「そうです。結界の事を島の住民が知れば、島中がパニックに陥る可能性が高い。

 更に自分達がなぜ今まで試さなかったのかを考え始めた場合、今までの術の反動で暴走する可能性も……。

 もちろん、そういう事を考えないようにさせられていた場合はですが」

「はあ」

「まあ、別に今すぐ聞く必要は無いし、ヤードのいう事も分からなくはねぇ。暫くは黙っておくとするか」

「そうですね、確かにそういう可能性も否定できません」



ゼロではないという程度にですけど。


しかし、ヤードさんは深読みしますね、いつもこうだと疲れそうに思えますが……。


でも、そうですね……今までの事を見つめなおして見るのはいいかもしれません。


それと、やはりこの剣について調べて見たいと思い始めていました。


Summon Night 3
the Milky Way




第八章 「臆病であるという事」第三節



「あっ、見つけましたですよクロクロさん♪」



朝食を済ませて何か仕事でもするかとスケジュールを頭の中に思い浮かべていた俺の前に、マルルゥが飛び込んできた。

クロクロさん、そういえば俺はマルルゥにそう呼ばれていたんだな。

最近呼ばれていなかったせいかちょっと忘れかけていた。



「何の用だ?」

「今日はお花祭りなのですよー♪」

「祭り……」

「はい、丁度今呼びに行こうと思っていたところなんです」

「アティ」



マルルゥに続きアティまで、俺は海賊船からは少しはなれた場所まで来ているのに良く見つけられたな。

まあ、パターンを読まれている可能性もあるが……。

しかし、いきなり祭りとは……準備などを見た憶えはないが、考えてみれば俺はユクレスにはあまり行っていなかったな。



「いきなりそんな事を言われてもな……」

「あら、確か私に言ってませんでしたっけ?」

「……うっ」

「お祭りは楽しいのですよー♪」

「わかった、わかった」



収穫祭、確かに俺もアティとそういう話はしたな。

しかし、収穫祭の変わりに花祭りとはな……。

普通はめでるべき花にあわせて行うものだし、桜なら花見のように時期の決まっていない物が多い。



「それで、花祭りとはいったいどういう祭りなんだ?」

「それはですねー」

「あー、駄目なのですよ、せっかくですから、体験して知って欲しいのです♪」

「ふむ、それもそうかもな」



確かに、ユクレスの祭りなら俺が知る祭りとは少し違うのかもしれない。

しかし、こんな事でいいのだろうか……俺は北辰に対する警戒をするため色々と仕掛けを施して回っていた。

もちろん、それで奴が止められるとは思わない、しかし、出現を知らせるためには悪くない仕掛けではある。

それでも、それ以外は鍛錬程度しかしていない現状、いつ襲われても可笑しくは無いのだ。



「あまり長い時間は参加出来ないがいいか?」

「うーん、出きれば最後まで見ていって欲しいのです」

「今日ぐらいいいじゃないですか、帝国軍だって暫くは動けないと思いますよ?」

「しかし……」

「それとも他に心配な理由があるんですか?」

「いや……そうだな。最後まで付き合おう」



北辰の事をあまり知られたくないという思いからつい頷いてしまう。

もっとも、北辰が俺達の邪魔をしたことはもう、皆に知れ渡っている。

だからアティ達も俺と北辰に因縁めいた物があることは気付いているだろう。

だから、かつて敵であった事は言ってある、しかし、それ以上は探られたくなかった。

もし、探られれば最後には俺がテロリストになった理由にまで行き着いてしまうかもしれないから。



「じゃあ、今からユクレス村にまで行くのですよー♪」

「はい! 楽しみにしてますね♪」

「……」



何かテンションの高い二人に引きずられるようにして俺は祭りに出かける事になった。

ユクレス村までの距離は慣れればゆっくり歩いて2時間もかからない。

海賊船からは一番遠い集落なのだが、島そのものの大きさを考えればまあ当然ではあるのだろう。



「あ、おにいちゃん」

「先生と黒んぼ!来たのか♪」



ハサハとスバルが駆け寄ってくる。

青空学校のお陰かハサハもスバル達と遊ぶようになってきている。

前は俺以外に気を許さないような所があったが少しくだけて来ているようだ。



「あら、パナシェ君は?」

「ああ、あいつなら祭りの準備手伝ってるんだろ」

「あっマルルゥもちょっとお手伝いがあるのですよー。ここからはヤンチャさん達に案内してもらってください」

「はい、頑張ってきてくださいねマルルゥ」

「頑張るのですよー♪」



言う間にマルルゥは飛んでいってしまう。

祭りを随分楽しみにしていたらしい。

花祭り、どんな祭りなのだろう?

