機動戦艦ナデシコ 十八禁
 〜コック・ルリと少年アキト〜
 
第一話 『大人の女らしく』でいこう!
 
 
 
 「……そうですか……。あなたも大変ですね……」
 ちょびヒゲ眼鏡━━━プロスペクターが何かを考える。
 「……コックさん、でしたね。よろしい。それではあなた、今日からこのナデシコのコックさんです。しっかり働いてくださいよ」
 「なでしこ?」
 「そう、ネルガル重工製新型機動戦艦『ナデシコ』です」
 そう言うプロスペクターの背後に大きなコミュニケの画面が開き、ナデシコの船体を映し出した。
 
 
 
 契約を済ませて案内されている間に時間は過ぎ、格納庫へたどり着いたとき……目の前でタコ踊りを踊っていたピンク色のロボットが派手な音を立ててコケたのだった。
 引きずり出された男は豪快に笑っていたが、いきなり顔を青くして脂汗を噴き出した。
 「どうした?」
 「いやねー、ちょ〜っと足が痛かったりするんだな、これが」
 そう言いながら傾いていくヤマダ・ジロウの足元を見たウリバタケが一言。
 「おたく、足折れてない?」
 「うおおおおおおおおっ!? ホントだああああっ!!! 痛てててててててて!!!」
 そう言って足を押さえてのた打ち回る熱血馬鹿。
 そこへ担架を持った整備班が駆けつけた。
 担架へ乗せられる際に胸元をまさぐっていた熱血男が何か無いのに気づき、辺りを見回す。
 するとそこには事態についていけず、呆然としている一人の人物が居た。
 「おーい、そこのアンター!」
 向けられる視線を感じて自分に指を指す人物。
 「そう! あのロボットのコックピットに俺の大事な宝物が入ってるんだ! すまーん! 取ってきてくれー!」
 「おい、五月蝿いからさっさと医務室にソイツ連れてけ」
 「「了解」」
 元気な骨折男はそのまま担架に乗せられて連れて行かれたのだった……。
 
 
 頼まれて覗きこんだコックピットには何故かゲキガンガー3のDX超合金が……。
 あの男は一体いくつなんだろう、と思っていると格納庫に警報が鳴り響いたのだった。
 
 
 
 ブリッジのスクリーンで戦況を確認するクルーたち。
 「敵の攻撃は我々の頭上に集中している」
 「敵の目的はナデシコか」
 ゴートの言葉に納得するフクベ。
 「そうと判れば反撃よ!」
 「どうやって?」
 喚くキノコにゴートが問う。
 「ナデシコの対空砲火を上に向けて、敵を下から焼き払うのよ!」
 「上に居る軍人さんたちは吹き飛ばすわけ?」
 あまりな内容に突っ込むミナト。
 「ど、どうせ全滅してるわよ」
 「それって、『非人道的』って言いません?」
 「きーっ!」
 言い訳をメグミに突っ込まれヒスを起こすキノコ。
 「艦長は、何か意見はあるかね?」
 「機動兵器をオトリに出して敵機動兵器を一ヶ所に集中させてナデシコの主砲で撃破します!」
 遅刻してきた艦長はそれでも即座に策を練る。
 「ふむ。妥当な作戦だ」
 フクベ提督が貫禄を見せつける様に頷く。
 「でもどうするんですか? タイムスケジュールではナデシコにパイロットが着任するのは三日後なんですけど」
 メグミの言葉に青くなるクルーたち。
 「ぱ、パイロットがいないのかね!?」
 フクベ提督が焦って聞き返す。
 「いえ、先程『ロボットに乗るのが待ちきれなくて来た』というパイロットはいましたが……」
 オペレーターの言葉に色めき立つブリッジ。
 「なら、そいつを早くだしなさいよ! アタシはこんなところで死にたくないのよ!」
 キノコが吠える。
 「その人、ロボットで遊んでて転んで骨折したそうです。ついさっき、整備班のウリバタケ班長から連絡が有りました」
 喜びが一瞬で絶望に変わった瞬間だった。
 さらに間の悪いことにそこに件のパイロットが足をギブスで固めた状態でやってきた。
 「おい!何があった…ん……だ……・」
 皆ににらまれ、尻すぼみになっていく間抜け男ダイゴウジ・ガイことヤマダ・ジロウ。
 それにため息をつきつつ、提案するフクベ提督。
 「むう……。仕方ない。ここは一つ、ナデシコに乗っている軍人にIFSを打って出てもらうしかなかろう。訓練もしていない、戦場も知らない民間人では一瞬で殺されてしまう。ここにいる軍人といえば……」
 その言葉にブリッジクルー全員の目がキノコに向いた。
 「何よ、その目は!? アタシにやれって言うの!?」
 「だって、今ここにいる軍人さんって、貴方だけですよね?」
 ジュンの言葉に後ずさるキノコ。
 「て、提督だって……」
 「元軍人、ですよね?」
 メグミが小首をかしげながら確認する。
 「そ、そっちの大男だって……」
 「元軍人、よね〜?」
 獲物をなぶる猫のように追い詰めていくミナト。
 「あ、IFSつけてるのがそこにいるじゃない!」
 苦し紛れにキノコが指差した先にはオペレーターがいた。
 「ひっど〜い! 子供に機動兵器に乗れっていうの!?」
 「サイテ〜!」
 「貴方には人としての感情が無いんですか!?」
 他のクルーに散々に責められるキノコであった。そんな中に場違いなほど冷静な声が響いた。
 「……ロボット、エレベーターで移動中」
 「「「「「「「「え?」」」」」」」」
 オペレーターの冷静な言葉に動きが止まるブリッジクルーだった。
 
