2188年10月 アスカインダストリー及びミルキーウエイ社が初の相転移エンジン搭載艦『フガク』を
完成させたことを皮切りに造船業界は次々と第三世代艦を建造、完成させていくこととなる。

具体的に言えば

2189年4月 マーベリック社
相転移エンジン、ディストーションフィールド発生装置、反重力推進装置を組み込んだ
初の第三世代艦であるエターナル型輸送船『エターナル』完成

同年5月 ミルキーウエイ社
第三世代艦モガミ型輸送船『モガミ』完成
     同型艦   『アラカワ』完成

同年6月 ミルキーウエイ社
第三世代艦スバル型探査船『スバル』完成
     同型艦    『スツカ』完成

     アスカインダストリー
第三世代艦プレトマイオス型輸送船『プレトマイオス』完成

同年8月 クリムゾン社
第三世代艦ブリスベーン型戦闘艦(後に艦種が戦闘艦からシールド艦に変更)『ブリスベーン』完成 
      ・
      ・
      ・
      ・
      ・
      ・

もちろん、未だマーベリック社、アスカインダストリー、クリムゾン、ミルキーウエイ社以外の企業においては
第三世代艦を作ることができるほどの技術力は持ち合わせておらず、第二世代艦も依然として建造され続けたが
誰の目にも第二世代艦から第三世代艦の時代へと移り変わっていることは明らかであった。

また、クリムゾンが作った第三世代における初の戦闘艦であるブリスベーン型シールド艦などは
そのディストーションフィールドとバリアフィールド(後のビックバリアの原型)により他の戦闘艦の攻撃を受け付けず
ホウメイ・ゲレル艦長をして一艦で一方面部隊を相手に戦えるとまで言わしめることになる。



そんな、造船業界に革命的な変化が起きはじめた頃である2189年7月

社長であるヒミコ・テンカワ自らが艦長を務めることになったスバル型探査船『スツカ』において
着々と一年半に及ぶ航海の準備が進められていた。

「おい、そこ、んな物どうでもいいからさっさと食料を詰めやがれ、乗組員を餓死させる気か」
「オーケイ、オーケイ、そのままゆっくり下がって来いよ」
「このコンテナどかしてくれ、邪魔で荷物が運べない」
「お前そこは緊急用の燃料倉庫だろ、そんなとこで火花なんて散らすな、死にたいのか」
「ちょっと待ってくれ、こっちも今、手が離せないんだ」

