高速道路での戦闘から帰還して、俺はACをコンコード社の専用ガレージのハンガーへ固定させた。
ACから降りた後、整備班の人に修理を依頼してハンガーから離れようとした時、パタパタと可愛らしい足音が聞こえてくる。
「お兄ちゃん!」
「アイちゃん!?どうしてこんなところに……」
だが、俺の言葉は言い終わらないうちにアイちゃんによって遮られてしまった。
「心配したんだからね!」
ガバッとそのまま抱きつかれて、俺は一歩後退さる。
「『ちょっと出かけてくる』って手紙だけ残して……!どこ行ったのか分からなくて……!あたし……寂しくて……お兄ちゃん、いなくなっちゃやだよう……」
そう言って、泣いて抱きつくアイちゃん。
そうか……よく考えれば、アイちゃんは母親を亡くしたばかりだ。目が覚めたら自分一人しかいなければ、不安がるのは当たり前だ。
それなのに試験のため、置き手紙ひとつ残して出かけた俺の行動は、浅はかとしか言いようがない。
一人でいることの寂しさは、俺自身よく知っていたはずなのにな。
「……ごめんねアイちゃん」
そう言って俺は、床に片膝をついて目線をアイちゃんに合わせる。
「勝手にいなくなっちゃって本当にごめんね。もう、黙っていなくなったりしないから」
「……ほんと?」
「ああ、本当だよ」
そう言って優しく笑いかける。するとアイちゃんも目に涙を浮かべながら、にっこりと笑ったのだった。
機動戦艦ナデシコ×ARMORED CORE2
MARS INPUCT
第二話「アリーナバトル」
「レイヴン資格取得おめでとうございます」
こちらの様子を伺っていたのか、タイミングのいい所で声がかかる。
声の方を振り向くと、コンコード社の制服に身を包んだ女性が凛とした佇まいで立っていた。流れるような金髪をアップにし、小ぶりの眼鏡をかけた誠実そう な女性だ。バインダーを片手に佇むその姿は、どこぞの企業の社長秘書を連想させる。
「あなたは?」
「はじめまして。私は「ナーヴス・コンコード」所属の渉外担当官、ネル・オールターです。依頼の仲介、作戦任務中の通信サポートを始め、あなたのマネージ メント全般を担当します。いつまでご一緒できるかはあなた次第ですが、とりあえずよろしく」
営業スマイルで、割ときついことを口にする。
早い話、俺が死んだら彼女の仕事もそこで終了。また別のレイヴンの担当につくだけということである。
「あ……はい。こちらこそよろしく」
俺はとりあえず今後のパートナーにそうあいさつを返す。
ふと隣を見ると、アイちゃんが親の仇でも見るような目つきでネルさんを睨んでいる。
たぶん会話を邪魔されたのを怒ってるんだろうが……なぜそこまで睨むのだろう?