 
 
 こんな穴倉で死ぬのはまっぴらだ、そう思いながらエステをエレベーターに載せる。
 そこへ通信が繋がった。
 『誰だ、君は?』
 「え!?」
 『パイロットか!?』
 フクベ提督がエステバリスに乗っている人物に誰何する。
 
 『あ、いや、その』
 ブリッジに映ったウィンドウの向こうでは突然現れたフクベ提督の画像に驚いている私服の人物がいた。
 そして骨折男がエステの人物の胸元に入っている人形を見て色めきたつ。
 「あーっ! アイツ俺のゲキガンガーを!」
 ブリッジで騒ぐやかましい男を無視して改めてフクベ提督が質問する。
 「所属と名前を言いたまえ!」
 『テンカワ・ルリ。コックです!』
 その言葉に驚くブリッジ一同。
 特にヤマダが必要以上に驚いていた。
 「コックぅ!? コックがなんで!?」
 「彼女は先程コックとして雇いまして……」
 それに答えたのはブリッジにいたプロスである。
 
 「ユリカ。あの娘、さっきの……」
 「うん……」
 ウィンドウを見ながらジュンの言葉に頷き、何かを思い出そうとするユリカ。
 「テンカワ……」
 その言葉を呟いた時、ユリカの顔が突如としてほころぶ。
 「あぁぁぁぁっ! ルリちゃん! ルリちゃんだーっ!! 懐かし〜い! そっか、ルリちゃんか〜! 何でさっき知らんぷりしてたの〜? そっか〜、相変わらず照れ屋さんだね」
 その声によってブリッジにいるのが誰か判ったルリ。
 『って……、ユ、ユ、ユ、ユリカちゃん!? なんでそこに!? 何やってるのよ!?」
 その顔は驚愕に彩られていた。
 「彼女はこの艦の艦長でして……」
 「えぇぇぇぇぇぇっ!?」
 ルリの質問に答えたプロスに驚きを示したルリ。
 「そうだよ! ユリカはナデシコの艦長なんだぞ。エヘン!」
 その言葉を聞いた瞬間、サァァァァー、とウィンドウの向こうから血の気が引く音が聞こえ……。
 『嫌ぁぁぁぁぁっ!! 帰る! 戻るぅぅぅぅぅっ!! こんな疫病神のそばは嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』
 先程以上の恐慌状態に陥るルリであった。
 「あのー、艦長。お知り合いで?」
 パニック状態のルリを横目に、額の汗をハンカチで拭いながら尋ねるプロス。
 「うん!! ルリちゃんはねぇ、ユリカの性玩具(せいどれい)なんだよ!」
 「「「「「「は?」」」」」」
 「馬鹿ばっか」
 目を丸くするブリッジクルーと冷めた目でツッコむアキトであった……。
 つか、なんだ『性玩具(せいどれい)』って……。
 ブリッジの人間……特にミナトとメグミが貞操の危険を感じたのは言うまでもない……。
 