整備員たちや乗組員たち怒声が響き渡り、コンテナ運搬車によって続々と積荷を載せられていく格納庫

一部では出航前に何か問題でも発生したのか、溶接用の火花さえ飛び散っている

それはヒミコにとってかつてのナデシコを思い出させる懐かしい光景であった

「社長は、こういった船に乗ったことがあるので?」

そんな過去を懐かしみつつ歩いていくヒミコを不思議そうに見つつ副長であるロルフ・コーネフが尋ねた。

「ええ、艦長をかつて務めたことがあります
それに、そうでもなければ社長の私がこの船に乗るなんていうこと誰も認めてくれませんよ」

冗談めかしてヒミコが言う。

だが実際のところはプロスなど大多数の社員が未だに社長であるヒミコか一年半近く本社を空けることを反対していた。

アイ技術部長が社長代理を勤めるといっても、
いわば社の顔であるヒミコがいるのといないのとでは対外的な交渉において大きく違ってくるからだ。

そのことを考えるとあまり冗談になっていないのかもしれなかった。

「確かにそうですな」

それを聞いてロルフも賛成しつつ、苦笑気味だ。

彼は上司であるプロスから直々に、ヒミコが暴走しないように見張るように言われており
その辺りの事情も嫌になるほど説明されてきたのだ。


「ところで、この船の目的地はどこなんです?」

エレベータに乗ったところでロルフが尋ねる。

「あれ、プロスさんから聞かなかったんですか
てっきり教えてもらっているもんだと思っていたんですが」

ヒミコはプロスが何かあったら彼に頼ってくださいと言ってきたので、てっきり知っているものだと思っていたのだ。

「ええ、機密事項だからといわれて」

そう言われてヒミコはナデシコの時も彼はギリギリまで乗組員に目的地を言わなかったということを思い出す。

そしてどうせなら、あの時と同じ行動をしてみようかなという遊戯心めいたものが芽生えてきた。

「そうですか
でも、艦橋に着いたらそのときにまとめて話すので少し待ってもらえます?
もうすぐ艦橋ですし」

微笑みながら、そう言うヒミコ

その笑顔に、不吉な予感を感じたロルフは今回の話に乗ったことを少し後悔しはじめていた。




シュウンという効果音と共にドアが開き、ヒミコとロルフが艦橋に入っていく。

そこは、探査船というだけあって探索オペーレーターが六名と多く、
また足元など一部を除くほぼ全面がスクリーンになっていることが特徴的な艦橋であった

ドアの開いた音を聞き、出航作業に全員で取り掛かっていたブリッジクルーたち皆が二人の方を向く。

「皆さん、艦長を務めることになった社長のヒミコ・テンカワです
これから皆で仲良くやっていきましょう、よろしくね」

ブイッと、いかにもな効果音が出てきそうなV印を指で作りながら明るく言うヒミコ

「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」

それに対するクルーの反応は皆、無言だった

いや、想像外の事態に固まってしまったというべきか。


確かに、自分たちの社の社長が変わり者であることは知っていた、知ってはいたのだが・・・

いきなり艦橋に現れて、ブイサインをするほど、はじけている人だとは誰も想像していなかった。

きっと彼らの中では今までに築き上げてきた社長の像がガラガラと音を立てながら崩れ去っていったことだろう。

「アホですか」

ボソッと誰かが呆れたように言った言葉が耳に痛かった。


「ゴホン、
私はこの艦の副長を務めることとなったロルフ・コーネフだ、これからよろしく頼む」

咳払いをして、皆の意識を回復させてからロルフが自己紹介を行なう。

それにより、ブリッジクルーはまるで先程のことを忘れたいかのように慌しく出航の準備を再開し始めた。


「えっと、そんなに気まずかったでしょうか、私の自己紹介は・・・」

そんなクルーの様子に、少々不安になりながらヒミコは尋ねる。

「もう少し、社長としての自覚を持つべきですな」

直接は肯定も否定もせず、ロルフが言う。

だが、態度とその言葉に隠された意味がヒミコの質問を肯定していた。



そして四時間後、
ヒミコが艦長用のコンソールで艦の状況を最終確認していると、積荷の運搬が終わったと格納庫から連絡が入る。

それは、この船の出航を意味していた。

「クルーの皆さん、出航前にお話があります
これからの目的地など重要なことを話しますので聞き逃さないようにおねがします」

全艦放送に設定したマイクでヒミコが喋り始める。

「この船の最初の目的地は木星宙域です
これは相転移エンジンで外宇宙へ本当にいけるのかどうかという試験航海が主目的ですが
それ以外にも、以前に木星方向から捉えられた謎の電波の調査という目的もあります

場合によっては、火星以外の遺跡やロストシップがある可能性がありますので、試験航海だからといって気を緩ませず、
この航海には社運もかかっているのだという自覚を一人一人がしっかりと持つようにおねがします

それでは、宇宙探査船『スツカ』発進準備開始してください」

ヒミコの言葉と共に出港準備が開始される。

「サブ核融合炉エンジン点火、相転移エンジンに接続、
相転移エンジン活動開始
相転移エンジン、ディストーションフィールド発生装置にエネルギー供給開始
ディストーションフィールド発生確認
反重力推進システム作動開始」

オペレーターの一人が艦の状況を読み上げていく。

ブリッジクルーにしてみれば、試験航海など既に何回も経験していることだが
この独特の雰囲気になれるということはなかった。

「『スツカ』発進」

ついにヒミコが宣言する。

「安全柱切り離し確認
反重力推進システム、最低出力を突破
ドックからの離陸を開始」

オペレーターの声と共にドックからの離陸を開始するスツカ


木星への長い航海が始まった。







一方その頃、火星のミルキーウエイ本社では、アイが社長代理になってから初となる会議が開かれていた。

その会議の様子を一言で表そうとすれば『重い』だろう。

いつものように企業らしくない明るい雰囲気ではなく、非常に重苦しい雰囲気が流れていた。

(全く、ヒミコが居ないだけでこうまで変わるものなのかしらね)

そのあまりの変貌にそう思ったのはアイだけではなかっただろう。

そんな雰囲気で誰もが息苦しい思いをしながら、しかし会議は着々と進行していった。

「次に、技術部門からの報告です」

会議の進行役が言う。

それを合図にアイの代わりにこの会議に来たイブン・カセム技術部門副部長が発言を始めた。

「現在、優先的に行なわれている相転移エンジンの小型化の研究ですが、
これについては残念ながら今のところ進展はほとんどありません
ですが、理論は完全に解き明かされているので近いうちに必ず何らかの進展があると私は考えています

