これは、ほんの小さくてささやかな願いから始まりました
ただ純粋な願いだからこそ奇跡が起きたのかもしれません
自分を想ってくれる人を幸せにしたい
自分の事を蔑ろにする人を救いたい
相手を想う気持ちが積もった時に奇跡が起きる
そんなささやかな願いだからこそ世界は優しくなったのかも
それではある奇跡の幕が……始まります
RETURN to ANGEL
EPISODE:After World ]
著 EFF
「はぁ〜」
また溜め息を吐いてしまった。
自分でも感情を持て余していると判っているが……どうしようもなく時間が過ぎていく。
シンジと和解して早二年。同じ屋根の下で暮らしながらこの世界を再建しようと決意し、協力している。
正直、元に戻すのは無理だと思うし、一から始めるという事だと思っている。
「どうしたら良いのかな?」
生理――次の世代を残すために必要な代謝機能が私の中にはまだ残っている。
まさか、自分がアダムとイブのような状況になるとは考えた事も無かったし、何故残っているのか……謎だった。
「おかしいのわね……完全に使徒化したのに」
使徒化した時点で単体化するはずなのに……それとも不完全な使徒とでもいうのだろうか。
憂鬱になる。この機能があっても、相手がいなければ何の役にも立たない。
赤い海を見つめても誰も還ってこない以上……人類は死滅したといっても過言ではないのだ。
「……シンジにも残っているのかな」
呟いて自分でも自覚するくらい頬が赤く染まっていると感じてしまった。
そして、身体が火照るのと同じくらい……自分の馬鹿さ加減に苛立ちで熱くなる。
「な、何を言ってるのよ! 散々シンジの事を傷付けたのに……」
胸が痛くなる……申し訳ないという感情がどうしようもなく心を締め付けてくる。
シンジの所為じゃないと判っていたのに……傷付けるようなことばかり罵っていたくせにと今更ながら後悔に苛まれる。
一緒に暮らし始めるようになって二年の月日が過ぎた。
シンジに惹かれる自分と申し訳なさから来る感情ゆえに側に居てはいけないという感情がしのぎを削っている。
自身の未熟さでシンジを追い込んだ。
虚数空間の中でどれだけの時間が過ぎたのか分からないし、私にとって此処に帰還してから時間が動き出したという気がする。
それまでは止まったままなのではなかったかとこの頃は思うのだ。
「私もシンジも身体だけは大人になったのよね」
形だけ大人というのが今の私達にピッタリの表現かもしれない。
人とのコミュニケーションで精神面が成長すると何かの本で読んだ事がある。
私達は未成熟なまま大人になったものだ。
「悔しいけど……辛い経験をしたシンジの方が大人なんだよね」
私は目指す目標があり、それに突き進むだけだった。
だけどシンジは望んだ訳じゃないままに苛酷な戦場に引き摺り出されて才能を開花してしまった。
「覚悟という言葉さえ教えられず……大切な友人を傷つけ、殺させる。
酷い親としか言えないわね」
親がいなかった私の親に対する幻想を完全に否定する存在がシンジの両親かもしれない。
理想を追い求め、子供に未来を遺すと言いながら子供を戦場に誘う母親。
「吐き気がする……賢い人なら未来を読みなさいよ」
妻を求める事に執着し、息子さえも道具として扱い……傷付ける父親。
「バカじゃないの! 生きてる人間を大事にしなさいよ」
シンジを家族と言いながら自分の目的の為に仕方ないという免罪符を掲げて戦う事を強要する女。
「仕方ないで済まさないで! 家族なら支えなさいよ」
シンジの周りの大人は彼を利用する事しか頭にないバカどもだった。
「誰も彼もが現実から目を背けて虚構の世界に逃げ込む……その結果がこれなわけ」
真っ赤に染まった海を干上がらせて全部消してしまいたい。
この海の中で自分の夢見た理想の中に閉じこもって……現実から目を逸らしている連中を憎む。
確かに苦しみもなければ、痛みも感じないかもしれないが……ある意味自分の作った世界の中で自分の思うとおりに流れている世界。
私はそんな世界はゴメンだ。生きるという事は戦いであり、苦しみや悲しみがあるからこそ……喜びもある。
そんな世界に閉塞感を感じないのだろうか?