 
 人の話を聞かないユリカにペースをかき乱されたルリは無理矢理『囮』にされてしまい……、
 『エレベーター停止。地上に出ます』
 オペレーターの少年の声に、ようやく現状を認識し始めたのだった。
 『作戦時間は十分間。兎に角敵をひきつけろ。健闘を祈る』
 ゴートの言葉に頭の中が真っ白になったルリは、兎に角逃げる事に専念する事になる。
 
 こけつ、まろびつ、どうにか五分間ほど逃げていたが……、IFSを使い慣れているとはいえ所詮は素人。
 被弾跡は増え、それでも逃げ続けるルリに通信が開く。
 『テンカワさん、海に向かって跳んでください』
 「と、跳ぶ!?」
 オペレーターの少年が無表情なままルリに向かって指示を出す。
 『はい』
 「そんなことしたら海に━━━」
 『とりあえず大丈夫なはずです。じゃ、そういうことで』
 そう言って切れた通信に憤るルリ。
 「なんで……なんでこんな目に遭わなきゃいけないの……? なんであんな小さな子が戦艦に乗らなきゃいけないのよ……」
 いきなり怒りが湧いてくるルリ。
 「なんで……なんで……
なんでぇぇぇぇっ!」
 接近してきた敵をワイヤードフィストで墜としつつ、海に向かうルリだった。
 
 なんとか岸壁についたルリはナデシコに通信を入れる。
 「着いたわよ!」
 『じゃあ、海に飛び込んでください』
 「判ったわよ!!」
 オペレーターの少年の指示に、もはやヤケクソ状態で飛び込むルリ。
 しかし予想に反してエステバリスは沈む事は無かった。
 なぜならナデシコが浮上してきたからである。
 
 
 浮上してきたナデシコのグラビティブラストによってバッタやジョロは粉砕され、ルリは無事に生還する事ができたのだった……
 
 
 
 改めてブリッジで皆に紹介されるルリ。
 「え〜、では皆さんに紹介したいと思います。先程パイロット兼コックとして契約しましたテンカワ・ルリさんです」
 「テンカワ・ルリです……、ってプロスペクターさん!」
 プロスの発言に気づいたルリがプロスに食って掛かる。
 「プロスで結構ですよ、テンカワさん」
 ルリの剣幕を涼しい顔で流すプロス。
 「じゃあプロスさん! 私、コックであってパイロットじゃないはずなんですけど!?」
 「実は現在正規のパイロットが一人もいないのです。そこで正規のパイロットが乗艦するまでパイロットをしてもらいたいのですよ」
 ルリの詰問をその面の皮の厚さで流すプロス。
 「パイロットならさっき格納庫に……って、そうだった。これ、そのパイロットの人に頼まれてたんだった」
 そう言って胸元から取り出したのはゲキガンガーの超合金だった。
 「あーっ! 俺のゲキガンガー!」
 騒いだのは骨折男ヤマダである。
 「はい。確かに返しましたよ」
 「おお! すまん! 良かった〜! これもう手に入らないんだよ〜!」
 嬉しそうに超合金を受け取るヤマダ。
 「で、話を戻しますけど契約はコックのはずです!」
 「お給料ははずみますよ?」
 指で輪っかを作って微笑むプロス。
 「コックに何をしろって言うんです!?」
 「先程言ったように臨時でパイロットをしていただきたいのです。すでに実戦経験もありますし」
 「正気ですか、貴方は!?」
 「いたって正気です」
 埒の明かない会話だったが、ルリがプロスに勝てるわけもなく……、『本職のパイロットが合流するまでの間だけ』と言う事でパイロットを兼任する事になったのだった……
 
 
 