それと、技術部門の中から相転移エンジンを利用した半永久的全自動ボーリングマシンについての
提案がなされたので紹介しておきます」

彼がそう言うとスクリーンに円柱状の物体に無理矢理ホースを繋いだような機械の設計図が映し出された。

「この先端の部分についているディストーションフィールドで掘り進みつつ、
その際に発生する大量の土砂を反重力推進システムを利用した可動式の管を利用して地上に運び出します

相転移エンジンは地上ではその半分程度しか力を発揮できませんが
それでもこれぐらいのディストーションフィールドと反重力推進システムを動かす程度なら問題ありませんし
ボーリングマシンそれ自体に全ての機能を揃えていますので、
今までのボーリングマシンのように地上やその掘り進む過程において大規模な装置をおく必要がありません

その結果として、これまでのボーリングマシンより格段に作業が速く進み
また、ほぼ最初の建造費だけで支出が済みますので総合的にみれば安く上がることになると思われます」

「それは建造にどのくらいの時間がかかるのかね」

重役の一人が質問する

「その点についても心配およびません
この設計図を見てもらえればわかるようにディストーションフィールドで堀す進み、
反重力推進システムで土砂を集め地上に送るという非常に簡単なつくりになっているので、
その二つと相転移エンジンさえあれば建造には一月とかからないと思われます」

「つまり、量産性にも優れているという訳か?」

「まぁ、相転移エンジン自体が量産性に優れていないので一概にそうとは言えないのですが
試作品程度ならすぐに作ることはできます」

「なるほどな、販売部門と経理部門はどう考える?」

本来なら、販売部門だけで良いはずだが、経理部門まで聞かれているのは
経理部門を纏めているプロスがこの会社のbRといわれているためである。

「販売部門としては素晴らしいと考えます
この機械は土木事業の常識を根本的に崩していますので最初こそ戸惑われるかも知れませんが、
他企業に必ず売り込める自信があります」

自信を持って、販売部門部長であるエルマン・パジェスが発言する。

「私も、これなら問題ないと思いますよ」

プロスがそう言ったことによって、この新型ボーリングマシンが開発されることが決まる。

後にこの新型ボーリングマシンは『モール』と呼ばれ、ミルキーウエイ社の土木事業への参入
そして、火星地下大動脈網とまで呼ばれる各コロニー間を結ぶ地下鉄道と地下高速道路をつくる切欠となり
また、それにより得られたデータで対地上用工作艦『ハッパ』が作られることになるのだが
さすがに、それほどこのボーリングマシンが活躍すると考えていた者は存在しなかった

その後も、会議は重苦しい雰囲気の中進んでいく。

ヒミコが居ないことで、ある意味においての彼女の重要性を社員たちが思い知る会議になったことは
皮肉といえば皮肉ではあった。




2189年8月、地球衛星軌道上

地球宇宙軍第二艦隊司令室において一人の女性が艦隊司令官に激しい抗議をしていた。

「『未だ、実戦においての有効性が認められず、何らかの成果が出るまで実戦配備は待つべきだ』だと
何をどう考えたら、そんなふざけたことが言えるんだい?」

宇宙艦隊総参謀長リー・ゲイルの娘であり、自身も名艦長と呼ばれているホウメイ・ゲレルが呆れたように言う。

「どうもこうもない、未だ実戦において有効だと認められていないものを
そう易々と実戦配備するわけにはいかんだろうが」

第二艦隊艦隊司令官がさも当然といったように言う。

「模擬戦においてたった一艦で、高速戦艦二、巡洋艦六、駆逐艦八、空母一の高速艦隊に圧勝したんだぞ
これのどこが、実戦において有効だと認められないんだ!」

ホウメイが怒鳴りつける

彼女にしてみれば、
自らが指揮したブリスベーンが演習で上げた成果が全く評価されないなどということは納得できないのである。

「模擬戦はあくまで模擬戦だ、それを実際の戦果としてみることなどできん」

「百年以上昔に月の独立派と戦って以来、一度も大規模な戦闘を行なったことが無いくせによく言う
そんなこと言ったら、宇宙軍に配備されている艦船の中で実際の戦果をあげた艦種など存在しないぞ」

