決闘の翌日、朝のSHRの事だった

 「では、一年一組代表は織斑一夏君の決定です。あ、一繋がりでいい感じですね!」

 真耶は嬉々として大いに盛り上がっている

 「先生質問です」

 「何ですか?織斑君」

 「俺は昨日負けた筈なんですが、どうしてクラス代表になっているんでしょうか?」

 「それはですね。ヘイズ君が辞退したからです」

 「へ?」

 一夏は呆けた表情でシュヴァンツの方を見た

 「………何で?」

 「一夏さんには強くなって貰いたいからです」

 「私も色々と反省しまして、シュヴァンツさんと同じく代表を辞退させて頂いたのですわ」

 少年とセシリアが一夏に説明する

 少年はクラス代表になってしまっては本来の目的である“織斑一夏の護衛と強化”が出来なくなってしまうので、一夏に代表にして護衛する事にしたのだ

 「頑張ってください、一夏さん」

 「…………………Oh」

 少年の言葉に一夏は愕然となった

 「僕達も手伝ってあげますから」

 「そうですわ!私の様な優秀かつエレガント、華麗にしてパーフェクトな人間と強く、雄々しくも可愛らしさを兼ね備えたシュヴァンツさんがIS操縦を教えて差し上げれば、それはもうみるみる内に成長を遂げ__」

 バンッ!と机を叩いて箒が立ちあがった

 「生憎だが、一夏の教官は足りている。私が、直接頼まれたからな」

 異様に殺気立っている箒に対して、セシリアは余裕そうな表情で言った

 「安心してくださいな。私は一夏さんよりもシュヴァンツさんの方なので」

 「む、そうか……それなら……」

 ちらりと少年の方に目をやるセシリア、その瞳は少年にとって見覚えがあるモノだった

 “………リリウムさんと同じか………オルコット……ウォルコット……リリウムさんと関係あるのかな?”

 似たような家名に少年は、ふと思うのだった

 “俺よりシュヴァンツの方って何だ?”

 一夏は相変わらず鈍感だった

 
 
 
 
 
 
 四月の下旬、グラウンドでIS実習を行っていた

 「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、ヘイズ、オルコット。試しに飛んでみせろ」

 「__ストレイド」

 シュヴァンツは一瞬でISを展開した

 今回は実習なので扱いやすい機体である『LANCEL』にした

 横を見ると一夏もISの展開を完了していた

 「シュヴァンツのISって、どれだけ変わるんだ?」

 「えっと、細かい組み合わせ無しでフルフレームだけなら二十機ですね」

 「「二十機!?」」

 その言葉に一夏だけで泣くセシリアも驚く

 「ヘイズのISについては後にしろ。今は授業中だ」

 千冬の言葉に二人は気を取り直した

 「よし、飛べ」

 少年はブースターを噴かして、一気に上昇した

 セシリアも問題無かったが、一夏は初心者なので遅れていた

 「何をやっている。スペック上では出力は白式の方が上だぞ」

 千冬からお叱りの言葉を受ける一夏

 どうも飛ぶイメージを上手く掴めない様だった

 「一夏さん。自分にとってやり易い方法を模索する事が建設的でしてよ。ねぇシュヴァンツさん?」

 「まぁ、そうですね」

 「そう言われてもなぁ……」

セシリアのアドバイスを聞いてもイマイチな様だった

「織斑、ヘイズ、オルコット、急降下と完全停止をやって見せろ。目標は地表から十センチだ」

「分かりました。行きましょうセシリアさん。一夏さんも見ててくださいね」

「ええ、では一夏さん、お先に」

少年とセシリアは一気に地上へと向かってゆく

ネクストに乗っている時には味わえない感覚が少年を包む

ネクストはどんな時でも立ったままの体勢である為、泳ぐ様な体勢で地上へと急降下するなど無い

顔面から地面に突っ込んでゆくなど恐怖体験であるが、少年は恐怖など感じていない

見事に地表ギリギリで停止した

続いて一夏が急降下を行ったが、グラウンドに穴をあける結果となった

その結果に少年は一言

「……まだまだ訓練が必要そうですね」






「ふうん、ここがそうなんだ」

夜。IS学園のゲート前に、小柄な体に不釣り合いなボストンバックを持った少女が立っていた

まだ暖かな四月の夜風になびくツインテールが印象的な少女

「えーと、受付ってどこにあるんだっけ」

彼女は上着のポケットから、くしゃくしゃになった紙切れを取り出す

「本校舎一階総合事務受付……って、だからそれどこにあんのよ」

文句を言って、紙切れを上着のポケットの中にな捻じ込んだ

「自分で探せばいいんでしょ、探せばさぁ」

ぶつくさ言いながら、敷地内を歩き回る

彼女は考えるよりも行動するタイプの様だ

“ったく……出迎えがないとは聞いてたけど、ちょっと不親切すぎるんじゃない?政府の連中にしたって、異国に15歳を放り込むとか、なんか思うところないわけ?”