「私じゃシンジを救えないのかな」
胸が痛くて泣きそうになる。
シンジは笑ってくれるが、その顔は本当の笑みには思えない。
「心の底から笑って欲しいの……そうすれば、この痛みもなくなるのに」
空を見上げてしまう。
俯いてしまうと涙が零れ落ちて……止まらなくなる。
泣き顔をシンジに見せて困らせたくない。
もうシンジの諦めきった顔は見たくない……何もかもに絶望したあの顔は。
「痛いのよ……もどかしくて、手が届かなくて……無力な自分を思い知らされるのわ。
助けたいのに……助けられない自分がいるのは……苦しいよ。
先生……私、どうしたら良いの?」
ここにはいない恩師に向かって呟く。
答えはないと分かっているのに……どうしようもなく言葉にしてしまう。
時々、彼女の沈んだ顔を見る事がある。
この二年で彼女の明るさに何度救われたか……でも、その彼女の笑顔が曇り始めている。
ちゃんと話し合えば解決出来るかもしれないのに……後一歩踏み込めずに躊躇う。
「ダメだな……僕は無力だ」
全ての使徒の力を得ても結局、僕は変わっていないと思い知らされる。
「彼女を幸せに出来れば……罪滅ぼしになるのかな」
僕の所為じゃないと言ってくれた彼女の真剣な眼差しに救われた。
ただ惰性のままに動いていた僕にほんの少しのきっかけをくれたエリィに報いたい。
「笑って欲しいのに……笑わせる事も出来ない。
本当に僕は無力でダメなバカシンジだよ」
流されるままでは何も救えないと理解したのに動けない。
動く事で彼女を傷付けるのを僕は恐れている。
「役に立たない知識ばかり手にして……どうするんだ?」
自分の身体の事は一度隅々まで調べてみた。
「これ以上は年を取る事はないし……この姿のまま永い時間を生きる事になる。
彼女とずっと二人か……気まずいままで暮らせるだろうか」
お互い遠慮するように気遣う事が増えている。
余所余所しい感覚のままで耐えられるだろうかという不安が頭に浮かんでは消える。
彼女はとても綺麗で輝いている。
「ずっと輝いていて欲しいのに……消してしまいそうで怖いよ」
彼女に惹かれている自分を自覚すると、どうしようもなく怖くなる。
壊れてしまったアスカの姿が脳裡に浮かび……汚してしまった自分の醜さを思い出してしまう。
「……最低だよ。こんな僕だから……世界をダメにしたんだ」
僕の身体にはまだ生殖機能が残っている。
「こんな機能はない方が……良いんだろうな」
彼女を汚す恐れのある機能はない方が安心できる。
「もう失いたくないんだよ……カヲルくん。
僕はまた君のように失ってしまうのかな。
多分、今度失ったら本当に狂うかもしれないし、独りになるんだろ。
それが僕の罪であり、罰なのかな」
僕は不安を隠して、彼女と向き合う自信がない。
この胸の内を曝け出して話せば……楽になれるかもしれない。
臆病な自分を未だに克服できない。
助けを求める事は出来ないし、助けを求める資格は失っている。
「希望は何処にもないよ……苦しいだけさ」
僕を希望と言ってくれた二人はいない……あるのは赤く染まり僕の声を無視する海だけだった。
「このまま、終わりを迎える……いや、ダメだな。彼女を巻き込むのは絶対にダメだ!
だけど……後どのくらい保てるだろうか?」
内包する力が膨れだしているのを感じる……器に収まりきらなくて暴走しそうだ。
以前のように自傷行為を繰り返して、力を削げば良いのだろうが彼女に知られたら……、
「……泣き出すだろうし、背負おうとするだろうな」
泣き顔は見たくないし、迷惑を掛けたくない。
彼女が力を取り込めるのは難しいし、今もまだ自分の力を完全に把握しているわけじゃない。
そんな状態で更に力を増やせば……彼女を失うかもしれない。
「……それは嫌だ。彼女を失いたくない」
助かる手段はあるが……躊躇してしまう。
何が起こるか分からないし、彼等と向き合う自信もない。
第三使徒から第十六使徒と番外の使徒を復活させて、身体に内包している生命の実を返す。
彼らの魂は僕の中に保存されている。
アダム、リリスこと綾波、そしてタブリスことカヲルくんは同化したので取り出せないが他の使徒を復活させれば何とかなる。
でも、彼らが僕達を受け入れてくれるか分からない。
彼女にはこの貴重で大切な時間の中で暮らして欲しい。
誰かが争ったり、傷付けあうのは……もうたくさんだった。
日に日に口数が少なくなって行く。
お互い遠慮しあって、悪循環を起こしていると判っているのに改善できない。
「私って強くなれたのに……弱くなったのかな?」
マギに向かって話しかける。
使徒の身体と共生していたので劣化がなく今も残っているシステム。
