外伝その360『連合軍の悲哀3』


――百戦錬磨の強者を集めた部隊は上層部からは異端視されるが、日本はそれを『勝つために』集めさせた。343空の伝説を本物にするために。末端にい数人の新人以外は百戦錬磨の古強者かつ、トップ一%のエリート。元々、ウィッチは20代になると引退する慣例だったのを『神の祝福と加護』で超えた者たち。他部隊ではどうしても異端視されると見做されたため、特に強力な者は『一箇所』に集められた。主な幹部は陸軍出身者だが、海軍出身者もいないわけではなく、海軍に残留している坂本、若本、空軍に移籍した竹井の三羽烏が実質的に幹部扱いであった。その分、課せられる訓練は過酷だ。アットホーム的雰囲気はあるが、座学、実技共に高水準の教育が施されており、総じて航空自衛隊の幹部学校と同水準の教育が施された。軍事一本槍ではなく、21世紀以降での生活に必要な知識も講義に入っており、21世紀及び、未来世界にいつ行っても問題が出ないように、他部隊の人員にも教育を行っている。講師は21世紀と未来世界の双方に生活地盤のあるGウィッチ達がかわりばんこである。そのため、他部隊の幹部が受講のために、64が駐留する駐屯地や配置される空母を訪れる事も当たり前だった――




「では、本日はここまで。他部隊の者はレポートを課す。字数は3000文字以上で、私宛てに送ること」

他部隊と言っても、実働部隊はかなり減っているので、44年までのように国際色豊かというわけではない。ロマーニャ系は各地の警護や負傷による後送でほぼ姿を消していた。リベリオン系は分裂により、講義ごとにパラパラいる程度であった。MATへの組織だっての移籍により、扶桑系も数を減らしていた。そのため、軍部は思ったよりも戦線に残留したウィッチ部隊が少ない現実に悩んでいた。花形とされたはずの航空機械化歩兵は『人数を確保できない』難点がクローズアップされるようになり、戦後の時代には、大国の多くは平時は儀礼部隊中心の配置にし、有事にのみ高練度者を出征させるようになる。(扶桑のみは慣例もあるが、休眠期がすぎれば多くのウィッチが生まれるため、従来通りの配置である)この時期は通常兵器の近代化が急務とされて予算が注ぎ込まれたため、魔導理論の進歩でしか抜本的な性能の進歩が起きない航空ストライカーユニットは特に軽視されていた。当時、航空ストライカーユニットを支えた第一世代宮藤理論は袋小路に入りつつあり、第二世代宮藤理論は扶桑の吾郎技師のみが実証可能な『机上の空論』に等しいものだったためもあり、時空管理局からの魔導装備の購入も検討されたほどだった。だが、『永続的に魔力の使用が可能な魔導師が前提では、ウィッチの魔力では使用に耐えられない』とするウィッチ出身技官の意見で頓挫してしまう。その代わりに、実現の可能性が高いと見込まれた第二世代理論の具現化に扶桑は全力を注いだという。ただし、ウィッチの老化防止という観点からの魔導師の研究は行われ、数年をかけて、リンカーコアの研究を完成させていくのであった。








――40年代当時、戦艦の整備は時代遅れだとする意見が急進的な若手造船官や軍人に多かったが、結局は彼らが目標としていた『航空母艦の充実』も艦上機のジェット化と、それを運用するための空母そのものの高額化、パイロット育成費の高騰の三つが現実問題になった。皮肉な事に空母そのものの技術進歩が否定する形になった。彼らは戦艦を怪物と評していたが、空母も兵器としての進歩で『怪物』に変貌を遂げてしまう事にショックを受け、更に誘導ミサイルも技術進歩で『一軒家を飛ばすような』と形容されるほどの高額な兵器と化してしまう(21世紀時点では)事に愕然とする事になる。ブリタニアのチャーチルは空母機動部隊の進歩による維持費の高額化を見抜いており、戦前の仮想敵国の海軍力が尽く弱体化した事もあって、『リベリオン艦隊の抑止力になればいい。』とし、空母機動部隊の整備に予算を注ぐ事に消極的であった。扶桑はこの煽りを受け、ブリタニア空母機動部隊が予想以上に弱体なために、空母機動部隊も大規模に保有し続けなければならないという宿命を背負っており、宇宙戦艦の保有はその双方を満足させるための施策であった。


――扶桑 横須賀軍港――

「これが建造中の播磨型ですか」

「ええ、子爵。これが23世紀の技術で建造中の新造艦です」

350m級の船体が急速に出来上がりつつある。これこそ、播磨型の最終艦となる予定の801号艦である。のび太は扶桑の子爵の襲爵の内示があり、扶桑華族に列した。のび太が見学している播磨型戦艦は三番艦の予定の能登がラ級に転用され、五隻の予定が四隻に減勢されている。名目上の建造目的は旧型の代替だ。基本レイアウトは大和型戦艦のそれだが、50cm砲搭載に改良されており、未来世界の技術で造るために建造費は旧来艦が嘘のように安い。

