時は太正15年四月某日
この日二度の帝都壊滅の危機を救った秘密部隊<帝国華撃団花組>の隊長を勤めている“大神一郎”(おおがみいちろう)は、中尉に昇進し特別留学のため巴里
へと向かう為、帝都を旅立った。
そして大神と同時刻に、巴里へとある目的の為に旅立つ一人の男がいた。
その名は・・・・・・・
サク大戦3二次創作
サクラ大戦異聞録 巴里に咲く黒髪の狩人
第一話前編:欧州は花の都 「けど美食の方が興味あるな〜」
プシューッシュッシュッシュッシュッシュッ
ここは巴里に向かう列車の中・・・カーテンを掛け光のいらないようにした個室に一人の青年が座っている
世の中全てに対して怒りを向けているような紅目、上質のビロードのような黒髪の白子症・・・・今で言うところのアルビノのようだが肌はこの症状にありがち
な白人のように白い訳ではなく、
健康的に程よく焼けているようだ・・・の町を歩けば皆が振り返るであろう容姿の男性は手元の時計を眺めながらつぶやいた
「・・・・ようやく巴里か。」
帝都を出発いて以来一ヶ月、船に揺られ、列車に乗りようやくここまでたどり着いたのだった
(まぁ、日本じゃ珍しい食い物のレシピが手に入ったからよしとしますか。)
そしてその地方で食べた料理の数々に思いを馳せているとキキィーと耳障りな音と共に列車が止まったようだ
「っと、もう到着か。んじゃそろそろ行きますかねぇ。」
そう呟くと目を覆い隠すようなサングラスをかけ荷物をもつと個室を出て行くのだった
「おい、そこの貴様。」
(んっ誰かが呼ばれている見たいだねぇ〜)
「おい、聞いているのか!」
(まったく声からすると若々しいお嬢さんに声をかけられてるのに無視するなんて失礼なことをするなんて男の片隅にもおけないな〜)
「北大路龍真(きたおおじたつま)よ、聞こえてないのか!!」
(まったく誰だよ?北大路龍真て・・・・って俺ですか〜)
サングラスをかけた青年・・・北大路龍真はおそるおそる振り返った
「グッ、グリシーヌ姉さんじゃないですか。お久しぶりですねー。こんな所で何の御用でしょうか?」
背中に冷や汗をビッシリかきながら青年は声をかけてきた女性・・・・グリシーヌ・ブルーメールに話しかけた。
「何、北大路男爵から『家出した孫が巴里に向かったらしいからそちらの家で確保しておいてくれ』と頼まれたのでこうして確保に来たのだ。」
(あんのくそ爺め〜。よくも俺の苦手なグリシーヌ姉さんに知らせやがったな。今度、鼻に山葵を詰め込んでやる。)
そう実は龍真は北大路男爵邸から家出の為に日本から巴里へと来たのだった
しかし実の姉と苦手意識を持った姉貴分のいる巴里に来るなんてちょっとお馬鹿ですよね〜
(うるせぇぞ)
ナレーションに突込みまでできるとは中々やりますね
(ふっ、これぐらい俺の持つ100の特技を持ってすればたやすいたやすい)
「何をぶつぶつ呟いている?花火も待っているのだ、早く屋敷に行くぞ。」
「え〜。巴里見学してから行こうよ〜。」
と龍真が不満を述べると
チャキッ
「何か言ったか?」
首に斧を当てつつグリシーヌが尋ねた
「サァ、ハヤクヤシキニイッテハナビネエサントアイタイナァ。」
とその返事に納得したのか斧をしまい、先に歩いていった
(これだからグリシーヌ姉さんは苦手なんだよなぁ)
それにしてもあの斧って何処にしまってるんでしょうね?
