はっきりとしないこと。



はっきりとさせないこと。



それがいい事かどうかは知らない。



ただ、はっきりとさせたい思いだけは誰の中にもある。



しかし、はっきりとさせた時、後味の悪さだけが残る事の方が多い。



結局それは、傲慢さが生み出したエゴなのだろう……。


光あふるる場所
In a far star of the future



第八話 「ナオ」



一杯の紅茶、俺は中華を中心に学んだ事もあってかあまり詳しくは知らないが、香りも味も新鮮に感じる。

当然と言えば当然だ、今まで全ての物の味は俺にとって石鹸のようなものだったのだから。

紅茶を口に含む、たったそれだけのことに幸せを感じてしまう自分の滑稽さに失笑を禁じえない。


「フッ……」

「マスターいかがされましたか?」

「いや、味覚を感じる事が出来るというのは素晴しいな、失って初めて分かるという奴だ」

「五感の復活おめでとうございます」

「そうだな……めでたいのだろうな……」


どうしても、自分が幸福を感じると思ってしまう、これでいいのかと。

しかし、それを考えても仕方ない。

罪を償う事など出来はしないのだから。


「傲慢な考え方だな……」


もう、理論武装は癖になってしまった。

臭い物には蓋をするように、自分の心にも蓋をして弱い自分から逃げている。

だが、それでも前に進むためには必要だと言い聞かせて。

今ではもう、蓋の中を覗く事すら怖くて出来ない。


「奴に言われた意味、恐らくは間違ってはいないのだろうな……弱い心……か……」

「マスターの今までの行動は否定されるべき行動ではないはずです」

「?」


気がつけばサレナが部屋の中にいた。

ずっといたのだとすれば、俺も間抜けな話だな。


「マスターの心理までは言及できませんが、結果が全てだと考えるならあの結果は間違いではありません」

「全てが上手く行ったと?」

「いえ、100%の結果を出すことは神という概念を持ち出さねば不可能です。

 それだけに100%に近い結果であった事は否定されるべきではないと考えます」

「それでも、それでもだ……より100%に近づく事が出来たのではないかと考えるのは人間の性というものだ」

「犠牲がいいなどとは言いません、それを無駄にしてしまうのは犠牲を出した物が折れたときであると聞いたことがあります」

「そうか、そうだよな……」


だが、それも既に結果を出した後で、しかも今までの俺は誰も知らないのだ。

折れてしまいたくなる……。

それでも……。


「さて、気晴らしに散歩でもしてくるか」


マシロちゃ……っとマシロ女王も執務で忙しいらしく、夜までは身動きが取れないだろうとの事だ。

俺は建物の近くにしつらえてある、森の中に分け入った。

理由の一つは自然の空気をかいで見たいからであったが、生徒との接触を回避する意味もある。

授業中らしいからそうは出会わないだろうが。

幸いシズル・ヴィオーラも今はいない、監視カメラの配置は気になるが、映って困る事も無い。

そう思いながら、サレナと連れ立って歩いていると、ふと頭上に気配を感じた。

別に敵意があるわけでも無いが、気になったので見上げて見る。

すると、そこでは驚いた顔をしたガルデローベの生徒……

制服から見てパールオトメだったか、が、俺と目を合わせる。


「見つかった!?」


木の上から器用に飛び降りたのはワインレッドの髪をセミロングにした、つり目の少女だ。

雰囲気からどこか裏の匂いがする。

だが、殺しをするものの持つある種の共感はない。それでも近しい所にいる感じはあるが。

ワインレッドの髪の毛というのが地毛とは信じがたい……不良と言う事なのか?


