人にはやりたいこととやるべき事がある。
やりたいことは綺麗な生き方に近づく手段。
やるべきことは生きるために必要な事。
両方が一致する事は極めてまれだ。
生きるためには泥水をすするような汚い場面も多い。
だが、誰もがやりたいことを持っている、事の大小の違いはあるが。
ただ、誰かに必要とされたとき、例え汚くても必要としてくれる事を糧とする事もできる。
だから人は人と寄り添うのかもしれない。
光あふるる場所
In a far star of the future
第十一話 「温泉」
砂漠を行き来する砂船。
地球では考えられない事だが、惑星エアルではさして珍しい物ではない。
惑星エアルには海が少ない。
水がないわけではないが、地中に埋もれている事が多く、砂漠地帯が広がっている場所も多い。
砂漠はそれぞれが繋がっており国境をまたいで存在している。
しかも、岩砂漠より砂砂漠が多いため、自動車の類もあまり有効とは言えず、砂砂漠を安全に渡る方法として砂船が使われている。
50年前の竜王戦争時代までは飛行機で行き来する事の方が多かったらしいが、
今ではロストテクノロジーとなっており砂船は交通、軍事ともに欠かせないものとなっている。
「うわぁー、凄い凄いー! ヴィント市がもうあんなにちっちゃくなっちゃった!」
「アリカ、はしゃがないの。私達は授業を受ける代わりに護衛の仕事をする事になっているのよ?」
「うん、わかってるわかってる! でも、砂船って乗るの初めてだから」
「……そういえばアリカ、一体どうやってヴィント市に入ってきたの?」
「えっ……歩いてだけど?」
「はぁ……」
二ナはアリカの無謀ぶりにあきれ返る。
ヴィント市の周囲50kmはどこも砂漠だ。
交通の要所であり、王宮やガルデローベがあるため大都市ではあるがヴィントの都市部は直径30km程度にしかすぎない。
歩いてくるという事は砂漠を踏破したということに他ならないだろう。
それどころか、故郷からずっと歩いてきたという事なら何度も砂漠を歩いているはずである。
ヴィント市に身寄りがあるわけでもなく、本当の母の行方を捜すという目的だけで。
アリカの一途さは純粋に凄いと思うものの、無計画さは目に余るものがあった。
「アリカ、あなた一度考えてから動かないといつか本当に死ぬわよ?」
「えっなんで?」
「……」
二ナはアリカが全く理解しようとしないのを見て一瞬詳しく説明しようとするが、
別に深い知り合いというわけでもないアリカにそこまでする理由を思いつかず、
一瞬ばつが悪い表情になるものの、無表情に背中を見せて歩き出そうとする。
「え? 教えてくれないの!? ねぇ二ナちゃん!」
「うるさいわね、別に貴女がどこでのたれ死のうと知った事じゃないと思っただけ」
「うっ、二ナちゃんつめたいー!」
アリカはちょっとすねたように二ナについていく、しかしふと表情をもどし、
「ねぇ二ナちゃん。今日アキトが手料理作ってくれるんだけど、一緒に食べない?」
「何で貴女と一緒に食べないといけないの?」
「ねぇねぇいいじゃなーい」
「うわ、わひゃ!? なつくな! わかった、わかったから!」
二ナ・ウォン。クールに決めるには少しばかり敏感肌な女の子であった。
「納期ぎりぎりだすな。どういう積もりだすか?」
「ぎりぎりでも納期は納期。破っているわけではない」
「ぐぬぬぬっ、我輩を愚弄する気だすか!?」
「事を構えたければ構えればいい、それで得をするのはどこか考えて見るんだな。それに性能は十分なものを用意した」
「ふむ……それもそうだすね」
砂船からの荷を一時的に保管するための倉庫街。