よく見ると少女は、日本人と似ているが違う

鋭角的でありながら艶やかさを感じさせる瞳は、正に中国人のモノだった

“誰かいないかな。生徒とか、先生とか、案内できそうな人”

きょろきょろと人影を探しながら歩くが、時刻は八時過ぎ、寮の灯りは落ちており、当然生徒は寮にいる時間であった

空を飛んで探そうかとも思う少女だが、電話帳三冊分に匹敵する学園内重要規約書を思い出して止めた

すると、そんな少女に声が掛った

「えっと……どうかしましたか?」

「________________」

少女が振り向くと、そこには絶世の美形と言っても良い容姿を持った少年が居た

振り向けばテレビでも見かけないレベルの美少年につい見とれてしまう少女

「あの……?」

「………アンタ、誰?」

「僕は一年一組のシュヴァンツ・ヘイズです」

「私は鳳鈴音(ファン・リンイン)よ。よろしくね」

「あ、はい。よろしくお願いします」

ぺこりと丁寧にあいさつする少年

「そう畏まらなくていいわよ。所で「だから……で……だな」……ぁ」

彼女、鈴が少年に何か言いかけた直後、声が聞こえた方へと走り出した

「あっ!?ちょっ!?」

少年が慌てて追いかけると彼女は物陰から、様子を探っている様であった

その視線の先には織斑一夏と篠ノ之箒の姿があった


「それにしてもシュヴァンツの教え方は上手いな。結構わかりやすい説明だったし」

「ああ、そうだな」

「だけどお前の説明は分かりにくい。大体なんだよ『くいって感じ』って」

「………くいって感じだ」

「いや、分かんねぇよ!?」

何やら話している二人を見て、鈴から不機嫌そうなオーラが漂っている

「…………ねぇ」

「……何ですか?」

「総合事務受付ってどこ?」

「ええっと……こっちですよ」

アリーナの後ろの本校舎に案内して、灯りの付いた総合事務受付まで案内する少年

「ええと、それじゃあ手続きは以上で終わりです。IS学園へようこそ、凰鈴音(ファン・リンイン)さん」

愛想のいい受付の事務員の言葉も届いていない様子で、鈴は不機嫌そうに唇を尖らせている

「織斑一夏って何組ですか?」

「ああ、噂の子?一組よ。ヘイズ君と同じクラスね。鳳さんは二組だから、お隣ね。あ、そうそう、あの子1組のクラス代表になったんですって。やっぱり織斑先生の弟さんなだけはあるわね」

噂好きなのは女性の性である

「二組のクラス代表って、もう決まっていますか?」

「決まっているわよ」

「名前は?」

「え?ええと……聞いてどうするの?」

「……………………………」

横で聞いている少年の額に汗が一筋流れる

「お願いしようかと思って。代表、あたしに譲ってって___」

ニッコリとした鈴の笑顔には、ばっちり血管マークがついていた

“一夏さん、貴方にまた一波乱ありそうですよ”







