スーパーロボット大戦α 〜Future Story〜


第二話「闇の皇子」


 「ミデア改後部格納庫」

シンとタカヤはそれぞれの機体のコクピットに滑り込んだ。

「大尉、後180秒後に降下です、機体の起動を確認してください」

通信で香織が確認をしてくる。  


機体に火が入る。

「「機体の起動完了、準備OK。」」

「今回のフィールドは山岳地帯です、岩と足場に気をつけて。」

「「了解」」

「装備はまだ整備が終わってないので内蔵武器しか使用できません、なにか質問は?」

香織は二人に問いかける。

「問題ない、タカヤはどうだ?」

「ああ、こちらもない。」

「では、時間になったら通信をいれます」

プチっと通信が切れた。

「さてタカヤ、どっちをやる?」

「俺が地上、シンは空だろ、機体性能からしたらよ」

「そうだな・・・」

そうつぶやき、シンは自分の新機体をチェックした。

シンの機体は「火星の後継者の乱」で登場したネルガル製のアルストロメリアの自分用にカスタムされた専用機で、

ブースターを増設しバーニアをアップした高機動タイプだった。そのため装甲はかわらないが、左腕に本来ネルガルにはない盾を装備している。

これは香織がMS用の盾を改良したもので、内部にビームサーベルを2本仕込んであり、盾でも攻撃できるスパイクシールドになっていた。

そのため両腕ともクローは取り外してある。本来はビームライフルを装備しているが、今回は整備が間に合わずもっていない。

エンジンは小型化に成功した相転移エンジンで、DF(ディストーションフィールド)を張ることができる。

パーソナルカラーは白銀。


「実戦か・・・」

タカヤの機体は軍のグルンガストと呼ばれる過去の機体のデータを基に造られたもので、連合軍のスポンサー「フルムーン」によって製作された、

主に接近戦用の機体である。

背中には2本の筒をせおっているが、この武器は後ほどに説明する。

移動にはホバーを使い高速移動、水上戦闘も可能で、装甲はとても厚くなっている。

パーソナルカラーは青。


ピピピッと通信が入り、ウィンドウが表示される。

「発進まで30秒を切りました。」

「了解、ミデアはすぐ離脱してナデシコに救援を頼む。わかってるな、タカヤ。」

「ああ、なんとかもたすからよ、頼んだぜ香織。」

「了解。ご武運を、大尉。」

ビシっと、香織は2人の戦士に敬礼をした。ウィンドウが消える。

そして、シンが機体を動かす。

「じゃあ、俺からいくぜ。」 

ハッチが開き、地表が、青空が見える。

「IFSコネクト。」

右手のタトゥーがひかり、ナノマシンが光りだす。

同時に機体のモノアイが鈍くうなる。

「カタパルト、スタンバイ。」

ガシャッ、ガシャッ  

機体が動く、自分の意思と共に。

「接続OK」

ランプが、レッドからグリーンへ。 
 
「どうぞ!」

「川島真、『ファントム』いきます!!」



「続いて、どうぞ」

ガシャッ ガキュン

「森成隆也、『グラディエーター』出るぞ!!」



「ハッチ閉鎖、急速離脱!」

香織はモニターで2人の機体を見る。

「・・・気をつけてね、二人とも。」


みるみる地面が近づいてくる。

「機体制御、修正完了。」

ファントムがおり、グラディエーターも続いた。

「俺達の初陣だ、しっかりやろうぜ。」

みると、アンデッド達もこちらに気づき、向かってきていた。

「ミデアは離脱したようだ、後はこいつらを片付けるだけだ。」

「じゃ、打ち合わせ通りにいこうか。」

「了解だタカヤ。ハエみたいに叩き潰されるなよ。」

「そっちこそ、カトンボみたいに落とされるなよ。」

「むしろ逆にしてやる。」

「ははは、また後で。」

「この場所でな。」

タカヤはホバーで突進して行き、シンはブースターで空に浮かび、盾から柄を取り出した。

ブォンっとうなり、柄からエネルギーがとびだし、剣の形を作る。

バーニアを使い上空に上っていった。


  ???