巨大な倉庫が林立するその一角にて、
派手な装束を身に纏って両手に10の指輪をはめた太った男と、
組傘(編み笠の一種)をしたやせこけた男。
一目で分かるほど異様な取り合わせである。
「しかし、カルデアも協力してくれるとなれば我輩も安……」
太った男が何気なくこぼした台詞に一瞬組傘の下から覗く赤い瞳が射殺すように開かれる。
「ひぃ!?」
「我らは秘匿を重んずる、次に口に上らせるような事があれば……」
「わっ、わかってるダス。次からは気をつけるダスから……おっかない目をするのはやめるダスよ」
「……」
組傘の男は相手が驚く振りをして目で合図を送ったのを見逃さなかった。
組傘の男は一気に横っ飛びに避ける。
しかし、避けたはずのそれが追いかけてきている事に気づく、反撃の態勢をとろうとしたときには遅かった。
背後には深緑と赤紫を基調とした服を身に纏った女が出現している。
「ほう……」
「我輩に何の備えも無いと思ってたんダスか?」
「クククッ、それで? 我ををどうするつもりだ?」
「別にどうするつもりも無いダスよ、敵対する気も無いダスしね」
「時間か……」
「察しの通り、暫く大人しくしていて欲しいダス。今帰ってもらうと色々と面倒ダスからね?」
「抜けている芝居をするとは、なかなか策士だな」
「政治の世界は格好だけではやっていけないダスよ。
いずれそちらには協力してもらうダスが、今介入されては我輩の立場も危ういダスからね。
ゆったりとくつろいでいくと良いダス」
そう言うと太った男は片手を上げて女に命令する。
女はやせた男を連行し、その場を立ち去る。
「クククッ、これで駒は揃ったダス。女王の誕生日まで待つつもりだったダスが……。
自分から飛び込んできてくれるとはラッキーダス。
さて、もう一方の仕込みも見ておかないといけないダスな」
そう言って太った男は歩き出す。
倉庫には大量の木箱があるが確認しようともしない、ある意味でこの中にあるものを信用しているのだろう。
その日のうちに中の木箱は運び出され、ここに何があったのかを知るものはいなかった。
船はレルゲンシュタット侯爵領の都市レルゲンハイトへと到着した。
とはいっても、俺はこの星の地理を良く知らない。
地軸の傾き方も知らないのだから東西南北すら知らない。
ただ、砂船でほぼ一日の距離にある事がわかるだけだ。
この砂船の速度は時速20km〜30km程度を維持していたから、400km〜600km程度。
とはいえ、途中何度か方向転換や迂回などを行っている。
日本で言うなら新幹線の東京〜大阪間が約550kmらしいからその程度の距離だろう。
俺達の目的は、マシロ女王の身辺警護だが、マシロの本来の目的はレルゲンシュタット侯爵の監査である。
とはいえ、俺に合わせてもらっている部分もある以上、ここに留まれるのは3日。
監査を行うなら休んでいる暇は無い……のだが……。
「おおーなかなかではないか」
「陛下、旅館に予約は入れておりますが。その……本当にいいんですか?」
「何をじゃ?」
「陛下は監査なのですし、レルゲンシュタット侯の城に泊まるべきなのでは……」
マシロを心配してアオイが言う。
確かに、本来はそうなのだろう。再三要請も来ているらしい。
しかし、こう表ざたになってしまってはあまり監査の意味は無いかもしれないな。
本来隠すべきものは既に隠し終えているだろう。
後は痕跡の調査と言う事になるのだが……。
何人か本来の監査役も連れてきてはいるのだが、
証拠を押さえられそうに無いと考えてかやる気があまり見られない。
「何を言うておる!
既に奴はわらわを無視して税の引き上げを行っておるのじゃぞ!