翌日の夕食後

「と、いうわけでっ!織斑くんクラス代表決定おめでとう!!」

「おめでと〜!」

ぱん、ぱんぱ〜ん。クラッカーが乱射され、紙テープや紙吹雪が一夏に降りかかる

夕食後の自由時間、寮の食堂に一年一組の皆が揃っていた

各飲み物を手にやいのやいのと盛り上がっている

壁には『織斑一夏クラス代表就任パーティー』と書いた紙が掛けてある

「いやー、これでクラス対抗戦も盛り上がるねえ」

「ほんとほんと」

「ラッキーだったよねー。同じクラスになれて」

「ほんとほんと」

「更にもう一人の男子、しかも美少年まで来たしねー」

「ほんとほんと」

先程から相槌を打っている女子は、二組の生徒だった気がするが気にしないでおく

明らかにクラスの人数以上がこの場にいる

「人気者だな、一夏」

「……本当にそう思うか?」

「ふん」

鼻を鳴らしてお茶を飲む箒

「あれ?シュヴァンツは………」

一夏が食堂を見回すと白い少年は、女子に囲まれていた

「ね〜、尻尾君」

「あの……布仏さん?どうしてその名前で呼ぶんですか?」

「ん〜?ヘイズ君の名前って、ドイツ語で尻尾って意味でしょ?だから尻尾君で決定なのだよー」

「それ良いね!今度からヘイズ君の事は尻尾君って呼ぶね!」

「「「「さんせ〜い」」」」

“………メイさん。貴女が付けてくれた渾名が広まりそうです”

少年はそう思ったのだった

「ねぇ、尻尾君にお願いしたい事があるんだけど……」

褐色の長髪を後ろで二つに分けた髪型の少女『谷本癒子』が少年に寄った

「何ですか?」

キョトンとした表情で首を傾げる少年

これがまた可愛らしく周りの女子達がきゃあきゃあ騒ぐ

「尻尾君を抱っこさせて!!」

「…………………はい?」

予想外の頼みに少年は困惑する

「抱っこ……ですか?」

「うん。尻尾君って可愛いし、マスコットみたいで抱きしめたくなるの、だからお願い!」

つまり彼の世界でメイ・グリンフィールドが会う度に抱き着いてくるのと同じ事だ

「いいですよ」

「ホント!?やったぁ!!」

癒子は嬉しげに両腕を広げてカモーンな体勢になった

彼女の腕の間に少年が入ると彼女は抱きしめた

「わぷっ!?」

「ん〜〜〜!尻尾君は可愛いね〜〜〜〜」

まるで可愛い動物を愛でる様な感じで少年を抱きしめて、撫でたり、少年の髪の毛に顔を埋めたりする

「いいなぁ!私にも抱きしめさせて!」

「私も私も!」

「ちょ、ちょっと!?うわッ!」

「近くで見ると尻尾君って、やっぱり凄く綺麗で可愛い!」

「うんうん!可愛いすぎて食べちゃいたい!」

どんどんヒートアップしてゆく女子達

「このこの〜」

「ちょ、止めっ、ひゃんッ!?」

「「「「きゃあ〜〜〜〜〜〜」」」」

頬をつつかれたり、頭に顔を埋められたり、時には頬やうなじにキスされたりして、可愛い悲鳴を上げるモンだから、更に暴走してゆく

「ひゃんっ!?だって!」

「可愛い!可愛い!可愛いいぃぃぃぃぃぃッ!!!」

暴走した女子達が少年を啼かせようと群がる

その光景はまるで新鮮な肉に群がるゾンビの如し

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

どんどん集まって来た女子達に思う存分愛でられる少年

そんな様子を見ていた一夏と箒は

「………大変だな、シュヴァンツ」

「そうだな……」

もみくちゃにされる少年に同情するのだった

すると、そんな二人の元に一人の女子生徒がやって来た

「はいはーい、新聞部でーす。話題の新入生、織斑一夏君とシュヴァンツ・ヘイズ君に特別インタビューをしに来ました〜!」

オー!と一同が盛り上がり、玩具にされていた少年が解放された

「た、助かった………」

その姿は制服の上着がはだけており、ある意味そそる姿だった

「あ、私は二年の黛薫子。よろしくね。新聞部副部長やってまーす。はいこれ名刺」

二人が名刺を受け取ると薫子はインタビューを始めた

「ではでは、ずばり織斑君!クラス代表になった感想を、どうぞ!」

ボイスレコーダーをずずいっと向けて、眼鏡越しに無邪気な瞳を向ける薫子

「えーと……まぁ、なんというか、頑張ります」

「え〜、もっといいコメント頂戴よ〜。俺に触ると火傷するぜ、とか!」

「ええ……」

困った顔になる一夏

「じゃあまあ、適当に捏造しておくとして、次にヘイズ君!クラス代表を譲った理由について!」

「………一夏さんはこの世界で唯一ISを使える男です。それで狙われやすいのでクラス代表に就任させて強くなって貰おうと思いまして」

“ん?……この世界で唯一?”

