外伝その394『図上演習と戦闘6』
――ウィッチ世界の戦いは長期化していた。決め手を欠く現状では、新兵器の投入は焼け石に水であった。レーヴェ戦車はそんな状況で破城槌を期待されて登場したわけだ。その一方で日本側で既に第一線機とは見做されない零式22型でベアキャットをねじ伏せる例も生じており、23世紀のシャア・アズナブルの『個々の性能差は戦力の決定的差ではない』という言葉の表れとも言えた。この頃、日本側は福利厚生費の捻出のため、扶桑の軍事費を一気に削減させるつもりであったが、それが現地の国際的圧力で頓挫。その弊害で日本連邦空軍の食堂には士官専用の食堂が無いなど、儀礼的意味での問題を抱えていた。また、海軍出身者には自機の整備状況を整備兵に丸投げする習わしがあったため、陸軍式の『パイロットも自機の整備状況を把握しろ』との通達は海軍出身者には再教育の必要が生ずる有様を招いた。そこも『開明的な』エースパイロットが各地から召集された理由である。名目上、士官会議室ということで存続させた基地もあるが、64Fは自衛隊式に改組されているため、士官専用食堂は基本的にない。(船にはあるが)これは構成員が基本的に全員が士官だったからというのが表向きの理由だが、攻勢部隊になっているため、基地が固定ではなくなった事も大きい。この構成自体が異例中の異例で、特務士官も含めて、最低で少尉、最高は中将と大将以外の階級を網羅しているのも唯一無二である。この内、将官から大尉までが幹部(プリキュアの筆頭格含む)、中尉と少尉が一般構成員である。建前上、プリキュア達は『航空要員』であり、一部はそれぞれの素体となった人物の姿で出撃のローテーションをこなしている。(そこからプリキュアへの変身も行うのが前提であるが)これは素体となった人物の持っていた技能の維持のためで、プリキュアとしては陸戦が主であった者も含め、元の姿での空戦も行わせている。シャーリー、ペリーヌ、錦、芳佳、竹井の五人がそれに該当する。ペリーヌと竹井は第三期のプリンセスプリキュアであるため、第一期プリキュアであるのはシャーリーと錦である。(芳佳は第二期)シャーリーは紅月カレンとしての激しさが表に出ているので、北条響の要素は音感などに留まっている。基本的な人格がカレンのそれなのか、輻射波動を好む。また、ルルーシュとスザクをぶん殴りたいと公言し、特にスザクを嫌悪(自白剤を投与されそうになった事もあり、恨みを持っている)している節がある。そのため、性格的には北条響の要素は薄い。ただし、音感などは北条響の持っていた素養が開花し、バルクホルンもびっくりなレベルに向上。キメ台詞として、『聞かせてあげる、女神の歌を!』を持つ。アルバイトで美雲・ギンヌメールの影武者をしているのは、黒江の判断も大きい。ワルキューレのいる星系は地球から遠い位置にあるからだ。――
――食堂――
「メロディ、今月のケイオスからの給料だよ」
「おー!助かったぜ。でも、あたしが影武者でいいのか?」
「ソウルシスターみたいなものに近いし、ウィンダミアのある星系から地球は遠いし、間にボラーの勢力圏がある。呼んだら数ヶ月かかっちゃうよ」
メロディにケイオスからのアルバイト料を手渡すドラえもん。ドラえもん曰く、ウィンダミア王国のあるブリージンガル球状星団と地球の間にはボラー連邦の勢力圏があり、基本は迂回が推奨されているという。
「今は確か、ガルマン・ガミラスが勢力拡張の宇宙戦争中なんだっけ?それで迂回を?」
「デスラー総統がオリオン腕には手を出すなと厳命してるんだけど、生え抜きのガルマン人は旧ガミラス軍系の人材に負けまいと手柄を焦ってるからね。地球も安全とは言えないよ」
「それであたしにお鉢が回ってきたのか」
「そう。もし、キュアソレイユが来たら、カナメ・バッカニアのポジションを担わせたいとか言ってるし、綾香さん」
「りんの奴がかぶってるとか喚いてたな。あいつの世界って、いないんだろ、HUGっと以降が」
「うん。間違いなくね。だから、のぞみちゃんと噛み合わないとこがあるの気にしてるんだよね」
「仕方ねーわな。そう言えば、お前、今度貸してくれよ、名刀電光丸」
「あれは高いよ。僕のは脇差サイズの廉価版だけど」
「ブラックカード造れるくらいの口座持ってるくせに、ケチんなよ」
「のび太くんとこにいた時は500円を未来に持っていって、古銭コレクターに売り払って、資金稼いでたんだよ、僕。デラックス版は買えないよ」
「デラックス版?」
「デラックス版は太刀サイズの刀身を持つんだ。僕のは子供のチャンバラ遊びから護身用に対応する廉価版にすぎない」