「良く見たら、ガルデローベ初の住み込み男じゃない。アキトって言ったっけ? 噂は聞いているよ」

「?」

「サングラスを撮ったら可愛い顔してるってね♪」

「そうか?」

「はぁ自覚が無いって言うのは罪ね」


赤毛の少女は少し呆れた顔をする。

可愛いなどと言われたことが無いから分からないな。

そもそも、中学生か良くても高校生程度の少女に言われる事でも無いだろう。


「まぁいいや、それでそっちが噂のオトメロボ?」

「オトメロボとはどういった意味でしょう?」

「いや、そのまんまの意味だけどね」


なるほど、言われてみればオトメロボというのも分からなくは無い。

ちょっと情緒の無い呼び方だが(汗)


「それで、学生が授業中にここにいるわけは?」

「任務中……って言いたい所だけど、ただサボってるだけ」

「そうか……それじゃあな」


注意すべきなのか、俺には分からない。

そもそも、学園の事はさっぱりわからない。

だから俺は見なかった事にして散歩を再開しようとした。


「とと、ちょっと待ってよ。そこで終わりって言うのも寂しいんじゃない?」

「とは言われてもな、そもそもここの事も良くは知らない」

「そんな感じだね。じゃあ案内したげよっか?」


いたずらっぽい表情で俺を覗き込む少女に対し俺はどうすべきか迷う。

確かマリアとか言うここの教師に接触を禁じられていたんだが……。


「そうだな、一体どこを案内してくれるんだ?」

「そうこなくっちゃ! アタシはジュリエット・ナオチャン。ナオって呼んでね〜」

「俺とサレナのことは知っているようだな」

「うん、テンカワ・アキトだっけ、アキトって呼んでもいい?」

「好きに呼べばいい」

「じゃアキト。ヴィントのダウンタウンって興味ない?」

「なるほどな」


ジュリエット・ナオチャンと名乗った少女は迷い無く歩いていく、

ここには監視カメラが多数仕掛けられている事を思えば、その位置をほぼ把握していると考えた方がいいだろう。

途中ちょっと待ってと言われて、俺がその場で留まっていると、2分もしない間に服装を着替えて戻ってきた。

裸はただじゃないのよ、とか笑いながら言っていたが。

それよりも、服装を森の中に隠している準備のよさに感心する。


「ここにはちょっと抜け道があってね。ガルデローベに知られたくないときとかに使っているんだ」

「そんな抜け道を教えて大丈夫か?」

「他にも幾つかあるしね、なんと言っても広いからこの敷地。完璧なつもりでも結構穴があるんだ」

「そういうわけか、随分入念に調べてあるんだな」

「さてね、でもアタシもただオトメになりたくてここに来たわけじゃないって言う事かな?」

「……」


ナオに連れ立ってヴィント市に入り込む、木が壁より上に張り出している場所があったのでそこから飛び越えたのだ。

ローブを発現すれば一発で発覚するためそれ以外の方法で出入りしないといけない。

そういう意味では、そこは絶好の外出場所ではある。


「サレナ、どうだ?」

「はい、索敵範囲には反応ありません。発信機のカウンター効果継続中。効果は完全だと予測します」


俺に付けられた発信機、サレナはその波長を解析する事に成功している。

森の中に俺の発信機と同じ波長を出す物を置いてきてある。

自動的にある程度移動し、更には俺の立体映像を投射する能力まで有しているらしい。

俺の指輪の発信機はサレナのによる相殺用の波長によって相殺されているので、現時点ではばれていないだろう。

とはいえ長時間離れれば監視が見に来る可能性もある。

限度は3時間と言った所か。


「ところでさ、アキトはガルデローベに来た目的なんかはあるの?」

「目的……か、単なる事故だからな……帰る事ということになるかな?」

「なんかやる気なさそーだね、本気で帰りたいと思っていないでしょ?」

「否定できないな、俺も元いた所では立派な犯罪者だ。帰った所で居所などないさ」

「ふぅん、じゃあ、結局ここでいるんじゃない? ガルデローベでいつまでもいられるわけ無いし。いつかは出て行くんでしょ?」

「そのつもりだが……」


ナオは俺の事を根掘り葉掘り聞いてくる。

世間話のようだが、そこには興味の色が見て取れる。

一般的な興味ではなく、利用出来る何かを探る目だ。

しかし、核心には触れていない。

俺がどこから来たのか、どのような秘密を持っているのか、どうして特別待遇のようになっているのかなど聞たい事はあるはずだが、

用心深いのだろう。

俺を連れ出したのも恐らくはガルデローベにとっての俺の重要度を探る意味合いがあるのは間違いない。


「で、ここがアタシの行きつけの店」

「ほぉ」


文字は読めないがバーだろうな、ネオンを見れば他には思いつかない。

サレナを伴って店内へと入っていく。

十代の少女が入るには似つかわしくない場所だ。


「もしかしてアタシが未成年だからしぶってる?」

「否定はしないが、割り切ることにしている」

「ぷっ、クククククッ!」


俺の反応に、いきなり笑い出すナオ。

俺は少し憮然としつつも、疑問に思い問い返す。


「何かおかしいか?」

「いやははは!