 そして他のクルーの自己紹介が始まる。
 「まずは私から。操舵士のハルカ・ミナトよ。よろしく〜!」
 巨乳でグラマラスなお姉さんが色気たっぷりの目で自己紹介してくるのに「よろしく」と返すルリ。
 胸が薄めの彼女にとってミナトは『敵』に認定されかかっているようだ(笑)。
 「私は通信士のメグミ・レイナードです」
 こちらは貧乳仲間になると思ったのか、同じように「よろしく」と返すも口調は幾分柔らかい。……しかしルリは知らない。メグミ・レイナードと言う女性の『黒さ』を……。
 「オペレーター、ホシノ・アキト。これが友達のクシナダヒメ」
 茶色いツンツンヘアーの十歳ぐらいの男の子が無表情かつ無愛想に自己紹介した。同時に隣に浮かんだウィンドウの紹介もする。
 「副長のアオイ・ジュンです」
 巨乳で気弱そうなグラマー美女が握手をする。
 「オブザーバーのフクベじゃ」
 ヒゲのジジイが名乗るのを聞き流すルリ。
 「戦術アドバイザーのゴート・ホーリーだ。よろしく頼む」
 厳ついマッチョも同様である(笑)。
 「そして私が経理担当のプロスペクターです。よろしくお願いしますね。これで全てのクルーの紹介を終わり……」
 「ちょっと待ちなさいよ!! アタシは紹介されて無いわよ!?」
 ヒステリックな声がプロスの言葉を遮る。
 「副提督は元々乗艦予定にはいなかったのですが……」
 「軍の意向って奴よ! で、アタシが副提督のムネタケよ。よーく覚えておきなさい! ほーほっほっほ!」
 それを見たルリは少し考えた後……、ちょいちょい、とミナトとメグミを呼び寄せる。
 「あの人、オカマさんですか?」
 「ダメよルリちゃん、ちゃんと性同一性障害とかって言わないと」
 「そうですよ。あんなのでも一応人権はあるらしいですから」
 何気に酷い言い様をする三人であった。
 しかも本人の目の前でヒソヒソ話である。
 
 
 
 自己紹介も終わり、三々五々とブリッジから去っていくクルーたち。
 当然ルリも逃げるように去っていく。
 「じゃあ、私はルリちゃんと……」
 そう言ってルリの後を追おうとするユリカの襟首をプロスが掴む。
 「艦長には遅刻の理由をきっちりと聞かねばなりません。まだブリッジから離れられては困ります」
 「ええ〜!?」
 「……だから言ったじゃない……。早くしないとダメだって……」
 ため息をつきながら首を左右に振るジュン。
 その動作に合わせてジュンの胸も左右に揺れていた。
 そしてその胸の動きにミナトにはジュンがブラを着けておらず、且つその服の下に妙な盛り上がりがあるように見えていた。
 「でも、ジュンちゃ〜ん!」
 「さ、逝きますよ艦長」
 「ふええ〜〜!」
 プロスに引き摺られてゆくユリカの後を追うジュンの背中を見た瞬間、服の下の盛り上がりが何か判ってしまったミナトは背筋に冷たいものを感じていた。
 (……副長って……そういう趣味だったの……?)
 戦闘よりも貞操の危険を感じてしまったミナトであった……。
 そう、ジュンの服の下の盛り上がりは……まるでSMの亀甲縛りの縄のような盛り上がりだったのである……。
 
 
 
 逃げ出したルリは途中で合流したミナトやメグミに艦内を案内してもらい、食堂や格納庫などに挨拶して回る。
 ルリ自身が可愛かった事と先ほどの戦闘で囮を勤めたことからどの部署でも概ね好意的に受け入れられていた。
 
 
 そして自分の部屋に案内してもらい、ようやく一息つくルリ。
 有る意味運良く空き部屋があり、一人部屋となったのだった。
 ……一人で二人部屋に住んでいるクルーもいるにはいたが、男性だったため『同棲はまずい』となったのである。
 ちなみにその人物とはヤマダ・ジロウである(笑)。
 同室になっていたら別の意味でまずかっただろう。
 
 
 
 さて、こうしてわやくちゃのまま出発せざるを得なくなったナデシコ。
 しかしルリはユリカに襲われるのが怖くて逃げ回り……ついにアキトに匿って貰うことになる。
 それは勿論一回だけに止まらず、その後において何度も発生するのだが……当然タダではすまないのがこのお話……。
 
 と言うわけで、詳しい描写を……
今から書かなければなりますまい!!
 