少年の言葉に引っかかりを覚える一夏

「へぇ……じゃあ、次はセシリアちゃんは……ヘイズ君に惚れたからで良いよね」

「なっ!?な、なな………」

ボッと赤くなるセシリアが少年の方をちらりと見ると、彼は優しく微笑んでいた

まるで“君の気持ちは分かってるよ”と言わんばかりに

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」

更に真っ赤なるセシリア

「最後に三人とも並んでね。写真撮るから」

「あ、はい」

とりあえず一夏を中心にして両サイドに二人が寄り添う

「それじゃあ、撮るよー。30×51÷24は〜?」

「え、えっと………2?」

「74.375」

「ヘイズ君、正解―」

パシャッとデジカメのシャッターが切られると

「何で全員入っているんだ?」

恐るべき行動力で持って、一組のメンバー全員が三人の周りに集結していた

「やっぱ、クラス皆の思い出にしないと」

「ねー」

そう言うクラスメイト達との馬鹿騒ぎを少年は楽しい感じていた





パーティーは夜の十時まで続いた

女子の力を侮っていた一夏は疲れながら部屋に帰還し、少年はセシリアに呼ばれて夜の寮の屋上に来ていた

夜に輝く星空の下でセシリア・オルコットは決意を固めていた

「シュヴァンツ・ヘイズさん」

「はい……」

「私は……貴方の事をお慕い申し上げております」

「___________________」

その言葉に少年は揺らいだ

美少女である彼女から告白されれば、少なからず心が揺らいだ

しかし少年にはスミカがいるのである

最近は体だけの関係ならば容認される様になったが、心まで及ぶ事は元の世界でもタブーである

純粋にスミカを愛しているが故、少年は心を鬼にして躊躇いを捨てる

「………ごめんなさい。僕には恋人がいるんです」

その言葉にセシリア・オルコットは

「そう……ですの……」

哀しげな声で答えた

ここで少女の初恋は儚くも終わり、ほろ苦い思い出、青春の一ページになる

「ごめんなさい」

「……貴方が謝る必要はありませんわ………ただ一つだけ宜しいでしょうか?」

「何ですか?」

内心、リリウムさんと同じなのだろうと思いながら少年はセシリアのお願いを聞く

「貴方への想いは叶わないと分かっていても消えそうにありません…………だから、私に思い出を下さい。貴女に恋した事が素敵な物だったと言える思い出を」

涙に潤んだ瞳を見つめ返す少年は

「分かりました」

同じ様に思い出を作る事にした






他の部屋と比べて、明らかに豪華な部屋

まるでホテルのスイートルームの様なセシリアの部屋に少年は凄いなと思いながら、天蓋付きのベッドに腰を下ろした

どうやらルームメイトの女子は違う部屋でお泊りしているらしく、今はセシリアだけである

少年の隣に座るセシリアは顔を赤く染めている

「……セシリアさん」

「あ………」

少年がセシリアの体をゆっくりと抱きしめる

顔を寄せると漂ってくる香水の香りに混じって彼女自身の甘い香りに少年の鼻腔を刺激し、理性を蕩かす

ゆっくりと顔を近づけると、セシリアも目を瞑り唇を捧げると様に突き出す

「んっ…………」

セシリアは少年とキスしている喜悦と感動を感じ、胸が満たされる様な陶酔に浸る

「んんっ……ふぁ……あぁ………もっと……私に貴方を刻んでくださいませ……」

そのまま啄む様なキスを繰り返すとセシリアは夢見心地な表情で続きを強請った

その姿に興奮した少年は彼女をベッドに横たわらせ、キスをする

「んちゅ……ちゅ……む……」

