邦でも有数の名艦長”という事になってるからな。まぁやるしか無いだろう」
艦載機部隊の隊長であるアムロはブライトに比べると気楽な様子だ。軍規則の改訂(西暦2201年に連邦軍は極度の不足にある佐官クラスの不足を補充するため、戦功で大勢生まれた大尉クラスを佐官へ昇進させる事を決定。再教育を受けさせて士官学校卒と同じ扱いにすることで優秀な佐官を手っ取り早く確保した)で大尉から少佐へ昇進したらしく、階級章が少佐のものになっていた。
「お前は気楽だな。少佐になってもパイロットだからやる事変わるわけじゃないとは言え……」
「お前ほどじゃ無いが、俺も苦労してるさ。もうそんなに若くないしなぁ。四捨五入だともう30だぞ?」
一年戦争時は15歳であったアムロもそろそろ三十路の足音が近づいてきたらしい愚痴を零す。それを聞き、ブライトも歳をとった自覚が出たようだ。
「そうか、お前ももうそんな歳か……歳をとったもんだなお互い」
「そうだな。機動部隊の指揮は俺に任せろ。フォッカー少佐から仕込まれたからな」
アムロは少佐昇進の際の再教育の際にロイ・フォッカーに世話になった事を示唆する。フォッカーはこの時期には30代を迎えており、昔の軍隊の常識で言えば、そろそろ中堅どころ。破天荒なところがあるが、上官としては本物である。大部隊の指揮法や、より上の次元の人心掌握術などを教えこまれたとの事(さすがに酒は断ったらしい)
「あの人は酒好きだが、一級だからな。アストナージからお前の新しいガンダムの調整が終わったそうだから見に行ってみてくれ」
「分かった」
アムロの愛機はこの時期には更に代替わりして、Hi-νガンダムとなっていた。以前にアムロがなのはに言っていた『自信作』が遂に当人に届いたのである。カラーリングは青と白のツートンカラー。アムロのパーソナルエンブレムが肩に描かれ、実戦テスト時よりアムロ用にOSや機体のレスポンスも調整されているため、完全にアムロ専用機化した。アムロの元へ届いて間もないため、アストナージが適宜、調整を行なっている。格納庫ではそのアストナージがHi-νガンダムの調整を終えていた。
「これで良しっと」
「ご苦労さんだねぇアストナージさん」
「おうよ。コイツは大尉、いや少佐用のガンダムだからな。念入りにしとかないと」
甲児からの差し入れのジュースを受け取り、飲み干すアストナージ。Hi-νガンダムはνガンダムより完成された機体ではあるが、初期不良が生じるとも限らない。なのでいつもより念入りなのだ。
「Hi-νガンダムか……。νガンダムを超えるガンダム。アムロさんの自信作ってどういう事なんだい?」
「今回のνガンダムは少佐の基本設計に忠実に出来てるんだ。翼形のファンネルラックとか……」
Hi-νガンダムはアナザーガンダムの影響を受けたらしく、ファンネルラックが翼のような形状である他、Zガンダムのようなスラスタースタビライザーが装備されているなどの技術的特徴がある。アナハイム・エレクトロニクス社の技術陣は可変機で得られたノウハウを通常タイプMSに投入したようである。
「フム。アナハイム・エレクトロニクスも色々考えてるんだなぁ」
「νガンダム系列の最高到達点だからな。機動性も小型機と遜色ないぞ」
「すげぇ」
サイコフレーム搭載機である都合上、Hi-νガンダムは20mの大型機としては異例とも言える機動性を誇り、ガンダムF91やV2ガンダムに劣らぬ俊敏性も併せ持つ。νガンダムと異なり、量産を全く考慮しない文字通りの超高級MSとして造られたためにνガンダムよりも更に高位の性能を有する。(量産出来ないというのは兵器としては本末転倒状態だが、フラッグシップ機としての地位を確立した後のガンダムタイプではままある事)
「その分、アナハイムも機体調整に難儀してな。少佐用の調整に予定より半年余計にかかって、少佐用の機体としては前の戦争に間に合わなかったのさ」