少し興味がわいてきていた。



「んじゃ、先ずは屋台をまわろうぜ!」

「ほう、屋台が出ているのか」



ユクレス村の状態を見るとあまり屋台などをしているようには見えないが。

どこかから来ている?

そう思ってみて見ると、屋台はどこか和風情緒漂う物が多かった。

野点(のだて)をしている所もあったから文化的にはぐちゃぐちゃだが、まあ、祭りなんて楽しければいいのだからそれでもいいのだろう。

そこで、ふと見知った人間の屋台を見つけた。

相変わらず文字を読むのは得意ではないが、看板は”お好み焼き”に見える。



「よう、オウキーニ儲かっているようじゃないか」

「はい、ウチらもここは稼ぎ時ゆーことで、頑張らせてもろうてます」

「へー、オウキーニさんこんな料理も出来るんですね。私達も一つ頂けますか?」

「4枚ですな、ちょっとまっとってください。ほいほいっと」



オウキーニは手際良くお好み焼きを焼き上げていく。

鉄板の上で4枚を同時に焼き上げるのはかなりの腕がないと出来ない。

材料が俺の世界の物と同じかのかどうかは分からないが、

旨そうな匂いがしてくる事を思えば専用のソースを作っているという事だ。

かなり作りこんでいるという事だな。



「さすがだな」

「うー旨そう、まだ食えないのか?」

「(こくこく)」

「スバル君、ハサハちゃん。もう少し待ってね」

「ははは、すいませんな。料理は幾ら急いでも熱が通らん事には旨いおまへんさかい」



スバルとハサハが焼けていくお好み焼きを見てうずうずしている。

やはり、料理というものはいいと思う、コミニュケーションの手段としても、日々の楽しみとしても。

しかし、俺がそれをしていいのか、という事。

殺した事が汚い事であることは間違いなく、その事を後悔はしていない。

俺はアレ以外の道は無かったし、同じことが起きれば何度でも同じ手段で復讐するだろう。

だが、だからこそ何万という死を引き起こした手で料理をしてもいいのか、そう考える。

オウキーニはその事を否定していたが、俺には踏ん切りがつけられない。



「オウキーニ、お前は強いな……」

「なんです、藪から某に?」

「いや、忘れてくれ。それより幾らだ?」

「はい、こんなもんになります」

「……結構するな」

「まあ、お祭り価格やさかい。それに秘伝のタレを放出してまんのやさかい大目に見てください」

「そうだな」



俺は全員分の料金を出す。

俺自体、こちらにきてから色々手伝い的に働いてはいる。

物価もそこそこ知っているつもりだが、普通の食事の倍近い金額ではある。

しかし、秘伝のタレとやらは確かに旨く、スバルやハサハも満足しているようだ。

そうとなれば、俺としても文句を言うような事は無い。



「そろそろユクレスの木の下に行こうぜ!」

「何かあるのか?」

「(コクコク)」

「お祭りのメインイベントだそうです♪」

「ほう」



スバルが走り出し、ハサハもぱたぱたと続く。

俺はアティと並んでその後をついていくことにする。

そして、ユクレスの木、つまり村の中心にある巨木を見つめる。

花が咲いているというわけではないように見えるが……。



「あ、みんないらっしゃい」

「パナシェか、手伝いはもういいのか?」

「はい、メインはマルルゥ達なんですよ」

「マルルゥ達?」

「まあ、見ててください」



人垣の中で見つけたパナシェに促されながら、巨木の下に行く。

そして、しつらえられた台座の上に十人の妖精が飛んでいるのが分かった。

いや、ただ飛んでいるのではない。

踊りながら、通った後に出来る光の粒子のようなもので何かを描いているのだ。



「あれは……?」

「花祭りのメインイベントで、舞を舞って感謝をささげるんですよ」

「感謝をささげる?」

「豊作や健康のです」

「なるほど」



村の獣人達にとってこの木は神のようなものらしい。

祭りはこの巨木を敬うためのものと考えれば納得がいく。

ただ、花祭りという意味はわからないが。

そう思っていると、妖精達は段々と踊りの場を広げていき、木の周りを飛び交いながら踊るようになっていく。

それだけではない、彼女らが歌う幻想的な歌声もクライマックスに近づいてきたようだ。

それと同時に、木は色を変える。



「あれは!?」

「はい、咲いたんです。ユクレスの木の花が」

「……きれい」

「凄いですね。こんなに色とりどりの花が咲くなんて」

