巻ノ壱
薄く雲に覆われた夜空の下、どこかの広い砂地の上で一組の男女が無言のまま対峙していた。くたびれたYシャツに汚れたジーンズ 、そして無精髭にいかにも「適当に切った」雰囲気の髪型、といった格好をした男性は相手への敵意をむき出しにして一振りの短刀を突きつけている。その短刀 は所謂西洋風のナイフではなく和製の短刀に類する一振りの小刀だ。 しかしその場に流れる空気とは裏腹に、もし彼が走り出せば自分の胸に小刀が突き刺さるにもかかわらず相手の女性はうっすらと口元に笑みを浮かべていた。 その笑みを浮かべている女性は確かに美しいのに、そしてまたこの暗闇に満ちた夜の背景とは一切の違和感の無い調和を奏でているというのに、その笑みは見る 者に決して安らぎを与えるような物ではなく逆に何とも言えないおぞましさと恐怖を感じさせるモノだった。
「あらあら、そんな物騒なものを取り出して。…けどそんな玩具でアタイを殺せるとでも?」
「黙れ、ドドメキ。確かにこの程度の道具では貴様を殺せるほどの強力な魔術は使えない。がしかし、もしもその顔を人前にさらせないような代物にしたくなけ れば俺から聞かれたこと以外は口にするな」
世の中の感覚では相当な美人に分類されるであろう女の挑発に対し、男はそう言うと短刀の切っ先を女性の胸元から上空の虚空へと転じた。 短刀の刃が白い光―それは月明かりなのかはたまた人造の光なのかは誰も知らない―を冷たく反射する。寒さとは違った肌に刺すような冷たさを持った風が周囲 を流れた。
「アハハハハハ。…かなり強気に出たねえ。で、アタイはいったい何について答えればいいんだい?」
面白いじゃないか。そう思いながら女性は不気味に、そしてほんの僅かだが復讐の―言い換えれば狂気の光を放つ小刀の切っ先へと視線を移し、そして相変わ らず口元にうっすらと 狂った笑みを浮かべながら言った。 そんなものでアタイの顔を台無しにできるのかい、とさらに挑発したくもなったが実際のところ自分にどの程度のダメージが与えられ、またどのような魔術的な 効果が付与されているのかがわからないのでそれはやめ る。 しかしあの男の魔術師としての適正を考えると彼女にとってそれはたいしたことはないのだろうが、と女は心の中で男に対する評価を下方修正、いや正しくある べきそれに修正する。
「決まっているだろ、ジャミの居場所だ」
男は眉間にしわを寄せながら何を今更、といった感じの口調で女性に告げた。怒りからかナイフを持つ男の両腕がかすかに震えている。ちらちらと揺らぎなが らナイフの刀身に移る光は、いつ何かの拍子がきっかけで暴発してもおかしくはなさそうな彼の心境を象徴しているようでもあった。
「ジャミ様の居場所かい?残念ながら知らないねえ。あのお方は神出鬼没でどこにいらっしゃるかだなんて誰も知らないのさ」
女性の言葉を聞いたとき、ほんの一瞬男の顔に失望の色が浮かんだ。いや、失望というよりもむしろ相手を冷たく哀れんでいるようだった。その自分を哀れむ 心の中の余裕は一体どこ から湧き出て来るのだろうか、女はそんなどうでもよさそうなことを勘繰りたくなった。
「そうか。なら、死ね。この役立たずがっ!」
そして男の顔から失望―もしくは哀れみ―の色が消え、替わりに彼の瞳が狂気に染まっていくのを女が確認するのと、淡々とした口調で死の宣告をするのはほ ぼ同時だった。武器の威力は別にして、こいつの目―この狂気の目はチとヤバい。考えるのよりも早く女性の勘がそう告げた。 男が全速力で駆け出したかと思ったその次の刹那、彼はありったけの力と気合を愛用の短刀、「雷光」に込めた一撃を繰り出した。にもかかわらずその一閃は空 しく黒い虚空を切り裂いていた。 辺り一帯に不快感をもよおさせるオゾン臭が漂う。
「ちっ…」