 
 
 ようやくプロスのお説教が済んだユリカはナデシコ艦内をうろついていた。
 「ルリちゃ〜ん!! どこぉ〜〜!?」
 当然のごとく、ルリを探すためである。
 ルリの部屋が判らない為、大声でルリの名を呼びながら廊下を歩いているのだった。
 ……ちなみに一緒に叱られていたジュンはユリカの八つ当たりによってものすごい状態で自室に放置されていた。
 どのくらい凄いかと言うと……身動きできないよう全身を亀甲縛りで拘束された上で、股間は大開帳の状態で固定され、その股間にはうぃんうぃん動くイボイボのたくさん付いた棒が下半身の三つのそれぞれの穴に抜けないように挿入れられた状態で猿轡と目隠しをされ、乳首にはブルブルと振動する卵形のプラスチック玩具の付いたピアスが着けられた状態で放置されていた。
 しかも部屋の鍵は開いたままである。
 性欲を持て余した誰かがうっかり入ろうものなら、そのまま陵辱される事は確定の状況である。
 しかし、ユリカによって徹底的に開発され、ドMに開眼させられているジュンはその状態にさらに興奮を増し、股間を濡らすのだった……。
 
 
 「ルリちゃ〜ん! 二人でイイコトしましょ〜!!」
 「ひいいいいっ!?」
 ナデシコ通路内にユリカの声が小さく聞こえた途端ユリカの姿が見えていない事を確認し、どこかへ隠れられないかと辺りを見回すルリ。
 しかし二十二世紀末の戦艦の廊下に隠れるところなんてそうそう無かった。
 途方にくれるルリにとって悪魔の囁きか、天使の助けか。
 自分のすぐそばの扉が開いたので慌てて飛び込んだ。
 「テンカワさん、何してるんですか?」
 そこにいたのはアキトだった。
 どうやらアキトの部屋らしい。
 「しっ! お願い! 私をちょっと匿って!!」
 「別に構いませんけど……」
 「ありがと、アキト君!」
 そう言って部屋の奥にいくルリ。
 しかし隠れられそうなスペースがないため、慌ててシャワールームに逃げ込む。
 シャワールームの扉が閉まった直後、誰かがアキトの部屋をノックした。
 「はい、どなたですか?」
 「わたしぃ〜♪」
 アキトの問いかけに返した声はユリカのものだった。
 扉を開け、応対するアキト。
 「……なんですか艦長?」
 無表情に返すアキトを気にもしないでユリカは尋ねる。
 「うんあのね〜、ルリちゃんこっちに来なかった〜?」
 「いえ、知りませんが」
 ユリカの声が聞こえていたルリは激しく動揺するがアキトはそ知らぬ顔で答える。
 「う〜ん、おっかしいなぁ〜? この辺りでルリちゃんの匂いが途絶えてるんだけど……」
 「……艦長は犬ですか……?」
 警察犬のごとく、匂いを嗅ぎつけてやって来たらしいユリカに無表情ながら呆れた声を出すアキト。
 その間もルリの心臓はバクバクいっていた。
 「……う〜ん……。しょうがない他のところ探してみるね!」
 そう言ってユリカが出て行った後、アキトはシャワールームの扉を開けてルリにユリカがいなくなった事を伝えた。
 
