空に顔を向けると満天の星が見えた…地面を見てみると吹き抜ける風に川辺の草花が身をまかせて流される、
街中では決して見られない自然がそこにあった。
そぉ……俺の記憶にないような…。
とどのつまり目を覚ますとまったく知らない場所に倒れていたということだ。
機動戦艦ナデシコ〜異界より来し者〜
第一話 〜ここはドコ?わたしは…〜
「おいおい、ここはどこだよ」
念のためもう一度周りを見回しても当然元に戻るわけがない。ただ少し先に街のものと思われる明かりを見つけられた。
(たしか…工事現場のバイトが終わって飲み会に誘われたけど金がないから断わって帰る途中で猫にあってその猫が)
「あ!」
恐る恐るとしだいに強く身体中に触れていくが身体のどこにも怪我や出血などは見つからなかった。
「夢?」
(ははっ、そうだよな。トラックに轢かれたならこんなとこに怪我もなく寝てるわけないよな)
無理やりに心の中で納得させ家に帰ろうと立ち上がる。
(それにしてもリアルな夢見たなぁ。トラックに轢かれた後のあれはなんだったんだろうな?)
(いや、夢なんだから変に考える必要はないな。うん、とっとと帰ろ)
心の中の不安を無視するかのように明かりの見える場所に向かって走り出した。
10分後…
(ここはどこなんだろうな?見覚えがないんだけど)
街に着いたものの見覚えのない街並みのなか少年は覚えのあるところはないか歩き回り始めた。
(う〜ん…まったく記憶にないな。一度歩いたら忘れないはずなんだが…!?)
辺りを見回していてふっとショウウィンドーに写る自分を見た瞬間、時が止まった。
「だれだこいつは!?」
混乱のあまり仮名変換すらできないようだ。とつぜん叫んだ少年に当然ながら周りの視線は集まるがそれに気づく余裕すらないのか自分の顔を見つめ、抓りショ
ウウィンドーが自分ではないことを祈りつつ確認をしていった。
が、その色白で銀髪を背中まで伸ばし眼が赤色の少年は間違いなく自分であることがわかるだけだった。(ついでに夢でないことも)
「は!?ちょっとなにこれおれがこいつってことはおれはだれなの??」
混乱は収まるところを知らず、少年はただ喚くことしかできなかった。
30分後…
「はぁはぁはぁ」
喚き続けたおかげなのか多少は落ち着いた少年は周りの情報を得ることにした。が、
「キミ、こんな時間にどうしたんだい?家の住所と親の名前は?」
目の前に突如現れた(気づかなかっただけ)怪しい笑顔(普通の笑顔)の警察官もどき(本物)に驚き
「な、なんでもないです!!」
逃げ出した。(汗)それはもう風のごとく…。
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「はぁはぁはぁはぁ…すぅ…はぁ」
目を覚ました場所まで走りさすがに息が切れたのか止まって息を整える。
「と、とにかく…俺の顔が変わったのは認めよう。それに見た限りではここは東京でもないみたいだしこれからのことを考えないとな」
(とにかく今の自分じゃ警察の厄介になんかなったらシャレにならないだろうしまずは今いる場所の確認だな)
(今日はもう寝よ。こんな時間にうろついてたらそれこそ補導される)
少年は近くにある橋の下に行き起きたら夢でありますようにと呟きつつ瞼を落とした。
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翌日早朝
「やっぱ変わらんか」
目を覚ますと同時に顔の確認をしたが戻っていたりはせず、水面の向こうから昨日見た顔がこちらを見ていた。
「とりあえず街に行かないとな」
再び街に向かったが早すぎたのか歩いている人の姿は見当たらない。
(さすがに早すぎたかな)