(どうも服の中にしまってるらしいが、ツッコミだと目にもとまらぬ速さで引き抜いて首筋にあててくるんだぜTT)
苦手な理由もわかりますね〜
「何をぶつぶつ言っておる。早くせんか。」
「イエッサー。」
そんなこんなでブルーメール邸北大路花火の部屋の前に到着しました
コンコン
「花火、龍真を連れてきた。入ってもいいか?」
グリシーヌが扉をノックし、部屋の中にいるはずの人物に尋ねた
ガチャン
鍵のあく音と共に扉が開くとそこには黒髪をおかっぱにした一人の女性が立っていた
「久しぶりね、龍真。あなたにあうのは何時振りかしら?」
と笑顔でしかし目だけが笑っていなく暖かいはずの室内が薄ら寒く感じられるようになってきた
「ひっ」
その顔を直視したのかグリシーヌは短い悲鳴を上げながらゆっくりと後退していった
(やべぇ〜、姉さんが黒モードになっちまってるよ。)
黒モードって何なんですか?こっそり私にだけ教えてくださいよ
(黒モードってのは俺が命名したんだけど、この状態の姉さんはまるで赤くて角が生えたMSのようにいつもの三倍早くて、三倍強くて、三倍恐ろしいんだ)
(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル ((((
「あらっ?返事もしないで独り言?その年齢で痴呆になるのはちょっと早いと思うわよ?」
などど普段の清楚な花火とはまったく別人としか思えない黒花火の毒満載トークにブロークンハート気味になってるグリシーヌを尻目に何とか意識を繋ぎとめて
いる龍真と作者
しかし作者の意識はここで闇に沈んでいくのだった・・・・・・・・・・・・・・・
(っておい。俺一人でこんな悪魔と戦うのかよ?)
主役の定めだ
(いやっ、絶対無理ですから。昔チンピラに絡まれた時なんてジェイソンさながらの残虐さでチンピラを地に沈めていったんだぞ。)
あ・・・・作者の意識が・・・・・・
(マジで助けて〜。)
バタンキュ〜
おっと作者が気絶している間に、黒モードが解除されて庭でお茶会をしているみたいですね
「それで、龍真は何の為に巴里まで来たの?」
「それは私も気になるな。龍真は立派な軍人になりたいって言って日本に残ったのであろう?それが何故パリにきたのだ?」
(あ〜、ついにその質問が来たか。う〜ん本当の事を話しても嘘くさいし適当に誤魔化そう。)
「実はね、俺のこの眼のせいで軍に入隊出来なかったんだ。受験の時に軍医さんが、直接日の光に当てると失明の恐れありって診断したみたいで健康診断で駄目
になっちゃったんだ。」
(実際は日の光に当てても平気なんだけどね〜)
「んで、その後ヤケになってる所をある人に助けられてね。んでもってその人のやってる事に興味がわいてきて弟子入りして、修行もある程度までいったら急に
師匠が『生の外国の技術を
見て来い』って言ったもんだから姉さんたちの顔を見るついでに巴里まで来たのさ。」
(後半は結構事実だしね〜。)
龍真が言い終わると黙って聞いていたグリシーヌが質問をしてきた
「話は分かった。だが龍真は何の修行をしに来たんだ?私が出来ることなら出来る限り協力するが」
「私も協力するわ。」
すると龍真は今までずっと傍らにおいてあった荷物の中から何かが入っているらしいケースを取り出し二人に見せた
「これが俺の修行したものだ。」
とケースに入っていたのは大小さまざまな大きさの刃物だった
「何だこれは?このような刃物は私は見たことがないが、花火はどうだ?」
「多分包丁だと思うんだけど、こんなに種類があるなんて知らなかったわ。」
そういうと二人はそれぞれ一振りの包丁を手に取った
「これが俺の命の次に大事な商売道具さ。」
「まさか、龍真は料理人になりたいの?」
「そのまさかさ。ちなみに姉さんが持ってるのはふぐ引き包丁って言ってその長さでふぐを薄く引いていくんだ。」
「では私の持っているこれは何なのだ?」
そうグリシーヌが聞くとなにやら邪悪な笑みを浮かべながら龍真はにこやかに言い放った
「それはグリシーヌ姉さんの大嫌いなタコを捌くための蛸引包丁だよ。」
それを聞くや否やグリシーヌは顔を真っ青にして包丁をテーブルの上に落とし立ち上がろうとする
「グリシーヌ、どうしたの?」
立ち上がろうとするグリシーヌの袖をつかみながら花火が心配そうに聞いた
「タっ、タコをさばく包丁を持ってしまったのだ早く、早く手を洗わねば〜。」
と半泣きになりつつグリシーヌは花火の手を振りほどき、屋敷に向かって駆けていった
「ぎゃ〜っはっはっはっはっはっは。グリシーヌ姉さんも変わらないなぁ。あ〜ポンポン痛ぃ。ひゃ〜っはっはっはっはっはっは。」
龍真は我慢できなかったのか、腹を抱えて笑い転げていた
それを見た花火は
「もぅ、龍真ったら。」
と咎めるように言ったところで半笑いの顔では説得力は皆無である
二人の笑い声に包まれながら穏やかにティータイムは過ぎていくのであった
次回予告
穏やかに過ぎ去ったティータイムの後、俺は姉さんたちを説得するために腕を振るう。
そして翌日には何故かどこぞのパーティーに出席することとなってしまった
俺がそのパーティーに呼ばれた訳とはいったい?