「子爵、襲爵していきなりのお仕事ですか」

「ええ。私のような成り上がりの青二才は行動をしなければ、ご老人方の信用は得られませんからな」

青年のび太は襲爵を受けたその次の日、箱根温泉から愛車のミニSを飛ばし、横須賀軍港に来ていた。黒江の要請でY委員会の管理下にある『N・Rプラン』(ニューレインボープラン)の武装テスト艦に指定された播磨型最終艦の建造進捗状況を視察していた。他の同型艦よりも『轟天』(豊葦原)の更に叩き台という武装配置が予定されている。

「轟天の武装テスト艦、ですか」

「ええ。ニューレインボープランに反対する者は大勢おります。ご老人方を満足させるため、洋上艦艇で武装テストを行うのが必要という結論が出まして」

「空母はどこで?」

「ドックの拡張が完全に終了次第、大神、ここ、舞鶴で起工予定ですが、変更もあり得るでしょう」

「MSを使って、作業の効率化を?」

「払い下げのジムUです。古いクレーンを換えるまでの代用品ですが」

モビルワーカー代わりに使用される、払い下げのジムU。地球連邦軍はジムU以前の機体をモビルワーカーの代用品に使用しており、モビルワーカーとしての払い下げを受けた機体が扶桑の工廠でも複数機が稼働している。ドック設備も超近代化されており、その設備が近代艦艇の短期間での建艦を可能にしていた。戦艦を短時間でポンポンと造れるようになったのは、クレーンの宇宙戦艦建造用への刷新による建造速度向上、モジュール構造による組み立て速度の向上も大きい。ちなみに、ジムは10トンまでの重量物運搬用に使用されているという。

「完成はいつ頃で?」

「例の事態までには。敷島型も地球連邦が南洋の地下で建造中です。例の事態ですが、本当に起こるのでしょうか」

「山本閣下の手の者が調べ、私はその処理をしてきましたが、連中はやる気ですよ」

のび太はクーデター軍の首魁になりそうな『艦隊派』の生き残り退役将官らの何人かを処理したものの、クーデター派の決意が却って強固になっている。Y委員会の委員でもあり、日本連邦最高のエージェントである彼は軍隊と行動を共にする際は佐官待遇であり、便宜的に日本連邦軍少佐の軍隊階級を持つ。軍隊に潜り込む際には、自分を知っている者の便宜を受けるゴルゴと違い、正式な軍隊階級を得ている点では、英国情報部のエージェントに近い。そのため、のび太は扶桑皇国海軍の第二種軍装(紺の軍服)を着込んでおり、少佐待遇である。

「起きますよ。連中の不満は東條英機閣下の国外追放、彼の支援で栄達したウィッチが多いという事に根ざしている。海軍は艦隊派の残党が迎合しているにすぎませんが」

「それだけですか?」

「あとはGウィッチは元からエリート層だから、でしょうか。殆どが一族が軍人なり、名家の出だし、聖上の信頼も篤い」

「東條英機閣下は近代戦に無知でしたが、国防は真摯で、清廉潔白だったのですがね。同位体の罪を彼に背負わせるなど、生贄も同然だ」

「仕方ありません。彼は多くの世界で300万の無辜な臣民を地獄に叩き落す戦争を始めた時の指導者です。日本人は彼個人を追放したいのであって、一族には恨みはないのですけど、露骨すぎた」

東條英機の国外追放は些かの自慰的意味が含まれていたと、のび太が評するように、日本の世論が連邦に容認させてしまった施策である。東條英機は近代戦に無知ではあったが、筋さえ通せば、毅然とした態度でナチス・ドイツの抗議を一笑に付す美点もあった。同位体は確かに日本国民への罪を背負って死んでいったが、扶桑の彼自身は早い段階で失脚した、ただの予備役大将でしかない。東條英機の子供達は日本でも一定の地位を得た記録があるが、嫡流の一族への迫害は曾孫の代でも続いたという。東條は追放前、『私は臣民への罪を背負う宿命かもしれんが、子供、孫、曾孫達は私個人の罪とは関係はないのだ。罪は私個人が背負えばいい』という言葉を残している。日本で、自らの子孫が十字架を背負って生きていることへの詫びとも取れる発言であった。東條は天皇のためなら、天皇に擬せられし罪も引き受けるほどに忠臣であった。太平洋戦争開戦時の指導者であった事で独裁者、悪漢のレッテル張りを受けたが、実際は強権を奮えない小役人的人物にすぎない。

「閣下は日本の組織で人望を集める典型的な小役人だった。私どもの世界での東郷平八郎元帥や児玉源太郎のように、武士の経験があり、国際的ビジョンを持つような人物ではなく、典型的官僚軍人にすぎない壮年の男性にすぎない」