しばらく歩いているとコンビニを見つけた。
(コンビニなら地図もあるし人もいるよな)
コンビニに入ってまずはレジにいる女性に聞いてみた。
「すみません」
「はい?」
「ここら辺のことがわかる地図があったら見せていただきたいのですが」
「あ、はいわかりました。どうぞ」
「ありがとうございます。すみませんが現在地を教えていただけますか?」
ひとまずこれで何処にいるかがわかったので安心したのか満面の笑顔で尋ねた。
「………」
突然女性は顔を真っ赤にさせた。
「?あの…」
「ひゃ、ひゃい!」
「あ、大丈夫ですか?顔が真っ赤ですけど」
「お、お気になさらずに。そ、それで現在地でしたね。ええっと、ここですね」
「ここですか…(ぜんぜん知らない場所だよ…どうしよ)」
「あの…」
「あ、すみません少し見せていただいていいですか?」
「あ、どうぞ。けっこうですよ」
「すみません」
地図から現在地とその周りの土地を確認しつつ範囲を広げていったが覚えのある場所が見当たらなかった。
「ありがとうございました(どういうことだ?土地の名前は若干変わってるけどわかる。でも俺のアパートが存在しないなんて…やっぱ考えたくはなかったけ
ど…)」
表面上は平静を装っていたが内面では最悪の予想が当たりそうで不安の極地にあった。
「あ、わかりましたか?」
「ええ、助かりました」
「そうですか、それであの…」
「はい?」
「えっとですね…」
何かを話そうとして口ごもっている女性を見ながら辺りの様子を観察してみた。その目が新聞の移ると
「2192年!?」
「ど、どうかしましたか!?」
「い、いえなんでもないです!それじゃ失礼しました。あ、地図ありがとうございました!!」
新聞の日時を確認すると同時に少年はコンビニから飛び出した。
近くの家にある届いている新聞を見てみるも年数が変わるわけもなく2192年と記されていた。
(2192年…俺は未来に来ちまったのかよ)
自分が何時何処にいるかがわかったがこんな結果なら知りたくはなかったようだ。
ショックのボーーーッとしたままふらつきつつ歩いているとどこからか叫びあう声が聞こえてきた。
「ちょっとあんたいい加減働いてよ!」
「うるせー!俺は自分の気に入ったもんしかしねぇって決めてんだよ!」
「だからって自分の趣味のためだけに借金作ってくるのやめてよ!ただでさえこの子のことでこれからお金が必要なのよ!?」
「ああもう俺の技術はそこらの仕事じゃ生かされねぇんだよ!」
「その技術を生かすのがこんなマネキンなのかい!」
「ば、ばか!それをこっちに向けんな!!」
「こんなのを作るために借金なんかして!」
ガァララララララ!!
「え?」
「うわ!」
まだ頭の中が整理されていないのか目の前のシャッターが開くと同時に飛び出してきたモノを避けることが出来ずに激突した。
「いててて『コンニチハ、ワタシリリー』は?」
目の前のモノをどかすとすぐそこに迫ってくるは大量のロケット花火
「はぁ!?ちょ、まっ、動けな(チュドドドドドドゥ!!)……」
「あんたこんなもん作る暇あったらって…ちょ、ちょっとあんた大丈夫かい?」
たかがロケット花火、されどロケット花火。合計100発におよぶロケット花火(改造済み)をモロうけた少年は抗うことも出来ずに意識を手放した。
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「う…ん?」
「あ!おかあさ〜ん!お兄ちゃんおきたよ〜」
「え?」
「ああ、目を覚ましたかい。大丈夫かい?」
「ええっと大丈夫だと思います。それで俺はなぜここに寝ているのですか?」
「すまないねぇ、うちの亭主が作ったやつが誤作動したみたいでさあんたはそれに巻き込まれたんだよ」