緩んだ口元から舌を差し入れると、セシリアは驚いた様ではあったが、抵抗する事無く少年の舌を受け入れた

「ん、んんっ!はぁ、ん……んちゅ……」

くちゅ……くちゅ……ぴちゃ……ぷちゅ…ぷちゅ…と互いの唾液と舌が絡み合い、淫猥な音楽を奏でる

セシリアの唾液を飲み下しながら、彼女にも自分の唾液を飲ませる

それから唇を離すとつぅと唾液の糸が伸びて切れる

「とても……甘美でしたわ」

「脱がしますよ」

「はい……」

初めて味わった大人のキスに酔いしれるセシリア

制服とパンストを脱がすと高級そうな黒い下着姿となった

「いいですか?」

爆発しそうな位ドキドキしながらもセシリアが微かに頷くと、少年は彼女を抱きしめブラのホックへと手を掛けた

「あっ………」

ぷるんと姿を現した彼女の乳房は中々に大きく、形も整っていた

少年は彼女の乳房を優しく揉みしだいてゆく

「ふぁ……ああ……はああ……」

甘い声を上げる彼女の乳房を揉む動きが徐々に激しくなってゆき、撫でる様な動きだったり、搾る様な動きに変わったりしてゆく

「ひぁ、あぁん!……あぁ……あぅぅッ!」

少年の巧みな愛撫によって流れる快楽電流がセシリアを悶えさせてゆく

すると彼の舌が乳房の先端を舐め上げた

「ひぁッ!……あ、ああんッ!……」

更に少年は固く尖った彼女の乳首を口で吸った

「ひあッ!!あっ!ああん!!」

舌で愛撫しながら、歯を立てて刺激を送ると彼女のショーツはかなり濡れていた

少年はゆっくり下腹部に手を滑らせ、ショーツを脱がした

「綺麗だ」

純粋な彼の感想にセシリアはどうにかなってしまいそうな恥ずかしさと、好きな人に隠すべき所を晒し見られているという昂揚感に其処は熱く疼き、溢れ出る愛液の量が増す

今度は彼がズボンのベルトに手を掛けて外すと、ファスナーを下ろし、ズボンを脱いだ

そして上も脱いでから、ベリッというマジックテープを外す音が聞こえ、トランクスが降ろされた

「ひ………っ!?」

セシリアが露わになった少年の性器を見た途端、怯えた声を上げた

知識としては知っているが、実物を見るのは初めてであった

しかし、怯えた声を上げた理由はそんな理由では無かった

怯えたのは少年の性器のサイズだった

男性としては小柄で、中性的な外見の彼からは想像も出来ない程の大きさであり

長さも太さも少女の腕の太さ位は有るんじゃないかと思えるサイズで、平均がどれ位かは分からないが明らかに大きい

そして外見もグロテスクな禍々しさを感じさせた

セシリアは予想以上のソレから目を離せなかった

更に彼女の視界に信じられないモノが飛び込んできた

「…………え?」

柔らかそうな毛を纏って、少年の後ろで左右に揺れている白いモノ

「ああ……これですか?尻尾です」

「しっぽ……尻尾!?」

その言葉にギョッとして尻尾を見るセシリア

少年は本物である事を確かめさせる様に彼女に触れさせた

毛先に触れるとセシリアの掌にファーとは全く異なる触り心地、芯から伝わってくる体温、芯に込められた骨の硬さが伝わって来た。少年も触れられた途端にピクンと反応した所から見ると神経も繋がっており、本物である事は間違いなさそうだった

余りに不思議過ぎるが現実だが、セシリアは少年の外見に似合っていると思った

「どうして、生えているんですの?」

「どうしてかは良く分からないんですけど、生まれた頃から有るんです。ヘンですか?」

「確かに普通は生えていませんわね……ですが、似合ってますわよ」

「あはは……それじゃ、続きをしましょうか?」

その言葉にセシリアは少年の性器を見つめる

“ほ、本当にあんな大きさの物が私の中に入るんですの!?”