今行ったら逆に捕らえられてしまうわ!」
「そういわれれば……そうなのでしょうか?」
アオイが俺に話を振る。
政治向きな話はあまり得意ではないが。
「相手の意思にもよるが、普通なら女王には手出しできないだろう。
そんな事をすれば自分が国軍を敵に回す事は間違いないのだからな。
だが、それでも目立った事をしてきた場合は他国なりの援助があると考えても良い」
「他国ですか……そういえば、最近申請に無い貿易船が出ていると書類に書いてあったと思います」
「……それはまずいな」
「えっ!? え!? そうなんですか!?」
「その密輸船が武器を密輸していた場合、内乱になる可能性もある。武器は高いからな、増税の要因としても十分考えられる」
「な!?」
「いや、あくまで最悪の可能性を述べただけだ。他の理由も考えられるがな」
「そう、そうですよね。謀反なんてそうそうおこりませんよね?」
アオイは胸をなでおろしたようだったが、まだどこか不安そうにしている。
実際問題。まずい事になった。
もし、本当に謀反をたくらんでいた場合、マシロは飛んで火にいる夏の虫そのものなのだ。
むしろ、今回旅館に泊まったのは正解か。
「遅いぞ! さっさと来ぬか!」
出迎えのリムジンに乗り込み俺達を呼んでいるマシロの能天気さに少し頭痛を覚えつつ、俺はサレナを伴い同じリムジンに乗る。
アオイも乗り込んだので、4人乗り込んだ事になる。
オトメ達や監査役、護衛兵はそれぞれ別の車に乗り込み、前後を行く。
「目立ちすぎる……」
「そうか? わらわの出迎えとしては格段に少ないぞ?」
「一応お忍びですし……でも、これじゃあんまり意味ないですね」
「熱源体が多いので警備は少々難しいと思われます」
確かに、お忍びのはずの監査も砂船の貸切などという目立つ事をすればこうなるのは当然かもしれない。
このリムジンが城への招待でないだけまだマシなのかもな。
リムジン自体はアオイのチャーターらしいので問題なさそうだが、自分でも失策に気づいたらしい。
いくら防弾でも、この世界にはそれ以上に危険なものがある。
「そういえば、聞いていなかったが。レルゲンシュタット候にはオトメがいるのか?」
「おる、一応じゃがな」
「一応?」
「ガルデローベの生徒もピンキリなのと同じように、ジェムにもピンキリがあるという事じゃ」
「つまり、マイスターとしては弱いと言う事か?」
「うむ、そのオトメもパールとしては落第ギリギリ、普通ならオトメになれなかった程度の実力しかないし。
ジェムも欄極の青珊瑚とか言う中途半端なジェムじゃ」
「陛下、それはあんまりじゃ……」
「何を言うか、青珊瑚などと言っておるが本当は緑色じゃし、そもそも珊瑚はコーラルではないか!」
「あは……あはは(汗)」
アオイは必死にごまかそうとするが、確かにコーラルローブは珊瑚という意味らしい。
つまり、そのマイスターのローブはコーラルの亜種という事になってしまうわけか。
しかし、それと強さとが関係あるのかは疑問だがな。
何にしても警戒は必要だと言う事か。
それからしばらくして、特に何事も無く旅館にたどり着く。
ただ、旅館とはいえ、女王が泊まるというのである、一番の設備を持った場所らしく、
たたずまいからして違う……というか、ここだけ日本式というのはなぜだ?(汗)
マシロの部屋の隣を詰め所として確保しているので、一度そこに集まり協議した結果、
アリカと二ナが身辺警護をし、エルスとイリーナが控えとして詰め所で待機、
サレナは遊軍として控えてもらい、俺とチエは別々に旅館内及び近辺に不振な様子が無いか探る事になっている。
出入り口は王国軍が固めているが、規制できるのは一般人くらいだろう。
特にこういった和風旅館は赤外線くらいしか警備に使えない。
それすら領主にとって見れば無いも同然のはずだ。
出きれば荒事は無しにして欲しいものだ。
そんな事を考えながら旅館の周辺を見て回っていると、公園を見つけた。
公園とはいっても、申し訳程度の木を植えて、ベンチをしつらえてあるだけの小規模なものだが。
公園のベンチには学生服の少年が座っている。
特に変わった事でもないので通り過ぎようとしたが、
俯いた顔が気になり、話しかけてみることにした。
薄紫色の髪の毛に、あの顔立ち……誰かに似ているような……。
「どうかしたのか?」
「えっ、あっ、はい……いいえ、その……」
少年は俺を見て驚いた顔をし、そのまま混乱しているようだ。
「その……ボクに話しかけたんですか?」
「ああ」
「ごっ、ごめんなさい。その……」
「……? 謝るような事があったか?」
「あっ、その……ごめんなさい」
少年は俺に対して怯えているようだった。
俺は殺気を放ったりすればそれなりに恐れられるが、バイザーをしていない状況では、逆に子供受けが良い。
あまり自慢できる事でもないのだが、最近自覚するようにはなった。
童顔も使い方次第と言う事かもしれないな。
しかし、そんな俺を見て怯え、謝るという言は、恐らく、常に謝らなければいけない状況にいると言う事。
予測されるのは、家庭内暴力やいじめ。
人気の無い公園に一人座っているのもそのせいだろう。
何かあったのではなく、常に何かあると言う事か。
「邪魔をしたみたいだな。すまない、俺はもう行く」
「あっ、まっ……待ってください!」
少年は俺が背を向けそうだと感じると、必死に俺に呼びかけた。