ここでドラえもんは、自分が使う電光丸は子供の小遣いでも買えるディスカウントの商品(安価な護身グッズか)であり、本格的な太刀サイズの刀身を持つデラックス版は観賞用にも選ばれる出来という。ドラえもんの持つものは護身用に調整された永久動力のものと、子供がチャンバラごっこに使う『チャンバラ仕様』(動力は電池)が存在し、前者は若き宮本武蔵に持ってかれ、後者が手元にあるにすぎない。一説によれば、宇宙刑事たちが戦場に置いていったレーザーブレードが技術的祖ではないかと疑う所見もある。実際には宇宙刑事ギャバンが保管していた、彼が初陣で使用したレーザーブレードは破損した後、ギャバンの手に戻るまでに警視庁に回収され、数十年は管理されており、それがジバンのマクシミリアンソードやウインスペクターのマックスキャリバーの構造の参考にはされているが、電光丸には関係がない。むしろ、バトルフィーバーの電光剣に肖ったと思われる節がある。
「お前、試供品やレンタル多いんだろ」
「時門とかはレンタルだよ。レンタル料も馬鹿になんないから、のび太くんによく愚痴られたものだよ」
ドラえもんは道具に試供品やレンタルが多いのをぶっちゃける。ショックガンと空気砲は安価な護身用なのか、数を持つが、『時門』はレンタル、名刀電光丸は廉価版と明言した。
「試供品はたまに大当たりが有るからギャンブル的に楽しみなんだけどね」
「嘘こけ、人間製造機のときは…」
「ありゃ、新世界デパートのミスだよ」
「新世界デパート?」
「僕の時代に潰れた百貨店さ。誰かが面白半分で作ったミュータントが戦争を起こして、その責任問われて倒産さ」
人間製造機。2110年代末にミュータントによる戦争を引き起こしたが、悪のミュータントの思念波に呼応して覚醒めたイナズマンFに打倒された事件を起こした道具のことだ。イナズマンFが22世紀までの時点で歴史上に姿を見せたのは、それが最後とされている。未来デパートとシェアを奪い合っていたはずの同社は『最高時速で走行するとバラバラになる自転車』と併せて社会的責任を取る形で倒産し、資産の多くは未来デパートが引き継いでいる。
「お前の時代の科学って、すごいよな」
「技術的特異点が現実的なものになりつつあったからね。それが逆にキリスト教系諸国の恐怖を煽ったのは皮肉なもんだけど」
「プリベンターの連中がお前のことに文句言わないのは、確固たる人格があるからか?」
「そうだよ。僕は統合戦争の後じゃ希少な稼働状態の猫型ロボットだよ?スーパーロボットって言われてたもんだけどね」
「スーパーロボットねぇ、お前が」
「僕くらい精巧だと、蚊も刺すんだよ?」
何気に性能自慢のドラえもん。魂すらあるため、統合戦争直前の『ゴースト』持ちのスーパーロボットと見られ、23世紀では戸籍も持つ。ちなみに、東京のある地点(元は八王子と呼ばれていた廃墟)には統合戦争で破壊され、朽ち果てつつある彼の同胞達が工場跡地に放置されている。ドラえもんがありふれた生産型ロボットの一体である事は旧・八王子市の工場跡地の残骸が証明している。プリベンターが文句を言わないのは、ドラえもん自体が統合戦争直前の時期の技術遺産であると同時に、ゴーストを持つスーパーロボットと認識されたからだ。本来、人格が生まれるほど濃密な体験を子守ロボットがすることは少ない。ましてや確固たる個を持つに至る個体はドラえもんズを入れても、最盛期でも150体程度であったという。23世紀の戦乱期ではドラえもんズ、ロペット、アナライザーが代表だ。例として、アナライザーはガイアの同デザインのロボットより人間臭く、酒に酔っ払う。特にドラえもんはミクロスに人格を付与した事もあるため、猫型ロボットの超AIにはオーパーツ的なモノも使われていたのでは?と見られている。ただし、重力場の制御に関しては23世紀のほうが進んでいる他、軍事兵器は当然、23世紀のほうが優れている。ただし、実際は落雷に打たれた時に個性が生まれており、ドラえもんの周りにはそんな経験持ちのロボットが多かった。そのため、それを解析し、人格を意図的に与えた例の最初がドラミになる。
「お前なぁ」
「僕もドラミに言い訳考えてるんだからね?セワシくんの面倒を丸投げ状態だしさ」
「あれ、と、いうことはのび太と別れてからは孫の孫の?」
「うん。のび太くんが転生するのは、セワシくんの更に孫の代らしいけどね」
「…マジカヨ」
「うん。ノビ少尉。23世紀のノビ家次期当主で、経歴はエリートそのもの。のび太くんの自我意識が覚醒めたのは最近らしい」