すると少年は怯える彼女を優しく抱きしめた

「大丈夫です。セシリアさん。優しくしますから」

「あ……」

その言葉に安心したのか、セシリアは覚悟を決めた

「優しくしてくださいね?」

「はい」

充分過ぎる程に濡れてヒクヒクしているセシリアの秘裂に、少年は自身のペニスを宛がった

にちゅ、とペニスとヴァギナがキスをして粘膜が触れ合う音がした

「力を抜いて下さい」

彼女が頷くと少年はゆっくりとペニスを沈めて行く

「あ、ああ……シュヴァンツさんのが……入ってきますわ」

初めてである筈なのだが、セシリアの膣内は意外と柔らかく解れて、滑りも良く、少年の性器を順調に受け入れていた

「うくっ……」

剛直を襞が優しく舐め上げ、時折きゅうっと締めつけてくる感触に少年は呻く

「ふぁ、はぁぁん!あ、あぁん!凄い……一人でするよりも、気持ち良いッ……はぁ!」

蕩けた声を上げながら、自慰をしていた事を明かすセシリア

“だからこんなに反応が良いのかな?”と少年は思った

一旦、少年が止まると

「行きますよ?」

「はい、私に貴方を刻み込んでくださいませ」

少年は息を吸い込むと一気に奥まで貫いた

「―――――――――ッ!」

ブチィと何かを突き破った感触を覚えた少年、破瓜の痛みに耐えるセシリア

結合部からは初めての証である血が枝分かれしながら、彼女の白い肌を伝ってシーツに赤い染みとなってゆく

彼女は目に涙を溜めながら、少年の手を握っていた

そんな彼女を愛おしく思う少年

「んむっ!んんっ……んちゅ…」

少年は彼女にキスをしながら、ゆっくりと腰を動かす

「はぁん、んちゅっ……はぁん……ああん」

「セシリアさん……」

徐々に激しく腰を動かしてゆくと、セシリアも痛みより快感が勝って来たらしく嬌声を上げる。どうやら痛みがそれ程でも無かった様だ

「ああ……ひぁッ!……ああん!!」

セシリアの腰を掴み、抽送を激しくして膣内を掻き回すと、彼女は少年の背中に手を回して抱きしめる

「あぁ!はうっ!ひぅぅぅっ!!あ、はあああん!」

少年の剛直がセシリアの子宮口まで一気に貫くと、膣壁が蠢き絡みついてくる

「くぅ……セシリアさんの中、気持ち良いです!」

ぶじゅ、ぶじゅ!と愛液が、剛直によって攪拌され膣口より吹き出て、二人の股間を濡らす

「あんっ!あんっ!はああああん!」

涎を垂らしながら夢中で嬌声を上げるセシリア

じゅぶ!ずちゅ!ぐじゅ!と抽送の度に愛液が零れ、少年が突き上げる度に彼女の膣内はきゅうと締め上げてくる

「セシリアさん、僕、イキます……ッ!」

「ああっ……あぁあん!…はひゅううう!!……わ、私もなにかッ!きちゃいましゅ!」

肌を打ち付けあう音とジュプジュプと激しい抽送の音が響き、止めの一撃とばかりにズドンと子宮ごとセシリアを持ち上げんと突き出された剛直がぶわっと膨らむと

「くぅ、ああああぁぁっ!!」

「ひぁあッ、あッああああああッ!!!」

ぶじゅ、ぶびゅる!ぶびゅるるるるるるる!!

セシリアの子宮へと向けて欲情を爆発させ、濃厚な牡汁が彼女を染め上げんと迸る

どぷっ、どぷっ、と注がれ続ける少年の精は彼女の膣から溢れ、愛液と共にベッドにシーツを汚していった






「凄かったですわ……セックスとはこんなにも気持ち良いモノでしたのね……」

充実した虚脱感と疲労に襲われながら、セシリアは少年の縋りつきながら横になって、うっとりと呟いた

「その……また、お願いしてもよろしいでしょうか?」

甘える様な声と表情でセシリアは少年に頼む

「ええ、僕で良かったら……」

「嬉しいですわ……」

安堵の表情を浮かべたセシリアはそこで眠ってしまった

「……さて、と」

このまま部屋に泊まる訳にはいかないので少年は後始末をして、部屋から出て行くことにした

「おやすみなさい、セシリアさん」

最後にすやすやと眠る彼女におやすみを言って、少年は部屋から出た

「さて、急がなきゃ」

深夜の寮の廊下を、足音を立てる事なく歩くシュヴァンツ

時刻は深夜の一時を回っており、巡回の教師に見つかれば面倒な事になる

元軍人、現警備員の人物に鍛えられただけあって、少年の動きは無駄が無い

なんとか無事に部屋まで辿りつくと、鍵を使って部屋に入る

先に戻っていた一夏が寝ていたので起こさない様に、こっそりと動いてベッドに入ったのだった





その頃、寮長室

「んん…………むぅ?」

突然、目が覚めた千冬は妙な胸騒ぎを覚えた

「何だ……?」

胸が妙にチクチク痛む様な感覚

「何だこれは……っ!?」

女の感とでも呼ぶべきモノが千冬に何かを教えた

「アイツ………まさか」

少しばかり胸の内に宿る嫉妬の感情が沸々と込み上げてくるのが分かる

束から送られてきた資料で少年はフラグ野郎であり、セックスまで行くエロゲーレベルだと言う事が記されていた

それと発情期という問題の事も

“早急に手を打たねば、IS学園がアイツの後宮(ハーレム)になるな”

千冬は少年について手を打つ事を決めたのだった



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