「アムロさん、こだわってるからね。とくにあの後からな。ほら、ブライト艦長の……」
アストナージに同意する甲児。アムロはネオ・ジオン戦争の戦訓からか、最近は機体の完成度にこだわりを見せるようになっていた。第二次ネオ・ジオン戦争で複数の親しい部下を複数亡くし、ブライトの子であるハサウェイ・ノアの人生を狂わしてしまったという負い目からのものだ。ハサウェイ・ノアが鬱病を患ってしまったのに間接的に関与した事を悟ったアムロはハサウェイの治療費をブライトの妻であるミライ・ノア(旧姓はヤシマ。元ホワイトベースの操舵士であった)へ送金しているとの事だ。
「ハサウェイか……あいつ、鬱病になっちまったとか聞いたな。鬱病のあまり妙な気を起こさなちゃいいんだが……過激な事に走るとか。少佐もそれを恐れてる」
アストナージはハサウェイ・ノアが鬱病が高じて過激な活動に身を投じないか心配する。亡きクェス・パラヤの幻影に囚われた彼の心は孤独に苛まれているとアムロから聞いていた。その孤独と苛立ちの捌け口を過激な行動に求める可能性もあるからだ。(彼等は知る由もないが、どこかの平行世界では、実際に20代になった後にシャア・アズナブルの思想に共感し、Ξガンダムで持ってテロ行為を行った末に敗北、銃殺刑に処されている)アムロはそれを恐れている節がある。実際、スペースノイドの若者の間では、シャア・アズナブルの掲げた大義名分に共感し、テロリストとなる者は多いからだ。
「ブライトさん、単身赴任が多くて子供の教育は奥さんに任せきりだもんな。しかもあいつはあの時はまだ中学生……。年考えればかわいそうだが、ヘタすると大人になっても傷を引きずって生きていく……ブライトさんもこればかりはどうにか出来ないだろうな」
甲児はハサウェイ・ノアが思春期に入りたての時期に負った心の傷の大きさをそう例えた。幾多の戦場を勝利の二文字で飾ってきたブライトもハサウェイの心の傷を癒すことに関しては頭を抱えている事は既にロンド・ベルの主要メンバーには周知の事実な事が伺えた。こうして、ロンド・ベルの面々は潜伏の時をしばし過ごし、戦機が熟すのを待った。その時はまだまだ遠い……。
――こちらはドイツ軍。ドイツ海軍は実戦データを得、直に水上艦の改修を行っていた。先の海戦のデータを基に主要艦艇の水雷防御を増強していた。
「元帥殿、各艦の水雷防御増強、開始しました。およそ半年で全工程を終える予定です」
「うむ。第一次大戦から進歩しておらんと各国から陰口を叩かれて幾星霜……見ておれ日本軍、その内ギャフンと言わせてくれるわ」
レーダーは海軍の増強に余念がない。これは第一次大戦敗戦をきっかけに海軍大国の座から滑り落ち、第二次大戦では陸軍国としか認識されなくなっていたことの悔しさがあるのだろう。自分たちに変わって世界三大海軍の一角の座をほしいままにした日本への対抗心から来た言葉なのだろうが、“ギャフン”はセンスが古すぎる感は否めない。
「潜水艦隊は?」
「通商破壊に戦果を上げています。それと例の新型超高速魚雷ですが、来週には実験を開始いたします」
これは地球連邦内部にいるロシア系のシンパから得た魚雷技術を基に製作中の高速魚雷。戦艦や大型空母への決定的打撃力を得るためと、潜水艦の魚雷選択肢の増強を狙っての開発である。
「うむ……。ティルピッツの修理は?」
「砲塔の新造からですから四ヶ月はかかります」
「あの小娘めが……“大砲鳥”だな。全く……スーツカのG型じゃあるまいし」
エーリヒ・レーダーはなのはの見せた火力をJu87のG型に例えた。それは実に的を射ており、これをきっかけになのはは“管理局の大砲鳥”としてドイツ軍に名を轟かせる事になり、ドイツ軍のプロパガンダ放送で名指しされるほどの有名人となってしまった。この事への本人のコメントは「なんでこうなるの〜!?」と涙目だったそうな。
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