「なーなーあっくん。あっくんのことこれからあっくんって呼んでもええ?」
「いや、もう言ってるだろ」
「あっ、そうやなー気付いてへんかったわ……」
このかは照れたようにほほを染め、しかし臆するわけでもなくもう一度俺の顔を覗き込むようにしながら。
「それで、かまへん?」
「ああ」
「ほんまに?」
「どんな呼び方をされても別に問題ない」
「それやったらあっちゃんでもええの?」
「いや……あっくんの方がいい(汗)」
「じゃあ、あっくんでけっていー」
その後のこのかの変化はある意味劇的だった。
表情が微笑から、幸せそうな顔に変化して、ぴょんぴょんとびまわりはじめたのだ。
「友だちや〜、これでくーちゃんとあっくんも友だちや〜」
「このちゃ……いえ、お嬢さま!? ああ、待ってくださいー」
ぴょんぴょん跳びながら離れていくこのかに、急いで追いかける刹那、
どこか子供の心配をする母親のような感じでほほえましかった。
魔
法使いにできる事
課外授業その4 『日常と非日常』
それから暫く日をすごしたある日、俺は刹那に呼び出された。
クーフェイは丁度母親が引っ越してきたらしく、家に帰っていったため俺一人がここに厄介になっている状況だった。
そのせいもあったのだろう、どこか不満が溜まっているようだった。
「どうした、こんな夜更けに人気の無い場所に呼び出して。闇討ちでもするつもりか?」
「そう……ですね、闇討ちに近いかもしれません。私はこのちゃんを守ると決めました。
その上で考えるなら貴方の存在は危険です。
長が認めたことは知っています。でも、貴方はえたいが知れなすぎる」
俺に向かって刹那は自らの不満を叩きつけるように言う。
もっとも、えたいが知れない事については否定のしようも無いな。
そもそも、俺自身自分が今なぜこんな体になっているのかよく分からないんだから。
「それで、俺はどうすればいい?」
「私と勝負してください、私が勝てば貴方には協会本部を出て行ってもらいます」
「俺が勝ったら?」
「貴方を信じる事にします。少なくとも、危害を加えるつもりは無いのだと」
「何故そういう事になる?」
「私に勝って、私を殺さないのならこのちゃんの事を狙う理由も無いということです」
「なるほどな」
刹那の力を歯牙にもかけないというので無い限り、後顧の憂いとなるだろう刹那を生かしておく事はありえないという事か。
つまり、刹那に勝って、かつ殺さない事が勝利条件というわけだ。
「わかった、それで何で勝負するんだ?」
「剣術です。私にはこれしかありませんから」
「分かった」
俺は体を半身にして横向きに構えを取る。
更に両手を上と下に散らせて配置。
手のひらを隠し手の甲のみを相手に見せるようにする奇妙な構え。
対刀剣戦闘の型をしつつ、すり足で徐々に近づいていく。
「刀を使わないのですか?」
「剣は嫌いじゃないが竹刀は苦手だ」
「それはどういう事です!? 私が竹刀だから侮辱しているのか!?」
「いや、使い方の問題なんだが……」
「どっちにしろ私は手加減しませんよ」
「ああ好きにしろ」
俺は別に手を抜くつもりは無かった。
そもそも、そこまでの実力差があるのか分からないし、魔力の放出で勝っても刹那は納得しないだろう。
まだ彼女の剣術を見たわけではないのだから、油断をすれば命取りになる事もある。
「柔術ですか?」
「そうだな、無手の格闘という意味では柔と名はついていても柔術の方がイメージが近いだろう」
「ならば、神鳴流剣士桜咲刹那、参ります!」
「木連式柔、テンカワ・アキト。受けて立とう」
「やっ、せい! とう!」
刹那は俺に対するリーチの差を生かすために素早い連撃を放ち、俺が近づけないようにする作戦のようだ。
隙が出来れば大技で仕留める気だろう。
俺は、連撃を捌きながら接近を試みる。
とはいえ、小さな体では竹刀のリーチはかなりきつい。左右に振った程度ではすぐに追いつかれてしまう。
俺は、側面に回ると見せかけ、姿勢を低くしてタックルをかけた。
「はぁ!」
しかし、俺がタックルをかけた所に刹那はいなかった。
俺は素早く上を向く。
