この自己紹介もついに10回目!

そろそろこのヨシカツ将軍の名を覚えてくれたはずだな。

そもそもわが軍は一万の軍勢をもって……。

ごめん、ついついはしゃいでしまった……。

そして本当は9回目だったw

なんてまー、どうでもいいネタはともかく。

装備魔法巨大化を手に入れ申した! これで一発逆転が簡単に!(爆

クロス・ソウルをデッキから外して代わりに入れる事にしようかとw

今後を左右するカードだと思っております。

ネイキッドで破壊できるカードが3枚になった事も大きいしね。


現状、経過を報告させてもらうことにする。

俺は今順調に勝利数を稼いでいる、もっとも、同じレッド寮では公式戦を相手してくれる人がいなくなっている。

(十代を除く)

だから、最近はラーイエローの生徒と闘う事が増えた。

オベリスクブルーは警戒しているのか頻繁には闘えないんだが。


退学をかけたタッグデュエルのほうは十代達が迷宮兄弟を下ししっかりと残っている。

そして、三沢対万丈目戦の話しが今出た所だ。

まあ、万丈目にはしっかりノース校で頑張ってもらうとして、三沢は出来れば十代との一騎打ちの前に接触しておきたい。

まだ1か月くらいは時間があるはずだが、急いでおくにこした事はないな。

とはいえ、今日は難しい。

今日はイリーニャが来る日だからだ、手紙のやり取りをするようになって長い。

流石にすっぽかすのは悪いと思っている。


そういえば、エリアルの精霊どうしているだろう……。

リチュアデッキを封印させたから怒ってるだろうな……(汗

とはいえ、事実としてこの時代でリチュアはかなり危険なデッキだ。

前に俺が相手をした時のリチュアデッキはしごくノーマルだった。

実はあのリチュア、水属性のサポートカードに対応している、

例えばサルベージを使うと、墓地から2体のモンスターを回収できる。

儀式で良く落ちるので、回収も容易なのだ。

つまり、儀式魔法のリスクである手札の不足を元々のリチュアの能力と併用して回復できる。

シンクロやエクシーズとのシナジーも強いが、手札増強が容易という点が他のデッキとの最大の違いだ。

はっきり言って、ガジェットよりも手札効率がいい。


まあ、メリットはメリットとしても、そんなデッキだから狙う存在も当然出てくる。

正直言って、三幻魔よりもレア度が上である可能性が高い。

あれだけドローしまくれるデッキがパワーは強いけど効果は微妙な三幻魔と比較するのもアレだが。

三幻魔は耐性がないから、折角生贄や永続魔法や永続罠を3つも用意して召喚しても次のターンまで生き残るのは厳しい。

もしも、フィールドから何らかの方法で離れされられたら、ディスアドバンテージはカード4枚分。

とてもではないが、回すだけでも苦労する事請け合いだ。


だが、それだけではない、あのリチュアと言うデッキ、

萌えデッキとして知名度は高いが、実は設定上は悪の側なのだ。

デュエルターミナルで表示される設定においては、


正義を信じ、かつての強大な力を封印、平和を願い続けてきた「氷結界」に対し、

同質の力を得ながら、それを「儀水鏡」を用いて失われた邪悪古代儀式(イビリチュア)へと転成させた集団があった。

名をリチュアという。

もともと勢力としては小さい彼らは、ミストバレー湿地帯の豊富な資源を求め、ガスタへの侵攻を始めるのだった。


つまり、邪教集団である。

それを考えれば、イリーニャがああいった状況にあったのも何か宗教めいていて怖い。

幸いにして、イリーニャとエリアルの関係は良好そうなので、あまり気にしなくてもいいかもしれないが。

そうでなければ、わざわざ俺にイリーニャを助けろと言ったり、俺の事を心配して逃げろと言ったりはしないはず。

エリアルはデュエルターミナルの設定とは違うと考えたい……。


ともあれ、色々と心配の種は尽きないが、今はそんな事を考えるよりも急務がある。

目の前のオッサンにツッコミを入れる事だ。



「服装に問題はないノーネ、後はお化粧くらいはしておくべきなのカルボナーラ」

「いや、その服装はやめてくださいクロノス先生」



クロノス先生はペガサス会長が来ると言う事でやたら張り切っている。

気持ちは分からなくもない。

お覚えめでたければヘッドハンティングを受けてインダストリアル・イリュージョン社へという事もあり得ないとは言わない。

このデュエル脳ばっかりの世界で、インダストリアル・イリュージョン社がどれだけの影響力を持つか。

下手をすれば国家元首並みの権威と言えるかもしれない。

しかし……クロノス教諭の服装は、いつもの派手目なオベリスクブルーの服のアレンジではなく、

小○幸子や美□憲一もかくやと言わんばかりの電飾付き派手衣装。

流石にそれでは、いくら変わりもののペガサス会長でも……いや、案外気に入りそうで怖いな……。



「これだけ決めればきっと会長の目に留まるノーネ!」

「それは……確かに保障します……」

「それでは、迎えに行くノーネ!

 ドロップアウトのアナタの事をどうして気に行ったのかは知らないけど。

 このクロノス・デ・メディチ! カラーで差別はしないノーネ!