実際は誤作動ではなく亭主を狙ったものが少年がそばにいたために食らったのだがそこは誤魔化すようだ。
「そうだったんですか。あ、それじゃ俺はこの辺で…」
これからのことを考えるためにひとまず元の場所に戻ろうと立ち上がるが身体が言うことを聞かないのかふらついている。
「あんた、ふらついているじゃないか!もう少し横になってなよ」
「いや、でも迷惑に「いいから。キョウカ、お兄ちゃんの面倒を見とくんだよ」「うん!」…」
自分の言いたいことは言ったのか部屋から出て行っってしまった。しかたないので横になると
「お兄ちゃん、どっかいたいとこある?」
「いや、大丈夫だよ。もう少し休めば元気になれるから」
キョウカと呼ばれていた少女に心配をかけまいと少年は微笑しながら答えた。
「うわぁ、お兄ちゃんきれいだね」
「へ?そんなことないと思うよ」
「ううん!ぜったいきれいだよ」
そう、コンビニでの一件で既にわかっている人も多いと思うが彼の顔は10人中9人はキレイと言うほどに整っているのだ(本人に自覚なし)
「そうなのかな、自分じゃわからないね。でもキョウカちゃんもかわいいよ?」
「えへへ〜ありがと〜」
少年がけっしてロリというわけではなく年相応なかわいらしさがあるといったのだがこの様な言い方をすると当然誤解する人もいるわけで
「てめぇ!目を覚ました途端にうちの娘をたぶらかすたぁいい度胸してるじゃねーか!!もっぺん特製ロケット花火食らわせるぞこらぁ!!!」
部屋に乱入してくるなり少年の胸倉をつかんで振り回すおっさん。
「ちょちょちょ、まってまってっまってててて」
がくがくと前後に揺れしゃべることも呼吸も出来ずに再び意識を
「なにやってんだよ!あんた!」
キョウカちゃんのお母さんが言うのと同時に持っていたフライパンがおっさんの頭に吸い込まれる。
スカーーーーーン!!(うわぁーーイイ音するなぁ)
拘束が解かれ自由になると同時に尽きかけていた酸素を吸い尽くさんと深呼吸を繰り返す。
「わるかったね、この人ったら急に飛び込むもんだからさ」
「は、はぁ」
「話があったんだけどこの人が目を覚ますまで待ってくれるかい?」
「別にかまいませんけど話ですか?」
「ああ」
「わかりました」
1時間後…
目を覚ましたおっさん(キョウカちゃんのお父さんらしい)にここに寝ていた経緯を説明すると
「いやぁ〜はっはっは!それは悪かったな。誤解してたわ」
豪快に笑いながらあやまってきたので
「いや、もういいですよ。身体ももう大丈夫ですしね」
「ほんとにすまなかったね。この人にはあたしからキツク言っておくからさ」
「お兄ちゃんごめんなさい」
「い、いえほんとに気にしないでください。この通りもう全然平気ですから」
キョウカちゃんとキョウカちゃんのお母さんにもあやまられ、逆に恐縮してしまい平気なことをアピールした。
気まずい雰囲気を変えようと話題を移す。
「ええっと、それで話とはなんですか?」
「ああ、そうだったね。あんたどっから来たんだい?」
「はい!?」
「あんたは昨日の夜中に商店街で騒いでたろ。そのときあたしも見ていたんだよ」
「それで今日は今日であんなに朝早くにうろついているのが気になってね。何かあったんじゃないかい?」
キョウカちゃんのお母さんに言われ正直に話すべきかを悩む。
(やっぱ正直に過去から来ましたなんていっても信じてもらえないだろうしなぁ。かといってなにも話さないと怪しいな。なんか適当に誤魔化すべきか?)
「あたしには言えないかい?」
心配そうな目で見つめられ少年は
「すいません、実は昨日から前の記憶がなくて…」
ベタな言い訳をした。
(なんじゃそら!?もうちょいマシなウソもあるだろ〜〜!!)