そんなアイちゃんを無視して……というか気付いてないのだろう。ネルさんはうって変って、真面目な口調で切り出した。
「レイヴンであるあなたに一つだけ。『飛べる鳥もいれば、飛べない鳥もいる』それがレイヴンにとって、ただ一つの真実です。あなたが飛べる鳥であることを 祈ります」
『飛べる鳥』とはトップランカーなど、一部の成功したレイヴンたちのことを指す。
『飛べない鳥』とは……言うまでもないだろう。
「これからのことですが、ナーヴス・コンコードのネットワークIDとあなたのACはガレージのチーフから受け取ってください。ここはコンコード社所属のガ レージですから話は通っています。ナーヴス・コンコードはネットワーク上のレイヴンへの依頼やアリーナへの参戦などを管理するだけのシステムですので、今 後こちらから何かの制約などを与えることはありません。レイヴンとなった時点であなたは自由です。機体の変更などは後ほどガレージでお願いします」
とどのつまり、アリーナにしろ、ミッションにしろ俺次第ということだ。
ふと気になって、俺は一つ尋ねてみる。
「今現在、依頼は来ているんですか?」
「今の所はありませんね。先のシティでの戦闘が終わったばかりですし、今しばらくは来ないと思います」
「では、アリーナへの参加はできますか?」
「それなら可能です。アリーナなら対戦相手とコンタクトを取って、約6時間ほどでスタートできます」
アリーナとは、AC同士の戦闘を観戦するほかに、その勝敗を賭けて楽しむところでもある。
アリーナはルール上、自己ランクの一つ下か格下の者と戦うことができる。当然、ランクが上がっていくほどレイヴンの実力も上がっていくこととなるので、 戦いも熾烈を極める。
また、アリーナはミッションとは違い、あくまで試合なので、戦闘後の修理費や弾薬費は勝っても負けてもアリーナを運営する企業たちが負担してくれる。
試合の勝利時にもらえるファイトマネーはそのランクの上昇に比例しており、なによりアリーナで上位を獲得することは、すなわち『一流のレイヴン』として 各企業から高額の依頼を約束されるも同然だ。スポンサーとなってくれている企業がある場合は、その企業のアピールもできる。アリーナで勝ち上ることは、レ イヴンにとって己の価値を示す為の手段なのである。
「ではお願いします」
「分かりました」
そう言って、彼女は仕事に取り掛かるべくその場を後にした。
それを見送ると、俺はチーフからIDを受け取ってシミュレーターの方に向かう。
「お兄ちゃん、どうするの?」
「ああ、アリーナに参加するんだったら最低限の強化をしなくちゃならないからね。試合開始まで時間あるし、さすがに今のベーシック(初期機体)じゃあ、 ちょっと心許無いから」
現在ガレージにあるACはベーシック……初期機体と言われる、最低限のパーツで組まれた物だ。
いくら地上最強の兵器といえど、これでは余りにも頼りない。
口座のほうにコンコード社から当座の資金が入ってるそうなので、それで遣り繰りするしかない。
「IDを確認してっと……。うわ、資金っていったってこりゃ雀の涙だな」
口座に入っていた資金は5000Cr(コーム)一般人から見ればものすごい大金だが、ACを扱う者にとっては弾薬費程度にしかならない。
ましてやパーツを買うなど以ての外だ。
「これじゃあ強化しようが……ん? メール?」
見るとメールボックスに2つのメールが入っている。
一つは「ナーヴス・コンコード」からのメールで、内容は火星の状況やら挨拶やらといった、いたって普通のメールなのだが、肝心のもう一つは――。
「送信者……ストラング!?」
彼からだった。慌てて内容を見てみると、「期待している」とそれだけであった。
付け加えるならば、その後に「祝いの品を贈っておいた」とあるが、はて、なんのことだろう。
「それってあれのことじゃないですか?」
傍に居た整備班に聞いてみると、彼はそう言って倉庫の片隅に指を向ける。
そこには一つの大きなコンテナが佇んであり、開けられるのを待っていた。近づいてコンテナに書いてある型番を読んでみる。
「ZRL-774/WH……これって最新のレーダーパーツじゃないか!?」
たしかこれは、生体センサーと広域索敵能力をもった人気商品だ。
だが、なぜストラングは新人レイヴンである自分に、こんな物を贈ってくるのだ? 勧誘の件といい、彼にはなにかしらの意図が感じられる。彼は一体何を考 えているのか……
「……考えても仕方ない。貰えるものは貰って、最大限に利用させてもらおう」
そう言って、再びコンソールへ向かう。思わぬ贈り物のおかげで色々と強化できそうだ。
俺はとりあえず内装系のパーツにざっと目を通し、ショップリストのパーツと見比べる。