「でも、咲いていられる時間は短いんです」



パナシェの言葉どおり、妖精達の舞が沈静化していくのにあわせ色とりどりの花は早くも散り始めていた。

まるで、その瞬間だけが一生であったかのように散っていく花はどこか哀愁を誘う。

しかし、花が散った後には小さな実のようなものが出来ているのも確かに見えた。



「なるほど、だから花祭りなのか」

「はい、ユクレスの木は年に一度実をつけます。でもその実は妖精達がああして力を与えないと出来ないみたいなんです」

「そうなんですか、不思議な現象ですね」

「見てくれましたですか? マルルゥの晴れ舞台なのですよー♪」

「ああ、綺麗だったぞ」

「はい、凄かったです」

「楽しんでいただけたのなら嬉しいのですよ♪」



流石に少し疲れたのかマルルゥは汗をかいている様だったが花の妖精であるせいか、汗の独特のにおいなどはしなかった。

ハサハもスバルも楽しんでいたようだったし、来てよかったのかもしれないと思う。

その日はマルルゥ達も交えて屋台を回りハサハが寝てしまったので背負ってやりながら、帰ることになった。

アティ達に俺の焦りを見抜かれていたのかもしれないな……。
























お祭りの帰り、アキトさんがハサハちゃんを背負って帰る事になった時です。

私も一緒に帰ろうと思ったのですが、変わった人を見かけたので声をかけて見ることにしました。



「クノン、貴方もお祭りに来てたんですか?」

「はい、少し思うところがありまして」



クノンは祭りを遠くからぼーっと眺めています。

いえ、クノンはいつも無表情なのでぼーっとしているという表現は適切ではないのですが。

すると、気がついたのかアキトさんがやってきました。

アキトさんはクノンを見つけるのは苦手みたいです。

気配で察しにくいということだそうですけど、それはわかります、動く時に筋肉が収縮するわけじゃないですし、呼吸発汗などもあまり分かりません。

目で見ないと見つけにくいという点ではクノンは見つけにくいでしょう。



「どうした?」

「あっ、はいクノンが」

「なるほど、珍しい所で合うな」

「こんにちはアキトさま、アティさまも先ほどは挨拶もせず申し訳ありません」

「いえ、質問を投げかけたのは私ですし」

「質問そうですね……アティさま、また、質問をしてもよろしいでしょうか?」



クノンは私に向かって真剣な表情を向けます。

そう、いつもあまり表情を変えない彼女ですが、何か気迫の様なものが伝わってきます。

私はつい嬉しくなって微笑みながら言葉を返します。



「なんですか、クノン?」

「以前、私は貴方に<うれしい>という感情について質問しましたが。

 なにをどうすれば<うれしい>と思ってもらえるのでしょう?」



うわっ、なんとも確信を突いた質問ですね。

この間の質問の続きなのでしょうけど……。

でも、そうですね……絞り込む事が出来るでしょうか?

いえ、やはりそういう方法で答えても分かってもらえないかな……。



「それは、えっと……」

「やはり、おかしな質問なのでしょうか?」

「いや、そんな事はないですけど……ただ、こればっかりは相手と場合によって、

 全然ちがってくるものですからねえ。クノンが求めているような、絶対的な答えは存在しないのよ」

「そうなのですか……」

「クノンが<うれしい>と思ってもらいたい相手って、アルディラのことだよね?」

「なぜ、ご存知なのです!?」

「別に驚くような事じゃないですよ、クノンなら、きっとそうかなって……」

「わかってしまうのですか……」



見かねたのかふとアキトさんが口をだします。



「むしろそういう部分はお前達の方が得意だと思うが?」

「それはどういう意味でしょうか?」

「行動の可能性を予測するには過去のデータを参照すればいい」

「確かにそうですが……」

「クノンお前の過去の行動を見ればアルディラをマスターとして行動基準を決めているように見える」

「それは否定しません」

「なら、俺達はその行動からアルディラに対して一番好意を寄せているのだと思うわけだ」

「行動からの予測ですか、確かに間違いではありません。しかし、基準点を持たない私ではそれをするのは難しい」

「基準点か……」



アキトさんはふむ、と少し考え込むようにして頷きます。

それは一体どういう事でしょうか?