「どうかしたのか?」
「いえ、あの……聞きたい事があるんです」
「あまり時間は取れないが、いいか?」
「はい」
少年は俺が立ち止まるのを見ると少しだけほっとしたようだ。
俺は少年の座るベンチの逆側に腰掛ける。
「ボク身寄りが無くて……孤児院でいたんですけど……最近引き取られたんです。
そこの人はボクに優しくしてくれるんです。
でも……」
「でも?」
「何か、何かおかしいんです……。
引き取ってくれた人とはボク仲良くしようとしたんですけど、何もしなくて良いって……。
でも、礼儀作法だけはうるさかったり、
それに手を怪我したときは何も言われなかったけど、顔に傷が付いたときは凄い剣幕で怒られたし……。
そもそも、子供が欲しいならもっと小さい子が孤児院には何人もいたのに、なぜボクを……」
つまり、自分が孤児院から引き取られた理由が何か特殊なものだと気づいたと言う事か。
だが、この子の被害妄想の可能性もある、そもそも、俺はこの子にできるアドバイスなど持っていない。
「お前は今から孤児院に戻る事ができるのか?」
「いいえ……あそこでいたころは、学校ではいじめられ、帰っても役立たず呼ばわりでしたし……。
帰ったりしたら、どうなるのか考えたくも無いです」
「なら、お前にできる事は3つだ」
「3つですか?」
「大まかに言ってだがな。
一つはこのまま流される事、楽だが何か起こっても自分では対処できない。
一つは引き取った人間の考えを理解し手伝うか敵対する。どちらを選んでも辛い日々になるだろう。ただ、覚悟だけは決められる。
一つは何もかもから逃げ出す事、別天地で再起を図るのも生き方ではある。負け癖が付きやすいのが難点だが」
「手伝うのと敵対するのが同じなんですか?」
「そうだな、細かく言えば違う。だが今問題なのは流されるか、立ち向かうか、逃げるかの三択をどうするのかという事だ」
「でも……どうせボクなんて……」
「そうやっていじけているうちは流されるしかない」
「それ以外なんて……ボクにはできないよ……」
「違うな、最初は誰だって流されている、戦う事を決意した人間でも流される事はある。
問題は意識の持って行き方にすぎない、戦う事は絶対じゃない、逃げるのは卑怯じゃない、何もしない事も時には必要だ。
常に考える事だ、自分にとって何が必要かを」
「自分にとって?」
「ああ、他人を気にする事は無い。自分の生き方だろう?」
「あ……うん、そうだね」
少年が少しだけ微笑む。
「あの……お名前を教えていただけませんか?」
「……」
俺は一瞬だけ躊躇する、この少年に伝える事で俺がここにいる事をナノマシンを求める輩に教えてしまわないかと。
しかし、俺は首を振る。
まだそこまで露骨には知れ渡っていないはずだ、それにこの少年が伝える相手も限られるはずだしな。
「あ、その……出きればでいいんですけど」
「アキト。テンカワ・アキトだ」
「……テンカワ・アキトさん、相談に乗っていただいてありがとうございました」
「気にする事は無い、俺は選択肢を示したに過ぎない、後はお前がどう生きるか、それにかかっている」
「は……はい!」
この少年にしては精一杯の勇気だったのだろう、
目いっぱい縦にうなずき、返事を返す。
しかし、その時公園の近くから誰かが呼ぶ声がした。
「あっ、もう行かなきゃ……」
「そうか、俺もあまり時間は無い。頑張る事だ」
「はい! あの、また合えますか?」
「いや、今日はたまたまここを回っていただけだ。次にいつ来るかは分からん、
それに3日後にはここを離れなければならないしな」
「そう……なんですか」
また、少し俯いてから少年は駆け出す。
本当は、もう一つ伝えていない選択肢があることを知っている。
相手の事を理解せず、排除する。
俺が行った復讐がまさにそれだ、今でも北辰、山崎、草壁は許す気にはならない。
しかし、その周囲にいた人々全てが悪かった分けではないはずだ、それでも殺した。
殺して、殺して、俺の両手が真っ赤になるまで……。
有人機動兵器を破壊し、コロニーを沈め、研究所を襲って皆殺しにした。
俺のこの手は……どす黒く変色した血が染み付いている。
いや、手がすりむけるほど洗ったのだ、本当はもう付いていないのだろう。
しかし、料理をしようとすると鼻に付いた死臭が、手に残る感触が俺に言うのだ。
<俺達の死体で取ったダシは旨いか?>と、
<その切り分けた肉は、どんな死臭を放っているんだい?>と、
<いっそお前が体を刻んで料理になれば旨い料理になるんじゃないのか?>と、
反吐が出る。
この世界へ来て何度か料理をしようとしたときに起った過去のフラッシュバック。
だが、今度こそ……。
見回りを終えて、少し時間をもらい料理の仕込みにかかる。
実際に料理をするのは明日だが、かなり時間をかけなければいけなかった。
フラッシュバックが起って失敗したダシを捨てたりもしたが、
実際料理の腕も鈍っているらしい、もう料理をしなくなって5年たつ。
当然の帰結だ。
それでも、どうにか仕込みを終えて、
夜勤をする前にせっかく温泉に来たのだからとひとっ風呂浴びる事にした。
「ふぅ……」
この星、移民惑星エアルに来てからの事を考えながら体を伸ばす。
俺がしてきた事、これからしようと思っている事、どちらも意味があるのか無いのか分からない。
だが、俺の目に見えるものだけでも守りたい、そう思うのは欲張りだろうか?