ここで、ドラえもんは23世紀に生きる『ノビ少尉』に触れた。セワシの孫、もしくはひ孫にあたる青年で、その時代の野比家の次期当主である事、自我意識はのび太のそれに置き換わったが、対外的には隠している事も伝えられる。風貌は20代の頃ののび太にそっくりだが、メガネをかけていない。その彼がのび太の転生先である事が予め伝えられる。これはドラえもんの図らいで、のぞみがノビ少尉と出会うデザリアム戦役の折、ヌーベルエゥーゴのテロで記憶喪失となった夏木りんの仇を討とうと躍起になり、言動も錦の粗野なモノに変貌する事をタイムテレビで見たからだ。
「あ、重大なことだけど、ヌーベルエゥーゴって知ってる?」
「ああ、23世紀を騒がしてるアナーキストの集団だろ?いるのな、アナーキストって」
「その集団がテロ起こすんだけど、りんちゃんを巻き込んじゃうんだよ」
「……なんだと…!?」
「変身して、爆発を抑え込んだんだけど、それと引き換えに記憶を失ったんだ。それにのぞみちゃんはひどく取り乱してね。テロリスト絶対殺すウーマンに…」
「あいつがテロリストスレイヤーに?」
「りんちゃんが拠り所みたいなとこあるからね、あの子。それを無感情の状態にまでボロボロにされたんだ。人格にも影響でるって」
「そこまでなのか」
「変身した状態で、あんたらのせいでりんちゃんが!!って怒鳴りながら、胸ぐら掴んでるの見たよ。相当にブチギレてるね」
「で、どうなるんだよ、デザリアムとの戦争中」
「まだ調べてる途中だけど、心中は相当に乱れてる。錦ちゃんの粗野な言動が表に出て、相手の口にコスモガンの銃身を突き入れて、『俺は気がみじけーんだ。とっととタウ・リンの居場所を吐きやがれ!!』って、テロリストを脅迫するほどだよ」
「……つまり、錦の激情性が表に?」
「だね。君が見たら泡ふく勢いだよ」
普段は能天気と言われ、常に前向きなのぞみだが、大切な幼馴染であり、『そばにいることが当たり前』と思っていた人物を痛めつけられたことで隠されていた激情が表に出、その場にいたテロリストすらも唖然とする過激な行動に出るようになったという。メロディも言葉がないが、完全にキレた場合ののぞみは錦の激情性がプラスされた分、読めないところがある。特にのび太やのぞみほどの『普段は温厚で突き抜けるほど優しい人物』を怒らせると、筋金入りのテロリストが泣いて命乞いをするほどの激情を見せる。のぞみはりんの記憶喪失が引き金となり、一人称が変わるほどの怒りでヌーベルエゥーゴを蹂躙している。特に、普段なら止める側であろう『相手の口に銃身を突き入れる』行為を行い、相手を恫喝する行為を行う事になる未来はメロディを驚愕させる。
「りんを拠り所にしてたんだな、あいつ」
「出身世界じゃ、大病にかかって、あっけなく亡くなったって、のぞみちゃんが言ってたからなぁ。その時の孤独感や喪失感があの子の何かを断ち切ったんだろう」
ドラえもんの推測は当たっていた。のぞみは生前、内心でプリキュアであった時期にすがるほどに心を擦り減らしていた。そのきっかけとなった『りんの死』はのぞみが恐れる物の一つである。その事が頭の中で蘇り、『仲間を、家族を失う恐怖と絶望、喪失感が弾けてしまった』のだろうと。のぞみの暴走の歯止めとして、うららやくるみたちが戦車道世界から緊急召集されたことまでを伝える。
「それで?」
「うららちゃんにすがりついて泣いてたのは、確認済みだよ。あの子にとっては最大の試練だと思う」
「あいつに重荷を背負わちまったのかもな、あたしらは」
「君たちはりんちゃんの警護を考えておいてくれ。ヌーベルエゥーゴは首領の顔を見られたのか、入院先を爆破しようとしてるから」
「ちっくしょう、アナーキスト共め!!関係ない人たちまで無差別に殺す気か…!やるなら、あたしが昔、あいつの下でやってたみたいにすればいいんだ!」
自分も過去生で反体制テロリスト扱いを受けていた組織に属し、そこのエースパイロットだったため、反体制運動にもポリシーがあるところを見せるキュアメロディ。食事を食べながら、昂ぶる。(どちらかというと、独立派ゲリラか)
「さすが黒の騎士団最高のエース。」
「昔とった杵柄、紅蓮の完成を催促しておかねーと。聖天八極式のコピーなら、MSにも引けを取らねーはずだ」
紅蓮は最終的に特式まで発達するが、特式は正規軍の支援が受けられる状況での稼働が前提条件なため、キュアメロディ(シャーリー)は設計にまだ伸びしろがあり、なおかつゲリラ的運用が可能な設計である紅蓮聖天八極式をベースに独自の発展をさせたいといった。これは64/ロンド・ベルが独立愚連隊の如き運用が前提条件の部隊なので、大パワー化と引き換えに燃費が悪化した特式では、ゲリラ的戦闘には整備に不都合があるということだろう。