「閣下は事務屋としては優秀でしたからな」

「父親の英教にむりやり軍人にさせられたのが、閣下の不幸かもしれません。警察でも行っていれば、300万の臣民を地獄の釜に落とした大罪人のレッテルを未来永劫受ける事もなかった」

のび太は冷静に東條英機の不幸を分析する。東條英機は父親の英教が『長男と次男が夭折したし、こいつを軍人にする』という執念で育てた事自体が不幸の始まりであり、第一次世界大戦を未経験である事、官僚コースから政治に噛んでしまった時から破滅への道は決まっていた。東條は多くの世界で『東京裁判で絞首刑』の道を辿るのを知り、子供や孫に類の及ばぬように実質の国外追放を受け入れた。その点、ウィッチ世界は東條英機にとっては稀有なほどの幸運な結末であったと言える。

「閣下は田舎の素養ある子女らを支援し、軍に引き入れていた。私兵との批判はありますが、最前線に送られ、死んだ者も多いというのに、事業の中断など」

「東條英機というだけで、強烈な拒否反応が起きるんですよ、日本は。そして、旧軍の無能のせいにする。東條閣下はオーバーテクノロジーの軍事利用にむしろ積極的だったのですがね、こちらでの」

「例の轟天計画ですか」

「ええ。あ号作戦の失敗で戦局に暗雲が漂ってきたと感じた閣下はオーバーテクノロジーの軍事利用の予算を増やした。結果的には手遅れでしたが」

「日本という国はどうして、一族郎党までを連座して村八分にし、社会的抹殺も辞さないのです、野比卿」

「中華文明の影響によるものでしょう。中華文明の影響を近世まで受けてきた日本はその風習を継承してきた。豊臣秀吉が甥の血縁者を皆殺しにした事件もこちらでは起こっていますから、その名残りが21世紀になっても残ったのです」

「中華文明、ですか」

「ええ。そちらに地球連邦軍から伝わりし、ラーメン、酢豚、餃子などは中華文明が発祥です」

のび太と、彼を応対した海軍技術大尉は話を続ける。

「狭いコミュニティでの生活感覚から抜け出せて無いんでしょう。致命的な失敗をした上位者は復讐者になる事が多いから、上位者の失敗は血族ごと排斥される事で成り代わった上位者を守るために、一族郎党の根絶やしをする、大陸は統治者を倒したら、その支配を受けた者まで皆殺し。奴隷階級の者程度しか滅ぼされた国で残らない。その風習が残ったのでしょうね。これからはこの世界の超大国にならねばならない身だ。貴方方の振る舞いを日本が学ぶ事を切望しています」

のび太は政治に噛んだ身として、独自に行動をする。欧州に戻る前に行う視察。技術大尉に連れられ、今度は横須賀航空隊の視察に向かうのだった。




――欧州――

「ふう。疲れた〜」

「いちかに後でカステラでも作ってもらう。今日はパシャパシャ撮られてたよな、フェリーチェ」

「1000枚は撮られてますね。何に使うんですかね」

「ブロマイドか?日本向けに」

黒江とフェリーチェは広報の仕事を終え、午前12時に駐屯地に戻った。広報部の要請でパシャパシャ撮られまくったためと、コラムを寄稿してほしいと言われ、書き上げたため、午前様になってしまった。戻ると、イリヤとクロがジープに乗って、夜間出撃するところだった。