 あんた案外いい人だね♪

 ククッ……こういう所に来る人間は大抵アタシの事を未成年とか気にしたりしないし。

 逆に気にする人間はこういうところに来る前に止めるでしょ?

 来た時点でかなりヤバイ人かも、って思っていたけどさ。

 まさかここに来てから飲酒の心配するなんてね。

 はははははっは! お腹痛い……」

「いやだから……」

「表情で丸分かりだって、ははは!」


どうやら表情が渋い顔になっていたらしい。

サレナに視線を飛ばすと、頷いて来る。

バレバレのようだ(汗)


「まぁ、アタシ、飲酒はあんまりしていないから気にしなくてもいいよ。

 っていうか、今回は別の目的もあってね……」

「別の目的?」

「野暮用、後輩がちょっと面白い事になっているみたいなんで、その様子見にね」


ナオは俺に一つウィンクをすると、バーの中に入っていく。

俺達も続けてバーの中に入っていく、ちょっと古臭い感じのバーだ。

木で出来たバーカウンターと、後ろに幾つかのテーブルがあるだけ、

酒を飲んでいる人間も男が大半で、純粋に酒を飲むだけのバーである事が分かる。

そこのテーブル席に4人ほどの男がたむろしている。

4人が4人ともナオと同じ青と白のストライプのシャツをしているのが印象的だ。

仲間という事か。


俺が近づいていくと、4人の中でもひときわゴツイゴリラのような男が俺を睨みつけてくる。

俺は逆に睨み返そうとするが……。


「やめときな!」


ナオの声でゴリラの様な男は視線をもどす。

とはいえ、みな俺とサレナのことが気になっているようだが……。


「そのお兄さんは、アンタ達が100人束になっても敵わない化け物みたいな人だよ、それでも喧嘩を売るかい?」

「いえ……ですが、姉さん……」

「大丈夫、アタシが招待したのさ。ちょっと訳有りでね……」

「しかし、100人ってマイスターオトメじゃねぇんですから」

「バ〜カ、マイスターオトメ相手ならアンタ達1000人でも駄目さ」

「そりゃ酷いですぜ、姉さん……」


何というか、分かりやすい力関係だ。

恐らく彼らの中で力を示して見せたら付いて来たとかそういう事だろう。

チンピラだったんだろうが、それだけに強いものには従順なんだろう。


「それで、連絡入れといたアレ、分かったかい?」

「はい、昨日から急に羽振りがよくなった奴がいやす。この界隈ではそういうことは筒抜けですからね」

「そいつはどこにいるんだい?」

「多分もうすぐここに来ますぜ、豪遊して昨日から飲み歩いていやすし」

「その前に潰れなきゃね」


何となくは理由が想像できた。

目的は制裁か拷問か何にしろ、相手をどうにかするのだろう。

羽振りがいいというからには泥棒か何かか?


「それで、俺をここに連れてきたのはどういったわけだ?」

「あー、ごめん。アキトにも係わり合いがあるかもしれないから。ちょっとね」

「というと?」

「アキトがガルデローベ入りしたのとほぼ同時に入学してきた子の事だって言ったら分かる?」

「アリカか……」

「そっ、制服をその手の店……ほら、妄想たくましい人用の古着屋にその子の制服が売られてたって訳」


それはもしや……ブルセラショップとか言う奴か……(汗)