 「ありがと〜! ホント助かったよ〜!」
 半泣きになりながらルリがアキトに礼を言う。
 「いえ、別に構いませんけど」
 「何かお礼をしなくっちゃね。でも何がいいかな?」
 「別に。欲しいものなんてありませんし」
 本当にどうでもよさそうに答えるアキトに食い下がるルリ。
 「ん〜、でも〜」
 そんなやり取りをしながらルリが立ち上がろうとした際にシャワーのノブを掴んでしまい……
 「きゃあっ!」
 「うわ」
 お約束としてびしょ濡れになってしまったのだった。
 なお、アキトは口では驚いたようなセリフを言っていたが表情は全く変わっていない。
 「あう〜」
 「冷たいです」
 「ゴメンね〜」
 ルリはアキトに謝りながらも妙案を思いついた。
 古典的表現で言えば電球のアレである。
 「じゃあ、お礼に貴方をお風呂で洗ってあげるわ!」
 「別にいいですよ」
 「だ〜め! そのままじゃ風邪ひいちゃうよ! ほら脱いで脱いで!」
 そう言ってすばやく自分も脱ぎ……まだ脱いでいないアキトの服を無理矢理脱がす。
 本人に自覚は無いようだが、状況的には痴女のソレである(笑)。
 「ほらほら、パンツから足を抜いて……うっ!?」
 思わず呻くルリの視線の先。
 そこには全裸になったアキトの下半身があった。
 「どうかしましたか?」
 特に動じていないアキト。慣れているのか、何も感じていないのか……。
 しかしルリは汗だらだらである。
 その理由はアキトの一物。
 その一物の大きさが成人男性の平均的なそれより一回り大きかったからである。
 ルリ自身は年齢の割りに薄い胸にコンプレックスを感じているのに……アキトのそれは成人男性すら悔しがるようなサイズであった。
 ちなみに何時成人男性の一物を見たのかはすこし後で判明するのでお待ちください(笑)。
 「テンカワさん?」
 「あ、うん、何でもない何でもない……。じゃあ流しっこしようか?」
 そう言ってルリはアキトを座らせる。
 「じゃあまずはアキト君の髪からね。このシャンプーハットは使うの?」
 「はい」
 「じゃあこれを被ってもらって……。じゃ、洗うからね〜」
 そう言ってアキトの髪を荒い始めるルリ。
 アキトは髪を洗い終わるまでじっとしている。
 「はい、髪の毛はお終い。次は……」
 アキトの髪を洗い終えたルリはそのままスポンジにボディシャンプーを含ませる。
 「は〜い。じゃあ背中をこっちに向けたままでじっとしててね〜」
 ごしごし、と背中を洗うルリと大人しくしているアキト。
 「は〜い、お終い。前の方はアキト君が洗ってね」
 「はい。……テンカワさんはこっちは洗わないんですね」
 「え?」
 「前に一緒にお風呂に入った女の人はみんな僕のペニスを洗いたがったんですが……」
 「そ、そうなんだ〜。で、でもアキト君は自分で洗えるんでしょ?」
 (何考えてるのよ、その女たちは!?)
 「はい。何でみんな洗いたがったんでしょうか?」
 「さ、さあ〜? 何でだろうね〜?」
 とぼけるルリだが、内心『この程度、当たり前なの!?』と驚いていた。
 その横ではアキトが自分の体を洗っていた。
 
 アキトが体を洗い終えたところでルリは自分の背中を流してもらおうとする。
 「いいですよ」
 快諾したアキトは特にてらいもなくルリの背中を洗い始める。
 そしてアキトは背中を洗った後、ルリの前に回りこんできて胸を揉みしだくように洗い始めた。
 「ちょ、アキト君!?」
 「変ですか? 今まで一緒にお風呂に入った女の人はみんなこうすると喜んでくれたんですけど」
 そう言いながらも手は動くことを止めない。
 「あっ! あふっ!」
 その動きは大胆にして繊細、繊細にして大胆。
 ルリをその行為から逃げられないようにしていく。
 そうするうちにルリの股間からシャワーのお湯ではないヌルみを帯びた液体が流れ出していた。
 風呂場の椅子の上に座ったまま背中を風呂場の壁に預けて脱力しているルリの股間から流れ出た液体……愛液を確認したアキトは自分の一物をしごいていきり立たせる。
 まだ焦点の合っていない目で虚空を見上げるルリの両足を開いたアキトはそのままルリの股間を舐めあげ始める。
 意識が半分飛んだまま与えられる快感にルリは抗えなかった。
 それから五分ほど、『じっくりと』ルリのおま○こをアキトが慣れた手つきで弄くり回した結果……『いつでもOK』な状態に仕上がっていたのだった。
 それを確認したアキトは固くなっている己の怒張を『いつも研究所の女性たちにするように』ルリのおま○この入り口へ宛がう。
 完全に意識が絶頂の一歩手前のルリは自分の身に何が起こっているか把握できていない。
 そして……アキトはルリの中に突入した。
 その瞬間、ルリが正気に返る。
 「え? え? あ? ええっ?」
 アキトがルリの胎内に自分の一物を挿入れた時、ルリの反応から処女を予測していたが、その抵抗が無かったので思わず言ってしまった。
 「あれ? テンカワさん、処女じゃないんですね。意外でした」
 その言葉を聞いたルリの目に涙が溜まっていく。
 「うっうっ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜ん!!」
 「どうしたんですか、テンカワさん?」
 「好きで失くしたんじゃないもん……。みんなみんなユリカちゃんのせいなんだもん……」
 「それはどういう……?」
 