この世界で私達以外に動いている存在に縋っている自分の弱さを恨めしく思う。
「シンジに縋れば良いのかな」
(そうね。シンちゃんは臆病で優しいから)
「誰?」
(赤木ナオコよ……何の因果か、復活したというべきなのか……幽霊なのか)
苦笑しているような響きの思念波に正直驚いていた。
「お願い! シンジを救いたいの……私じゃ救えないから力を貸して!」
(ごめんなさい……ここから動けないから)
藁にも縋るような思いで願う私に申し訳無さそうに声が響く。
(でも、あなたなら救えるのよ)
「無理よ!」
ヒステリックに叫ぶ私に彼女は告げる。
(シンちゃんはね、はっきりと言わないと気付かない鈍チンさんなの。
たった一言で良いの……心の底から想う気持ちを正直に打ち明ければ応えてくれるわ)
「でも、私……傷付けたから」
(大丈夫。シンちゃんは優しいから気にしていないし、あなたを大切に思っているわ)
彼女の声にどうしようもなく頬が火照ってしまう。
「私の事……大切に思ってくれてるの?」
(ええ、あなた、まだ乙女でしょう)
「そ、それは……そうだけど」
女になっていないと言われて恥ずかしくなる。
(シンちゃんね……まだ子供を作る事が出来るの)
「え? ええ?」
頭の中が真っ白になっていく。
もしかしたらと思っていた希望が叶う可能性があった。
「シンジに……家族を与える事が出来るの?」
(あなたが側にいるだけでも救われているのよ)
困った子ねというニュアンスが混じった思念波がどうしようもなく身体を火照らせる。
「シンジの救いになっているの?」
(ええ、自信を持ちなさい。あなたは数少ないシンちゃんの懐に飛び込んだヒトなのよ)
どうしようもなく歓喜の声が全身から溢れ出そうとしている。
シンジの救いになれると思うと落ち込んでいた気持ちから一気に舞い上がってしまう。
(シンちゃんも罪作りね。こんなに可愛い子を悲しませるなんて。
よし! ここはお姉さんが一肌脱ぎましょう♪)
「どうしたら良いの……シンジを救えるなら私はどうなっても良いのよ」
(それは間違いよ。貴女がいないとシンちゃんはダメになるわ)
「シンジは私より強いから大丈夫よ」
(それは違うわ。今のシンちゃんは貴女がいるから辛うじて自分を支えているの)
「嘘よ!」
シンジは私よりも遥かに強大な力を持って制御している。
私がいなくたって平気だとずっと思っていたのに否定された。
(もう限界に近いわ……シンちゃんはね、自分を傷つける事でバランスを取っていたの。
生きる事が罰だと思う事で生きて来たけど……もうそれにも耐えられない)
「何でそんな事になるのよ!!
シンジばっかり苦しめる……ふざけないで!!」
苛立ち、憤りが一気に噴出していく。
(ごめんなさい……私達大人が不甲斐ない所為で)
沈痛な思念波を受けて、血が昇った頭を冷やしていく。
この人に文句を言っても仕方ない……私がしなければならない事は、
「シンジを救う!! それだけよ!」
高らかに宣言して自分に誓う。
「私はシンジと同じ時間を一緒に歩む! 誰にも邪魔はさせない! シンジは私がずっと守る!!
惚れた男が世界の破滅を望むなら……地獄まで付き合ってやるわ!」
(それで良いの……大切なものは自分の手で守らないとね)
思わず愛の告白という赤面もののイベントをしてしまった。
(シンちゃんとの付き合い方はハッキリと告げる事。
態度で分かって欲しいという高等技術は通用しないの。
好きなら押し倒して自分から告白しないと……何時まで経ってもお友達のまま)
「男役でリードすれば良いってこと?」
(極端に言えば、そういう事ね。
鏡に近いの……親愛の情を向ければ親愛で返し、拒絶を示せば拒絶する)
「全身全霊でぶつかれば、同じように応えてくれるのね」
(あとは貴女の頑張り次第……不甲斐ない大人に代わって、シンちゃんを救ってね)
道が見えた以上は全力で駆け抜ける。
私の想いはハッキリと決まっている。
惚れた男と同じ道を歩いて……幸せになる。
シンジの家族になって、未来を築くだけ。
重かった足取りは消えて、羽のように軽やかに歩けた。
お互い気まずいままでいたので気分転換に別行動を取った。
食事は本来必要ないんだが、なんとなく習慣みたいに食べる事にしていた。
「何か良い事あったのかい?」
帰ってきてから彼女は楽しそうにしながら時折頬を赤くして僕を見ている。
「まあね……独りで色々考えていたの。
これから、何をするべきなのかとか……ね」
僕に好意的な感情を見せる彼女に途惑うと同時に久方ぶりに心が弾んでいる感覚になる。
「ん? どうかしたの?」
「いや、なんでもないよ」