自分が女の左肩を切り裂く直前にターゲットが真横へと飛び跳ねたことに男は気付き、憎しみと怒りに顔を歪めながら舌を打った。ならばもう一度、と彼は女 性を再び狙って切りつけたが、またしても彼女は彼が短刀を振り下ろす直前にその場から消え去 る。 その女の顔は攻撃を避ける直前のほんの一瞬だけ、男のソレとは別種の狂気から湧き上がる愉悦に歪んでいた。 面白い、これだから人間は面白い。そう叫びたくなる衝動を女はぐっと抑える。
「この化け物がっ、ちょこまかと逃げやがって…」
自分が相手に遊ばれていることにも気付かず、沸き上がる怒りを抑えて男は静かに悪態をついた。けれども彼には人外の敏捷性を持つ女性を捉えることは出来 ず、男は 精神的にも肉体的にも徐々に消耗していった。
暫くの間相手を追いかけまわった後、彼はようやく自分が相手に踊らされていたことに気付いた。くそっ、と毒づきながら男は足を止めるとゆっくりと息を整 えなおし、同時に精神の再統一を始めた。 ところがその直後、彼は自分の鳩尾に鋭い痛みを覚えてその場にガクッとしゃがみこんだ。
「一般人ながらもいい線行っていたのは褒めてやるさ。…だけど詰めが甘かったねえ…ここで攻撃を中断して自ら隙を作るなんてド素人でもやらないよ?」
痛みで一瞬停止状態に陥った呼吸がいくらか安定して男が顔を上げたとき、いつの間にか彼のすぐそばに立っていた女が不気味な笑みを浮かべてそう言った。 彼女の手にはつい先ほどまで男が持っていたはずの短刀が握られ、それを見た男は思わず息を呑んだ。何故この女が俺のナイフを持っているんだ、という疑問が 男の頭の中で出口のないループを描く。
「ふふ、アタイが一流のスリ師だってこと、忘れてもらっちゃ困るねえ」
彼の疑問を察した女性がそう男に告げたとき、彼はしまった、といった感じの表情を顔に浮かべた。この女の得意とすることはその肉体を利用した白兵戦闘で
もなければ、ましてや魔術を用いた長距離戦でもない。そう、彼女は
極端なまでに窃盗、特に
「じゃ、あの世のご家族によろしく言っといてくれ」
彼女がそう言ったとき、男は目を閉じて自分の死を覚悟した。
ところがその時、その場にいた二人のどちらもが予想していなかっただろう出来事が起きた。
全く人気のない場所で突然何かが光り、それと同時に女性が慌てたような表情を見せて両腕をさっと交差させる。そしてその直後、彼女は何かに弾き飛ばされ たかのように吹き飛んだ。
「やれやれ…何とか間に合ったな」
突然の出来事に驚きながら女性が吹き飛んだのとは反対の方向に男が顔を向けると、そこにはいわゆるカーキ色の服で上下を統一し、片手にはピストルを連想 させるグリップ が付いた妙な筒を取り付けた一丁の自動小銃を持った金髪の男が立っている。
「…誰だ、お前は」
突然現れた謎の人物に敵意を向けて、そしてゆっくりと立ち上がりながら男は尋ねる。
「おいおい、一応は命の恩人である人物に対して言うせりふがそれかい?ま、自己紹介はしておかないと、か。俺の名前は東条秀行、魔術師の端くれさ」
「―魔術師!?」
男の敵意など一切感じていないかのように軽い感じを匂わせながら、東条秀行なる男は小銃のマガジンを外して新しいプラスチック製のマガジンを取り付けな がらそう自己紹介をする。そして片手で持っていた小銃をいきなり両手で構えると、先ほどの女性のほうへと銃身を向けた。先ほど吹き飛ばされた女性はいつの 間にか体勢を立て直しており、着物を叩いて砂埃を払っていた。
「やあ、久しぶりだな、ドドメキ。今度はいったい何を企んでいる」
東条は軽い口調で、しかしカッと両目で女を見据えながら彼女を問いただした。その目を見たとき、男は彼の目から奇妙な雰囲気を感じていた。自分とは全く 異なり、そして目の前の女性に非常に良く似た狂気の色を。