 話を聞いてみると……ルリとユリカは元々家が隣同士だったため良く遊んでいたが、十年前、つまりルリが八歳の時にユリカが地球に引っ越す事になった。
 その為、宇宙港まで見送りに来ていたのだが……出発直前にユリカに連れ込まれたトイレの中で手足を縛られた挙句、ユリカの持ったバイブを突き込まれたという事(汗)。
 しかもその時に写真を撮られ、そのままそのデータはユリカが持って行ってしまったという事。
 さらに縛り上げられたまま宇宙港のトイレに放置され、その間に宇宙港で起こったテロ事件でルリの両親は死亡。
 本人も縛られたままテロリストたちにトイレで発見され、そのまま輪姦されたということだった。
 ルリの『ユリカがルリの疫病神』という言葉はあながち間違いではないということか……。いや、そのものズバリだろう。
 処女を奪われ、両親を殺され、あげくにテロリストに輪姦され……なんでそこまで不幸にならなければならないのか……。
 そのユリカには罪悪感は全く無く、おそらく訴えても父親が軍の高官である以上揉み消されるのがオチだ。
 それどころか口封じのための暗殺や、父親のコネで冤罪での死刑などが考えられるとなれば泣き寝入りしかないのだろう……。
 
 話を聞いたアキトは今までの女性ならすぐに激しい動きをしていたところを止めて、ゆっくりと動き始めた。
 今までは早く終わらせるため、『一度入れたら激しく動いて胎内で射精す』ことにしていたが、心の機微を知らないアキトでもそれはまずいと思ったのだ。
 今までのように性行為に慣れた人間に対するものではなく、相手を思いやった動きで無理矢理ではない快楽を引き出しことにする。
 えづき続けていたルリはアキトの行為で少しずつ快感を感じていく。
 泣き声がだんだんと減っていき……代わりに嬌声が混じり始めた。
 アキトが腰を動かしながらルリの胸を揉んだり乳首を吸ったりして快楽を引き出しているのである。
 その腰使いや舌使い、指使いはまさに熟練のものであり……ナデシコに乗るまでにどれほどの経験が有ったかを物語るものでもあった。
 「あっ! あふっ! あうっ! あんっ! だめ……もっと……あうっ! もっとお……!」
 ほぼ初めてにも関わらず、おねだりをするルリ。
 「あひゅうっ!? すごいぃぃ……、もっと! もっとズボズボしてぇっ! もっと乳首吸ってぇっ!」
 無言のまま、ルリのリクエストに答えるアキトはグラインドのペースをあげる。
 「ああん……だめへぇ……!」
 ルリの身体はすでに自身を支えきれなくなってきていた。
 犬のように四つんばいになり、尻を高々と上げてアキトに差し出すルリのおま○こからは、ダラダラと犬の涎のように愛液が流れていくのだった……
 そこへ後ろから覆いかぶさるようにしてルリを突き上げるアキト。
 びちゅっ、ぬびゅっ、という淫音がシャワールームに響き渡る。
 ふとアキトが気づくと、ルリのアナルがアキトの動きに合わせてヒクヒクと蠢いていた。
 腰を動かしながら少し考えたアキトはルリの胸を揉んでいた両手のうち、左手を胸から離す。
 「ああん、やぁ……もっとぉ……」
 今まで触られていた胸から手を離された事に感覚的に気づいたルリがおねだりをするが、それをアキトは無視。左手をルリのおま○こに近づけ、涎のように噴出している愛液をその手に塗りたくる。
 そしてその左手をルリのアナルに合わせ……。
 「あっ!? やっ!? そこはっ!? あうんっ!」
 振り向こうとしたルリにアキトが腰を突き込んで黙らせ、十一歳にしたらあまり大きくない左手をルリのアナルに手首まで挿入れた。
 「はひぃ!? ひぅぅっ!? はあっ! はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 おま○こに続いてアナルにも十年前に無理矢理刻み込まれた感覚が蘇る。
 しかしそれはあの忌まわしい記憶とは違い、あくまでルリの快楽のために動かされていた。
 そのことが心と身体の反応にギャップを生み……ルリは先程より深い快楽に飲み込まれる。
 「はっ、はっ、はっ、はっ、……」
 息は荒く、目は虚ろ。息を切らせた犬のようにアキトの腰の動きに合わせて呼吸をする。
 そろそろ快楽のために何かを考えることができなくなってきたらしい。
 「……っ! イきますよ、テンカワさん!」
 「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」
 アキトの声とともにルリはイカされ……、全身が脱力する。
 しゃあぁぁぁぁぁ……、とルリはアヘ顔のまま失禁して……気を失ってしまった。
 そんなルリをアキトは慣れた手つきで拭いてやり……ベッドへ運ぶのだった。
 