「特式ベースでなくて、聖天八極式でいいのかい?」
「特式は正規軍での運用が想定されてるから、ゲリラ的運用向けじゃない。聖天八極式なら、ゲリラ的運用向けだ」
紅蓮弐式からの純粋な最終発展型たる聖天八極式をベースにするあたり、自分のいる部隊の立場をよく理解している。新規製造のナイトメアフレームと言える同機は後に、デザリアム戦役にて活躍する事になる。また、ドラえもんはこの頃には、真田志郎と直接のコネクションを持つ立場にあり、のび太を始めとする友人たちに便宜を図る身となっていた。
「それじゃ、名刀電光丸は一両日中には未来デパートに納入させるよ。紅蓮聖天八極式の開発については真田さんに聞いてね」
「わかった」
ドラえもんは仕事に戻っていく。のび太はりんと話しているため、この場にはいない。ドラえもんはのび太のもとを離れた後はエージェントとして働いている事がわかるが、戦闘に赴く時は『ひらりマント』を首に巻いて、スーパーマンじみた格好をする事がある。のび太は子供の頃から『空気砲、ショックガン、スモールライト』の三種の神器を愛用しているが、名刀電光丸も使った事がある。青年期以降は基本的に実銃を使うが、ジャンボガンを譲り受けており、使用する事がある。
「ドラえもんも忙しいからなぁ」
食事を終えた黒江がメロディの隣に座る。
「あいつに名刀電光丸を頼んどいたよ」
「渋いの頼んだな」
「うん。でもさ、ドラえもん、首にひらりマント巻くなんて、クラーク・ケ○ト気取りか?」
「ストレートで分かりやすいだろ?ドラえもん、基本的に自分同士で共闘する時とかに巻くんだそうだ」
「ふーん」
「それと、ジャイアンには差し入れを頼んどいた。それと、子供の頃のあいつの歌声をしずかのバイオリンと混ぜたのを『音波兵器』として使うぞ。音楽に関わる全ての人を冒涜する超音波になってるし、あいつらのセッション」
「超音波…、なのか?」
「ジャイアン単独でも、電波越しに大勢の人を卒倒させて、大惨事になった記録があるからな。ミューズが憤慨してたぞ」
「あいつらのセッションは殺人音波だしな…」
キュアメロディも『しずかのバイオリンとジャイアンのセッションは殺人音波』との認識であるのがわかる。ちなみに、のび太が小学生の頃、キュアフェリーチェが二人のセッションを聞いたところ、白目をぬいて泡を吹くという無残な形相で失神する羽目に陥った。それ以後はジャイアンの歌としずかのバイオリンを阻止しようとしていることから、はーちゃんから恐怖の対象とされていることが窺える。
「狂音波発振機は用意してある。敵の戦線にこの音波を流して、大混乱させた後に重戦車で塹壕を突破する。レーヴェはそのために用意させた」
「ヤークトティーガーは?」
「だめだ。ドイツが横槍入れて、生産続行が怪しい」
「あれ、要は自走砲だろ?」
「ヤークトパンターのほうをドイツが進めさせてるかんなー。コンカラーに120ミリを任せて、ヤークトパンターの方を量産させたいらしいぜ」
「コンカラーの120ミリ砲は?」
「戦後第一世代相当の砲だから、M4を4000mで粉砕できる。実際はもっと近距離で撃ち合うから、今の連合軍最高の火力だ」
「それで、日本連邦は?」
「61式相当のチリ改の増産と、ナナヨンの開発促進でお茶を濁した。10式を回すから、らしいが」
「野党につつかれないか?」
「ナナヨンの時点でつつかれてるよ。だが、ロクイチは現存してないし、ありゃ駆逐戦車同然で、攻勢向けの戦車じゃないぜ」
「で、なんで扶桑軍の装甲戦闘車両を回収したんだ」
「経費削減のためだよ。名目上は自衛隊式装甲戦闘車両に入れ替えるためだが、軽戦車も装甲車も一緒くたにやられたんで、扶桑の戦車師団はパニくってるぜ」
黒江曰く、軽戦車も『ブリキのおもちゃを持ってても役に立たない』として、背広組が主導して一線部隊から排除した結果、『手頃な機甲戦力が無くなる』事態に陥った。背広組としては『パーシングも出てくるから、それと戦える機甲戦力に刷新しなければ!』という考えだったのだが、扶桑は治安維持目的で軽戦車を持っていたため、困り果てる事になった。また、扶桑軍幹部の多くは当然ながら、機甲戦力の運用に関しては素人に近いため、黒江が派遣したGフォース中堅幹部が指導するという有様である。そのため、米軍も指導に乗り出し、ヘリコプター運用が米軍の指導で研究されているなど、この時期は扶桑軍がカールスラントに代わって軍事的指導力を身につける最中と言える。