「さあねえ?まあ、どのみちあんたには関係ないことさ」
女はまたあの薄ら笑いを浮かべると灰色を少し帯びた黒い髪をかき上げながらそう言った。
次の瞬間東条はライフルの引き金を引き、大量の光の弾丸がライフルの銃口から吐き出される。瞼越しに感じた先ほどの光の正体はこれか、と男は納得し、そ してすぐにその光が一切の音を発することなく放たれていることに気付いた。 ところが奇妙なことに、先ほどは女性を吹き飛ばしたはずの光の弾丸をいくらはなっても女性はそこから一歩も動かず、むしろ弾丸のほうが途中でその軌跡を曲 げていた。 月明かりか何かでうっすらと照らされた茶色い砂地の地面にいくつもの砂煙が立つ。
「な…!?」
「何、驚くほどのものでもない。さっきは奇襲をかけられた事でしそこねた肉体強化と対術障壁とを同時に使っただけのことだ」
男は光弾の軌跡が途中で歪められたことに驚いていたが攻撃を放っていた東条本人はその原因をすぐに悟り、引き金から指を離すと眉間にしわを寄せながら男 に言った。
「ふふふ…あんたの攻撃は簡単には避けられないからねえ、
いつからか着物の袖をたくし上げ、両方の腕を自分の胸の前で交差させていた女性はそう言った。その時―二人の男はそう気にしてはいなかったが―女の腕に は不気味な光景が広がっていた。
―目だ。大量の目玉。見る者にこれ以上ない嫌悪感をもよおす目玉。目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目……………………
そこには幾筋もの鋭い眼光を放つ数え切れないほどの目玉が女の腕に付いていた。
「射撃の腕、褒めていただきどうもありがとうございます…しかしいつ見ても不気味なもんだよ、その目玉は」
銃を構える手を下ろし、少しの間相手の隙を窺っていた東条は女の言葉に皮肉を交えながらそう答えた。その時その場にいた誰も気付かなかったが、東条の左 腕を中心にしたほんの十センチ程度の空間が揺らぐ。
「不気味?アタイは結構気に入っているんだけどねえ」
東条の言葉を聴き、女は自分の右腕をしげしげと眺めながら言った。腕に付いた「目」がギョロギョロと動く。その時、東条はさりげなく男に左手で何かを渡 していた。 本当に気付いていなかったのかあるいは演技だったのかは二人とも判らないが、とにかく女はそのことに気が付いていない様子だった。 一方、いったい何を渡したんだ?と思って渡されたものを見た男は自分の驚きを必死に成って隠していた。なぜなら、東条が渡したものの正体は先ほど女に奪わ れたはずの短刀だったから。
女が東条の攻撃で吹き飛ばされた後、彼女が短刀を持っていなかったことは男も覚えていた。しかし東条は言うまでもなく現れてから男のそばにずっといたの で「雷光」を拾うことは不可能であるはずだった。 いったいいつどうやってこれを取り返したんだ?不審に思った男は東条にそう尋ねようとした。が、ちらりと見えた東条の目が「詳しい話は後だ」といっていた ので仕方なく聞くのはやめた。
「さて、くだらない話はほどほどにしてそろそろジャミの居場所を教えてもらおうか。やつを追っかけているのはこの男だけじゃないことは、ジャミに最も近い お前ならよく知ってるだろ?」
「なっ…」
東条が再び口を開いたとき、何の前触れも無く話の中に自分が追い続けている仇敵の名前が出たので男は驚いた。そんな男の顔を見ながら、東条は俺たちは互 いに協力できそうだな、と言った。
「…知らないねえ。その男にさっき言ったけど、あのお方は…」
東条の質問に女は先ほどの台詞を繰り返そうとした。しかしその言葉は途中から東条の怒鳴り声と真上に放った威嚇射撃の閃光にかき消された。
「しらばっくれるのもいい加減にしろ!瘴気をばら撒くぐらいならお前にも出来るだろうが、観葉植物の