つらつらと考えに沈んでいこうとしていると、ドタドタとした気配と共にマシロ達が入り込んできた。
混浴!?
よく見ればサレナまで……。
8人の女性陣は水着を着て温泉に入ってくる。
サレナは競泳水着のようだ。
ただし、かなり切れ込みはきわどい……。
水着の薄さもかなりなのでアンドロイドだとは分かっていても目のやり所に困る。
オトメ達は制服のようなものだろう、統一された水着を着ている。
マシロは……スクール水着!?
しかも、胸にはマシロとカタカナで書いた白い布が縫い付けてある。
名札……だな。
ついでに言えばオトメ達の水着は凄まじく過激だった。
全体的には水色の競泳水着に見えるが、
左右の横の布が無く、脇から腰の下は前後のパーツに分かれているのだ。
わきの下で結んでいるが、肩紐まで他には何も無い、下手に泳げば大変な事になりそうだった。
アオイだけが普通の水着……いや、よく見ると彼女の水着にはエプロンが付いている。
水着と同系統のオレンジ色なので分かり辛かっただけだ。
やはり、水着一つ取って見ても時代が違うのだなと実感する。
「あーアキト入ってたんだ♪」
「えっ!? えっ!? テンカワさんがいるんですか!?」
「なんじゃ? わらわより先に入っておったのか? 一番乗りじゃと思うておったのに!」
「マスターが寛いでおられるのを見るのは久しぶりですね」
「そうなんですかサレナさん? でも、時々見せる笑顔がいいですよね」
「ほらほら騒いでないで。体洗わないと」
「楽しいからいいじゃない?」
「そういうわけにも行かないでしょ」
「あっと、そういえば。マシロ女王、お体を流しましょうか?」
「良いわ! 身の回りの世話はアオイに任せておる。頼むぞ、アオイ」
「はい、陛下」
女三人かしましいと言うが、8人もよれば凄まじいな(汗)
俺は風呂からあがろうと立ち上がる。
「あ! アキトの体も洗ってあげる♪」
「アリカちゃんったら大胆♪ 私もお手伝いしないとね?」
「もう、アリカちゃんにイリーナちゃん、テンカワさん困ってるよ」
とたんにアリカ達に囲まれて進退窮まってしまった。
体を洗うのは結構なんだが、俺は水着を着ていないわけで……。
タオルをずらされでもすればかなりまずい事になる(汗)
「いや、もうあがりだから気にしないでくれ」
「えー、そんなー」
「誠心誠意ご奉仕するんだから、受け取らないのは男じゃないですよー?」
「二人とも、やめようよ〜」
その時、サレナがつかつかと俺に向かってきた。
一体どうしたんだ?