次回サクラ大戦異聞録 第一話後編 真の目的 「この力をまた使うのか」 をお楽しみに〜
あとがきっぽい座談会
作者(以下作:あ〜、さすがに電波の赴くままに書き上げるのは苦労するなぁ
?:投稿するものを二時間で書き上げようとする貴公が馬鹿なのであろう
作:おぉ、サクラ大戦三人目のツンデレのグリシーヌ嬢ではないですか
グリシーヌ(以下グ:ツンデレと言うな。それにしてもあの花火の黒モードと
は何なんだ?
作:だったゴーストスイーパー美神だったらおキヌちゃんが黒化する小説もあるんだからポストおキヌちゃんの花火嬢が黒化してもおかしくないと思うんです
が?
グ:だが何故花火の顔を見て、私が後ずさらなければいけないのだ?
作:作者の身近にいる友達に、時々黒化するのがいるんだが実際に見るといつもとのギャップのせいか、背筋が凍るような感覚を味わえるぞ
グ:そっ、そうなのか?
作:うむ。黒談義はこれぐらいにして主人公の設定をここで教えておこう
北大路龍真(きたおおじたつま)身長195cm体重秘密❤
花火の弟であり、グリシーヌの弟分でもある。容姿は作中で述べた通りだが、その瞳にはある秘密が隠されている。
作:まぁ今のところはこんなもんだろうな。
グ:しかし195cmとは日本人として大きすぎる気がするのだが?
作:まぁグリシーヌ嬢との差が30cmもありますがこのころの日本にいない事もないしロベリアの姐さんよりでかくするとこのぐらいがベストなんですよ
グ:なるほどな。しかし今回の私の待遇には納得できんな(怒
作:いっ、いやね。個人的に半泣きグリシーヌ萌え〜とか妄想しつつ書いてたものですから。
グ:死にたいようだな
作:なっ何をするつもりですか?って背後にあるその青い物体はもしや・・・
グ:ふっふっふっふっ。我が光武Fの餌食となれ〜
作:ギャー
グ:馬鹿はさった。では次回も楽しみに待っているがよい
去っていくグリシーヌ光武Fそしてその場にはピンク色の物体が残っているだけだった・・・・・・・・・・・・
感想
白隠さんご新規参入〜♪
えーっとサクラ大戦3をメインにしたお話のようですね、主人公はオリジナル、クロスオーバーもするようです。
楽しい作品になるといいね、やっぱり、サクラ3だと大神中尉も出てくるのかな?
そうですね…同時期とかいってまし
たから出てくるかも知れませんね。
主人公は体格の良い料理人という設定だね。今後はキャラの背景が語られるといいね。
でも月姫の方達も参入するような事
を聞きましたし、大物連載になるかもしれませんね。でもまとめるのが大変そうです。
今後に期待させて頂きましょう!
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白隠さん
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