とりあえず、手元にあるレーダー2基のうち、初期のレーダーを売却して資金の足しにして、その後、内装…ブースター・ジェネレーター ・ラジエーターを全て売却し、それぞれワンランク上のパーツを新たに購入した。これだけで、ACの動きはかなり違ってくるはずだ。
ついでに初期頭部パーツも売り払って、バランス制御に優れた[EHD-GARD]を新たに購入する。初期頭部パーツ[ZHD-GE/OHR]は見た目が カエルのような外観のため、これだけはなんとしても変えたかった。
次に武装系。現在装備しているライフルは標準的な性能を有してはいるが、有体に言って決定打に欠けるためこれも売り払って、ワンランク上のライフル [EWG-RF-M15]を購入する。このライフルは威力と射程が高いため、対AC戦でもかなり有効なはずだ。この時購入資金が足りなかったので、肩の二 連装小型ミサイルポッドを売り払ってしまったため、武装は全部でライフルとブレードのみになってしまった。
アリーナではともかくミッションではかなり不安が残るが、致し方ない。早いうちにファイトマネーを稼いで 肩装備も充実させよう。
――傍から見ると新人レイブンが何を偉そうに、と思うかもしれないが、テンカワ・アキトにはそれだけの自信があるのだ。
先の戦闘でも被弾がほとんど無かったことを省みると、その実力が伺える。
機体パーツのシミュレーションを終えると、次にカラーリングと左肩につけるエンブレムだ。
このとき、黙って見ていたアイちゃんが突然口を開く。
「ねえ、お兄ちゃん。このロボットさんの色、私が決めていい?」
「え?なんでまた……?」
「なんでも……。ねぇ、だめ?」
可愛く小首を傾げて言うアイちゃん。
……黙って出かけたお詫びの意味を込めて、お願いしようかな。
「よし、わかった。お願いするよ。使い方は分かる?」
「わーい、ありがとう♪ うん、だいじょうぶ。分かるよ」
そう言ってコンソールを操るアイちゃん。しかし、そのスピードはとても子供とは思えない。
カタカタカタカタカタと目まぐるしいスピードで色彩値を設定していく。
「……す、すごい上手なんだねアイちゃん(汗」
「えへへー♪ ママが色々と教えてくれたんだよ♪」
お母さんのことはもう引きずっていないようだが……お母さん、あなたは一体アイちゃんにどんなことを教えたんですか……。
そうこう言う内に、どうやら設定が完了したようだ。
「はい! お兄ちゃん、できたよ」
「どれどれ……………ぅ!」
見るとそこにはなんとも可愛らしい色彩をしたACが映し出されていた。
薄い赤紫…つまりはピンクを基調として、クリアブルーとホワイトの色合いが可愛らしさを一層引き立たせる。
しかも、いつのまに設定したのかエンブレムさえも出来上がっており、左肩には散りばめた花びらが映し出されていた。
「どう! どう! お兄ちゃん!?」
「あ、ああ……いいんじゃ……ないか…なぁ…(汗」
嬉しそうに聞いてくるアイちゃんに「やり直して」などと言う事はできず、結局そう返すことしかできなかった……。
とぼとぼと歩きながら、決定したデータをガレージ整備班のチーフの元へ持っていく。
「こりゃまた随分と可愛らしいACだな」
何も言い返すことができなかった。
「そういえばお前さんのレイヴンネームと機体の名前はどうする? レイヴンネームのほうはお前さんのイニシャルにしているが、変更することはできるぜ」
そうやって問うチーフの声に、少し考えてみた。
(あの色合いとエンブレムだからなぁ……ミスマッチな名前にはしたくないし……)
ふと、考えてみた。俺はなんのためにレイヴンになったのか、何を勝ち取るためにレイヴンになったのか。
……よし、決めた。
「レイヴンネームは『ミルキーウェイ(天の川)』。ACの名前は『ラークスパー』」
『ラークスパー』……それは「自由」の意味を持つ花の名前である。
コンコード社の専用ガレージでは、多くの整備班の人間が奔走していた。
アリーナバトルが行われる時にはいつも見られる光景である。
アリーナバトルでは試合の勝敗に関わらず、必ずどちらかのACは破壊されて帰ってくるので、整備班の仕事は事欠かない。
接戦やドローなんかされた日には、互いのACはボロボロなので、もうてんやわんやの状態である。
そんな慌しいガレージのAC傍のベンチに、ちょこんと座る2人の人物がいる。
一人は長めの茶髪を無造作に撫で付けた青年で、AC「ブレイクスルー」を駆るランキング49位のレイヴン、オーロラシーカーだ。
彼は4時間前、新人レイヴンの挑戦を受け、アリーナバトルに向けて準備していた。パイロットスーツを着用し、ヘルメットを片手に持って、ガレージの自分 のACの中で精神統一するのが彼のバトル前の儀式だ。何時も通りACの中で精神統一しようとしていた矢先、ふと彼の目にピンク色の可愛らしいACの前に座 る、一人の小さな女の子が目に入った。
(……まさかこの小さな女の子が俺の対戦相手なのか?)