つまりは、アリカの制服がブルセラショップに売られたという事……。

考えてみればありうる話だ、各国の代表が送り込まれている重要施設に、

背後関係も無く中途入学……ねたみを買いそうな事態だな。

いじめの一環と考えれば納得もいく。


「しかし、それで豪遊できるほどの稼ぎになるのか?」

「なにせオトメは知名度高いからね、その手の人なら三ヶ月分の給料をつぎ込んでも買うんじゃない?」

「そんなにか……」


……そうなると確かに売るべき価値が出てくるな。

流石に店でそこまでの値段は出さないだろうが、豪遊くらいは軽いだろうな。


「後輩がさ、いっちょまえに人の心配してやんの。だから貸しでも作っておこうかってね?」

「なるほどな、では俺は何のために呼んだんだ?」

「アフターケアかな、アキトって予想よりもいい人みたいだからさ。安心したよ」

「?」

「あっ来た」


ナオがそう言うと同時に千鳥足の酔っ払いが店に入り込んできた。

酔っ払いはカウンターで酒を注文すると豪快に飲み始める。

金が入った嬉しさで潰れるまで飲むつもりなんだろう。


「お兄さん景気がいいねぇ」

「くくく、おうよ。ちょっと仕事しただけでこんなに儲かるたぁな……ひぃっく」

「へぇ制服高く売れたんだ?」

「……ッ!?」


酔っ払いが驚きの声を上げようとしたときには既に酔っ払いはナオの手下達に囲まれていた。

なかなか統制の取れた動きだ。


「でさぁ、その仕事の事、ちょっと詳しく聞かせてもらえないかなぁ?」

「ジュリエット!?」


一瞬でナオの爪が10cmほどまで伸びる、男は恐怖に表情を引きつらせた。

これは、この界隈で有名になるほど暴れたということか。

しかし、爪一体どうやって伸ばしたんだ?(汗)

ローブを具現化しなくても高次物質化とやらが出来るということなのか?


酔っ払いから聞き出した情報によればその制服はかぎ裂きが出来たから捨てようとしていたガルデローベの生徒から譲り受けたらしい。

落ちていたのを拾ったと言う事にしていたらしいが、ナオも拷問は上手いようだ、脅しで殆ど相手を傷つけることなく情報を引き出していた。

その生徒の特徴を詳しく聞いたところ、ナオはミーヤ・クロシェットという少女を犯人と位置づけた。


「多分、彼女だとすると実行犯ではあっても主犯じゃ無いわね」

「何故そんな事が分かる?」

「彼女は取り巻きだからね、2年ではシホ、1年ではトモエの……自分からそんな事が出来るほどの度胸は無いよ」

「そういうものか……だとしてどうする?」

「表ざたには出来ないわね。とはいってもそのままにしておくのもちょっと気分が悪いけど……基本的に私得にならない事はしない主義なの」


一瞬真剣な顔をするものの、ひょいと肩をすくめて舌を出すナオ。

何事もはっきりさせるというのは学園内に波風を立てることになる、意味としては正しい。

しかし、そうなると……。


「その辺は後輩達に任せておけばいいんじゃない?

 事件は当事者に任せるにかぎるってね。

 それより、アフターケアの方が大事よぉ?」

「アリカの事か……」

「そっ、うちの少佐殿も何か動き出しているからね〜ちょっと先手を打ちたいと思っていたんだ」

「少佐……セルゲイ・ウォン少佐だな?」

「もう面識があった? ここ数年アルタイの国から来るオトメ候補は大抵アイツの引き抜きだから」


なるほど、ウォン少佐はオトメ関係の人事を取り仕切っているらしい。


「するとナオ、君はアルタイの……いやそれなら何故ウォン少佐の先手を取りたいなどと……」

「ちょっと事情があってアイツの事は信頼していないから、甘い言葉に踊らされると酷い目にあうからね」

「そうか?」


俺が会ったウォン少佐はむしろ堂々と策謀をめぐらすタイプに見えたが。

そういう陰湿なタイプなのだろうか?