「ともかく、これは艦隊の決定だ
ブリスベーン型艦船の有効性は認められない」

話を打ち切るように強く艦隊司令官が言う。

「なるほどな、やはりネルガルか?」

その様子に自分の中の推論の確信を深めたホウメイは鎌をかけることにする。

「な、何のことだね」

言葉こそ、否定しているものの、口調と表情がそれを肯定していた。

「ちっ、相変らず汚いことをする
有用なものを無用というなどと、それほどに金やコネが欲しいのか」

温和にして冷静というのが評判のホウメイにしては珍しく、苛立たしげに貶す

「どういうことだ、ふざけるのも大概にしろ」

それを聞き、ついにホウメイの堪忍袋の緒が切れた。

「ふざけているのはどっちだ
企業なんかと癒着しやがって、ここは軍隊なんだぞ
有事の際に最も危険な場所だということぐらい理解しろ
兵士たちの命がかかっているのに、金のために万が一の時のための備えさせしないとは
怒りを通り越して、呆れるね」

「貴様、上官に向かってそんな口を聞いて、ただで済むと思うな」

怒りで真っ赤になって叫ぶ。

「かまうもんかい
それにもう軍を辞める決心がついたからね
アンタなんか怖くもなんとも無いのさ
ついでに、親父にはアンタと喧嘩して軍を辞めることになったって言っておいてやるよ
私としては何が起こるか楽しみなだけだからな」

そう言って、振り返ることなくホウメイが司令官室を出て行く。

後には、ホウメイが言ったことを理解して青ざめている司令官だけが残った。




着実に民間分野でシェアを広げていこうとするアスカインダストリーとマーベリック社、
軍に第三世代艦を売り込もうとするクリムゾングループ
それらを金や人脈を使って防ぎつつ、追いつこうとするとするネルガル
そして、新技術や新商品を開発し続けるミルキーウエイ

様々な思惑が飛び交う中、時代は確実に進んでいた








後書き、というか言訳

なんだか、SSの中での話と話の間が半年近く開いたりしているので
長編というよりも短編連作みたいな雰囲気がありますが
蜥蜴戦争まで話が進めば多少は長編らしくなると思いますので・・・

それと、この前、劇場版を見てみたのですが、プロスさんとかイネスさんの性格が漫画版と微妙に違っているので
どうしようか検討中

その上、第一次火星宙域会戦って、木連の奇襲のせいで地球軍が何もできずに大敗したんだと思っていたのですが
おまけ映像として入っていた予告を見る限り、両艦隊とも正面を向いた状態で同時に砲門を開いて打ち合い
その結果として地球軍の攻撃が捻じ曲げられ敗れていたので、
蜥蜴戦争のプロットを書き直す必要がでてきてしまいました

というか、あれだけの兵器を持っていて地球を降伏させられなかった木連って
ナデシコが出航するまでの一年間何やっていたんでしょう
無人機であることやビックバリアのことを考えても地球圏全域の制宙権ぐらいは簡単に奪えそうなのですが・・・

web拍手返し

>愛するアキトを救うために過去まで行ったのにアキト以外の誰かとカップリングする必要があるんですか?

無いといえば無いのですが、少しぐらい恋愛的な要素を入れても良いかなと
主に【○○○→ヒミコ】みたいな形で

まぁ、某ゲームのように、ヒミコがやってきた年である2206年になった時点で
タイムパラドックスによりユリカに全てを託して消えてしまうという展開にしてもいいんですが
個人的にそれは少し可哀想かなと

この件については現在検討中ですので何か意見がある人がいれば、教えてください



>IFBってIFSのパンチミスか何かでしょうか? 説明もないですし。

その通りです、指摘していただいてありがとうございます

漫画版ではIFBS(イメージ・フィード・バック・システム)となっていたのでそれと混同してしまったようです

申し訳ありませんでした


>がんばってください。期待しています。
>このSSでは火星はどうなるのか期待しています。火星の住民が死ぬのはあまりにも不条理だと思うので。

ありがとうございます、これからできる限りがんばっていくつもりです


>ユリカ×北辰とか バキッ!!( -_-)=○()゚O゚)アウッ!

それは、ちょっと・・・・・・・・・

劇場版で何か「ラピス、ラピス」と騒いでましたし・・・(汗)

ちなみ今のところ、候補として上がっているのは
原作からアカツキ、草壁、秋山、白鳥、新庄、あと友人が冗談で言っていたコウイチロウ(ユリカ父)
漫画版からサラシナ、オリキャラでシルヤ、ロルフ、など
要するに全く絞り込めてません
何か意見がある人がいたら教えてくれるとありがたいです




感想

どうも、黒い鳩でございます。

最初の感想は私という風な風潮が(爆)

