0083――――

トリントン基地では核搭載のGP-02を奪われ、まだテストパイロットであったコウはGP-01に乗るが
ガトーの前に無力さを痛感させられ、プライドを傷つけられた。
追跡を始めるアルビオン。
不死身の第4小隊といわれたバニング大尉の部下のベイト、モンシア、アデルとの出会い。
ケリィ・レズナーとの闘い、バニング大尉の死……それらがコウを成長させる。
だがGP-02の核は使われてしまう。
いいようにGP-02を使われることにアルビオンのメンバーのプライドをさらに傷つける。
GP-02をGP-01Fbと相打ちにした後で追撃任務を外されても、彼らは最後まで関わろうとする。
不可解な連邦本部……。
出撃前にニナとコウは互いに気持ちを確認しあった。
コウに昔のガトーとの関係も教えた。
ニナは割り切ったわけではないが、ガトーが自分の考えでどう言ったところで意思を変えないことはわかっていた。
ただ今はコウが無事に帰ってくることを祈る・・・。
そしてコロニー落としまでのタイムリミット……コウは新しい機体GP-03デンドロビウムでの出撃をする。
迫るタイムリミット。
デラーズフリートと名乗ったジオンの残党との闘いは今終局へと向かおうとしていた……。
その中獅子奮迅と戦うMA2機がいた。
片方は連邦軍コウ・ウラキのGP03デンドロビウム。
そしてもう片方はジオンの"ソロモンの悪魔"として恐れられたアナベルト・ガトーのノイエジール。


「どけーー!時間がないんだ!!」


コウはコロニーへ向かっていた。
GP−03の闘いはまさに"白い悪魔"ガンダムの名にふさわしいものだった。
メガビーム砲が、目の前の戦艦とMSを一緒に撃ち抜く。
大型収束ミサイルが直線状の敵にぶつかり爆発を起こす!!
大型ビームサーベルで相手の横をすり抜けるざまに切りつける。
コンテナが発射されたかと思うと中からマイクロミサイルが飛び出し、
周囲のMSをまとめて破壊する。
ビームライフルとフォールディングバズーカがMSを撃ちぬく。

対するノイエジールは多砲門のメガ粒子砲とメガカノン砲でMSも戦艦も関係なく
蒸発させる。
近、中距離のものはクローを伸ばして切り裂く。
また小型ミサイルランチャーで撃ち落とす。
こちらも"ソロモンの悪夢"にふさわしい奮迅ぶりだった。
シーマが裏切った後デラーズごとシーマを殺した。
ガトーはすでにコロニーの落ちる修正を終えていた。
そして戦場に戻ったガトーはコロニーへ向かうため獅子奮迅の闘いをしているGP-03を見つける。


「あれは……」


ノイエジールからメガ粒子砲が発射される。
その砲撃はGP-03に当たるがその瞬間ビームが無効化された。


「Iフィールドか!ならば…」


コウは急いでいた。コロニー落としの時間までほとんどない。
敵機にかまい続けるわけにはいかず、目の前にでてきた敵だけ破壊して
突き進んでいた。そして当然現れた敵MA.
付き合うわけにはいかないと振り切ろうとする。
だがその瞬間どこからクローが伸びてきてIフィールド発生装置を破壊されてしまう。


「Iフィールドが!!」


続けてノイエジールはメガ粒子砲を発射する。
狙いたがわずビームはオーキスの右側を貫く。


「くっ。パージ!!これはガトーか!?」


オーキスの右側を強制排除し、ノイエジールに向かうGP-03。
すぐにでもコロニーへと向かいたいがガトーは許してはくれまい。
彼ら2機の周囲にはMSや戦艦であったものの残骸しかない。


「ガトーーーー!!!」

「コウ・ウラキか。あのひよっこがよくここまで強くなった!」

「くっ……」


コウはあまりのGに顔を歪ませる。GP03は最高の最強の機動兵器のコンセプトを継承しているため
機動性も半端ではない。かかるGはパイロットが鎮静剤などを使用しないと耐え切れない。
もうコウは肉体的にも精神的にも限界が近づいてきている。
それに迫るコロニー落としまでのタイムリミットへの焦燥感。
今彼を駆り立てるのは自分のプライドとガトーとの決着。
GP-03もオーキスの部分はぼろぼろだ。Iフィールドは破壊され、オーキスの右側がなくなっている。
本体のステイメンは無事だが、オーキスなしでは今のままではノイエジールには勝てない。
互いにメガカノン砲とメガビーム砲を発射する。
回避するが粒子の余波がデンドロビウムの表面を溶解させる。
コウは殺人的な加速の中を耐えながら、ノイエジールへ向かう。