アキトさんが言葉に詰まるほどのことなのかな、多分こういうことじゃないかと思うんですけど。



「どうしてそう思ったの? なにか、きっかけがあったんですよね?」

「それは……多分、貴方たちがやって来たからだと思われます」

「え?」

「以前のアルディラさまは、護人としての役目を果たす以外には他集落の人々と、進んで接触をもつことはありませんでした。

 ですが、貴方と行動を共にするようになって、多くの者たちと会話をかわすようになって、

 アルディラさまは私の知らない様々な表情を見せるようになりました。

 そして、私はようやく気付いたのです。あれが、本来のアルディラさまの姿なのだということに。

 今までがむしろ不自然だったことに」

「……」

「ラトリクスの同胞で、高度な対話機能をもつのは私くらいです。

 なのに、私が不完全な感情プログラムしかもっていないばかりに……。

 アルディラさまがあのように笑えることさえ、私は知らずにいたのです。

 何年も、お側に仕えてきたというのに……」

「クノン……」



そういう思いをずっと背負ってきたのだと思うと、私は少し目頭が熱くなるのを覚えました。

つまり彼女は自分のもどかしさをどうにかしたいと考えているという事なんだと思います。



「知りたかったのです。アルディラさまに<うれしい>と言ってもらえる方法を。

 仕組みを理解して実戦したかったのです。ですが、今のお話で私には無理だとわかりました。

 やはり、機械には生物の感情を理解することは不可能だということなのですね」

「そんなことないです! クノンにだってきっとできますよ。できるはずです!」



それは、むしろ当然じゃないかと思います。

だって、そこまで考える事ができたんですから。



「根拠はあるのですか?」

「それは……今、クノンは悩んで、だから、私に質問をしてきたんですよね?

 理詰めで納得できないから、こうやって相談してくれたんでしょ?」

「……!」

「それは、人間と同じ考え方じゃないかな?

 感情を持った生き物の考え方だって、私は思うんだけど……」

「私が……そんな……ありえません……」

「否定する事なら誰にだって、簡単にできるよね?」

「でも、それじゃその先にあるものには絶対、届かないんだよ」

「……」

「良く考えてみて? アルディラのことだけじゃなくて、クノン自身のことを。

 そうすればきっと見つかるはずです。クノンが探しているものの答えが……」

「私の……答え……」



クノンはその考えに没頭するためでしょう、歩いてラトリクスに帰り始めました。

道が違うので心配ではありますが、私達は私達で帰らねばなりません。

アキトさんはずっとハサハちゃんを背負ったままですしね。



「我思う故に我アリか……」

「え?」

「自我というのは難しいものだな……」

「そうでしょうか?」

「ああ……」



アキトさんはここではないどこかに思いをはせているようでした。

それは多分過ぎ去った過去、でも、今のアキトさんを形作る重要なピース。

私は、この剣でそれを砕いてしまうかもしれないという事があらためて恐ろしく感じました……。











次の日私は時間が空いた事もあり、狭間の領域で授業を行う事にしました。

召喚術の修行には精神集中も含まれます。

狭間の領域にある洞窟は瞑想にはもってこいですから。

ファルゼンさんの使っている洞窟ではありませんが、ブレイズさんに言うと快く貸していただけました。



「しかし、瞑想とは良い修行を行いますね。我々サイプレスの住人と心を通わせるには魂を鍛えるのが一番ですよ」

「はい、それにもっと基本的な召喚の安定にも役に立ちますから」

「確かにマナの流れを感じ取るという意味でもいいですね」



ブレイズさんはそう言って喜んでくださっています。

まあ、実際やるのはベルフラウちゃんとアキトさんなんですが。



「先ほどの話の流れで分かると思いますが、今日は瞑想をするために座禅をしてもらいます」

「座禅……ですの?」

「まるで禅宗だな。精神の鍛錬……まあ、木連式武術の一環として少しだけやった事はあるが。

 シルターンの文化じゃないのか?」

「ええ、その通りですがこの際どこの文化とかいうよりも使い勝手のよさを優先させてもらってます」

「なるほど」

「様式美はあまりないですけど、手っ取り早いのはいいですわ」



二人とも理解はしてくれたみたいです。

しかし、アキトさんはまだ少し納得行かない部分があるみたいですね。



「この洞窟はそれなりに硬いようだが、ベルフラウはじかに座って大丈夫か?