 だから、シニョール・ヨシカツ……私の事を会長に出来るだけ宣伝するノーネ!」

「……はあ」



まああれだ、確かに彼はオシリスレッドが嫌いではあるが、それには一応ながら理由がある。

オシリスレッドは本当にドロップアウトなのだ。

最近知ったのだが、オシリスレッドは出席日数がゼロでも卒業できる。

在籍していたという事実さえあればいいのだ。

その分、オシリスレッドの卒業生はデュエル関係の職に就くのは難しいとされる。

だからかどうか、オシリスレッドにいる奴は先の事なんて考えてませんという輩が多い。

アニメで隼人が最初の頃ずっとベッドで寝転がって動こうとしなかったのも、授業に出る必要が無いからだ。

何とも酷い話である。



「おっ、あの船じゃないですかね?」

「おおディーオ! 豪華客船で乗りつけてくるなんて流石会長なノーネ!」

「いや待ってください」

「なんなノーネ?」

「豪華客船の後ろ、なんかジェットスキーみたいなのしてる人いませんか?」

「えっ……えっ!? ナー!!???」



ざぶーんという凄い勢いの波にのまれ、海の中に引きずり込まれていくクロノス教諭。

その波を作っていた存在、ジェットスキーで現れたのは……。

イリーニャを背負ったままのペガサス会長だった。



「ふう、いい運動になったのデース! ヨシカツ君久しぶりデース!」

「にゃうう……伯父さん……、腰が抜けたのです……」

「おおう、それはいけないデース! すぐに医務室まで!」

「いや、それよりも波に攫われたクロノス先生を……」

「あっぷ……助けてデスーノ! 衣装が重くて沈んで行くノーネ!!」



大混乱である……。

会長もノリで変な事をするから……(汗

ともあれ、クロノス教諭を保健室に運び、イリーニャを少し休ませがてら冷たいものを買って来る。

クロノス教諭はまだうなされているようだ……。

この人も野望のみみっちさに比較して、被害の大きい人である。

なんだか涙が……。



「にゃうう……、ヨシカツさん、この前はお礼も出来ずに申し訳ありませんでしたのです!」

「いやいや、畏まらなくていいよ。手紙でも何度もお礼は言ってもらってるしね」

「そんな事ないのです! 直接言えなくて苦しかったのです! 出来るだけ早くお礼がしたかったのです!」

「あーごめんな……」

「いえ、私が悪いのです。伯父さんに頼んできちんとお礼を言ってからお別れするべきでした。

 あの時はまだぼーっとしてたのです。こんな事はもうないようにするのです」



銀髪の少女、右側の髪の毛だけが跳ね上がっているちょっと変わった風味の少女だが、確かに可愛い子である。

年齢は今13くらいか……本来デュエルアカデミアは15歳からの入学だが、

覚えている限りでは、小学校を卒業したばかりの早乙女レイが入学を果たしている。

つまり、来年デュエルアカデミアに入学するというのは飛び級なのだから難しくはあっても不可能ではないだろう。

そして、そのために地方大会に出て戦績を残しておくというのは案外重要なことで、

元々オベリスクブルーにしか受け入れのない女性デュエリストにとっては狭き門という事になる。

俺はそう考えると思わず、ぽんと頭に手を載せてぐりぐりとなでていた。



「にゃうう……」

「まあ、細かい事は気にするなよ。それよりも、今日はデッキを見せに来てくれたんだろう?」

「はいなのです」

「じゃあ、そうだな……クロノス先生は……轟沈しているから仕方ないか。

 ちょっと校長先生にデュエルフィールドの使用許可を申請してくるよ」

「あのあの、一緒にいかせてくださいなのです」

「ああ……わかった。

 会長、イリーニャをお借りして構いませんか?」

「そう言わないでくだサーイ 私もついていきマース」

「はぁ、では皆で行きますか」