そこには翼が生えた刹那がいる。
だが、本人は隠しているつもりなのか、すぐに翼を仕舞い少し離れた所に着地する。
「奥義斬岩剣!」
勢い良くその場から俺に向かって飛び込んできつつ、剣を振り下ろす刹那。
俺は余裕を持って避けるが、地面で竹刀が爆発した。
いや、爆発したのは地面だった。
もうもうと土煙をあげつつ、刹那は立ち上がる。
「凄まじい技だな……」
「竹刀の剣先に気を集中すればいいだけです。もっとも神鳴流を習わなければ使えないでしょうが」
「だが、当たらなければ意味が無い」
「くっ!?」
そう、今の技には確かに驚いた、しかし、奇襲用の技だ。
岩をも砕く威力があるというだけの大振りの技、むしろこの技は岩を砕いてからそのつぶてを飛ばす事が目的だろう。
つぶてを目隠し代わりに次の攻撃に移る。そういう目的なら良く分かる。
つまり、終った後じっとしている刹那は未熟だという事だ。
もっとも、人間相手の場合はだが……。
「余所見をしている暇はないはずです!!」
俺が刹那の動きを考察している事にじれたのか、突っ込んでくる刹那。
正面からの攻撃は、4歳の少女とは思えない踏み込みの速さだ。
しかし、俺はエセ4歳児だ。反応速度ではそう負けていなかった。
連撃をいなしながら、徐々に接近していく俺。
そして、俺の拳が届く間合いまで近づいたその時。
「あー、せっちゃん、あっくん、なにしてんの?」
のんびりとした声とともにこのかがやってきた。
しかし、このかは珍しく息を切らせながら近づいてくる。
これは、そうか……平静を装ってはいるがよっぽど探したのだろう。
「うちを一人だけ置いて出かけるなんてずるいー」
「このちゃん……ウチ……」
「なかまに入れてな?」
「……うん」
このかが俺たちの間に割ってはいる。
別に仲裁のつもりとかそういうのではないのだろう、恐らく無意識にこうしたほうが良いと思っているに違いない。
だが、刹那の表情は和らいだ。
俺のことをまだ意識しているようではあるが、それでも今すぐどうこうという気はなさそうだった。
更に日は立ち、春を越え夏を過ぎようとしている頃。
俺たちは、山の方へと遊びに来ていた。
俺はどうしても一歩引いてしまうが、このかの無邪気な顔を見ているとどうにも弱い。
幼い頃のユリカと重ねているのかもしれない。
今回も、このかの頼みを聞いて里を抜け出す手伝いまでする羽目になった。
「うわー、きれいやなー」
橋の上から小川を見下ろすこのか。
小川の滝とその滝つぼ、そこは小さいながら何段にもわたって水しぶきの立つそんな場所。
そして、この小川は日吉ダムへと流れ込む川の支流となっている。
急流ゆえに、見た目は綺麗ではある。
「このちゃん、あんまり近づいたらあかんて」
「でも綺麗やもん、もうちょっとだけ。な?」
「……もう、ちょっとだけやからね?」
刹那も俺の前で時折地を出している、京都出身なのだ、京都弁か関西弁になるのは当然といえる。
むしろ、4歳で使い分けが出来ているというのは驚異的だろう。
このかの雰囲気に推されて俺も滝つぼを見る、確かに良い眺めといえた。
二人から少し離れてぼんやりと滝を見ていると、そこに一瞬人影が写った。
人影は一瞬俺に気付いたように振り向き、そしてまた消えた。
「あれは……?」
「どうかしましたか?」
刹那が俺の様子に振り返る、そうだな……。
考えて見ればこのかは護衛される必要のある人間なのだったな。
しかし、今の刹那にそれは酷だろう……ならば……。
「いや、ちょっと催してきてしまってな。すまんがちょっと離れた所にいって来る」
「あっ!? そっそんな事をいわないでください!!」
「えーどないしたんせっちゃん? お顔赤いで?」
「いえ、どうもしません! どうもしませんとも!」
「本当にー?」
「本当に、本当です! 誰があんな男のごにょごにょ……」
「何の事? 聞こえへんかった。もう一回」
「このちゃんは知らへんでもええ事やの!」
「せっちゃんのケチー」
「けちじゃない!」
二人が漫才にかまけている間に、俺は山の中へと分け入った。