「マスター、戦闘兵器である私でもよろしければ……その……」
「ほら、サレナさんもこう言ってるよ?」
「ほらほら、エルスちゃんもこういうとき行動しないと出遅れるよ?」
「えええ!!!? でっ、でも私は……」
そうやって、半ば強制的に座らされてしまった。
体を拭いてくれるのはいいんだが……多人数でやらないでくれ(汗)
「アキト結構肩幅あるんだねー」
「でも、そこらじゅう傷だらけ……」
「マスターは沢山の戦場に行っておられますから」
「おっ、男の人の体って……こうなってるんだ……」
「そっ、そろそろいいか? 流石にこれ以上はマズいんだが……」
「えっ何が!?」
「これ以上下を洗ってもらう分けには行かないって……」
「マスターは……」
「いや、サレナも知っているだろう? 子供に見せるにはというかオトメならなお更駄目だ」
「えっ、それって……」
「なるほど〜この下なんですねー(興味津々)」
「イリーナちゃんそんな、マジマジと見ちゃ駄目だよ(汗)」
いつの間にか、残る四人も近づいてきている。
ある意味全員が純粋培養なのだ、男が珍しいのは当然だとしても。
俺の意思を無視してそれを見させるわけには行くまい。
俺は、気配を殺し一歩一歩あとずさる。
しかし、全員が俺に視線を集中しているのだ、逃げ切れるものではない。
何とか注意をそらさねば……。
そんな時、ガサリと何かが茂みから動いたような音がして全員が振り返る。
俺は気配を察し、危険ではないと悟るとみんなの視線が移動したのを見計らいダッシュで逃げた。
「あー! アキトがいない!」
「ちっ逃げたか」
「イリーナちゃん、駄目だよ、オトメがちっなんて言っちゃ」
「でも〜オトメになったら二度と見る機会が無いかもしれないんだよ?」
「そっ、それはそうだけど……」
なにやら不穏な言葉が聞こえた気がするが聞かなかった事にした。
あとがき
ちょっと思うところがあって温泉編を一話延長する事になりそうです。
戦闘の回を少し派手にしてやりたいと言う事もありまして、伏線を張って見ました。
それと、バレバレかもしれませんが彼も登場させて見ました。
まぁどういう風に物語りに関わるのかは深く決めてないんですけどね(汗)
楽しめる作品になるように頑張りたいと思います。
WEB拍手にはいつも力を頂いております!
といいますか、感想はエネルギー源でして、これが減るたびにやる気も減ります。
うそやごまかしではなく、私は感想が欲しくて書いている人ですので。
その辺りはご容赦を。
1月10日
22:09 アキトが幼稚園の先生みたいな状態に・・・・ アキトモテモテですな「ナデシコクロスの掟」
22:10 フラグ立ちまくりっスね 次回か二話先か ついに料理・・・・アキト過去に捨てた夢を掴める事を祈ります
22:10 今回もとても良い話でした 次回の更新を楽しみにしてます
いやー最初に言ったとおりアキトを際限なく持てさせるつもりですので(爆)
とはいえ、きっかけとか、情緒っていうものもありますのでしょっちゅうではないですが。
次回も頑張りますのでよろしくお願いします♪
22:14 ふふふ、色々フラグが立っているようでそれだけで自分は満足ですw次の犠牲者は誰になるのか楽しみ楽しみ!
次なる犠牲者は……(爆) 今回もちょっとそれっぽいイベントでしたから、ネタがばれたかな?(爆)
22:21 >前部食べる・・・・・。全部が前部になってますよ〜。今回も面白かったので引き続き頑張ってください!!
はいな、早速直させていただきました、ありがとうございます♪
23:50 アキトはチエ・ハラードをおとせるかなw
んー、そうですね。年齢が上がると理論武装も増えるので落とすのに時間がかかるかも?(爆)
落ちるかどうかはアキトの動き次第?w
1月11日
0:06 今回はバリバリのラブコメですね♪いやいや、チエちゃんが怪しい(w
0:07 チエちゃんも好きなキャラなんで活躍の場をあげてください(w 今回も面白かった♪
そうですねー、次回はちょっとバトル系なんですけど、問題はチエ嬢のパール状態での戦闘法が分からない(爆)
どうなるか分かりませんが、頑張って見ます♪
0:14 更新キターーーーーーーーー(゜∀゜)ーーーーーーーーー エルスちゃん可愛いぜこんちきしょう!!
0:20 名作だーーー!頑張れアキト!!
ありがとーー!! いや、エルスは幸せにしてあげたい(爆) 先は長いですが(汗)
0:21 正史とはかけ離れてい行ってもいいのでは腕の見せ所かなと
一応そのつもりではあるのですが、アニメに無い舞台を書く場合は背景描写も重要になってきますので、会話文の比率が低くなるかも?