ピンク色のACを見上げてみる。
ほぼベーシックに近い機体構成に愛らしい色合い、自分の記憶にない可愛らしいエンブレム。自慢じゃないが、ランカーACのエンブレムは全て記憶済みだ。 見慣れぬエンブレム、それと対戦相手の名前を記憶から引き出し、目の前の女の子をもう一度見てみる。
(名前は確かミルキーウェイ……響きからして女性とは思ってたけどよもやこんな小さな女の子だなんて)
とんでもない勘違いである。
「君のような女の子がレイヴンだとはな……」
そう隣から声がかかったので彼女は首を振り向き、隣の男性を見上げる。
先程挨拶もなしに自分の隣に座り込んだ、不届きな男性だった。せめて、一声かけてから座ってくれと言いたい。
そんな事を考えながらその男性を睨み付ける。
オーロラシーカーはその睨む様な眼差しを受けて、この女の子が挑戦者のレイヴンであると確信する。
実際、全然違うのだが……。
「君が何を想ってレイヴンになったのかは知らない。人のプライベートに立ち入る趣味は無いし、知ろうとも思わない。だが、これだけは覚えてくれ」
そういって、オーロラシーカーは立ち上がる。
「レイヴンとなった以上、俺と君は対等の立場だ。手加減はしない」
そう言って、彼は自分のACに乗り込んだ。きょとんと目を開きながらそれを見届ける女の子。
「ただいま、アイちゃん。はいオレンジジュース。……ん?どうかしたの?」
「ううん。なんでもない。ちょっと変な人がいたから驚いただけ」
「変な人? 何かされなかった?」
「な~んにも。ただ、何か手加減がどうこう言ってたけど……」
「? ふ~ん……っとそろそろ時間だ。アイちゃん、俺がいない間いい子にしてるんだよ」
「うん! お兄ちゃん、ガンバッテね!!」
「ああ、絶対勝って来るよ!」
そう言ってテンカワ・アキト……ミルキーウェイは、ラークスパーのコア部分まで登っていく。
そしてコックピットに入る前にもう一度アイの方に振り向き、サムズアップ。アイも笑顔で親指を上げた。
ACに乗り込み、準備が完了するとハンガーに固定されたまま機体がアリーナ専用のラインチューブへと移動してゆく。チューブ内を走るカプセルの中にハン ガーが固定されると、チューブ内を通ってアリーナバトルが行われる「バトルドーム」へと送られていった。
長いような短いような移動の後、不意にカプセルは移動をやめ、前方のゲートがゆっくりと開き、目的のドームへと到着する。
ハンガーのロックが外れ、機体が自由になると、ラークスパーを前方に歩かせて所定の位置に機体を動かす。
対戦相手のオーロラシーカーは、ちょうど自分と正反対の位置にいる。後方のゲートが閉まり、カウントダウンが開始される。
そんな最中、相手のオーロラシーカーから通信が送られてきた。
ピッ!
『君のような女の子を倒すのは心苦しいが、これもレイヴンの宿命だ。お互い死力を尽くそう』
ピッ!