「あれ、今日はお前らがシフトか?」

「サダコが足をくじいたのよ。エイラもそれに巻き込まれて打撲してね。あたしがエイラの代わりに入ったから、明日の昼間は外れたわ」

「わかった。夜道に気をつけろよ。騎乗スキルあったっけ、お前」

「一応ね。エイラはフェネクスの調教に行って帰ったんだけど、機体から降りたら、格納庫でド派手に転んだのよ。サダコが足をくじいたところにぶつかってね」

「思い出した!お前。ないだろ、騎乗スキル」

「ルッキーニとしての技能でどうにかなるわ。覚えはいいほうなのよ」

「そういう問題か?」

「いいの。イリヤに運転させると、エイラが呪詛吐きそうでね。行ってくるわ」

「は、はは…。行ってきます」

「おう。気ぃつけてなー」

二人を見送ると、フェリーチェもことはに戻り、風呂に入る。風呂にはのぞみ、北条響もいた。

「おかえりー。ずいぶんと時間かかったなー」

「1000枚もパシャパシャ撮られまして…。それと、コラムかけと」

「連中も無茶するなー」

「うぅ。先輩、彗星拳はないですよぉ。あの後起きたの、晩ごはんの15分前だったんですから」

「お前がパニクるからだ。現役時代、クイズバトルでムカーディアに馬鹿にされただけやん?」

「大問題なんですー!」

のぞみはすっかり黒江の妹分に収まっているが、北条響(シャーリー)は色々と複雑な転生であるため、現役時代より大人びている。

「あたしに比べりゃいいだろ?こっちは直近が紅月カレンだったんだぜ。嫌な思い出も多いしな」

「響、そんなに?」

「スザクに自白剤打たれそうになる、ゼロ・レクイエムは除け者にされるわ、ムカつく思い出がありまくって…」

「のび太から聞きました。後悔はないんですか」

「後悔があったら、紅蓮で戦うかよ。あれはあたしの青春と言おうか、なんて言おうか…」

「利用されていた、って事にもなるけど、前世の青春だったから、全否定はしたくないんだろ?」

「ルルーシュに利用はされたけどさ、戦ったこと自体は後悔はないよ。結果的に世界は変わったしね。だけど、当事者に入れて欲しかったのは本当だよ」

「輻射波動は紅蓮の能力だよな。それで使ったのか」

「まーな。キメ台詞は変えたよ。だって、ブリタニアが敵ってわけじゃないし、違う世界の事で嫌味を言うような日本の連中のような真似はしたくなかったし」

シャーリーは北条響の容姿ながら、紅月カレンとしての心情を吐露するという離れ業を見せる。そのため、紅月カレンとしての感情も生きているとも取れる。

「でもさ、響、昔より捻くれてるよね?」

「のぞみ、お、おまっ…。なんてこたぁいうんだよー!これでも押さえてるんだぞー!」

「お前ら、ラブとトリオでも正式に組めよ」

「つぼみはどうすんだ」

「みゆきって相方がいるだろ?」

のぞみ、北条響、ラブの三者は戦闘の傾向が近い上、プリキュアとしての代も近い。戦闘でのぞみとラブが相方になりつつある故か、そこに響を加えたいらしい。

「そりゃ、代は近いけどさ」

「ラブリーとフォーチュンは当分の間、鍛えないといかんしな。ハート達は大洗の試合の後始末でまだ呼べん。のび太には、前線に戻るまでに色々と頼んでるしな。ウチのガキ共にも広報の仕事の処理をやらせてるが、連中はあれこれ言ってくるしな」

「のび太に何を頼んだのさ」

「横空とかの視察だよ。箱根湯本の温泉に入ってるっていうから、横須賀軍港と横須賀航空隊の視察を頼んだ。のび太は襲爵を受けたから、華族だよ」

「華族ねぇ」

「古い華族からすりゃ、俺だって成り上がり者だよ。だけど、今は身分が無くなるか否かの瀬戸際だ。連中にはいい薬になる。日本でだって、身分は消えても名士で有り続けた連中は多いしな」

日本は華族の廃止を提言したが、ウィッチ世界では『滅私奉公』をする誰かがいなければ、国そのものの地盤が危うい。扶桑では、日本の記録に残る華族の特権は昭和までに殆ど廃止され、半分は名誉称号と化している。華族であり続けるための義務は変わらずに課されるという点では『割が合わない』が、歴代のウィッチの中には華族に列せられた者も多い。ウィッチが到達できる最高の名誉。それが勲功華族なのだ。扶桑は過度に個人主義が浸透するのを恐れており、(ダイ・アナザー・デイの時点でその芽があった)大まかな身分の区別の存続を望んでいた。オラーシャの大混乱を他山の石とした末の選択だった。また、織田家が最高権力者だったため、武門を嗜むのが華族といえども当たり前だった。日本側が潮が引くように批判を止めたのは、過去の華族よりも血を流す『戦う華族』と形容すべき状態であること、華族の風習も武士時代の名残りが色濃いという点が明らかになったからで、華族の当主の子は誰かどうかが軍人になることが半ば義務化している(この考えが黒田の運命を変えたと言える)点でも、日本の華族とは一線を画する。

「黒田なんて、本家にウィッチがいないからってんで、分家の末端の出なのに、本家次期当主だ。本人は嫌がってたが、本家の息女が自殺未遂して、現当主は廃嫡を宣言した。それで引き受けるしかなくなった。両親は反対したらしいが、本家の決定じゃ逆らいようがないしな」

「災難だな」

「引退したら、どこかに嫁に行かせるつもりだったらしい。だが、七勇士は貰い手いねぇよ」

「あんたらもそうだもんな」

「ほっとけ」

圭子がそうであるように、扶桑海七勇士と認定されたウィッチはその武勇で嫁入りを辞退されてしまうために事実上、婚姻は不可能である。兄弟・姉妹から養子をもらうのが扶桑で名を成したGウィッチ達の複数が辿る未来である。

「のび太には苦労かけちまうが、俺たちは俺たちでやらないといかん仕事がある。のび太には戦線に立ってもらって、戦果を挙げてもらう。それしか日本の一部を黙らせる方法はない。連中は『のび太はやるべきことはした』とか言うが、大冒険の数々の否定になるしな。宇宙漂流記の時のアレだって、のび太達の関知する事件じゃないだろ、本来は。んじゃ、コーヤコーヤとか、バウワンコやギガゾンビはどうなんだって話にもなるんだぞ?」