東条によって問いただされると、突然女は笑い始めた。驚いて男は反射的に短刀を構えそうになるが東条の手で制され、女の目に―もちろん腕の目玉にも―見 られずにすんだ。
「あっはっはっはっは…こりゃあ困ったねえ。確かにアタイには木魅を統率することは出来ないさ。けど、それを知っているあんたが何故ここにいる?あそこに 配置した木魅の数は半端なもんじゃあなかったはずだ 。あれを全部正面突破する、だなんて芸当はいくらアンタでも不可能なはずだろ?」
「さーて、どうしてだろうねえ!」
東条はにやりと勝利を確信したような笑い顔をしてそう言った直後、自分のライフルを瞬時に構えた。それを見たとき、女は今までのやり取りの目的にようや く気付いた。いや、気付かされた。 会話の内容もまた重要なものではあったが、それ以上に重要だったのが自分がどれだけ会話にのめりこみ、障壁への意識がおろそかになってしまうかどうか。 魔術による対攻撃障壁はある程度そちらのほうに意識を向けていないと維持できないというデメリットがある。ならば相手を会話に意識を向けさせて障壁への意 識をおろそかにしよう、というものが奴―東条の目的だったのだ。
彼女は必死になって障壁を復元し始める。しかしそれは非常に遅い動作に感じられた。そうこうしている内に東条は銃の引き金を引き、一歩遅れて状況を理解 した男が小刀を構え―
あれ、あの銃はさっきアタイが奪ったはずなのに―そこまで思考が働いたとき、無数の弾丸が障壁を突き破って彼女の体を貫通する。 不完全な障壁と着物に施された防御魔術、それに被弾した直後から使い始めた肉体の修復魔術のおかげで致命の一撃とは行かなかったが鋭い痛みが断続的に全身 を走った。
「…つっ…」
「ほう、さすがは化け物。体のほうは頑丈に出来ているようだねえ」
全身から出血はしていたものの意識ははっきりとし、攻撃の勢いで倒れた体をゆっくりと起き上がらせた彼女を見た東条はライフルの弾倉を交換しながら相手 を嘲笑するように言った。 それを聞いた女は何も言わずに二人をきっとにらみつける。そのとたんと東条の顔はにわかに青くなっていき、「まずい、伏せろ!」と叫ぶと隣にいた男を突き 飛ばした。
何がどうしたんだ、と男は東条に尋ねようとしたが、その前に頭を地面に押し付けられる。仕方なくその体勢のままでじっとしていると、再び女の声が聞こえ た。
「つれないねえ。せっかく極上の呪いをかけてやろうとしたのに」
「あいにく昔から俺は勘が良くてね。回避不能な物以外、本気になってかけてきた呪詛の類は意外とかからないのさ」
女のさぞかし残念そうな声を聞いて男はやっと状況が飲み込めた。
そうか、邪眼の類か。彼は心の中でそう呟いた。
邪眼、それは相手を目で睨むだけで発動するとても簡単だが術者と使い方次第ではとても強力な物ともなりうる魔術である。
「しっかし何で最初からそれを使わなかったんだい?もう傷のほうはどうでも無さそうなようだが、ともかくアンタが蜂の巣になることは無かっただろうに」
地面に伏せたまま発せられた東条の質問を聞き、それもそうだ、と男は思った。もしも自分が彼女の立場だったらあんな切羽詰ったタイミングではなく、もっ と別のタイミングで使うだろう。 この戦いを終始自分にとって有利なものにしうるタイミングに。
「ははは、野暮なことを聞いてくれるじゃないか。無論決まっているだろ?この戦いを面白いものにするために、さ」
「ほう…」
戦いで得られるエクスタシー、それは彼女達にとって極上の感覚でありソレを得ることは彼女達の存在価値そのものにも近い。
その時意外にも東条では無く短刀の男のほうが女の笑い声交じりの返答にいかにも興味深そうな相槌を打った。
「なら、貴様らがあの時舞にあんなまねをしたのは…」