一瞬、呆然とするミルキーウェイもとい、テンカワ・アキト。通信の内容が良く分からない。
「……女の子? 一体何を言ってるんだ???」
まったくである。
『GO!!』
スピーカーからドーム中に号令が響き渡る。
開始と同時にオーロラシーカーは機体を前進させて、ラークスパーをライフルの照準に収めようとする。
「だが安心しな、すぐ楽にしてやるよ!」
そんなどこぞの小悪党のような台詞を呟きながら、突進するブレイクスルー。
その時彼が見えたのは、こちらに物凄い勢いで接近してくるラークスパーであった。
「なにっ!?」
まさかいきなり突進するとは思わず、ライフルの照準がずれる。
ミルキーウェイにはその隙で十分であった。
突然眼前から消える、ラークスパー。
「なっ!? ど、どこだ!!」
一瞬
ドンッ! ドンッ! ドンッ! ドンッ!
「があぁっ!?」
後ろから、ブレイクスルーを激しい揺れが襲う。
衝撃からするとライフルのようだが何時の間に後ろに回ったのか分からなかった。
機体を後ろに振り向かせると、そこに映ったのは大きく左腕を振りかぶらせたラークスパーがいた。
「っっっ!!?」
機体を右に滑らせるが、間に合わずブレードによって左腕が斬り飛ばされる。
本来、ラークスパーが装備しているブレードは威力が低く、「斬り飛ばす」などといった芸当は不可能だが、落下速度も相俟って、その威力は倍増していた。
オーロラシーカーは右手のライフルで反撃しようとするが、相手は照準内に収まってくれない。
そのまま死角となった左側に回りこまれてしまって、再びライフルの銃撃に晒される。
最早オーロラシーカーが負けるのは時間の問題であった。
とある暗い部屋で、一人の男がTVモニターを凝視していた。ストラングだ。
画面の中ではピンク色の機体と青色の機体が戦っている。言わずもがな、ラークスパーとブレイクスルーである。
試合はラークスパーが一方的に押しており、ブレイクスルーはほとんど何もできないでいる。
この試合は今日のアリーナのいわば前座で、彼のような上位ランカーがこうやって見る価値は無い試合である。
だが、彼は食い入るように画面を見つめている。まるで何かを見極めるように……。
試合はラークスパーの圧倒的勝利で終わった。
試合の終盤では、ブレイクスルーが右腕までも斬り飛ばされて戦闘不能になり、ついにはギブアップして終わってしまったのだ。
その見事な試合内容に、観客達は大いに盛り上がり、その日のアリーナは最高潮のテンションで終始行われた。
ボロボロのブレイクスルーから降り立つオーロラシーカー。
今までも彼は散々負けてきたが、ここまでコテンパンにやられたのは初めてだ。
だが、その顔に悲壮感は漂っておらず、むしろ清々しいものである。
(ふっ、俺がここまで徹底的にやられるとはな……。あんな小さな女の子があれほどの腕を持ってるとは、世の中広い物だ)
そう頭の中で考えて、ラークスパーのコックピットが開くのを待つ。
彼はミルキーウェイがでてきたら、いの一番に話しかけるつもりであった。
ハンガーに固定されて、ラークスパーのコックピットが開く。パイロットスーツを視界に捉えると彼はハンガーに響き渡るほど大きな声で話し掛けた。
「見事な戦いだった! この俺がこうも簡単にやられるなどとは………」
そう言って口を開けたまま固まるオーロラシーカー。
彼の目の前にはヘルメットを持って、オーロラシーカーを見返す『男』の姿があった。
「き、貴様何者だ!? 本物のミルキーウェイをどこへやった!!!」
「試合前も思ったんだが、アンタは一体何を言っているんだ……?」
「お兄ちゃんお帰り~! すっごくかっこよかったよ………ってあ~~~~! さっきの変な人!」
ぎゃいぎゃいぎゃいやいのやいのやいの
と、そんなレイヴン同士らしからぬ会話を眼前に整備班の人間は目を丸くするだけであった。
TO BE CONTINUED