「戦闘ヘリは使えないのか?」
「扶桑独自の運用は次の戦線までの時間が必要だ。ただ、米軍のアパッチとかは普通に飛んでるから、敵は恐れをなしてる」
『AH-64D アパッチ・ロングボウ』、『AH-1Z ヴァイパー』もこの時期には持ち込まれ、連合軍の戦線の火消し役となっていた。21世紀では効果が疑問視されるようになった戦闘ヘリも大戦型戦場では真価を発揮。タンクキラーとして名を馳せている。また、当時はヘリコプターそのものが真新しい道具であった事を利用して、ウィッチハンティングにも使用され、戦果を挙げている。当時はヘリコプターの飛行特性は知られておらず、ウィッチの三次元機動に追従できる事は驚きを持って迎えられた。また、航空ウィッチとの三次元戦で不意をつけることから、ウィッチ狩りで名を馳せるパイロット達も現れ、航空ウィッチの重武装化が進められていく。
「で、ウィッチの立場は悪くなったわけだ」
「45年にナムや湾岸で実証された次世代の戦術を持ち込めば、必然的にそうなる」
「で、ウルスラはなんて?」
「戦況の都合で、文句が言えなくなったんで拗ねてやがる」
「あいつは生真面目すぎるんだよ」
「だから、自信がつくまで時間がかかったし、転向したって智子が言ってた」
「やれやれ。出木杉君から『ドッグファイトの科学』っていう本をもらったから、ウルスラに貸し出すよ。ジェットでもドッグファイトは起きることは知ってるしな、あいつ」
「翻訳したのを渡しとく。あいつは日本語読めないしな」
「マジか」
「俺たちと違って、日本にいた経験ないからな、ウルスラは。エーリカは達筆なんだが」
「それも面倒だな」
「話す分には問題ないがな。むしろ、お前達が驚かれてるんだぞ。マルチリンガルだし」
「まーな」
苦笑いのメロディ。仕方がないが、連合軍の使用言語は英語と日本語、ドイツ語の三ヶ国語であるため、統合戦闘航空団配属の条件の一つはそれらに堪能であることだ。素体の人物の技能の都合もあり、プリキュア達は多言語を操れる技能を持つ。(ほんやくコンニャクの必要は宇宙語の翻訳に使われる)ペリーヌはそれらに加え、フランス語も操れる(イリヤとクロはロシア語も対応する)。そのため、列強諸国の公用語は網羅していると言える。
「それと、南野奏はシャーリー・フェネットの記憶を持つ可能性が高いぞ」
「…そうか。複雑だよ」
「不思議な縁だと思え。ま、声的にセラス・ヴィクトリアでなくてよかったと思え」
「あの旦那の子分の吸血鬼はないと思ってたよ」
「ハニーとミントの姉貴は鉄板だったぞ」
「変化球すぎだよ。ミント本人かと思ったよ」
「俺だって、この間までイキってたガキが三代目プリキュアの筆頭なんて、驚いたもんだ。お互い様だよ」
「だよなぁ。智子さんが最初の目撃者だろ?人格はのぞみが主導権を握ったけど、錦の激情性も消えてないんだよな」
「天姫が爆風で吹き飛ばされて気絶したのに激昂して、そこから一気にメタモルフォーゼしたから、のぞみは切れると怖い質かもしれんな。普通なら変化するはずだしな」
智子からの報告と、のぞみからの自己申告によれば、天姫が爆風で吹き飛ばされて気絶したことに激昂した事がトリガーとなって『覚醒』し、その時に生前の容姿に瞬時に変わったとのことなので、軍服姿でメタモルフォーゼを敢行した事になる。
「だよなぁ。あ、宮藤から聞いたけどさ。アンタ、一年後にチートするんだって?」
「お前も参加するんだし、やれよ。輻射波動。ディケイドが友達なのを悪しにいわれるが、ジオウとディケイドに比べりゃ、俺なんて可愛いもんだぜ」
「仕事じゃない時までそれじゃつまんないかなー、なんか見た目派手なネタ武器ない?」
「ジバンのパーフェクト装備一式あるぜ」
「あんのかよ!」
「警察内部のアーカイブから復元したものだ。ニードリッカー、パワーブレーカー、オートデリンガー、ダイダロスの四つは運び込ませてある」
「嘘ぉ…」
「3つをつければ、パーフェクトジバンごっこできるぜ。俺たちは別に物語を破壊してるつもりはないんだがな。最近のガキはすぐにディケイドと見ると、免罪符か!って騒ぎやがる」
「ほんとだよな。原作通りじゃない世界はリ・イマジネーションライダーが証明してるつーのに」
「それに基本世界は別にあるってのにな。俺たちのこの世界は俗に言う派生世界の一つだし、のび太も好きで俺たちとつるんでるし、東郷といい関係なんだぞ」
「免罪符って言うなら、鳴滝だって似たようなことしてるしな。ジオウは平成ライダーの力を集めてたのにな」
「第一、アニメでメディアミックスされる漫画はアレンジされてるのが当たり前なんだがね」