「連中は鉄人兵団を撃退したから、役目は終わったって考えてるんですよ。でも、実際にはアトランティスの遺産であるウザーラとかがあるし、のび太と無関係じゃない。世界の危機を何度も救ってたんですよ、のび太達は」

「それに、ドラえもんズも統合戦争の時にバダンに立ち向かって、相打ち同然に時空の歪みに姿を消したんだぜ?連中は身勝手極まりないぜ」

「連中は俺たちとつるんでること自体を責め立てる。こういっちゃなんだが、連中は…アレか?病院に入れる類の…」

「いや…。単に、自分の思い通りにならない事を気に入らないのも入ってると思うぜ?のび太は連中に言わせりゃ、落ちこぼれ、人間の屑だそうからな」

「のび太の結婚前夜を見てないのかと言いたいね、俺は。アルカディア号やクイーンエメラルダス号に吹き飛ばされりゃいいんだよ、奴らは」

「全平行世界での神々の戦いだの、サタンだの魔神だの。正直、ヒーロー達だけでやれってやつもあるからなぁ。そんな無関心を決め込んでる連中に限って、自分に災難が降り掛かった途端に罵倒するんだよ。いつの時代もいるだろ、そういう掌返し」

「死刑反対派の弁護士も、身内が殺された途端に鞍替えしたって話もありますからねぇ」

「一年戦争もそうだ。ジオンは数十億は殺ってるからな。シドニーとキャンベラを吹き飛ばした時点で、ジオンの一般市民は戦後の報復を怖がってたようにな。別の世界でのグローブ事件みたいに、連邦軍が暴発しなかっただけでもマシだよ」

「確かに、普通に考えれば、ジオンは同胞殺しの集団でもあるんですし。G3ガスを使ったっていう話も」

「連中は自分達が被害者になった途端、周囲を顧みずに騒ぎ立てる。ナチスドイツ、ジオン、ティターンズ。そういう集団が台頭する度にその場の雰囲気に乗って似たような事をしては、戦後に保身を行うんだよ」

Gウィッチを罵倒する者達のような身勝手な物言いをする者たちは未来でジオン、ティターンズ、過去にはナチス・ドイツに与し、それぞれ戦後に破滅していった。ちなみに、日本では、戦後にGHQに媚を売り、保身を図って、周囲から罵倒された例は木戸幸一が知られる。(その事実と『親独派』という事、戦後に保身に走った点を糾弾され、自身を失脚に追い込んだのは皮肉であった。)彼は維新の功労者『木戸孝允』の縁筋であったが、親独派だったこと、東條英機を政治の舞台に出した点で『罪がある』とされ、日本の手で公職追放がなされ、失脚した。日本の世論は史実のA級戦犯を公職追放する事を肯定しており、東條英機の国外追放もその一環であった。

「連中は史実のA級戦犯を追放して、いい気になってる。だから、扶桑の粛清人事に乗り気だ。A級戦犯は仕方がないにしろ、その罪を犯してもない連中に難癖つけてボコしても、なんにもならん。犯してもない罪で私刑にされて、病院送りにされた連中は自由リベリオンにも多いからな」

この頃、こうした私刑や吊し上げにされる事例は軍部高官らであっても無縁ではなく、井上成美は『海軍の空軍化』を後世の戦訓とセットで批判されたため、それに怒ったが、結果的に空軍に移籍。空軍トップの官僚として、軍人生活の後半を過ごす事になった。(ただし、装甲空母などの登場は予測を超えており、昭和12年以前の時の提言だったから、と釈明したという)また、空軍を『陸軍飛行隊と海軍航空隊の有事連合』と考えていた者が大半だったため、独立空軍とし、完全に既存軍組織から独立する事は想定外であり、空母航空団の形骸化が起こってしまい、海軍から抗議がなされた。海軍独自の作戦遂行能力の保持を日本の政治勢力が懸念した事もあり、空軍が航空部隊を戦時に提供、海軍と統合編成するという規定が設けられた。その適応第一号が64Fというわけだ。(形式上、海軍空母航空団は存続したが、戦争中は空軍が任務を代行することが常態だった)海援隊の取り扱いもこの頃は正式には決まっておらず、組織が活動停止状態であったため、海自と空自が商船護衛を行う事も多くなっていた。64は前線任務との兼ね合いで天測航法と夜間飛行技能は必須技能とされ、プリキュア達も天測航法と夜間飛行の教育を受けた。(意外なことに、のび太はタケコプターの名手であり、天測航法と夜間飛行は自然と身についているため、のび太もその基礎を教える事がある)

「やれやれ。あたし達、当分は政治屋に振り回されそうだな」

「のび太に報いないとならんぞ、お前ら。あいつに転生まで選択させちまった責任がある。あいつを眠らせてやれという批判もあるが、のび太はそれを自分で拒んだ。ドラえもんにもう一度、会うためだろうな。ドラえもんは統合戦争の折に、ドラえもんズを率いてバダンと戦って、親友テレカで時空破断システムを封じ込めたが、その代償に自分達も時空の狭間に消えた。バダンはのび太にとっても仇敵なんだよ、ドラえもんズのな」

