第7話「癒し」
「カタスさん!大丈夫でしたか!?」
ガレージに格納したクリスタルヴァイスから降りるなり、ナターニャがカタスに走り寄って来た。
ナターニャはとても心配そうにしていたようだ。
「大丈夫だよ。怪我も無いし・・・」
「良かった・・・!」
ナターニャはホッと胸を撫で下ろす。
でもどこかカタスは元気が無いように見えた。
「本当に心配しました。アリーナで交戦していると聞いたものですから」
「もうあれは演習とは呼べないよ・・・」
「でも無事でなによりです」
「それより腹減った〜」
「ご飯、作ってありますよ♪」
二人は家のリビングへと向かった。
リビングにあるテーブルの上には、ナターニャの手料理がところせましと並べられていた。
「おおっ、うまそ〜」
「たくさん食べてくださいね♪」
二人は椅子に座り料理を食べる。
腹いっぱい料理を食べた後、カタスは椅子に腰掛け携帯端末を開く。
新着メールが一通届いていた。前の依頼のクレスト専属のオペレーターからだった。
どうやらあの後、ジノーヴィーは緊急手術により一命をとりとめたらしい。
そして今はクレストのレイヴン専用の病院に入院中だという。
このメールを見たカタスはほっと一安心した。
そして生きてくれていたことが嬉しかった。
「もうあんなことが無いようにしないと・・・!」
カタスはそう思い、ガレージへと足を運ぶ。
そしてアセンブリシステムを起動させた。
クレーンを使って左肩のチェインガンを外し、3発同時発射する小型ミサイルに変える。
次にバズーカを800発入りのマシンガンに変える。
さらにエクステンションの4発連動発射するミサイル追加自動発射装置を付けた。
そして腕とコアを重量の物から中量の物へと変える。ついでにFCSも変更した。
この作業だけでも二時間は要した。
カタスは機体構成を確認した後、アセンブリシステムを終了させ、コックピットに乗り込んだ。
乗り込んだ後、シュミレーターモードを起動させる。
敵ACのレベルをアレスと同じにして戦ってみたものの、やはり勝てなかった。
「やっぱ無理か・・・」
カタスはコックピットではぁっとため息をついた。
でもシュミレーターで勝てなければ、アレスにも勝てないし何も守れない。
そんなのはもう嫌なんだ・・・!
そう思いながら、カタスはACのコックピットに篭りシュミレーターをやり続けた。
「これぐらいで終わりにするか・・・」
カタスはACのコックピットから出て、デジタル時計に目をやる。
時計は、11:00と表示されていた。
「もう寝ないと・・・」
カタスはガレージから自分の部屋へと向かった。
部屋に入ると、何故かナターニャがベッドに寝ていた。ベッドはこれしか無い。
どうしようとカタスはいろいろと考えた後、ベッドに入る。
そしてナターニャに抱かれるような形になり、目を閉じて眠る。
やっぱり、ナターニャと一緒にいると癒されるなぁ・・・
カタスはそう思った。
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