見とれていた事を誤魔化すように食事の準備をする。
彼女の微笑みに癒されている自分を思うと楽しさと後ろめたさを感じる。
癒されるなど赦されない事だと……心の何処かで思いながら。
またシンジが暗い顔を見せる。自分は救われてはならないと自虐的に思っているんだと感じる。
そんなふうに思うとシンジを苦しめた連中に憎しみをぶつけたくなる。
(優し過ぎるのよ……そんな処がシンジの良いところだけど)
優しさゆえに苦しみ、優しいから誰よりも温かいシンジ。
「ねえ……シンジ」
食事を終えた私達はテーブルで向かい合うようにして椅子に座っていた。
「なに?」
「まあ、こんな世界になったけど……私はシンジと出会えた事は良かったと思うよ」
「え?」
吃驚した顔で私を見つめるシンジに今の心境を告げる。
「こうしてシンジと出会えて……仲良くなれた。
それはシンジが優しいから、私はここにいられるの」
シンジは何も言わずに私を見つめて聞いている。
「私はもしシンジが……ゴメン。
シンジが嫌だと言っても家族になりたい。
ずっと同じ時間を過ごして、同じ時間を歩んで生きたい……シンジに寄り添ってね」
恥ずかしいけど……シンジはこのくらいの事を言わないと流してしまうと思っている。
「私はシンジが好きよ。
同情でも憐れみでもなく……側にいて欲しいと思う。
他の誰でもないシンジを愛しているの」
一世一代の愛の告白だと思う。
でも、シンジの凍りついた心を解きほぐすにはどんなに恥ずかしくても言う必要がある。
「え、えっと……な、なんだ……」
シンジが動揺する姿を見て、新鮮に思う。
いつもシンジは冷静に動じない姿しか私には見せていなかった。
私は立ち上がってシンジの腕を取り、
「食後の散歩をしましょう♪」
「え、ええ?」
いや、腕を取って絡めて引っ張るように連れて行く。
羞恥心という感情はこの際……何処かに忘れ捨てる事に決めた。
(それにもう我慢の限界なのよね。
私の中のまだ未熟な女の部分が……シンジを求めている。
シンジが大好きだから……失いたくないから……何が何でも繋ぎとめろと訴える)
シンジの女になりたい……ずっと側に居たいし、居て欲しい。
愛情と愛欲がごちゃ混ぜになりながらも……シンジに手を差し出したい。
シンジに安らぎと穏やかな時間を……ただ、それだけを願うのだ。
訳が分からないままに引っ張られているが、どうしようもなく心が……弾んでいる。
赤い海を見るのは好きじゃないけど……彼女と一緒なら悪くないと考える現金な僕がいる。
鼻歌まじりで楽しそうに僕の腕に自分の腕を絡めて歩くエリィの笑顔を見られて嬉しい。
「こうやって歩くのも悪くないわね」
「……そうだね」
心が穏やかになると同時に漣が起き上がってくる。
お前に安寧は赦されないと……囁くもう一人の僕がいる。
「そんなに苦しいの……幸せになることが?」
さり気なく問われた声に身体を硬直させる。
「シンジの所為じゃないって言っても信じてくれないの?」
彼女の顔を見る事が出来ずに声だけが耳に残る。
「もっと責任転嫁しても良いと思うわ……何も教えずに都合の言い様に使われたんだから」
「それでも……流され続けた責任があるんだ。
もしかしたら止められたかもしれないと思うと……」
いきなり足を引っ掛けられて体勢を崩して、僕の声を途中で遮られた。
僕を地面に倒して、彼女は覆い被さる体勢になっている。
「ん、ふぐ……」
「ん、ふぅ、んふぅ」
押し倒されて、強引にキスしてきた彼女に思いっきり焦る。
積極的に口を割られて、舌を絡めてきたので更に動揺してきた。
しばらくして、互いの唇が離れる頃には絡み合った僕達の唾液で銀の橋が出来ていた。
「ど、どうして?」
「返事は二つに一つ」
「な、なにを?」
「私はシンジを愛しているから……シンジの女としてずっと側に居たいの。
それ以外の関係にはなりたくないから……嫌なら拒絶して……」
泣きそうな顔で告げるエリィに僕は答えられない。
拒絶すれば彼女は僕の側からいなくなる。
弱くなった僕にはその後にある孤独に耐えられそうにない。
「ぼ、僕は……」
「いいの……幸せになっても」
エリィは僕の返事を聞かずにキスしてくる。
受け入れるなと叫ぶ感情と……エリィの温もりを受け入れて良いという感情がぶつかり合う。
どうすればという揺れる思いで僕は混乱していく。
シンジが迷っている。
私はこの隙を絶対に逃す気はない。
力を使って、シンジと私が着ている服を強引に吹き飛ばす。
「な、なにを!?」
思いっきり焦っているシンジを無視して私は、
「嫌なら拒絶して……簡単な事でしょう?」
「そ、それは……」
「私はシンジを愛してるって言ったわ。