「ミデアから救援要請です。」

「何だと。」

「現在アンデッドに襲われ、搭載機の二人が交戦中。」

「まずいですよ、あの二機はまだ整備が完全ではないようです。」

「・・・俺がジャンプで行く、ナデシコも発進させてくれ。」

「了解、ナデシコ発進!!」



  

ホバーで岩を避けながら進むと、敵は分散したようだ。

「やってみるか」

タカヤがそう言うと、グラディエーターの背中にある2本の筒が上がってきた。

いや、筒というにしては先端がとがっており、ランチャーに近い。

グラディエーターは両腕を交差しながら肩に回し、筒に手を差し込んだ。

すると筒が外れ、その腕をアッパーカットのように振り上げる。

先端の筒がプラズマを放出しながら回転を始める・・・

「岩があろうが関係ない。貫け、ドリルブーストナックル!!」

腕を前に突き出す。


大砲のごとく飛び出したドリルは、2体のアンデッドを破壊した。


さっきと逆の動作をし、タカヤはドリルを戻した。

「すごいパワーだ、だがエネルギー(以降EN)も60%か、一撃で決めないと帰れなくなる。」

今回の二機は、整備が万全でないためENも限られていた。

「よし、やってやる!」

そういうとタカヤはホバーを起動させ、近くの平野に出て行った。残りのアンデッドを連れて。

「ここなら全部はいるだろう。決める。」

ホバーを解除し、足を地面に固定する。

「固定完了、これで終わりだ!」

両腕を腰の位置に構え、グラディエーターの胸が光り、収束されていく。


「ライトニングブラスター!!」 


ENの嵐がアンデッドを襲い、収まる頃にはその姿は跡形も無かった。

「さてと、もどるか。」

再びホバーを起動させ、移動を開始する。




目の前に迫るアンデッド。

「まず1匹。」

シンはアンデッドの群れをすれ違いざまに、切り倒した。

すでに通り過ぎたことに気づき、ファントムに向かってきたアンデッドを

「遅い!!」

機体をローリングさせ、頭部を両断し、後方からきた1匹に

ビームサーベルを突き刺した。

「これで3匹。」

さらに前からせまってきた7体に対し、

「ディストーション・フィールド(以降DF)展開」

バシッ フィールドに弾かれた。

「残りEN60%・・・あれを使うか。」

そういって盾からもう1本のサーベルを抜き、横に水平に構えた。

「リミッター解除、閃双・連牙斬(せんそう・れんがざん)!!」

機体が消えた。いや、そう見えるほどのスピードで敵と交差し、また戻って来た。

サーベルをおさめると同時にアンデッドは全て両断されていた。

「機体チェック、エンジンが悪いな、最低限の行動しか出来ないか。」

そういって、シンは元の場所に移動していった。


「お疲れシン、どうだそいつは?」

「すごい性能だ、そっちは?」

「パワーが前の倍以上だぜ!!完成が待ちどうしい。」

「じゃあ早く追いかけよう。」

「そうだな、早速移動を・・・」

ボコッ ガバアーー

突如2人の後ろの地面からアンデッドが飛び出してきた。

「「!?!?」」

2人は咄嗟に回避しようとしたが間に合わない、その鉤爪はシンのコクピットを貫く・・・ことは無かった。

謎の攻撃によりアンデッドは腕を吹き飛ばされ、後方に弾けた。

そして、2機の上から1つの白が降りてきた・・・

それは純白に染められた機体。肩にはアーマーが付いており、紅い模様が描かれている。下を見ると、尖った尻尾、テールワインダ―があった。

呆然としている2人に、通信が入った。

「2人とも、無事か??」

その通信にシンが答える。

「は、はい。あの、貴方は?」

「俺か、俺は・・・」

一瞬の沈黙の後

「ナデシコC所属、テンカワアキト」

ウィンドウが映しだされ、そこに黒いバイザーをかけた、髪の毛がぼさぼさの男がいた。

その男の名はテンカワアキト

かつて復讐鬼、闇の皇子「The Prince Of Darkness」と呼ばれた男だった。

2人が驚愕に顔を染めているのに苦笑し、前の敵に向き直った。

「見せてやろう、サレナの力を・・・」

そしてアキトの化身、『ホワイトサレナ』は敵に踊りかかった。

勝負にもならなかった。


10分後、ナデシコが到着した。



次回予告


初陣を終え、ナデシコCに乗り込んだシンとタカヤ
2人はそこで、有名人たちとの出会いを果たす
しかし戦士に休息は無い
これはまだ、序曲にすぎないのだから・・・


スーパーロボット大戦α 〜Future Story〜


第三話「ナデシコC」

??「ブイッ!!」






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