「兎に角、元を断たないと同じような嫌がらせにあうからね」

「元というとアリカの後援者という奴か」

「そっ、お金は無い、素性は知れない、でもオトメとしては強い。更には試験もまともにせずに中途入学。いじめられる素養たっぷりでしょ?」

「確かにな……それで俺の金を当てにしていたというわけか」

「そういうこと〜」


ナオは嬉しそうに俺に問いかける。


「で、お金ある?」

「……多分な、だが俺の素性は怪しすぎる。かといって金だけを渡すというわけにも行くまい」

「自分でそういうことを言う人も珍しいわね〜。まぁだからアタシの出番って訳♪」


ナオの言う所によると、セルゲイ・ウォン少佐は匿名の手紙を書いて後援をする気でいるらしい。

そうする事で、後でアリカに対する発言権を得るのが狙いだとか。


「幸い、今は少佐よりもアキトの方がアリカには好かれてる。まぁ少佐はわざと嫌われている風でもあるけどね」

「?」

「私も詳しい事は知らないけどさ、あいつアリカの事はアリンコって言っているみたいね」

「アリンコか……」


確かに、ちょこまかした感じと髪型を見ればそんな感じがしないでもない。

なかなか上手い事を言う、と少しだけ思った。


「アリカも構わなければいいのに律儀に怒るから更にからかわれると。まぁそういう訳」

「なるほどな、親愛の表現として受け入れられるには時間がかかりそうな表現ではああるな」

「そこでさ、アキトのその反則的な容姿を使って校長を丸め込んでもらおうって訳よ」


丸め込むって……そもそも俺のどこが反則だ……。


「アタシ前にアキトを見たときはバイザーもしてたし、そのしゃべり方だし二十台後半っていう感じかなと思っていたんだけど」

「実際後半になりつつあるが?」

「いや、実年齢は知らないけどさ。素顔だと二十歳前で通用するよ。マシで」

「……」


二十歳前……いくらなんでもそれは……。


「童顔で女顔、体格はそこそこだし髪型がぼさぼさだからそれほど女々しくは無いし、やっぱり大丈夫」

「何が大丈夫なんだ……」

「ん? ああ言ってなかったっけ……学園長の好み」

「!?」

「白馬の王子様だってさ、いまどき珍しいよね〜そんな幻想いだいているのってさ」

「それと俺が一体どんな関係が?」

「決まってるでしょ、アキトがちょっと迫りながら頼めば学園長メロメロだよ〜♪」

「白馬の王子様とやらのイメージと俺が重なるとは思えないが」

「はぁ……サレナさんも苦労するね」

「はい」


俺が否定の言葉を吐くと、俺の横で控えているサレナに話を振る。

しかし、サレナが同意するとは……。

いったいどういう事だ?


「俺は美形というようなタイプじゃないが?」

「まーその辺の論議は兎も角、アタシの指示どうり動いてくれれば大丈夫!」

「……」

「アリカを助けたくないの?」


ナオは俺に向かってニヤリと微笑む。

足元を見てくれる……。


「じゃ、とりあえずデパートから回って見ようか?」

「何!?」

「その格好じゃ、センスがねぇ……」


ナオが俺の服装に文句をつける。

俺は、与えられた服をそのまま着ているような現状だ。

もともと、女子校であるガルデローベに男性用の服がそうあるわけでもないから、シャツとジーパン程度である。

正直そっけなさ過ぎるが、女性用よりはマシだ。


「しかし、外出がばれるんじゃないか?」

「心配無用! アタシからのプレゼントだから♪」

「いや、ナオちゃんも……」

「ぶっ、ナオちゃんって……本名ナオチャンだからやめて(汗)」

「すまん」

「アタシの外出がばれないか心配しているなら大丈夫、その辺融通が利くからねアタシは」

「ならいいんだが」


そうやって、一時間以上そこらを引きずり回された。

服装も一着ではなく、四着ほど選んでもらったが、支払いは確かに彼女のものだった。

とはいえ、彼女のお金はアルタイが出している公費らしいので、大丈夫なのか心配なところだが……。

本人いわく蛇の道は蛇だとか。


後日、俺が学園長の耳元で囁くと驚いた学園長は飛び上がったが、割と簡単にOKが出た。


ただ、匿名にするより名前を出した方がいいとアドバイスをもらったりもしたが。


さらに、その事に怒ったらしいシズルからねちねちと嫌味を言われるようになった……(汗)


ナオの方にも被害が出たらしいがどんな被害なのかは本人が明かしたがらないので不明である。


兎に角、それによりアリカの後援国がヴィントという形になりつつあるのは間違いないらしい。


女王陛下に文句を言われる事になりそうだ……(汗)













あとがき


はっはっは。

失敗したー!