黒江は自分が数ある派生した存在の一つであるというメタ的事情を自覚していた。アニメや漫画とは別世界の存在であるのに、キャラのイメージが壊れるとケチをつけることは、ある種の過激さを感じさせる。某歌劇団の『ベルサイユのばら』の舞台版初演時の原作ファンのような。
「某歌劇団のベルサイユのばらの初演の時の言い伝えられてる過激さに似てるよな。出演者にカミソリ送られまくったとかって類の」
「俺たちはある種の原作から外れた存在だからな。そういう類の連中には嫌われるもんだ」
「あたしが単独で変身できることも言われるしな。なんだよー!エレンとアコはしてるし、生前からパワーアップしてるんだから、単独変身くらいー!」
メロディもそこは怒っている。スイートプリキュアの北条響と南野奏は初代とスプラッシュスター同様に『単独変身はできない』という縛りが存在していたため、そこにこだわる者は誹謗中傷しているが、パワーアップした以上、その制限が無くなるのは当然というのがシャーリーの見解であり、『自分は厳密に言えば、北条響の過去生を持つシャーロット・E・イェーガーなのに!』と憤慨している。物語崩壊の免罪符にディケイドを使ってると言われては、二人も怒るのは当たり前だ。
「ディケイドはダチであって、免罪符でもなんでもないし、世界を滅ぼす免罪符にマジンガーZが最強の世界を使うZEROのほうが、よっほど物語の続きそのものの否定の元凶だよ」
黒江はZEROの傲慢さを否定する。自分たちへの誹謗中傷などの次元の問題ではない、マジンガーZEROの行為。甲児はそれを否定するために『偉大な勇者』に似た姿を持つ魔神に乗っている。Zの意思の継承は姿が変わってもなされる事の証明のために。
「お前らも、なぎさとほのかの意思を直接、ないしは間接的にしろ、引き継いでるだろ?甲児がZから乗り換えたように、意思は永遠不滅なんだ。形が変わり果ててもな。甲児はZEROをこう形容してる。俺の弱さの象徴だってな」
「弱さの象徴、か」
「俺も色々と弱さを思い知らされて、泣いたことがある。何回も生まれ変わって、今のチートになるのには500年近い時間を使った。お前らは俺と違って、弱さを見せられない。だから、のぞみが暴走しちまうんだろう」
「はーちゃんがのび太を慕ってるのもダメなら、あたしたちは原作通りに生きろって事か?そうじゃねぇだろ?」
「のび太だって基本世界で成功してるんだから、この世界ではーちゃんと兄妹になったってバチ当たらないだろってのと同じだ。それに、自分の見知ってる連中がやられるのを黙って見てろってのは傲慢でしかねぇんだ」
黒江は基本的に義侠心が強く、正義感も強い。昭和の価値観と揶揄されるが、その義侠心がカリスマ性となっているのも事実である。元からその傾向はあったが、自制心がブレーキになっていた。ホイホイ介入するようになったのは、ドラえもんとのび太の影響と、転生前の経験も作用している。他世界への介入も躊躇しないのは、ドラえもんとのび太、それと兄のように慕う城茂/仮面ライダーストロンガーの背中を見て再成長した経緯からだ。風来坊っぽい口調なのは城茂の影響なのが丸わかりであり、仮面ライダー達から妹分扱いされているのは、一度目の時の背伸び感が印象に残っているからだろう。
「アンタって義理堅いって言われね?」
「ガキの頃は鞍馬天狗に憧れたからな。その延長でライダーに同じものを感じて、一度目の時に茂さんに会いたくて、バイクショップまで行ったんだよ。その時のこと、未だに言われるよ」
黒江や坂本の子供の頃のヒーローは、なんと言っても鞍馬天狗であった。その時の童心が蘇ったことで仮面ライダー達に憧れ、持ち前の人懐っこさで打ち解け、数回の転生を挟んだ現在では家族同然の付き合いになっている。面識がない後輩からはストイックな印象で語られる黒江だが、実のところは憧れた人の事は一途に信じるという純粋さを隠さない気さくな人柄である。配下を経験した者は一様に黒江を慕うが、その真実はこの瞬間に表れている。
「アンタ、昔はストイックだなって思ってたけど、ルッキーニみたいなとこあるんだな」
「ストイックってのは一面にすぎないさ。お前らの前でも一人称を俺で統一したのは最近だしな」
「前はカンノとかぶるって言ってたもんな」
「ああ。今が一番、素を出せてるかもな。ガキの頃からおふくろに押し付けられて育ってきたしな」
「確かに、今のアンタはどこか、生き生きしてるもんな」