「このっ!」


オーキスからコンテナが発射される。


「そんな遅いものなぞ。当たるものか。なにっ!?」


コンテナと思ったものからマイクロミサイルが一斉に発射される。


「ちっ」


ノイエジールもIフィールドはあるが実弾には無敵でない。
回避するがなにせミサイルの数が多い。
ビームも使って迎撃する。


「今だ!!」


ステイメンの腕からマジックハンドが伸びフォールディングバズーカを取り出す。


「当たれ!」

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
そしてバズーカを弾がなくなるまで撃ちまくる。
ミサイルの対応に追われていたノイエジールは回避しきれず左肩に3発もらう。

「くっ!!クローと砲門が片側減っただけの事だ。
ん?余波でIフィールドも使えなくなったか!!」


憎憎しげにガトーははき捨てる。
その時2機の戦闘の間にジオンの戦艦と数機のジム改が入ってきてしまう。


「邪魔だ!!」


デンドロビウムは戦艦の周りを器用に一周しながら何かの鎖みたいなのを戦艦に巻きつける。
すると鎖みたいなものは一気に爆発し、戦艦を沈めた。


「なっ!爆導策か。」


ガトーはジム改をあっさりと破壊するとGP-03にまた攻撃を仕掛ける。
彼はもうコウを1人の戦士として認めている。
そして今の連邦の中で一番の好敵手であることも……。


「ならば、これはどうだ!!」


ミサイルを撃ちたかったがその前に撃ちつくしてしまったのでもうない。
ビーム連発しながらノイエジールの右側からクローが伸びる。
コウも必死で回避するがデンドロビウムのメガビーム砲をクローが
潰す。


「つっっ!!まだだ。コロニーを落とさせるわけにはいかないんだ!」

「今の腐りきった連邦にはこのくらいはしなければならん!
それは貴様も見てきたであろう!!!」

「だからって!!くっ、タイムリミットが……」

「もう遅い。我々は"星の屑"を遂行させる!!」

「そんなことはさせるわけにはいかないんだ!」

コウ真正面からノイエジールへとバーニアを全力で吹かし接近する。
当然粒子砲の雨あられが降ってくるが、多少オーキスに当たってもコウは無視する。


「くっ!!真正面から突撃だと!どうするつもりだ!?」


そしてぶつかる一歩手前というところでオーキスをステイメンから分離させノイエジールへとぶつけた。


「なんだと!?」


ステイメンはノイエジールが硬直した瞬間にビームサーベルでクローのワイヤーを
切り裂く。


「これであの近距離武器は潰した!!」

「ちぃっ!・・・・・・ん、あれはなんだ!?まさかソーラーシステムか?」


その瞬間強烈な光が2人の視界を照らす。
それはガトーが一度は破壊したソーラーシステム…。
しかしバスク・オム大佐は修復を有る程度し、
出力が低くても仲間ごとコロニーを打ち抜こうと発射したのだ。
もう射程上から逃げることは不可能。
生き残るためにコウは博打をうつ。
ステイメンをノイエジールから離れさせオーキスの影に隠れさせ防ごうとする。
あとはオーキスがどれだけ耐え切れるかが問題だ。


「くっ」

「仲間ごとだと!?腐った連邦め!」


そして2機は光の中消えていった……。





SIDEガトー
ソーラーシステムの光に耐え切ると私はコウ・ウラキとの戦場から去った。
もちろん決着を付けたかったが最後の大事が残っている。
それはこの"星の屑"の真実を知っているものを多くでもアクシズに到達させ、
この闘いがあったことを伝え残すため目の前の艦隊を叩き潰す。
そうして私はぼろぼろのノイエジールを駆り、連邦の艦隊とMS隊に突っ込んでいった。
残量エネルギーを気にせずメガ粒子砲とメガカノン砲を撃ち続ける。
次々と来るジムやサラミスを叩き潰したが、限界だった。
相手のビームが当たる。
右肩がなくなる。スラスターが破壊されバランスが崩れる。
もうノイエジールも耐え切れないな……。
だが多くの戦士を生き残させるため、少しでも私と心中してもらおう!