後はシンジの気持ち次第なの!」
知識では知っていたディープキスなのに……なんかシンジの方はあまり動揺していない気がする。
「もしかして……ディープキスされた事があるの?」
私の質問にシンジは目を逸らして……答えを告げている。
その答えに私の中のジェラシーという名の蛇が頭をもたげてくる。
「……そう」
「え、えっと……」
焦るシンジとは裏腹に私の中の独占欲が大きくなる。
「拒絶は拒否させてもらうわ……絶対に他の女には渡さないから」
「ちょ、ちょっと!?」
怯えるような顔になったシンジを見ていると……ゾクゾクしてくる。
なんていうか……捕食者になった気がしてならない。
(変なスイッチ入ったかも……)
私の中の冷静な部分がそんなふうに分析しているが……この際無視。
大切なのはシンジに私の全てを捧げて、ずっと同じ時間を歩んでいくという一点に絞られていた。
何か、彼女の中のスイッチを押した気がする。
飢えた虎の前に差し出された兎?になった気分だ。
「はぅっ! な、なにを!?」
「……乳首って、男でも感じるのね」
首筋に舌を這わせて、徐々に下がって僕の胸にキスしてくる。
「ダ、ダメだって……」
「……なんで?」
何も問題がないようにエリィは聞いてくる。
「私はシンジを愛しているから問題ないわよ」
「そ、それは――はぅっ、あ、ああ」
エリィの裸を見ているうちに僕は興奮してきた。
硬くなったモノがエリィの身体に触れるので自己嫌悪に陥りそうになる……僕の浅ましい心を見せた気がして。
「……興奮してくれたんだ」
「ご、ごめん!」
「ううん。嬉しいわ……私を女として見てくれたんでしょ?」
「そ、それでも……ごめん!」
僕は、僕の中にある浅ましさが嫌になった。
エリィの身体はとても綺麗だ。
おろした髪は緩やかに肌に掛かり、瑞々しい白い肌に弛む事のない張りのある柔らかな乳房。
恥ずかしいのか……ほんのりと白から朱に染まりかける肌を見ているだけでどうしようもなく鼓動が早くなる。
「まさかとは思うけど……私を汚してしまうとか、考えてない?」
図星を指されて、どうしようもなく恥じ入る。
僕の中のどうしようもなく醜い部分を見透かされて……苦しくなる。
「バカね……私はシンジが好きだから嫌いになんかならないわ。
だから遠慮なく抱いても良いの」
「そ、それでも「嫌いにならないで」……え?」
自分が情けない男だと告げようとした時に……エリィが泣き出していた。
「側にいたいの……シンジにとって大切な存在になりたいの……」
ポタポタと胸にエリィの涙の滴が零れ落ちてくる。
「自分をそんなに……嫌わないで。
私は……シンジに笑って欲しいの……」
ズキンと胸に痛みが走る。
僕が自分を嫌っている事を知られて……しかもその事でエリィを追い詰めている。
「今みたいに側にいるだけじゃ我慢できない。
どうしようもなく女の部分が囁くの……シンジに愛して欲しいって、シンジに愛されたいって。
そして……シンジの家族になりたいって」
僕はずっと着けていた仮面が剥がれ落ちそうになっているのを感じている。
弱くて流され続けていた……僕を隠していた仮面が砕けそうになっている。
「約束したでしょ。一人にしないでって……独りは辛いのよ」
僕は……エリィの温もりを拒否出来なかった。
言いたい事は全部話したし、後は勝手にやるだけ。
シンジを無理矢理犯す事になるかもしれないけど……もう止める気はないし、止まれない。
私はシンジに魅了されているし、独りで生きられるほど強くなれないとハッキリと自覚した。
「ん、んふぅ……あん」
再びシンジの唇を割って、強引に口内に舌を這わせる。
「む、むぐっ……ふゎ…」
シンジの唾液と私の唾液を絡め合わせて飲み込むとゾクゾクしてくる。
私の唾液をシンジに飲ませていると思うと興奮しているのかもしれない。
シンジの手を取り、私の乳房に添わせる。なんとなく乳首が硬くなり、敏感になっているのに気付く。
身体の内側から熱くなる感覚に身を委ねながら……、
「お願い……私の事を大切に思ってくれるなら……求めて」
熱に浮かされるように声を零していく。
「他の誰でもない……シンジと共に歩んでずっと一緒にいたいの。
シンジが地獄に堕ちるなら……違う、だって家族だから堕ちない様に支えるわ」
「ま、待って!?」
「嫌よ……もう離さないし、離れないから」
シンジのモノを掴んで、私の秘唇に触れさせ……角度を調節する。
「……ぐっ……い、あぐ……」
「あ、あぁ!……ま、待て……あ、ふぁ……」
シンジのモノに体重を掛けて下ろしていく。
私が誰にも与えていない純潔をシンジに捧げると思うと身体の芯から込み上げる嬉しさがあった。