これのどこがラブコメじゃ!

ってやつですねー。

でもま、環境がなかなか整わないんですよ。

ラブコメやるにはそれぞれのキャラが目立ち始めてから出ないと私には難しいみたいです。


そんなこんなで、今回はナオこと、ジュリエット・ナオチャン。

彼女は舞−Himeの時はあまり好きになれませんでした。

周囲全てに絶望して悪意を振りまく、そういった感じが見て取れましたから。

もちろん、それだけの理由があったんでしょうが、やはり悪意ばかり目立ちます。


でも舞乙−Himeになってから実に味のあるキャラになったと思います。

たとえて言うなら番長でしょうか。

ヒール(悪役)である事は変わらないんですが、

根は優しくて庇護下の人達を一歩ひいた目で見ながら、守るという感じがします。

後半は積極的にいい事をしていましたがね(汗)


まぁ割と好きなキャラですので今後も出していくのではないかと思います。

TVの流れのままでもいいんですが、そおそろオリジナルエピソードを入れるのもいいかもですね。

ちょっと考えてはいます。





WEB拍手にはいつも力を頂いております!

感想は嬉しいもんです!!
今後とも頑張っていきますのでよろしくお願いします♪



12月6日

22:30 アキトにはナギの思惑を上回る活躍を期待 
22:32 面白かったです。次も頑張ってください 
はい、いずれは上回っていく事が出来ると思います。人一人に出来る事には限界がありますが、色々味方を増やしていけば面白い事になるかも?

23:01 お早い更新お疲れ様です、毎日見に来ちゃってます
ありがとうございます。最近は合作絵のこともあり、少し更新が遅れていますが頑張りますのでよろしくお願いします。

23:52 うむ、微妙な所ですな。布石やらなんやらのお話のようでしたので、まあ次回に期待してますよ!
ははははははははははは(滝汗) ごめんなさい、今回も駄目でした。
このまま人気が落ちていきそうですね................................orz


12月7日

0:06 今回も良かったですよぉ〜(w でも、アキト一気にお金持ち、これを資金にオトメゲットだ!(w
はいなー、今回でそのお金結構使う事になりそうです。オトメの一年の学費1000万円也(爆)
 
0:48 更新お疲れ様です。毎回楽しく読んでいます。 
0:52 今回は「アキト、大金を得る」ってことで「アリカのおじ様」への道がひらかれましたね〜 
1:07 ナツキフラグ立つのでしょうか?立って欲しいですね〜 
1:12 ヴィントの貨幣価値ですが、5話を見ると「オトメフィギュア」が1100〜1500ほどとなっており、 
1:17 実際売られているフィギュアの値段は高い物で20000円くらいします。そのことから考えて 
1:19 「1V(ヴィントの通貨)=10円」くらいなのではないでしょうか? 長々と失礼しました。
なるほどー、分かりました。今後の参考にさせていただきますね。
とはいえ、そうなると前の話もいじらねばなりませんな(汗)
アリカのフラグ今回で取得しました、次回は少しその辺について触れたいなーと思っております。
頑張らねばな(汗)
 
1:20 「色々」ってなんですか?学園長?
五柱って派遣されている人たちがいますよね?
あの人たち静かにしていればいいんですが、それが出来る人たちなのかといわれると、微妙な人たちです。
彼女らが起こす破壊活動(やっている事は正義の味方)の修繕費、国際折衝の費用などそれだけでも金が飛びます。
それに、ナノマシンの維持管理って科学技術としてはオーバーテクノロジーなわけで、研究費だけでもバカになりません。
更には、騒動が起こった場合のもみ消し、見舞金なども何も五柱だけでもありませんしね。
なまじ力を持つだけにオトメ候補生は騒動をよく引き起こすと考えれば当然でしょうね。
ようは、何もアリカだけが騒動の原因ではないと考えた場合ですが。
 