 普通に座るのなら兎も角座禅はかなり痛いぞ?」

「ああ、それは大丈夫です。もう少し先に敷物を敷いてもらってある場所がありますので」

「そうか」



そうして洞窟の奥までたどり着くとそこにはブレイズさんに教わったとおり敷物が敷かれています。

二人にはそこに座禅をしてもらう事にしました。

それほど長い間してもらうつもりはありません最初からじゃ辛いでしょうしね。



「では、はじめてください。無理に座禅を組む必要はないですけど出来るだけそうしてくださいね」

「ああ、まあ辛くなったら適当に崩させてもらうさ」

「私は最後までやりますわ。この程度軍学校に入れば当たり前ですものね」



いや、どちらかというとやっている時より後の方が面倒なんですけどねこの座禅って。

さて、その間私はどうしましょう。

……あれ?

敷物を敷いた所の奥にまだ何か続いています。

岩戸のようになった所をスライドできるようになっているみたいですね。

でもなんで開いているんでしょう?

誰か入っているという事なんでしょうか……でも一体誰が……。

私はふと興味を引かれ中に入ってい見ることにしました。

いや、だってねぇ危険がないかとか……気になるじゃないですか?

でも、中に入っても別に危険なものとかはなかったんですけど、少し先に部屋状にきっちり仕切られた場所があったのは驚きです。


私は興味を引かれその部屋にお邪魔させてもらう事にしました。

なんでしょう、敷かれている模様、ハートマークとか……いえ、それだけじゃなくてお部屋がファンシーなんですけど(汗)

それに……あそこにいるのは、ファルゼンさん?



「「!?」」



私は、いえファルゼンさんも一緒に固まってしまいました。



「ミ・タ・ナ……」

「いえ、その見てません! いえ見えちゃったんですけど! 忘れました!! ですから許してください!! 命だけは!!」

「……イヤ・アノ……」

「ごめんなさい、もうしませんから!! 趣味は人それぞれですし、私は非難するつもりなんてさらさらありませんので!!「」

「ソウデハナクテ……」

「本当にごめんなさーい!!」



私は思わず全力疾走で元の場所に戻ってきて更に岩戸を思いっきり閉めました。

なんというか、ファルゼンさんがファンシーな趣味をしているなんて……いえ、別に悪い事じゃないですけど。

でも、その後のファルゼンさんの顔が怖くて見れなかったです。

やはり人のプライベートを覗くなんてよくないですね。



「何をやっているんだ」

「ひっ!?」

「あら、戻ってきましたの?」

「ああ、アキトさんにベルフラウ……心臓が飛び出すかと思いましたよ」

「お前の方こそ座禅でもして落ち着いた方がいいんじゃないか?」

「いえ、はあ、まあそうですね……」



その後、私も加えて少しの間座禅をしてから帰ることになりました。

ファルゼンさん結局出てはこなかったみたい。

でも、ファルゼンさんには悪い事をしたな……。

傷ついてないといいんだけど……。


そうそう、ベルフラウはやはりまだ座禅は早かったみたい。



「あ……あ、足……ッしびっ、しびびっび……っ!?」




















あとがき


最近SSを書くという事の難しさがひしひしと押し寄せてきます。

自分で言うのもなんですが、話を作るエネルギーというか細やかさがかけてきている。

このままではまずいとは思うんですが……。

さて、どうしたものだろう。

今後のことも考えると、もう少しネタをいろいろ考えたほうがいいのでしょうが。

今回はそういうこともあり少し花祭りなどといったネタを作ってみました。

ただ、そろそろ戦闘メインに切り替えるべきかもという思いもあるんですがね。

どうしたものでしょう……。








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