興奮して濡れていたので、痛みは軽いと思っていたのに……痛かった。
でも、後悔はしないし……一生忘れない。
少々、強引な形になったが愛する人と結ばれたから。
「……愛してる。ずっと側にいるわ。貴方の妻として……家族として」
「僕でいいの?」
「シンジが良いの」
痛みはあるけど、シンジに微笑んでみせる。
強引だがシンジのモノで女になった達成感で本当に嬉しい。
涙目で微笑むエリィの顔はとても綺麗だと思う。
そして僕を本気で求めてくれると思うと嬉しくて泣きたくなる。
「僕はバカだよ」
「知っているわ」
「どうしようもなく愚かで」
「それも知っている」
「とっても冷たいよ?」
「それでも一番奥の部分に優しくて温かいシンジがいるわ」
「世界を嫌い、人も嫌いだよ」
「だけど……人を愛してもいる」
「君を傷付けるかもしれないよ?」
「でも、愛してくれる」
「幸せになれるかな?」
「独りじゃ無理だけど……二人なら大丈夫」
「僕は弱いよ」
「でも、決して逃げなくて……諦めないわ」
もう逃げられない……
「君に縋ってしまうかも?」
「私も縋るから二人で支え合えば良いわよ」
「愛していいのかな?」
「他の男に愛される気はないわよ」
「僕は臆病でダメな奴だよ?」
「そんなシンジが好きなの」
僕はエリィに絡め取られ……逃げる意志も奪われた。
「意外と嫉妬深いよ?」
「私も嫉妬深いから一緒ね」
「「離さないから」」
優しくエリィを抱きしめて……合意の上でキスをした。
抑えきれない感情が僕の胸に渦巻いている。
エリィの可愛らしい唇に僕の唇を重ねて、更に舌を絡める。
「ん、んぅ……」
「む、ふぁ」
優しく背中を撫でて、エリィの緊張を解きほぐす。
「ゴメン……意気地なしで」
「シンジは優し過ぎるのよ……あ、あぐ…」
僅かな身動ぎに……処女を失った痛みに顔を顰めるエリィ。
「私の膣内(なか)……気持ちいい?」
「気持ち良過ぎるから……困ってる」
優しく包み込みながらもきつく締まるので非常に気持ちいい。
彼女が上だから抑え切れているが……正直、快楽に流されて傷付けそうな感じに陥りそうだった。
まだ準備が万全じゃなかったと思っていたけど……暴走した。しかも嫉妬で。
でも、愛しくて、切なくて……どうしようもなく求めてしまう。
ズキズキと痛みを感じるけど、シンジが私を受け入れた事にどうしようもなく頬が緩んでしまう。
背中に回されたシンジの手の温もりが心地好く、どこか緊張していた身体も落ち着いて弛緩している。
「は、ふぁ……ん、んぅ…シンジィ……」
しがみつきながら唇を重ねて、身体中で好きだと訴える。
「ちょっと強引じゃない?」
「……だって、シンジは自分から動かないもの」
能動的ではなく受動的なシンジとずっと居るのには私から動くしかない。
「好きなの……どうしようもなく好きになったの」
まだ痛みは残っているが、シンジと一つになったという達成感が痛みより勝っている。
「……気持ちいい?」
「とっても気持ちいいから困ってる」
僕の声に勇気付けられたのか、エリィは自分から腰を動かし始める。
落ち着いてきたのか、きつく締められるより……包み込むように動きを変えてくるので焦り始める。
彼女の優しい気持ちに包まれて我慢できなくなりそうだ。
「く、くぁ! ちょ、ちょっと、うぁ」
「あ、あぁっ! 奥に当たって……」
大切な事をまだ言っていない……このまま最後まで進むとヤバイ気がする。エリィを騙したような後ろめたさを感じてしまう。
エリィの事はとても大切だ。騙ます様な真似は絶対にしたくない。
「ぼ、僕はまだ「知ってる」……え?」
大事な事を言う前にエリィが僕に告げる。
「私もまだ残っているの」
優しく微笑みながらエリィは僕の目を見て嬉しそうに囁く。
「それって……「シンジの赤ちゃん……産むわ」」
追い詰められたと感じてしまう。
エリィは本気で僕を求めて……僕の子を産もうとしている。
「お互い全部一から始めましょう。子供と一緒に……ね」
想いを身体ごとぶつけてくるので、どうしようもなく嬉しくて気持ちいい。
先がザラザラした壁みたいな物に擦られ、全体がきつく締め付けられるので本当に抑えきれなくなる。
「ご、ごめん! も、もう――」
「謝らないで! ふぁ、ああっ、ああぁぁぁ!!」
欲望もあるけど、どうしようもなく愛しく思って……抑え切れなかた。
エリィの胎内に僕の精子が溢れかえる様子を感じながら、これからの事を考えてしまう。
息を乱しながらシンジの胸に持たれかかる様に顔を押し付けている。
お腹の中が熱くなりながら、嬉しさが込み上げる反面……、
「ゴメン……またシンジに押し付けた」