3:28 アキトに対しナギは機転に関してはどうかと言っていますが、決断力と機転のどちらを欠いても極限の戦闘を 
3:29 生き抜く事は出来ないのではないでしょうか。まあナギはアキトの経歴を正確に知っている訳ではないので 
3:30 仕方ないのでしょうが。 
3:33 ただ、戦闘時に要求される類の決断力と機転が万事において発揮されるとは限らないのも事実なので、アキトの 
3:34 性質に対する評価も場合によっては間違っていないのでしょうね。 
んー予想通りといいますか(爆)
【この場合の機転とは知った情報を即座に生かす能力であり、決断力とは迷い無く実行する決意の強さである。】
と注釈を入れたのは突っ込みが来るだろうと予測したからです。
アキトは作戦能力もそこそこあるかもしれませんが、軍師向きではないはずです。
その点、ナギは陰謀をめぐらせるのは得意ですし、セルゲイもナギほどではないにしろ、情報を生かす事が出来る人です。
アキトの機転が無いというわけではなく、限定的な意味合いですので、お許しを。
そもそも、機転って意味合いが広いですからね(汗)

4:53 次回更新も楽しみにお待ちしております!!
ありがとうです! 次回も頑張ります!

5:03 アキト マシロに飼われる事に? 次はどんな敵が! 
wwwしばらくは敵はあまりでないかと。コメディに持っていくのは難しいですがちょっとのんびり行きます。

5:28 お疲れ様ッス。次も頑張って下さい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 
はい、次回もがんばります! でも私にはギャグセンスはないですorz

9:42 原作見たことないですけど、次も楽しみにしちょります 
はいな、原作を見なくても楽しめるように気をつけて書くようにしますね!

12:39 lol!! ラブコメですか。 此を読む為にアニメを観ました。楽しみに待ちます。
ごめんなさい、失敗しましたorz もう少し研究して出直します。
 
17:45 この作品は、自分の中で最も続きの気になる作品です。
ありがとうございます! 少しずつでも楽しい作品になるようにがんばります!
 
18:15 毎回面白いと思ってますよ〜。大丈夫ですよ。見放したりしません 
見放さないでいただけると私としてもやりがいがあります! 感想こそがパワーの源っすから!

23:43 アキトには 女難が付き物 いと哀れ? ともかく次回も楽しみにしています 
ありがとうございます、アキトの女難はこれからも続きます。つーか酷くなる一方(爆)


12月9日

17:31 先生の作品はとても面白いですw 次回の更新を楽しみにしてます 
17:32 拍手の中にウルトラバストインパクト・・・・あれが出ると漫画編になってしまう・・・・
先生!? 私ですか!? 呼ばれたのが初めてなのでびっくりです! いや気に入っていただけているようでうれしいです!
ウルトラバストインパクトは難しいかな(汗) でも、それっぽいのを何とかしてあげたいかなーっと考えています。
というか、マイスターローブも用意してあげたいし。


12月10日

0:03 ミス・マリア(若)はどうなるんでしょうかね。アキトとの絡みをもの凄く考えてしまう(笑
ははは、彼女に認められるには、時間がかかりそうですね。
厳格を絵に書いたような人ですから、多分アキトを追い出したいと思っているはずですし、
例え認めてもらえたとしても、恋愛感情を抱けるほど年が若くないという事もありますしね……。
 
2:16 アキト、ガルデローベに入る。ミスマリヤやその他の生徒の信頼を得るために苦労 
2:19 しそうですね。ま、アキトだったら無意識のうちに得ちゃうんでしょうけどねw 全世界のお偉いさん方には 
2:22 注目されてるし、北辰も出てきた。ローブを手に入れたら、世界で唯一のオトメを守護する者になるのかな? 
2:23 マシロを導く一人としても頑張らなくちゃいけないし、やることがいっぱいありますねw 
2:25 長々と失礼しました。今回も楽しかったです。ありがとうございます! 
信頼を得るのは確かに苦労しそうですね。それにいつまでガルデローベにいられるか……。
まぁ恋愛のガードが低そうな人から徐々に毒を染み渡らせていきます(爆)
オトメを守護するですか……それはどうでしょうね……一方の陣営だけにオトメがいるわけでもないですし。
でもま、オトメに匹敵する強さはいずれ得られるように考えています。
マシロは、君主としての成長を促すのが難しいキャラですしね……。
でも、アキトも早い事ヴィントの現状を知らなければならないかな(汗)
貴重なご意見ありがとうございます!


今後もがんばりますのでよろしくです!



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