「のび太からその話は聞きました。奴らは私が倒します!」

「いや、みんなで、だろ?はーちゃん」

「皆さん…」

「ドラえもんズの仇はみんなで討とう。仮面ライダーを生んだっていう、ナチスの黒幕だし、大首領は日本神話の神だって話じゃん」

「ややこしいぜ、日本の神がナチスを作らせて、その残党を束ねてんだからな」

「そうだ。連中はミサイルを与えてるだろうから、カールスラントが実験段階の兵器がこれからバンバン飛んでくるだろうさ。完成した状態で。多分、第一世代のテリアは数ヶ月もありゃ出してくるだろうよ。だが、こっちには21世紀型のシースパローとRAMがある。レシプロ機は怖くない」

「テリアとターター、タロスが同時期のシステムだしな。こっちはVLSだから、技術的に30年は勝ってるけど」

「21世紀の水準の防空艦あるから、あんなのはおもちゃだ。M粒子使わなくてもジャミングで逸れる」

「ま、オールバニ級ミサイル巡洋艦が来たら、即刻スクラップだろうな。戦艦と甲巡が生きてる世界じゃ、作らないだろうけど」

「戦艦にタロスミサイルは積むだろうな。もっとも、砲塔の一基とバーターだろうがな。こっちはVLS方式で砲塔は全部あるから、俄然優位だ」

最初期のミサイルシステムは重く、スペースもかさばるもので、戦艦でも『砲塔の一基とバーターで積む』ほどだった。だが、日本連邦はVLS方式が普及したため、砲塔とミサイル兵装の両立が可能になっている。そのため、近代化でイージス艦と同等の防空能力と同時交戦能力を持ち、それでいて、戦艦本来の殴り合いにも強い『イージス戦艦』と評される。戦艦は戦後艦艇が持たない打たれ強さを持つ。特に、大和型戦艦は旧来工法での船体なのに、10発のトーペックス系火薬の魚雷に耐えられるという事実がある。金剛型が二発で致命傷を負った事からも、大和型戦艦は元から最新鋭魚雷でも10発の命中を出さない限り、沈まない強靭さを持つのが分かる。それを更に強化したので、21世紀の兵器では、核ミサイルでも傷一つつかないバケモノになってしまった。アメリカ曰く、『オー、クレイジー!ジャパンはゴジラを生み出した!』と話題である。艦尾延長、水中形状の是正、高出力機関の搭載とバウスラスター装備などの改造の結果、原型が基本レイアウトのみのバケモノに変貌している。以後の超大和型戦艦はこの拡大強化型であり、三笠の強化型『敷島型』はその最高位に位置する。全長が800mに達する事実上の移動要塞であり、50万トン級戦艦の改良版と言える。

「でも、軍事評論家達は批判してますよ、戦艦の増勢」

「旧式を取っ替えてるだけだ。そもそも、大和型戦艦は金剛型の代替名目で整備されたんがねぇ」

「ほら、21世紀で映画になってる漫画…」

「ああ、アルキメデスの大戦だろ?読んだけど、永野さんが怒ってた」

「実際は時勢読んでる人って感じだしな。それに、1933年の段階じゃ、飛行機は九〇式艦上戦闘機と八九式艦上攻撃機なんだがね」

「その頃から大和は設計されてるから、40年代の新鋭機の魚雷は想定外なんだよな」

「前に、真田さんに聞いたんだが、大和型戦艦が航空機の攻撃を想定してなかったというのは暴論で、設計時の基準が30年代の頃の魚雷なのだから、トーペックス系は想定外もいいところだってさ」

「あんた、空自だろ?」

「海自の船の視察があるから、海自の幹部学校に行ったんだよ、俺。物好きって言われたけどな」

「先輩、私が47にいた頃の幹部連中が物好きって言ったけど、なんでもやるんですね」

「ま、親父さんに言われて、陸海空の全てを覚えたしな。空挺団が欲しいって言った事あるらしいし、俺のこと」

「綾香さん、なんでも、プリキュアをやろうとしてたって言ってましたし」

「先輩、前に言ってましたね」

「おう。この戦いが終わったら、お前の姿を借りるぞ。ラブのおかげで精神が入れ替わっても変身できることわかったし」

「休暇中にしてくださいよ?」

「わかっとる。ま、智子にも声をかけて、お前とラブの姿を借りる事にするよ。俺はその気になりゃ、お前になりきれるしな」

「あたしも休暇になったら、紅月カレンの姿をとってみるよ。気分転換になるし」


――この時に風呂で語った事はダイ・アナザー・デイ終焉後に実現。黒江と智子はドリームとピーチとして、プリキュアオールスターズと轡を並べる事になる。更に、ハート、フェリーチェ、メロディ、ラブリーも参戦するため、本来の歴史とは、思いっきり変わった戦闘となったのは言うまでもない――