先ほどの人影、気配を消すのが上手い。
あれだけの動きを見せて、痕跡すら残さないとは。
もっとも、魔法のある世界に不条理を解いても無駄だろうが。
俺は全身の魔力を解放する、こっちが見つけられないなら向こうに見つけてもらえば良い。
何かをしたいなら俺を無視できないだろうし、不都合が出来たなら引くだろう。
そうして暫くいると、俺の上、樹上に気配が生まれる。
「えらい事してくれるでござるな」
「そうか?」
「これだけ目立つ事をされては隠行の意味が無いでござるよ」
俺が頭上を見上げると、そこには少女の姿があった。
とはいえ、少女と分かるのは声のせいであり、姿は黒装束で判然としない。
年齢は、5いや6歳はいっているだろうか、しかし、普通この年齢の少女は男より体格が良いから良く分からないな。
このかや刹那はむしろ小柄なほうだ。
「目的を聞きたいところだが」
「目的でござるか、拙者別に隠すような目的は無いでござるよ?」
「?」
「情報収集は下忍の勤めでござるよニンニン」
「ほう、忍者がまだ存在しているとはな」
「はっはっは、それを言われると辛いでござるな。いまや忍者といえば忍者村が相場でござるし。
今やうちも、観光名所でござるよ。せちがらいでござるな」
「でっ、本当の所は?」
「どうして分かったでござるか!? 拙者の目的が晩飯の確保だという事を!?」
「……」
「動物を取るには穏行が一番なのでござるよ!」
どうも本当らしい。
よほど演技が上手いなら別だが落下しそうになるほどうろたえている所を見ると恐らく目的はそれでいいという事になる。
このかを狙いに来た刺客かもしれないと思い突っついてみたが、無駄足だったようだな。
「すまん、邪魔した」
「えっそれだけでござるか? もっとこう」
「あまり長居も出来なくてな。また今度……伊賀の忍者村でいいのか?」
「おしいでござる、拙者の流派は隣でござるよ」
「……甲賀か」
「奈良と京都の往復はわりと修行になるでござるよ」
「一日で走るのか?」
「時速40kmで走れば4時間という所でござる」
「人間業じゃないな(汗)」
「そうでござるか? 気を安定させて使えればそれくらいは出来るでござる」
「……」
この世界の気は万能か(汗)
魔力もあるのだからそういうものなのだと割り切るしかないのだろうが……。
「やっぱりまた会いに来るでござるよ。お主は面白いでござる」
「しかし……」
「それより、名前を聞きたいでござる。拙者は長瀬楓、みんなからはカエデと呼ばれているでござる」
「俺はテンカワ・アキトだ」
「テンカワ殿。名は覚えたでござる。また数日後にはこっちによるでござるよニンニン」
「わかった」
「おお、忘れていたでござる、拙者と会った事は内緒でござるよ」
「その心は?」
「忍は秘してこそという奴でござる」
「……」
自分からばらしておいてそれは無いだろうとは思ったが、今の所害意は無いようだ。
一宿一飯の恩ではないが、このか達は守ってやりたい。
この楓という少女も関西呪術協会に報告しておくべきなのだろうが、あっけらかんとしたその雰囲気を見て。
そこまでの必要性を感じなかった、俺の人物鑑定眼は信用できるかわからないが。
「わかった、いいだろう。その代わりもしも関西呪術協会に手出しをする場合は俺が相手になるからそう思え」
「おお!? 殺気……でござるか!?」
俺の殺気を直に受けて動きを止めるカエデ、体の動きは鈍くなっているようだが、すくみ上っている訳ではないようだ。
こんな幼い頃から殺気に耐性があるとはな……どういう生活をしてきたのか。
「そういうわけだ、約束は守ってくれよ」
「はぁ……はぁ……熊の殺気を上回る殺気は初めてでござる」
「……」
野生児だったようだ(汗)
兎に角、俺はカエデに別れを告げると、山を降りた。
かなり急いだが半時間くらいは経っているだろう。
刹那に文句を言われそうだな……。
腹の調子が悪い事にでもしておくか。
余計に文句を言われそうな気がするが……(汗)
山を下って橋の所まで来ると、そこには二人の姿はなかった。
俺が遅かったから帰ったのだろうか?