シンジの負担になる自分がいる事に気付いて泣きそうになる。
おそらくシンジは負担になるとは思わずに、私と一緒に居てくれるだろう。
また重荷を背負わせると考えると……浅はかな行為に及んだ自分に嫌悪感を感じてしまう。
「私のこと……罵ってくれてもいい。
私のこと……嫌ってくれてもいい。
だけど……ん、んふっ……」
言い訳めいた事を言おうとする私の口をシンジはキスで塞ぐ。
唇が触れるだけの優しいキスだけど……とっても嬉しい。
私の身体を起こして位置を変えると、
「男の子と女の子……どっちがいい?」
ぎこちなくシンジが私に……笑みを向けてくれた。
「どっちでもいい……シンジが望むなら」
胸が温かくなる。まだぎこちなさはあるが……シンジの笑顔を見る事が出来た。
もっと見続けたいのに嬉しくて涙が溢れて曇ってしまう。
「シンジィ……ずっと側に居て」
「家族になってくれる?」
「うん! 絶対にはなれないから!!」
みっともない泣き顔だと思うけど、嬉しくて……愛しくて……満たされている。
大切な人がやっと笑ってくれた。
強引だったけど、私を家族として受け入れてくれた。
「……ずっと側にいるわ。
例え世界の全てが敵になっても私はシンジの側で生きる」
「忙しくなるね」
「え?」
「やる事はたくさんあるよ……世界を再建しないと」
「そうね」
「寂しい世界を賑やかにしないと……いずれ生まれてくる子に申し訳ないね」
シンジがしっかりと抱きしめて、私に囁いてくれる。
「流されるように生きてきたけど……自分の意思で歩かないと」
「一緒にね」
「育児なんて全然知らないよ」
「それは私も同じよ。でも、それも楽しみの一つかもね」
優しい声が眠りを誘う。愛する人に抱かれて眠るのがとても心地いい。
「明日から忙しくなりそうだね」
「……そうね」
シンジが私を抱き上げて歩き出す。
耳にシンジの鼓動が聞こえて……安心して目を閉じる。
次に目を覚ました時には、優しいシンジの笑顔が見られると思う。
「……おやすみ、エリィ」
いい夢が見られると思う。
シンジが居て、私の手の中に小さなシンジと私の子供がいて……シンジが嬉しそうに微笑む。
長い時間……彷徨っていた私達がやっと手に入れた大切な絆。
本当に欲しかった家族と未来を私は手に入れた……。
エリィをベッドに寝かせてから、服を着て……一言文句を言う為に移動する。
「……何を考えているんですか?」
(そろそろ……限界でしょう?)
マギ――正確には赤木ナオコ――に質問で返される。
薄々気が付いていたが放置していた。会えば……恨み言を言いたくなるから。
(シンちゃんの身体に内包した力を抑えるのは限界があるわよ)
「…………」
(黙り込んでもダメよ。使徒十七体の生命の実に、量産機の生命の実……何時までも抑えきれないわ。
エリィちゃんと大喧嘩したおかげで少し時間が稼げたけど……そう長くは保てない)
「…………」
(アダムとリリス、タブリス……量産機だけなら制御できるでしょう?)
「……否定はしませんけど」
(あの子を一人にさせるのは……ダメよ)
「……僕の思いは後回しですか?」
彼女が望んだ事とはいえ……僕の意思を無視されたのはちょっと怒りたい。
(当然じゃない。女は女の味方よ)
「……さいですか」
開き直られて……肩の力が抜ける。
(一応、責任感じているのよ。
人類の未来を信じていたのに……あの二人のおかげで壊されたし)
「それについては意見が合いますよ。
碇ゲンドウは、人類の進化が閉塞したと勝手に判断していた。
碇ユイは人を信じていたけど……人の脆さと弱さを知らなかった」
そう、人はそんなに強くはない。僕が知る大人は誰も彼もが現実から逃げたがっていた。
東方の三賢者だとか言われていた割に人というものを知らなさ過ぎた。全く、机上の空論で満足する科学者ほど性質が悪い。
(ユイは昔から状況判断が甘かったわね……やっぱりお嬢様育ちで甘やかされていたのかしら?)
「そのうち還ってくるでしょうから、聞いてみますよ」
(還ってくるかしら?)
「ええ、あの人が孤独に耐えられると思えませんから。
幾ら初号機の中で眠っているとはいえ、偶には目覚めている筈です」
ずっと起き続けている訳ではないので、時間経過は判断できないが絶対に孤独に耐えられるとは考えていない。
あの女は必ず還ってくるし、初号機がいずれ自分の意思で還ってくる。
「初号機にはおそらく人格がありますよ。
今は碇ユイの方が主導権があると思いますが、いずれ主導権を取って還ってきます」
(……そう。ユイだけじゃなかったの)
「碇ユイにあれだけの攻撃性があると?」
(……本能じゃないの?)