「もし、そうなったらどうするんです?」

「暴れてやるさ。俺と智子は黄金聖闘士だ。腕試しできるし」

とはいうものの、実際はスーパーロボットの参戦も起きる事になり、プリキュアオールスターズがほぼ置いてけぼりな戦闘に発展していくのだが。


「その時になったら、援護に行きますよ。時間軸がメチャクチャになりそうですけど」

「90年生まれのなぎさとほのかが、2005年生まれのはなと共闘してる時点で、お互いの時間軸は意味ないだろ、はーちゃん」

「確かに。その年齢差だと、学校の先生と生徒でも不自然じゃないですね…」

「そうだ。はなは、なぎさとほのかが、二年目に入った時に生まれてる計算になるからな。お前らは英霊の召喚に近い方法で呼ばれてたから、同年代なんだろうな。特に第三期以降でのオールスター戦」

「野球じゃねーんだから。でも、それは当たりかもな」

「お前らはまず、生き残ることを考えろ。アイテムは南斗聖拳とか、元斗皇拳とか、北斗琉拳の前にはガラクタにすぎん」

「ラブのやつ、南斗孤鷲拳と戦って、ロッドは折られる、四肢を斬られて、傷を負ってたっていうしなぁ。あれってたしか、漫画だとシンが使ってた拳法だろ?」

「オーソドックスな南斗聖拳だが、一応は六聖拳だよ。シンは設定は盛られたけど、死に様しか印象にないんだよな、あのキャラ」

「オリハルコン製の道具でも調達すっか?」

「とりあえず、ラブはレッドマスクからマスキーブレードを、のぞみはファルコンセイバーを借りてるそうだ。借りっぱなしも悪いから、ラブリーの技のライジングソードを覚えておけと言って、覚えさせた」

「代が違うから苦労したよ。わたしもフルーレが華山系の呼法で罅を入れられたから、ファルコンセイバーを借りてるんだけど、借りっぱなしも悪いから、めぐみちゃんに頼んで、教えてもらったんだ」

「ラブリーは武闘派だしなー。あれ、エネルギーの剣だから、理論的には他のプリキュアも使えるはずだけどさ、いいのか?」

「ビューティーやアクアだって、一度か二度はチャンバラしてたろ?やっちゃあかんってルールはない。使えるもんは何でも使え」

「ま、それはそうだけど」

「気なりなんなり、エネルギーで刀身を覆う様な技じゃないと『斗』の拳法にへし折られるからなぁ。俺の部下に、21世紀時点の南斗水鳥拳の伝承者がいて良かったよ」

「え、いたんですか?」

「南斗無音拳だって、伝承者が軍隊にいたんだから、六聖拳の伝承者が軍人してたって不思議じゃないだろ」

黒江の自衛官としての部下に南斗水鳥拳の21世紀における伝承者の一人がいた事が語られ、その彼から『南斗聖拳・究極奥義/断己相殺拳』の存在も知らされた。漫画ではラオウにレイが一蹴されたために全容は分からなかったが、直撃すれば、ラオウも一撃で屠れるとされる。そもそも、伝説では南斗と北斗は互角とされたが、ケンシロウが強すぎたためか、南斗聖拳最強を謳われたサウザーも倒され、南斗聖拳は事実上、自然消滅しているため、格下と見なされる。実際のところは伝説通りに互角であり、北斗神拳は最強ではあるが、死に至らなくとも、窮地に陥るケースは多いという。

「そいつに聞いてきたが、技として対極にして互角、勝敗は使い手次第、だそうだ。北斗神拳の伝承者も歴代の全部が強いとは限らないし、漫画のケンシロウの先代のリュウケンはトキタイプだったっていうし」

「剛拳と柔拳の違いってやつか?」

「そうだ。お前らもブラックがパワータイプなのに対して、ブルーム以降はテクニックタイプだろ」

「言われてみれば」

「今度の組手で教えてやるよ。俺も転生を繰り返して、流派東方不敗をそれなりに極めたつもりだ。変身した状態でいいぞ。」

「先輩、黄金聖闘士になっても、まだ鍛えてるんですか」

「黄金聖闘士になったって、下剋上されたのはデスマスクに限らず、歴代にいるしな。飛躍するのは基本ステータスであって、拳のテクニックが上がるわけじゃないし、手数はあればあるだけ役にたつぞ、それに『見』の訓練にもなるからな、他流派の修行ってヤツは」