いや、このかの性格を考えればそれはありえない。
一応そこら辺を見回してみた、気配は殆ど感じられない。
しかし、全く無いというのとも違う、子供になったせいで気配の読み方も忘れてしまったのだろうか……。
そんな風に思いながら、少し一息つこうと視線を下に落とした。
「なっ!?」
川下の方に人影があった……。
一つは川の縁を走っている。
もう一つは、川の中を流されている!
「くそっ!」
俺はシャツを脱ぎ捨て橋から飛び降りると、川を泳いでいく。
川の流れはかなり急だ、雨が降ってから日が経っていないのだろう。
もっともそのお陰で追いかけるには苦労しなかったが。
「せっ……ちゃん……がぼ、たすけ……がぼ……」
「このちゃん! このちゃん!」
刹那は何とか川岸からこのかを助けようと、石に捕まりながら竹刀を突き出し、徐々に川の中へと入っていく。
しかし、川の流れが早く足を取られてこけたりしているようだ。
このかは、川を流れる流木に捕まったものの、もう腕の力が抜けかけている。
急がないとこのかも刹那も溺れてしまう。
俺はクロールの要領で川の流れに乗りながら加速、流木を迂回してこのかの背後に出た。
正面から助けに行かないのは、この体では必死につかまれれば俺まで溺れかねないからだ。
幸いというか、二人は俺のことなど視界に入っていないらしい。
ゆっくりと近づいていき、このかを抱きしめる。
「きゃ!? あっ……あっくん?」
「遅れてすまないな、今助けてやるからおとなしくしていろよ?」
「うっ、うん……」
このかはおっかなびっくりながら俺の存在を認め、そして従う気になったようだ。
刹那の方は呆然としている。
どちらにしろ動かないならそのほうが安全だろう。
「このか、力を抜いた方が体は浮くぞ?」
「うっうん……」
このかは口数少なく答えると、俺に身を預けた。
やはり、この体では泳ぐのは不向きだったのか思ったより時間はかかったが、
数分後には三人とも川べりまで戻ってくる事が出来た。
俺は引き上げたこのかを見た、体はびしょぬれだが、特に異常は無いようだ。
水は少し飲んでいたようだが、呼吸も安定している。
意識もあるようだ、俺はそれを確認すると一息ついた。
しかし、それではすまないものもいたようだった。
「グスッ……ごめっ……守れなくてごめん……このちゃん……」
まるで自分がおぼれたかのように泣きじゃくる刹那。
それに対しこのかはむしろ落ち着いてきているようだ。
「ウチもっともっとつよおなる……」
「えーそんなんええよ? 一緒に遊んでくれるだけで」
その言葉は慰めになったのだろうか……。
それとも……。
ただ、その言葉を聞いた刹那はそのまま走っていってしまった。
その後に残されたのは気まずい沈黙。
このかは独白めいた言葉を言う。
「うち、なんか悪い事したんかなあ?」
「いや、ただ刹那は君の近くにいたかっただけだろう」
「うちはいつでも一緒でええのに……」
それでも、刹那は自分にこのかと一緒にいる事に対する資格を設けていたのだろう。
つまりは、このかを守るために近くにいるのだと。
その資格が今ゆらいだという事、自分の手で守れなかった、いや手伝う事も出来なかったのだ。
俺としてもこういう風になるとは思わなかったが、このかにこの事を言うべきではないのだろう。
言えば、刹那はこのかの前に二度と立てなくなる。
だから俺は口をつぐんだ。
それから数日後、俺はまた以前呼び出された場所に立っていた。
呼び出した主も同じ。
だが、俺はなんとなく刹那の目的がわかっていた。
「なんだ? こんな所に呼び出して、再戦でもするつもりか?」
「いえ、正直言って力の差を思い知らされました」
「……?」
「先日のこのかお嬢様が溺れた件、私は結局何も出来ませんでした。助けたのは、その……ごほん、兎に角戻ってきた貴方です」
「何が言いたい?」
「私はお嬢様の護衛でいる事が生きる価値です。それをなくしたならもう、ここにはいられません。ですから……」
「変わりに俺に護衛をやれと?」
「貴方ならそれが出来るはず、このかお嬢様も打ち解けておられます」
刹那のその顔は真剣そのものだった。
自分の未熟さを恥じ、出て行こうとしているのだ。
わかっていた事だが、こんな事4歳の子供が考える事だろうか?