テンションを落とさないためには舞台を整えるのが大事ですね(汗)
1:45 次回はみんなで温泉旅行(違)
1:46 純真少年「マシロくん」ならそれだけでパオーンなエレメントがマテリアライズしちゃうんでしょうが、
1:49 ちょっとスレた青年アキト君はどうするんでしょう?
1:52 まあ、このメンバーで旅行に行って無事ですむはずが無いのでしょうが・・・
1:53 シュバルツやアズワドと鉢合わせしたりして・・・
温泉旅行はじまりました♪
マシロ君面白いですよね! まぁこの際……(ニヤリ)
アキトといえども1人相手なら兎も角8人相手では結果似たり寄ったりかな?(爆)
鉢合わせというか、何かは起ります(そりゃそうだ)
1:49 アキト御一行の珍道中始まり始まりってな感じですね。前回分も合せて面白かったです。次回も楽しみです。
わりと早くあがりました♪ だんだんアキトが世間様に知られていく様を何とか作っていけるといいな〜とか考えてます♪
6:52 アキトの料理、やっぱりラーメン?
どうしよう……チキンライスやチャーハンなんてのもあるけど、仕込みをはじめた以上それなりに何か考えないと……。
11:20 @原作知らずの私でも面白いっす(o^_^o)
11:21 Aキャラの掛け合いが卒論いいっすなヽ(≧▽≦)/
11:23 Bすいません、Aの卒論って間違いっていうか余計です
ははは、気にしないでください、私も誤字は多いですから(爆)
原作を知らないというのは舞乙かな? 見てくださりうれしいです♪
キャラがわかりにくいときはttp://www.my-zhime.net/を見てくだされば大体分かります。(オリキャラ以外は)
今後もよろしくお願いします♪
18:13 今回もおもしろかったです。次回が楽しみです、がんばってください。
ありがとうございます♪ 感想はうれしいですので一言でも言ってくれると気力がわきます!
19:09 面白いです。続きを楽しみに待ってます。
はい、頑張ります! 今回も面白くできているといいんですが……。
22:27 [ラメーン屋といっても分からないかもしれないが
22:28 後半アキトの台詞「ラメーン屋といっても分からないかもしれないが」ってなってますよ。ラメーン屋って…
確かに惑星エアルにもラーメンはあります。ただ、アキトはまだその事を知らないだけです。
それともラーメン屋台の方が良かったという話かな?ちょっと分かりませんが……。
これじたいは一種のネタ引きですな(爆)
23:17 エルスと料理フラグが立ちましたね。エルスがアキトとの交流の内に本編とどう変わっていくのか楽しみです
ガルデローベに戻ったらエルスとアキトが料理について色々やるシーンが組めるかな?
いや、もう少し仲良くしておきたいですね。漫画版と違って男性恐怖症は無いことにしています。
ただ引っ込み思案ですので、あまり変わらないかも?
1月12日&1月13日
3:11 アキトは大して強くないですよ。木連式柔は素人よりも
3:14 ましってぐらいですし。機動兵器戦は北辰+六人に
3:14 負けるし
3:41 核爆弾より原子力の研究が先ですよ。
4:41 サレナはそれ用のCPUを搭載したミユさん程強くはなれ
4:43 ないでしょうがどれ程かな?なつきには劣るぐらいか?
1:47 ラメーン屋? 神代剣がこんなこと言ってたような…
1:49 どこが、とは言えないけれどシズルの京都弁に引っかかりを覚えます。
恐らくこれらは同じ人かと思われます。下の人もそうかもしれませんが確証がもてませんので。別の人として扱わせていただきます。
最初に、こういう内容に関するツッコミを下さる場合は、よく下調べをしてください。
間違っていると恥ずかしいですし、私としてもなんと返事していいのか困ります。
それに、私としても自分で考える事がありますから、間違っていない場合は間違っていないと主張しなければいけない訳です。
よって、どなたかは知りませんが、ツッコミを反させて頂きます。
@ アキトは大して強くないですよ。木連式柔は素人よりも ましってぐらいですし。
劇場版においてアキトは木連式柔を知っていました。設定集においてはそれらを補足する事項は殆どありません。
習っていたかもしれないと言う風にほのめかせているものもあるらしいですが。
正式には習っているのかどうか不明です。
原作で決められていない訳ですから、習っていないでも、免許皆伝でも、作家の好き好きなのです。
公式に無い事を突っ込んでくると言う事はおそらくどこかのSS設定を拾ったものと思われますが……。
それに、たとえこれが公式にあったとしても、作者は好きなように作る権利があるという事を忘れていませんか?