「確かに。わたしたちもパンチとキックさえ打ってれば普通に大ダメージ与えられるって思われてるし、ブラックとホワイトの戦い方は真似できませんって」

「俺だってそうさ。光速拳だって、当たんなきゃ意味ねぇし、北斗剛掌波だって、当たんなきゃ闘気の破壊エネルギーの奔流にすぎない」

「先輩、なんか苦労したんですか?」

「あいつだよ、あいつ。飛ばされてた時に、音速拳を当てても起き上がってきたからな。流石に参ったから、ハイドロブレイザー・ギガバースト撃ったぜ」

「技のデパートだな、あんた」

「よく言われる。あ、言っとくが、のび太はそれでも色々な要因が作用して死なねーから、異能生存体なんだよ。道端の石ころどころか、あいつはダイヤモンドだっての」

「それを証明するのに、わざわざデモンストレーションを組むのか?」

「そうでもせんと日本人は納得せんと、Mr東郷が言ったからな。星もぶっ飛ばす攻撃でもあいつが死なないのを見せないとならんのだ」

「あいつ、大長編のシリアスモードになってるけど、基本はギャグキャラだから、元から死なないはずなんだけどなぁ」

「そうなんだよ、ストナーサンシャインだろうと、シャインスパークだろうが、絶対に死なない。寿命以外では。のび太も転生を選んだから、魂としては不滅を選んだ事になる」

「のび太は今の肉体での不死性は望んでいないと常々言ってるんです。未来のトチローさんのように」

トチロー(30世紀の大山敏郎)は『俺がもう一度起き上がるためだ』と、ある若者に頼み、自分の魂を死にゆく自分の肉体から、アルカディア号に転送させ、魂は永遠に生き続けることになった。彼に影響を与えたと思われてる発言をのび太はしていた。『肉体は脆く、不完全だが、精神は永久不滅だ』とも言っており、肉体は滅んでも精神は不滅だと説いている。

「あいつ、カミさんの事を愛してるからなー。守りたいと思うだろ?」

「ええ。のび太は私や調にも別け隔てなく接してくれました。その恩を返したいんです、皆さん」

「はーちゃん、前より大人っぽくなったね」

「私にとっては20年も経ちましたから。それでも時々、言葉づかいに幼児性が出ちゃうんで、仕事の時は変身してるんですよ」

「天寿を全うするのが、のび太には最高の恩返しさ、気にしない事だ。もっとも、俺達にはもう寿命って概念はないが…」

「21世紀になったらどうする?」

「天山峰に土地を買ってある。そこに21世紀以降は隠居するよ。家の事はガキどもに任す」

「アンタの娘たちが言ってたのは本当なんだな」

「ああ。21世紀にもなって、俺達がしゃしゃり出る必要はないだろうしな。会いたいって奴がいれば、会うがね。のび太としちゃ、俺達は適当に隠居して、それ以外は楽しく生活してれば問題なくなる。それに、のび太も23世紀以降は忙しくなるしな。あいつはいつも言ってるよ。『ぼくが助けた相手に望む事?そうだな、笑顔でまた逢えたらそれで充分さ』って。俺達は戦うことでしかあいつに報えない。なら、あいつの大切なものを守るのが恩返しと思うぜ。のぞみ。特にお前にとってはな」

「結婚したら、のび太くんの事、お父さんって呼ばないと駄目だよねぇ…ああ、どうしよう〜!」

「気にすんなよ。そうしたら、はーちゃんのこと、叔母さんって呼ばないといけないだろ?」

「あーーー!!」

のぞみはのび太の養子と婚約しているため、結婚の暁にはのび太の義理の娘、はーちゃんの義理の姪という関係になってしまう。思わず絶叫する。

「それ言うのは、ノビスケが大きくなってからにしとけよ?子供のうちからセワシに『おじいちゃん』って言われて、こりてるだろうから」

「そうですよねぇ、良かったぁ…」

「タイムマシンで時間軸は無視してるんだ。細かいことはいいんだよ」

「うん、私も今はお姉ちゃんって呼ばれてるし、ノビスケから」

「ノビスケ君、何歳です?」

「え〜〜と、あいつが28の時は幼稚園児だよ。フェリーチェがローリングサンダーかました事件が2010年代終わりだし」

「りんちゃんから聞いたけど、なんでバレたんです?」

「ノビスケが無邪気に『ウチのお姉ちゃん達が助けてくれたのー!』って話したからだよ。ま、4歳か5歳だからな」

ノビスケが窮地に陥り、幼稚園バック(小学校以後はその時期のカバン)につけられた防犯ベル(のび太特製)が鳴ると、手空きのプリキュア達が駆けつける仕組みになっている。ノビスケはのび太の実子という事で狙われるからだ。そのベルが初めてなったのが幼稚園バスでの送迎中での事で、ルージュ、マーチ、フェリーチェはその時の騒動で犯人を制圧し、幼少期のノビスケの無邪気な一言で身バレした後は、変身した姿で警視総監賞をもらっている。それ以後は合流したラブリーとフォーチュンが警護を担当しており、ちょっとした話題を呼んでいる。のぞみはのび太と家族になる未来に、ちょっとむずむずする気持ちになりつつ、黒江と響(シャーリー)の言葉に共感するのだった。



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