もしや……。
「翼の事か?」
「何故それを!?」
「まえの闘いのときにな」
「視界はふさいだと思っていたのですが、やはり未熟ですね……」
刹那のトーンが更に下がる。
今にも自殺しかねないほどに、刹那は暗かった。
「やはりコンプレックスなんだな?」
「私の半分は人ではありません、鳥族と人の間に生まれたハーフ、それが私です」
「鳥族というのは知らん、だが俺も人とは言えないんだがな」
「そうですね、だから嫉妬していた。このかお嬢様に簡単に心を開かせた貴方に」
「嫉妬?」
「私達がこのちゃんせっちゃんと呼び合うようになるまでには3ヶ月もの時間が必要でした、ですが……。
貴方は会った当日からあっくんと呼ばれていますね?」
「なるほど、しかし、それは単に人付き合いに慣れてきたというだけの事じゃないのか?」
「そう、なのでしょうか……でも、私より貴方のほうがこのかお嬢様も喜ぶと思います」
なるほど、いじけているのか。
自分の居場所を俺に取られると思った、そういうことなんだな。
丁度いい、ならば……。
「すまんな」
「えっ?」
「俺には俺の目的がある。その為に人物と会う必要があってな」
「どういう事ですか?」
「ここ半年ほど関西呪術協会の資料を読み漁っていた。俺はもう一度奴と会わないといけないのでな」
「奴とは誰ですか?」
「ナギ・スプリングフィールド。サウザンドマスターとも言うらしいな」
「サウザンドマスター!?」
「俺をこんな体にしてくれた奴だ。たっぷり礼をしてやらなくちゃな」
そう言うと俺は獰猛に笑う。
刹那は一瞬ひるんだように半歩下がろうとしてから、その事実に気付いて俺を睨みつける。
「戦うんですか?」
「分からない、だが、多分戦うんだろうな」
「どうして……」
「俺は、それを探しているのかも知れない」
「え?」
俺の探しているもの、それは結局生きる目的そのものだ。
ナギは俺を、人生の終わりからリセットのように始まりまで巻き戻してしまった。
しかし、俺はもう人生の目的を果たした後だった。
今本当にしたい事は何なのか分からない。
しかし、ナギを見つける事で何か得られるなら、それを目的にしようと俺は考えていた。
幸い詠春の計らいで俺は日本国籍を手に入れている。
そして、図書館には船のチケットがわざと置かれていたのだろう。
つまり、来いと言っているのだ、誰かは知らないが。
「だから俺はイギリスに行く」
「な!? このかお嬢様はどうなるんですか!」
「お前が守れ」
「ウチ……私は、お嬢様を守れなかったんです! 出て行くのは私なんです!」
「強くなるんだろう?」
「……はい」
「このかを守れるほどに強くなればいい」
「でも、今すぐには……」
「関西呪術協会には人がいないのか?」
「いえ、そんな事は無いですが……」
「ならば、それまでは協会の人間に頼ると良い」
「……わかりました」
刹那は俯きながら、しかし、どこか決意を秘めた瞳で俺を見る。
俺の考えが伝わったのだろうか。
別に俺を憎んでも良い、俺は……。
「では、さよならだ」
「えっ、もう行かれるのですか?」
「ここでの目的は果たしたしな」
「せめて、このかお嬢様にだけでも……」
「それは、刹那から伝えておいてくれ」
本当は目的などは無いが、それでもイギリスに誘ったのが誰なのか気にはなった。
だから、俺は旅立つ事を決めた。
刹那に背を向けて歩き出す俺、刹那がじっと留まって何かを言おうとしている気配は感じられたが、俺は無視して先へすすむ。
この乗船券で旅に出られるのか少し心配ではあったが……。
あとがき
相変わらず無茶な設定で申し訳ない。
4歳児に人生ドラマやらせちまったよ(汗)
とりあえず関西呪術協会編終了です。
次の舞台はイギリスの予定。
とはいえ、一気に駆け抜けますので上手くすれば次回完結できるかも。
長引けばもう一回あるかもですが(汗)
何やら熱い声援がありましたので、課外授業に龍宮真名を出すことが決定しました。
とはいえ、出したらすぐ終わりになりそうですが(爆死)
楓も特に出す予定は無かったんですが、なんとなく出してしまいました(汗)
この後アキトが日本にいない事を彼女が知るのはいつの日か(滝汗)
色々穴だらけのSSですが温かい目で見てやってくださいませ。
今回もWEB拍手を頂き感謝感激であります!