A機動兵器戦は北辰+六人に負けるし
この作品では機動兵器戦はしていないと思いますが……。
これも幅のある内容なんですが、なぜそうも限定的なのか判断に迷います。
北辰と北辰衆がザコであれば確かにそれでいいです。ザコで無いと決め付ける事はできませんしね。
でも逆に北辰と北辰衆がそれぞれ只者ではない可能性をあなたは否定されているようですね。
あれでも一応ブラックサレナはアマテラスを含む四つのコロニーを落としています。
その際ステルンクーゲルを一体何機相手にしたのでしょう?
因みにステルンクーゲルは一般兵にとってはエステバリスより強い兵器です。
その事はTOPページ下の犬さんが公式設定を書き出したものにもあるとおりです。
私個人としては
一般(ステルンなどの兵)<ベテラン(ライオンズシックル隊など)<エース(北辰衆&三人娘&サブロウタ)<エース+(北辰&アキト)
と見ています。
ですので、例え北辰と北辰衆に勝てないからといって弱いわけではないと思うのです。
もちろん、私の見方が正しいわけではありません、ただ原作で細かく決められていない事である以上、幅は作家の好き好きです。
B核爆弾より原子力の研究が先ですよ。
なんというか……ここに関してはどういう勘違いなのか聞きたくなってきますね(汗)
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用)
「1895年にレントゲンが謎のビームX線を発見し、ベクレルはウランが発する同様の謎のビームを発見して、これらは放射線と名づけられた。更に3年後に
ピエール・キュリー・マリー・キュリー夫妻がラジウムを発見してここから放射線の研究が始まった。
原子力は第二次世界大戦中に軍事利用のために研究が始められた。米国のマンハッタン計画によって核分裂反応を利用した最初の原子爆弾が製造され、これが日
本に対して1945年に使用されて、人類による最初の原子力の実用化となった。第二次世界大戦以後約10年間は原子力はいずれの国でも軍事機密となり、
1952年に米国は初めて水爆と呼ばれる核融合反応を利用した原子爆弾の実験に成功した。
米国が1951年に原子炉で発電実験を行い、英国が1954年に最初の商用の原子力発電を開始して原子力の平和利用が始まった。日本は1966年に東海発
電所において原子力発電を開始した」
言うまでも無いと思いますが放射能研究と原子力研究は別物です。
放射能研究は放射能の質を知るためのものですし、原子力研究は原子力の使い方を探るものです。
それにSS内で私は「核爆弾が発明されてから原子力発電が出来た」としか書いていません。
見ての通り、原爆が落とされて6年後はじめて原子炉の実験が成功しています。
問題は無いはずですよね?
Cサレナはそれ用のCPUを搭載したミユさん程強くはなれないでしょうがどれ程か
な?なつきには劣るぐらいか?
9話の後書きを見てください。
Dラメーン屋? 神代剣がこんなこと言ってたような…
それって何か関係あるんですか?
Eどこが、とは言えないけれどシズルの京都弁に引っかかりを覚えます。
否定はしません、私は関西人で京都人ではないですから多少関西弁が混ざりこんでいるかもしれないですし、それにあれは完全な京都弁でもないので調整は面倒
なんですよ。
ですから、申し訳ないですが修正もできません。
私自身も深く考えず他人にツッコミを入れた事はありますが、やはり恥ずかしいものです。
出きればこういうツッコミは控えて欲しいと思います。
10:40 どちらかというと漫画版っぽいノリですね。私は好きですけど
そうですかね、私個人としては両方を適当に混ぜ合わせているだけですが。
アキトがハーレム化するのは決定事項ですしね(爆) 確かに漫画版っぽく見えるかも?
1月14日
10:44 遅れてしまいましたが「今年初めての更新お疲れ様です 今年もすばらしい作品を楽しみにしてます」
いえいえー、こちらこそ今年もよろしくお願いします!
素晴らしいと言っていただける作品にできる自信は無いですができうる限り頑張っていきたいと思います。
今年もよろしくお願いします。