「そんな訳ないでしょう。彼は生まれたばかりで……必死に生きようとしたんです」
ずっと違和感を感じていたのだ。あのような荒々しい姿が碇ユイに出来るとは到底思えない。
初号機には生まれたばかりの幼い人格がある。
碇ユイの記憶と僕との接触で徐々に成長しているはずだ。
彼が碇ユイの味方をするとは思っていない。何故なら自分の身体を好き勝手に使う傲慢な女を許すほど甘くないと感じた。
(まあ、なんにしてもこれからよ。
エリィちゃんを未亡人にする気なら別だけどね)
「……星ごと消滅するのも悪くないと思ったんですが」
全ての生命の実が暴走すれば……楽になれると思っていたが、上手く行かない。
彼女を受け入れた以上は生きる為に足掻くしかない。
(やっぱり自暴自棄になっていたのね)
「この世界に希望は無く……未練もないですから」
(……シンちゃん)
ナオコさんに言ったのは事実だった。
彼女が帰還するまでは、終わりが来るその時まで流されていようと思っていた。
「彼女は共に生きようと言ってくれました。
家族になりたいと……泣いて懇願されました」
咎人が赦されたとは思っていないが……罪を償う気にはなった。
「僕の中に居る彼らを復活させます。
今のままでは彼女を泣かせますし、結局のところ……惚れた弱みなんでしょうね」
(シンちゃん……あまり自分を責めないで。
シンちゃん一人の責任じゃないのよ)
「ナオコさんも復活してもらいますよ。
育児なんて……知識はあっても未経験ですから」
(……良いの?)
途惑うように話すナオコさんに僕は告げる。
「いい加減、地の底で座すのも飽きたでしょう。
世界を再建するんで知恵を貸して下さい。
多分、使徒のみんなは僕の眷属みたいに行動しそうですから」
(ああ、そういう問題があるのね)
「ええ、一から教える必要もあるかもしれません。
手が足りなくなるのは間違いないんで、ネコの手も借りたいんです」
(ネコって……それは酷くない。
これでも人類でもベストテンくらいには入れそうな頭脳なのよ)
「その頭脳が協力して……この世界ですよ。
説得力が全然ありませんね」
(ああ……そう言われると反論出来ないじゃない)
おそらく身体があれば、頭を抱えていただろうと思う。
やっと反撃できたかと思うと溜飲が下がる。
「この中で子育ての経験があるのはナオコさんだけなんです」
(もしかして一発で必中だったの?)
「……最初からその心算で彼女を誘導したくせに」
ジト目で睨むようにマギの筐体を見ている。
(や、やあね。ぐ、偶然に決まっているじゃない)
焦るような思考波が届いた時点で……真っ黒だと思う。
「彼女が身重になったら還ってきて貰いますからね」
(あら……新婚気分を味わうの?)
からかうようなナオコさんに、
「当然じゃないですか……今まで家族がいた生活してなかったんです。
今しばらくは楽しみたいのは間違いですか?」
(いいえ、思いっきり楽しんでから来て頂戴)
ナオコさんが喜んで返事をする。
「また来ますよ」
僕はナオコさんに背を向けて彼女の元に向かう。
明日から色々相談しなければならない。
この寂しい世界を賑やかにする為に……。
「――――とまあ、そう馴れ初めがあったのよ」
赤木ナオコが小春日和の日差しの中のお茶会でアスカ、レイ、カヲル、ルイン、リンに内緒よと告げて聞かせている。
「……やっぱり獣だったのね」
話を聞き終えたレイが一言呟くのを皮切りに、
「……アスカもそういうとこあるね。情熱的というか、ひとたび道を見つけたら爆走するってところがそっくりさ。
まあ僕個人としては、巻き込まれなければそういう部分も素敵だと思うね」
「な、なに、言ってんのよ? カヲル!!」
からかう響きを含んだカヲルの声にアスカが即座に反論している。
「そのくらい大胆なほうがマスターにはお似合いだと思うがね」
「う、うう……やっぱりママって…………」
あの二人の関係を好ましく思っているルインは納得した様子でコメントする。
その隣では、自分の母親が父親を押し倒した果てに自分が誕生したと聞いたリンが真っ白な灰になりそうだった。
赤木ナオコ――二人のくっつけた人物であり、エリィの子育てのアドバイザーでもある。
エリィが唯一頭が上がらないというか、戦闘以外の部分で苦手となる人物でもあった。
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どうもEFFです。
書いてて思ったんですが……やっぱりエロくねえ(大核爆)
十八禁じゃないかな〜と自分では思います。
十五禁くらいにはあるかな〜と思うけど……自信がない。
シンジ受け×エリィ攻めって感じですね。
なんて言うか……シンジが攻めっていうのはどうしても想像できなかった。
BGMとして聞いていた曲のおかげか、こういう展開の話を書いてみました。
世界に取り残された二人。そしてどこか遠慮しながら生きて行く。
互いに相手を大切に思いながら、後一歩が踏み込めない。
もどかしく思いながらも……好きだから傷付けたくないと遠慮する。
まあ、最後に勝つのは開き直った女性の強さという事で(汗ッ)
まあ苦言に関しては今後の成長の糧として受け止めますので遠慮なく。
ちなみにBGMのタイトルはJanne Da Arcの【Love is Here】と言います。
サビの部分が結構気に入っています。
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