 この日、ルリは生まれて初めての絶頂を味わい……、アキトの部屋のベッドでゆっくりと眠りに着くことになる……。
 
 
 
 これ以降、アキトのベッドはナデシコ内においてユリカに襲われない唯一の安心して眠れる場所となり……ユリカの恐怖に怯える女性たちの安息の地となったのである(笑)。
 後に有志一同によりアキトの部屋のベッドは床一面に広がる巨大なウォーターベッドとなったことは言うまでも無い。
 
 
 
 この行為の後、アキトはナデシコのAIであるクシナダヒメにユリカの個人ファイルを探らせ、ユリカが持っているルリの情報の全てを消去させた。艦内にある分は勿論、家に残してある物まで全てである。
 無論、記録媒体に保存してあるものもあったが、それは場所を調べた上でアキトがこっそりと回収に行ってきた。ユリカの家の分はかつてアキトがハッキング中に知り合った某組織の空き巣グループに依頼する事でユリカの持ち物からルリの写真は一切無くなる事となった。
 勿論代償は求められたが、プロはソレをネタに脅迫などはしない上、今のアキトには何でもない金額であったのであっさりと済んでしまったのだった。
 
 この後少ししてルリにこの事を伝えたアキトは非常にルリに感謝され、食堂でのアキトの食事をすべてルリの奢りとしようとしたのだが……アキトがジャンクフードだけで食事を済ませていると知り、無理矢理食堂に連れて行くようになった。
 それ以降、アキトは食堂で食事をするようになったのだが……自室ではユリカから逃げ出してきたルリを食べるようにもなっていったのだった……(汗)。
 
 
 
 

あとがき
 
 ども、喜竹夏道です。
 以前メッセで一部の方には告知しましたが……『逆行のミナト』も終わっていないのに新しいシリーズをお送りします。しかも十八禁で。
 シルフェニアでは初となる十八禁長編連載!
 なんと今回はルリルリがすでに『テンカワ・ルリ』です!
 代わりにアキトが『ホシノ・アキト』ですが(笑)。
 しかも二人とも一桁年齢で筆下ろしと貫通式が済んでいたりします(ヲイ!!)。
 加えてユリカは『百合化』ならぬ『バイ化』してたりします(汗)。
 さらにルリちゃんとアキトの性格が大幅に変わっています!(もしかして大問題?)
 影の薄いジュン君はM奴隷巨乳長髪女性化です(爆笑)。ちなみに顔やその他は特に変わっていません(大爆笑)。性格がレズのドMの性奴隷になったくらいでしょうか(激笑)。
 
 ちなみに十八禁で投稿していることから判るように、そう言った描写が多数入ってくるかもしれない予定です。
 第一話ではこんな感じですが、以降のお話では十八禁シーンはもっと多かったり少なかったり不安定な予定です。
 基本的にアキト(十一歳)がルリ(十八歳)を攻める形になる予定です。
 はっきり言ってショタ作品になるでしょう、って言うか、問題ありすぎ(笑)。
 さらにアキトのブリッジクルーの制服は半ズボンです(笑)。
 しかも結構力持ち。実はホウメイくらいの体格の女性ならお姫様抱っこができます。
 ナデシコ内外に男性クルーもいることはいます。
 でも、アキト以外の男がいい目を見ることはありません(多分)。
 ま、九十九ぐらいは少しいい目を見せてあげてもいいかも。TV本編が本編ですし、ミナトさんとイチャイチャしているシーンぐらいは用意してあげましょうかね?
 
 では、新たな駄作にお付き合いいただければ幸いです。
 
 
お断り
 本作品内でキャラクターたちが行う行為・行動は、犯罪行為が多々ございます。
 その為、本作品と同じような行為・行動を実行し、犯罪者として逮捕・拘束等をされたとしても、その一切に当方の責任がない事をご了承ください。
 犯罪行為は慎みましょう。(脳内だけで実行しましょうね♪)





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