感想も順調に増えており喜ばしい限りです♪
このままいくと平行連載かな(汗)
4月22日
21:58 いや、面白いですw次回はせっちゃんと対決かな?www
大当たりです♪ 実際決着はついていませんがね。というかこのかがオマケっぽい(汗)
22:08 私は好きです、ええ、好きですとも!!
気に入って頂けて嬉しいです♪ 次回も頑張りますのでよろしくです!
22:11 どうやって日本に行くのかと思ったのですが・・・
はははは(汗) 実は密航みたいなもんです。
22:44 アキト×このか・・・良いですねぇwww
そうですねー、この先アキトに何人関わるのかは知りませんが本編に行く事になったら
22:48 サモン ナデ スプ ネギ ・・・連作ご苦労さまです
22:49 そして今回の くーふぇい このか せつな 登場・・・原作で好きなキャラですw
22:49 もっと登場期待してますw 今回もご苦労様です 次回の更新を楽しみにしてます
22:54 ぜひ本編まで!!!!!!応援しております。
はっはっは、どれも中途半端ですが(汗)
特に今回のネギはまだ終わっていないお話ですのでずれがどれほどになうのか予想できないのが怖いですね(汗)
本編はこの調子だといきそうな感じですね。でも平行連載は破局の元なんですよ……。
テンション維持できるか心配……。
23:06 できれば本編まで話が続いてほしいです。
むむー、ネタの再編も必要ですかね。とはいえ、次回のほうもよろしく。
4月23日
0:01 ぜひ長編にしてほしいです
応援ありがとうです。引っ張る用で悪いですがもう少し時間をください。とはいえ、ほぼ決定なのかな……(汗)
0:40 読めた!! この後アキトは まほら学園に良くは目になるのだなw
まぁそうなんですが、もう少し課外授業は続きます。次回はちょっとネギから離れるかも?
0:44 あのクラスの生徒たちと縁ができるとは。アキトまで麻帆良学園に入学しそうな勢いですね。
そんな感じになる予定です。とはいえ、もう一波乱予定していますが。
1:07 少年(エセ)アキトの珍道中wとりあえずくー、このか、刹那がパーティーに加わり
1:08 そのまま落されてしまうのか、さらに対象が増えるのか……w楽しみですな!
そうですねー、もっと知り合いの数は増やしておきます(爆)
アキトはもうちっと強くなって欲しいですしね。
そうしないと、学園祭を乗り切れない(汗)
1:09 マホラ3−あ
1:09 くーと会う前に龍宮を落としているに一票!
1:10 次回も楽しみにしてますよ。では
龍宮さんはもうちっと後に登場予定です。落とすのは難しそうですが(汗)
もうちっと捻っておきますね。
1:11 このまま行けばマホラ3−A武道派四天王がアキトの虜かな…ククク
はっはっは!(否定できない)
1:36 ガンガレ!
頑張ります!!
2:04 ここでクーfぇ
はっはっは、出しやすかったもんでw
2:09 本編希望。クーフェイがこんなに早く出てくるとは思いませんでした。
そうですねー、なんとなくヒマラヤと日本の間に中国があったから出しました(爆)
今日も出す予定の無い人物が(爆死)
2:13 日本にもう着いてしまったんですね。子供のころ外国にいる龍宮さんは出番なし?
2:16 あっきーは最高です(笑)アキトは魔法を憶えないのですか?強くなりそう!!