ただ、大変申し訳ないのですがナデシコSSは私食傷気味でして、最近は読むことも殆どなくなってしまいました。

それだけに読んだあとは感想が辛口というかキツイものになってしまうのをお許しください。


それでは、感想に移らせてもらいます。

まず、意表をついた設定は大変面白いと思います。

ユリカがアキトの事を思って逆行というのは殆どないパターンですね。


ただ、漫画版の人格でTVのシナリオを行うのは無理があります。

ユリカはマイペースさが売りですから、やるなら当然50%は笑いを取れる行動でないと寂しいですし、

戦術は天才ですが、他の能力までは不明ですから商戦を行うに当たって何か指針もないと辛いですね。


それに呼び方の違和感も大きいです。

イネスはアキトのように近しいものはアキト君などという呼び方。

またそうでなものはフルネーム。基本的に略称やニックネームは呼ばないという感じです。

これは漫画版でも同じかと思います。


後、戦艦のスペックなどは細かく描写する必要はないかと、もしくはきちんと調べてから描写してください。

例えばユリカが逆行に使った最新鋭艦のスペックは特に言う必要は無かったはずです。

それを注釈着きで言っておいて

{上部艦橋前に四連装600mm六十口径砲三基、計十二門}

こういう部分は頂けません。

600mmで六十口径っていうのはおかしすぎます。

まず60口径というのはその名の通り口径、砲門の穴の大きさですが、内円の大きさが60×100分の1インチという意味です。

つまり、1インチは2.5cmとして100分の60をかけると1.5cmということです。

因みに50口径ならデザートイーグルというハンドガンがありますし、44口径なら44マグナムが有名ですね。

60口径というのはハンドガンの大きさとなります。

対して600mmというのは60cmの内円ですから、戦艦ヤマトの主砲よりぶっといです。

矛盾はどこからでも生じますが、別に深く表記しなくてもいいところで墓穴を掘るのは泣ける話ですので、気をつけたほうがいいです。


後、時折出てくるロストシップという表記も気になります。

ロストとは失われたという意味ですから、ロストシップとは失われた艦、もしくは失われた技術で作られた艦という意味で使われます。

もっとも、後者は日本で格好いいからという理由でこじつけられたっぽいですが(汗)

その辺は兎も角、火星人は遺跡を残して失われていますが、技術は別に失われていません。

というか、地球人にとっては未知ではあっても忘却とは関係ないはず。

違和感がぬぐえない所です。


最後に、ボソンジャンプは未来にいけます。

TVを踏まえるならですが。

有名なのは、ナデシコが火星から地球に帰還する時、8ヶ月の時間が流れていました。

もう一つ、アイちゃんがボソンジャンプをしてイネスになるまでに三回のボソンジャンプを行っています。

そのうち一回目は過去、古代火星人の時代へ。

二回目は未来、最初にいた時代から3年後に。

三回目は最初の時代から20年前に。

つまり、少なくとも2回は未来へのボソンジャンプを行っています。


確定的にお話を進めるというのは、難しい事です。

踏まえるべき資料がない状態ではどうしてもこういう不備がおこるのは仕方ないと思います。

しかし、表現をする場合はやはりある程度読者にも分かりやすように、簡単な表記を心がけた方がいいかと思います。

特に、そういう複雑な設定を書き込んでいくと上記のように足元をすくわれますから。

複雑に書くには、より深く知る必要がありますし。

また楽しさが半減しがちです。


どちらにせよ、難しいかとは思いますが、今後も頑張ってお話を作っていってください。

作っているうちに上達するというのはSS界の常識でもありますし(爆)




申し訳ありません。

口径の解釈を間違っておりました。

砲においては砲身内径(bore diameter)、すなわち発射される砲弾の直径を示す言葉として用いられる口径と、砲身の長さを示す口径長という語の短縮形である口径の二つの意味で 用いられている。砲身の長さは口径長という語で表すのが正式だが一般的にこちらで呼ばれる。

大砲の砲身長を示す単位として、その砲の口径が用いられている。すなわち砲身長の実測値を口径の値で割ったものを口径長と称し、砲身の長さを示す値として 用いる。例えば70口径(長)の75mm砲とは、口径が75mmで、砲身長が75mm×70口径=5,250mm(5.25m)であることを表す。一般論 では、同一口径の砲でも口径長が大きい砲のほうが砲身内を砲弾が通過する時間を多く取れるため加速時間を長く取れる。そのためその砲の撃つ弾の初速が上が り、威力が増す。一方で砲は重く大きくなる

となっているようです。







押して頂けると作者の励みになりますm(__)m



arkelk さんへの感 想はこちらの方に。


掲示板でも大歓迎です♪



戻 る

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.