「昔に抱いてたモヤモヤが吹き飛んだしな。地位と名誉は前からあったが、俺はダチが欲しかったのが本音だった。昔は固定の相棒もいなかったし、部隊じゃいつも調整役ばっかだった。今はレイブンズの筆頭格だから、楽しく過ごせてるよ」
黒江の本当に欲しかったものは本当の意味で苦労を分かち合える友だった。ドラえもんとのび太と出会ったことでそれが叶い、レイブンズの筆頭格という、自身が戦士として望んだ不動の地位も手にできた。黒江は高望みはしていないが、圭子と智子という竹馬の友がいて、自分を見守り、時に叱咤激励してくれるドラえもんとのび太、自身に戦士としての生き様を教えてくれた歴代の仮面ライダー達とスーパーロボット乗り達。黒江がプリキュア達を導く役目を担っているのは、のび太達への恩返しの意味も含めている。
「アンタ、どこか似てるよ。現役時代のあたしらに」
「そういうと思ったぜ。俺は金銭的には恵まれてたけど、家庭環境は最悪に近かったから、欲しかったのさ。当たり前のように誰かが隣でおはようって言ってくれて、誰かと笑い合って、喧嘩して怒られる生活。だから、のび太の家に憧れたんだよ」
それこそが黒江の本音だった。末っ子であり、ウィッチになることを期待され、なおかつ母親の妄執で女優になれと躾けられた身にとって、のび太の平々凡々ながらも温かい家庭は憧れだった。黒江の父と兄たちの過保護、それに起因する母親からのシゴキといびりで精神が屈折しかけていた自分に自己嫌悪を抱き、軍隊に入り、そこで出会った赤松を母も同然に慕った。そして、ドラえもんとのび太との出会いと智子との再会が全てを変えた。言うならば、黒江はドラえもんやのび太と出会うことですべてが好転したといえる。三人の中ではもっとも、ドラえもんとのび太を貶されるとキレるが、黒江にとっては『自分を変えてくれた恩人』だからだろう。
「のぞみも、はーちゃんも似たような事を言ってたよ。あいつはあたしらとつるんでた頃に還りたかった気持ちと、エールの応援に応えられなかった悔しさで転生したかもって、ハルトマンが言ってたけど、のび太って、人たらしだよな」
「若い頃、俺もそう言われたもんだが、のび太には及ばねぇよ。のび太はひたすら純真に誰かを助ける。大人になっても、打算なしに俺らとつるんでる。だから、調がすべてをなげうっても尽くしてるし、はーちゃんは妹になったのさ」
のび太の純真な心は調がのび太のもとに住み込み、事実上の家政婦のようなポジションで落ち着くのと、花海ことは/キュアフェリーチェが公には『野比ことは』を名乗り、義妹になった理由でもある。のび太は人たらしの最高峰と言える。
「そこが気に入らないんじゃね、連中」
「いいじゃねーか。本人はしずか一択だし、思春期には倒れたしずかを学校で看病したんだぞ」
「それいつだ?」
「中学のころだよ。雪山のロマンスは決定打であって、しずかがあいつに惚れていくのには時間がかかったんだよ」
「出木杉君も言ってたけど、しずかは中学のころにはのび太の優しさと勇気に惚れ込んでたみたいだぞ」
「鉄人兵団との最初の戦いで、自分を助けたのび太にハグかました時点で、その芽はあったと思う」
「なんにしても預ける場所として、のび太ん家以上の安牌あると思うか?ねぇだろ?」
「言えてる。はーちゃんも数日で馴染んだし、元の純真さを次第に取り戻しっていったしな。でも、風呂はどうやってたんだ?解除できなかった時期」
「そのまま浸かって、魔法でどうにかしてた」
「マジ」
「解除できなくても、風呂は入りたいからな。数ヶ月はそうしてた。解除できるようになったら、なったで大変だったけど」
「お、おい。まさか」
「いくらなんでも、それはないよ。俺がその時間に寄って、風呂に入るようにしてたよ。のび太が中学に入るまで」
はーちゃんは精神が肉体に釣り合っていないところがあったため、しばらくは黒江が入れさせていた。それを明言し、ほっと一息つくメロディ。
「はーちゃんがプリキュアって噂されるようになったのは、学校帰りに街の事件を解決してたからだ。ちょうどなぎさたちのアニメが終わって、咲と舞のアニメが始まる頃だったな」
「2006年位か」
「のび太はその頃、受験生でな。その時期にぶつかったから見てない。のぞみがデビューしてしばらく経ってから解禁になったから、のぞみの事は知ってたんだよ」