大丈夫、全部予定にあります(爆) 魔法は微妙ですが(笑)
取り合えずあだ名はもう一つ増えました(汗)
2:32 光あふるる〜もあるので大変でしょうがこちらも連載希望ですね。
2:32 すいません無茶言いましたm(__)m
あうううう、この調子じゃ平行連載かなぁ……でも、そうなるとずっとやる気を持続するのがしんどいんですよ(汗)
なにせ一本づつ書くとかいうような割りきりがしにくいことは今までで良くわかっていますし。
5:53 ああっ、ブラックサレナが置き去りに・・・!というのはやはり破損している上に輸送手段も無い以上仕方ない
5:56 んですよね。それはさて置き、中国から日本への渡航ですが年齢云々以前に公的な身分証明が無いのが最大の
5:58 問題なのではないでしょうか。当然パスポートなんてものも所持していませんし。
6:08 言葉が通じるのはアレですよ、賢者の石の溢れんばかりの魔力によって何かしがの便利システムが自動翻訳とか
6:10 作品の継続の是非についてですが私としては非常に楽しく読ませて頂いていますので問題が無ければ続けて
6:10 もらいたいと思っています。
ブラックサレナの方は再登場できる予定は無いです。本編に行けば何とかできるでしょうがハカセは子供の頃が想像つかないし。
そもそも、子供の頃のハカセじゃ作れないでしょうからね(汗)
渡航は密航です。あまり深く考えないでくださいね。中国人労働者のルートとか色々ありますしね(ニヤリ)
ありがとうです。賢者の石の権能というわけですか、でも原作もそうですからね(大会決勝のネギとナギの親子の会話がバリバリ日本語だった件)
アスナも本当は日本人じゃないっぽいし、色々ツッコミどころはあるんですが、気にしたら負けという事にして置いてください(汗)
続きは……やっぱりする方向になりそうですね。
なんていうか舞乙より人気が出てきたような……(汗)
8:52 本編にいって本編が終わるまで感想を送り続けてやる!
8:53 ということで、やっぱり続いてほしいっす。
ありがとうございます♪ とりあえず次回か次々回の課外授業終了までお付き合いください。
その後は、気力が持つ限りなんとかします。
11:19 幼女クーフェイときたからには、やっぱり同郷出身のチャオとのからみが見たいです。
11:21 あと華燭>褐色かと
チャオは……時間を超えて来たのが中学入学時と思われますので、本編でないと出せそうに無いですね(汗)
誤字は申し訳ないですorz
22:46 ここでクーフェと出会うとは!!面白いです♪
22:47 なんか、マナとパクティオーするんじゃないかとふと思いついたんですがいかが?
面白いと思って頂けてありがとうございます♪ 龍宮嬢は次回か次々回登場予定です。
パクティオー関係は本編までいかないと難しいですね(汗)
4月24日
1:05 今回も面白かったです、やはり是非本編希望です
ははは、とりあえず課外授業が終わるまで頑張りますので予定はそれからという事で。
仕込んだネタだけでも吐き出してしまわないとね(汗)
15:03 是非とも長編にして下さい
頑張って何とかできるようにしてはいますが、今すぐ結論というのはちっと辛いかもです(汗)
20:39 設定も展開もすごく楽しいです!是非連載して下さい!終わらすなんて勿体無い!応援しています!!
喜んで頂けて何よりです♪ 連載についてはもうしばしお待ちくだされ(汗) ネタがまだたいして無いと言うこともありますが。
21:32 イヤー面白いっすねー、かなり期待していますよw
ありがとうございます♪ 喜んでいただけるレベルのを続けていけるようにがんばりますね!
22:13 すごく面白かったです!ネギまとナデシコという他にはない珍しいクロスですし、ぜひ続けて欲しいです!!
喜んで頂けて何よりです。次回も頑張りますのでよろしくです♪ 連載に関してはしばしお待ちを(汗)
多分続ける事になりそうですがw
23:03 ナデシコとネギまでこういう感じのクロスは初めてなので続きが楽しみです
はい、頑張ります。とりあえず後2回くらいで課外授業は最終回ですので初の完結作品かな?
4月25日
22:29 面白いです! できれば本編のほうもやっちゃって下さ〜い
はっはっは(汗) とりあえず課外授業に決着をつけてからなんとか考えます。面白い作品に出来るといいですね。
4月27日
3:31 キャラが動くのは設定が練れているから!ガンバだ!
はいな、頑張りますーどうにか課外授業も終わりが見えてきました。結構時間がかかった(汗)
感想ありがとうございました♪