そしてノイエジールはサラミスに体当たりをかけ、爆発しガトーは逝った。

―――――――
ガトーたちの事はジオン兵の生き残りにはずっと残っている。
アクシズにいるジオン兵にも生き残りのデラーズフリートのジオン兵は伝えていった。
だが他の人々にとってはもう過ぎた日々……。
そのうち近しい人たちにも消えていくだろう。
忘れ去られていく"星の屑"で散った人々……。



In the end we all return 
To oblivion  





SIDEコウ
コウが気づけば回りにノイエジールはいなかった。
どうやらオーキスがソーラーシステムに耐え切ったようだ。ステイメンには軽い損傷しかない。


「俺はガトーとの決着がつけられなかったのか・・・・・・。
しかも仲間にコロニーごと撃たれて……。」


半分茫然自失常態だった。
闘いが終わったことが通信から聞こえてくる。
コロニーは破壊しきれず、地表に落ちたようだ。
結局止められなかったか…。

すると目の前からソーラーシステムを護っていた艦隊が見えた。
ふつふつと怒りがこみ上げてくる。


「うわあああああああああ!!」



狙いもつけず艦隊のほうへビームライフルを発射した。
何度も何度も……。
止める様に通信がはいっても撃ち続けた。
そうして彼は弾切れするまで撃っていた……。



――――――――――
戦いの後、コウはオークリー基地に立っていた。
彼はGP-03ステイメンで味方に対する発砲で罪にとらわれていたはずだった。
だがGPシリーズはなかったことにされたため、GP-03もなかったことにされ
コウ・ウラキがMSに乗っていたということもなくなったため、
罪状自体が消えたのだ。
なかったことにされる・・・・・・。
あのGP-02追撃にでたアルビオンでの生活がなかったことにされる。
アルビオンのメンバーはティターンズに配属された。
基地からでるとジープが前方にあった。
乗っているのはキース、モーラ、それにニナ……。
仲間ごと撃った今の連邦には納得してはいない。
その指令を出したバスク・オム大佐の組織した
ティターンズにも入る気はしなかった。
だけど今はニナとの再会を喜び合おう。



Say goodbye to Avalon
















―――――――――
あとがきw

ガトーとコウの最後の闘いの再構成を目指してみました。
0083でニナの最後の立場がいったりきたりでなんかな〜と思ったので変えてみました。
それによりシーマを先に殺し、コロニー落としの修正は終えてることにしときました。
う〜ん。自分でも展開がよくわかりにくいかもとか思ってます。
この後のコウはエゥーゴ行きかな〜とか私は思ってたり;;w
ちなみに各サイドの最後の英語は「MEN OF DESTINY」の英語歌詞版「OBLIVION」より拝借しましたw
コウのアルビオンでの生活と経験はまさにアヴァロンであったであろうと思ってます。
コウという男が戦士になった場所…そこから去るということで入れてみました。
初めてのSS書きなのでいろいろ問題があるかもしれませんが
よければご指導お願いします。




感想

どうも、管理人の黒い鳩です。

最初の話は私が感想をつけることになったという訳でもないんですが、

ご指名とあらば一回は感想をつけさせてもらいます。

あまりいつも出来る状況でもないので申し訳ないのですが(汗)


さて、正直私は0083を最後まで見ていません。

最初の1話だけしか見てないかも(汗)

デンドロビウムもスパロボではよく見かけるんですけどね。

よって違いが良く分からないです!(爆死)


ただ、お話に傾ける情熱は感じました。

コウとガトーの一騎打ちは良かったと思います。


星の屑作戦でしたっけ。

ジオンってのは全人類が宇宙で暮らす事を主張する人々という風になっていましたからね。

最初からそうだった訳ではないでしょうが、ニュータイプ論は人類は宇宙にあがることで進化したとかいう感じでしたし。

ジオンが地球政府に地球からの脱出を求めるのも肯けるところではあります。

コロニー落としってのは地球に人が住めなくなるようにするのが目的ですしね。

根本的にそれで人を殺していいのかという部分は残りますが。


ガンダム世界は一年戦争時代に人口が半分になるほど殺しあっていたそうですから、大規模破壊兵器は当然なのかな?

なんにしろ、コウは表舞台の主人公というわけには行かなかったわけですね。

全て無かった事になるですか……、寂しい所ですね。


フォーセリアさんは初めての作品との事ですが文章は分かりやすいと思いました。

ただ、もう少し行間を空けて見やすくするのもいいかもしれません。

今後ともお互い頑張りましょうね♪







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