「舞?ああ、アンタの妹のことか。あの子はいい声で鳴いたねえ…母親や姉貴以上にね」
「な…なんだと…!?…許さねえ…貴様は…絶対に許さねえ!!!」
そう叫ぶや否や男は短刀を構えながらバッと立ち上がり、そして「雷光」と銘が刻まれた刀身に電撃を纏わせながら鬼神のごとき形相で女へと突っ込んでいっ た。
「ちっ。何があったんだかは知らないが、あの野郎勝手に熱くなりあがって!」
苦虫を噛み潰したような顔をして東条はそう口走ったが、さっさとライフルを構えると男の援護をすることは忘れない。
相手が本気になって最大出力の障壁を展開したら、こんな.22口径のライフルなど役に立つかどうかは定かではないことなど百も承知だった。が、東条は何 かをせずにはいられなかった。 狂気と哀愁という普通ならば同居することなど無い感情を同時に漂わせた男の目を見てしまったから。
「この野郎!死んで俺の家族に…舞に詫びろっ!」
男のほうは鬼気迫る形相で小刀を振り、その瞬間、瞬間に雷を放ちながら女の方へと走っていった。その電撃と後方からの支援が互い違いに女の肌を穿つのを 見て、男はほんの僅かな勝機を垣間見たような気がした。 しかし彼は忘れていた。己の力量では「雷光」の電撃は何度も放つことは出来ないことを。魔術を利用して開発され、魔力によって起動する「雷光」の電撃は魔 術師ではない彼はその魔力の代わりに―
突然、男の体を―いや、全身に張り巡らされた神経全てに高圧電撃が通ったような痛みが走る。この痛みは何度か経験したことがあり、そしてその度に全てを 蝕む痛み。男は自分自身を終生に渡って蝕み続けるであろう痛みに耐えられず、その場にばったりと倒れこんだ。 おまけに今回は自分の肌をざらざらと舐める悪寒のような物まで感じていた。何だ、一瞬見えた勝機みたいな物はやっぱり幻想だったか。おまけに今回は…本当 にダメかもな。男は何の根拠もなかったがそう感じた。 せめて背後からの援護があればまだ良いのだが、東条のライフルもまた弾丸を切らしてしまったのか何の援護もない。
ふと気になって彼は自分の顔を正面に向けた。言うまでもなく女性のほうもまた男の変調に気付いたらしく、珍しくまだ口には出してはいなかったが彼女が勝 利を確信していることはその表情が物語っていた。
「ふふ、それで御仕舞いかい?…じゃ、とどめに最後の切り札を切らせてもらうかね」
そして彼女は勝利宣言をすると着物の袖をまくり、あのおどろおどろしい大量の目玉が付いた腕を外気に露出させた。肉体への修復魔術による銃撃や雷の残滓 とおぼしきあざもまたいくつか付いていた。
何をする気だ、男がそう思ったのはほんの一瞬だった。やつの腕にあるのは大量の「目」。そして目を使う魔術といえばすなわち…
「邪眼…か。切り札というのは」
彼がはっきりと覚えているのはそこまでだった。ただ、数え切れないほどの目玉に視姦されて死ぬのさ、という女の声とまばゆい光、そして鼓膜を破りかねな い大音響が記憶の片隅にかすかに残っている。
あとがき
えー、どうも、INAZUMAです。何とかがんばって新作のロールアウトに成功しました。
本当は以前投稿していた作品をリメイクしたものを出す予定だったのですが…いろいろと調べるうちに設定を大幅に変更する必要に迫られて現在その修正中で
す。
でもってその新規に構築しなおした設定に慣れるために平行して作成したのがこれなわけで…あくまで設定とガンアクションを重視(?)しているのでストー
リー自体はかなりありがちな代物です(ヲイヲイ)
でもって今後の予定は…とりあえずこれをさっさとダークに完結させてこの話の最終話の半年ないし一年後のストーリーとしてリメイク版の公開をしたいと
思っています(出来るかなあ…)。
ではまた。