のび太はプリキュアシリーズの世代ではないといいつつ、5の頃からは復帰する形で見ていた。その知識が役立ったのは言うまでもない。その頃からフェリーチェは活動しており、2016年以降からは本物であると認識され、人気者である。また、黒江と秋雲のサークルの売り子に駆り出されており、2017年以降はアルトリア共々、売り子に夏・冬を問わずに駆り出されている。2018年には、八神はやても加わっており、はやてはネタという形で遠坂凛のキャラを使い、サークルの話題作りに貢献している。はやてにとっては『過去生』であるため、口調を変えるのは容易く、盛り上げ要員としてバイト料は多めだ。ただし、イリヤとクロと話す時は凛としての口調を使っているため、ヴィータには愚痴られているという。(ヴィータ曰く、はやてはおっとりキャラで通しているため、凛としてのキツめのキャラは怖いとの事)
「あ、はやてから伝言。ヴィータに愚痴られたって」
「凛としての口調はキツめだしな。ハキハキしてるから、普段のおっとりさに慣れてるヴィータにゃ怖く感じるかもな」
「そいや、最近は凛としての口調で仕事してるけど、なんでだ?」
「そのほうが舐められないからだとさ。19歳で中佐相当は外部から舐められるだろ?猫かぶった上、凛としてなら、外面はよく演じられるからな」
はやても組織人としての苦労がある。普段のおっとりさは軍隊寄りの組織では舐められるもとだが、遠坂凛としての口調と人格を容姿を変えずに表出させる事で部隊長としての低下した威厳を上げ、優秀な指揮官を演出できる。基本世界では対応が後手後手だったが、遠坂凛としての冷徹さを使うことで、詰めは甘いと言われるが、以前よりは真っ当な指揮ができる。また、凛としてのキツさは実直な青年将校として演出するのにも役に立った。似た声の河嶋桃がダメ人間なのに対して、こちらは基本的に万能である。(詰めは甘く、ポカもやらかすが)なお、遠坂凛としての人格の表出時は異常に麻雀が強く、ミッドチルダ動乱後に停戦監視団の一員として派遣されていたパットン、モントゴメリー、ロンメルを負かしたという。
「麻雀大会の時は参加させてる。あいつ、余裕で大三元とかやらかすからな。スカッとするくらい大きい手で上がるの得意なんだよ」
「意外だな」
「ポーカーのときに五十六のおっちゃんを助っ人に呼んでるのといっしょ。元帥の威光で向こうが勝手にブルってくれる」
山本五十六をポーカーに呼んでいると明言し、何気に人材の無駄使いと思えるメロディ。黒江が彼から学んだのは忍耐とブラフだ。
「まったく、人材の無駄使いだよ」
「それを言うなら、私だって、今はメルトランディでパイロットなのよ?プリキュアの姿なのには無駄使いって言われるのよ、メロディ」
「は、はは…」
クラン・クランは優秀なメルトランディの戦士であるが、同時にキュアビートである。後者であることを優先しているため、才能の無駄遣いと揶揄されていた。なお、キュアビートでいると、クラン・クランとしてのマイクローン化の弊害である『精神面でも幼児化する事』はないため、最近はキュアビートでいる。プリキュアとしても優秀な戦士であるため、戦闘面では文句はないが、パイロット技能は惜しまれている。
「この姿でVFに乗ったっていいのに」
「確かに、下手な耐Gスーツより耐久力あるしな」
プリキュア姿でバルキリーを駆る事も辞さないというビート。プリキュアの利点はそこにある。耐G能力も飛躍するため、23世紀のEXギアよりも耐G能力がある。可変戦闘機の設計限界を引き出せるため、ビートは乗るつもりらしい。
「お前用にVF-19Aは確保してある。あいにく、25以降は俺たちの分しか入手できんかった」
「ありがとう」
「しっかし、エレンがVF乗りねぇ」
「クァドランのほうが良かった?私、そっちも使えるのよ?」
「メルトランディだっけ、今は」
何気ない会話ながら、恐ろしくすごい内容である。しかし、自衛隊はギャラクシー船団との戦いでクランが見せた生身に装備をつける格好を密かに楽しみにしている。もっとも、当人は『その場の勢いでやらかした。反省してる』とのこと。それもあり、キュアビート姿を通している。ただし、声色はコントロールできるため、普段の大人びた声色で織斑一夏を叱ったりしている。ビートとしては、ちょっと高めの若々しい声なので、ビート曰く、ヤサグレボイスはドスが大事との事であり、圭子との聞き分けはそこでしろとの事。圭子はヤサグレ度が高く、千冬よりも口調も粗野で、火をつけた花火のようだとされるので、聞き分けは容易だ。また、ビートは圭子の素よりは低く、現在よりは高めのボイスなので、そこも一同が間違えない理由だ。声のそっくりさんは多いが、同質でありながら、言い回しと調子だけで聞き分けできる千冬と圭子も大したものであると、しばらくして、部隊で話題になったという。
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