「記憶がない?記憶喪失ってやつかい」
「たぶん…」
「記憶喪失ねぇ、それでここら辺をうろついていたのは?」
「目を覚ましたのがここの近くの川辺だったので」
「自分の家もわからないのかい?」
「はい」
少年が自己嫌悪に陥っている中まるで魔女裁判のように次々と質問が押し寄せてきた。10分ほど質問に答えていると
「それじゃ帰る家も住所もなにもわからないんだね」
「は、はい」
締めとばかりに今まで聞いたことを確認する。
「「「………」」」
半分も意味が分からなかったキョウカちゃんを除いて重い沈黙が落ちていく。
「しかたないね、あんたしばらくうちにいな」
「「は?」」
突然の案にキョウカちゃんの親父さんと少年は思わずハモッた。
「ちょ、ちょっと待てよ。うちにはもう人を養えるほど金なんてねぇだろ!?」
「それはあんたが働かないからでしょうが!!それともなにかい!?あんたはこんな小さい子をほっぽり出せって言うのかい!!」
「そ、そんなこといってねぇだろうが!」
「とにかく!この子はしばらくうちに住ませるよ!いいね!!」
「わ、わかりました」
キョウカお母さんの迫力に親父さんは蒼白の顔を人形のようにコクコク振る。
「あ、あの〜」
「なんだい?」
「(確かに住む場所があるならそれに越したことはないが)いいんですか?生活苦しいんじゃ…」
「ああ、あんたは気にしなくて良いよ。うちのバカ亭主が働いて稼ぐからさ」
心配かけまいとしているのかキョウカお母さんは笑顔で答えた。
「で、でも「お兄ちゃんもいっしょにすむの?」」
「そうだよ、キョウカはいいかい?」
「うん!これからはお兄ちゃんといっしょなんだね!!」
既に決定事項なのかキョウカお母さんとキョウカちゃんは2人で盛り上がっていた。
少年としても都合が良いのであきらめると突然後ろから肩をつかまれた。それはもう握りつぶさんかというくらいに…。痛みを堪えつつ振り返ると親父さんが
「うちの娘に手を出すなよ」
やたらとドスのきいた声で脅しつけてきた。
「は、はい」
なんとか搾り出した返事にひとまず納得したのか掴んでいた手を離した。
「それじゃしゃーねーからしばらくうちにいな。あっともちろん仕事の手伝いをしてもらうぜ」
「あ、はい。わかりました。これからお世話になります」
「気にすんな。あの2人が決めたんだから俺には何も言えねえよ」
親父さんの目線の先には仲良く話しているキョウカちゃんたちが…。ここでも女性のほうが強いみたいですね。
「あ、そうそうまだ名前も言ってなかったな。俺の名前はウリバタケ・セイヤだ。そして家内と娘のキョウカだ。おまえは…覚えてねぇんだったな」
「あ、いや。名前は覚えています」
「そうなのか?」
「はい」
「そうか。んで、なんてんだ?」
こちらの話を聞いていたのかキョウカちゃんたちもこちらを向いている。
「アマツカ・ヤシロといいます。よろしくお願いします!!」
こうして過去から来た少年アマツカ・ヤシロは未来での生活がはじまった。
そして舞台は3年後より始まる……。
〜あとがき〜
やってしまった(汗)
はじめまして、コヒルといいます。
今回こちらでナデシコのSSを書かせていただくことになったのですが…文才がないために駄文になる可能性大です。(汗)
それでもいいよ、という心の広い方は読んで注意点などを教えていただけたらうれしいです。
タイピング速度が遅いため更新は遅いと思いますがこれからよろしくお願いします。
感想
コヒルさん連続投稿です♪
今回は主人公アマツカ・ヤシロ君の名前が分りましたね。
しかし、いきなりウリバタケ氏の所にやってくるとは…(汗)
という事は、彼の技能はルリ嬢と同じマンマシンインターフェースの能力と発明!? になるのでしょうか?
主人公としては異色の主人公になりそうですね〜色々期待してしまいます♪
それにしても最近私の能力は色々使
われてますね。ヒロインの条件として授けられた能力だった筈なんです
が…
それは、そうかも知れないね。マシンチャイルドの不幸さとその能力、そして銀髪金眼という特殊さなんかが受けているんじゃないかな?
まあ確かに、ですがあまり多く使用するとキャラが薄くなってしまいそうで怖いです。
それに、忘れてはいけないのは金眼は兎も角、髪の色はあんまり関係ないと思います。
あ〜そうだったね、髪の毛は母親譲りなんだっけ。ピースランドの話で見てる弟ズもおんなじ髪の色だったしね(汗)
それに、ラピスの髪の毛はまだピン
クがかった銀髪ですみますが、ハーリー君は黒髪です。
簡単に言えばマシンチャイルドが銀髪だというのは迷信です。
でもね、作品を見る限りアマツカ・ヤシロ君は銀髪に赤目、つまり白子…っと分りにくいか。
アルピノであってもマシンチャイルドの印、金眼では無いみたい。
それって、普通に染色体異常と言うことでしょうか…良く分からなくなってきましたね。
さあ、でも物語に深く係る要素だから最初は伏せたという事じゃないかな…
どれ位深い物語になるか、楽しみにしていよう♪
ま
た、適当な台詞を…
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