「はいなのです」

「デース」



しかしあれだな、口調がやたら濃いな。

俺も何か口癖作った方がいいのだろうか?

ううむ……。

そんな感じで、校長に許可をもらい、デュエルフィールドを一つ借りることが出来た。

ちょうど、前に万丈目と十代が争いになったオベリスクブルーのデュエル場にあるフィールドだ。



「そういえば……エリアルの精霊とは仲良くやってるか?」

「エリアルの精霊……ですか?

 にゃう? それってなんなのです?」

「えっ……」



そういえば、エリアルの精霊、彼女を連れ出してからは一度も見ていないな。

一体どういう事なんだ?

そもそも、俺に見えた理由もわからないしな。

悪いが俺は転生前は20歳越えてたから純真さはあまりないと自信を持って言える。

いや、待てよ……彼女がもしエリアルの精霊の事をずっと知らずに来たのだとすれば。

あり得なくもないか、そもそも彼女もし小さい頃にエリアルにあっていてもお姉さん位にしか思えないだろうし。



「いや、いいんだ。

 それよりデッキ調整のデュエル、こちらもまだ戦士デッキの制作途中でね」

「そうなんですか、それは奇遇なのです!」



まあ、俺とイリーニャは理由が違うだろうが……。

イリーニャは純粋にデュエル回数の不足からデッキの完成度がまだ分からないと言う事だろう。

対しておれはカードが不足していてきちんとしたデッキになっていないだけだからな。



「じゃあ、いくか」

「はいです!」

「「デュエル!」」


佳克:LP4000  イリーニャ:LP4000



「俺のターン、ドロー!」



珍しく先攻だな、ともあれ手札の確認をと。

投石部隊:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻 900/守2000

ならず者傭兵部隊:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1000/守1000

切り込み隊長:効果モンスター/星3/地属性/戦士族/攻1200/守 400

魔道ギガサイバー:効果モンスター/星6/闇属性/戦士族/攻2200/守1200


ふむ、普段あんまり手札に来ないモンスターが来てるな。

とりあえず、トラップマジックは一応問題ない物が来てる。



「俺は、投石部隊を守備表示で召喚」

投石部隊:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻 900/守2000


「更にカードを一枚伏せてターンエンド」

「わっ、私のターン、ドローなのです!」



手札をわたわたと確認するイリーニャ。

そのあぶなっかしい手つきからはどれくらいの使い手なのかは予想できない。

まさか、無茶苦茶弱いと言う事もないだろうが……。



「私は手札を一枚捨てて、THEトリッキーを特殊召喚するのです」

THEトリッキー:効果モンスター/星5/風属性/魔法使い族/攻2000/守1200


「そして、裏守備でモンスターを出すのです」

「リバースモンスターか……」

「ターンエンドなのです」

「攻撃はしないか、まあ2000じゃ投石部隊は抜けないからな」

「パワー不足なのです」

「俺のターン、ドロー!」




引いたカードは強欲な壺。

こんな最初から引いてもな……。

暫く発動せずに置いておくか。



「俺は手札から切り込み隊長を召喚」

切り込み隊長:効果モンスター/星3/地属性/戦士族/攻1200/守 400


「更に、切り込み隊長の効果発動! 召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる。

 俺が召喚するのは、ならず者傭兵部隊!」

ならず者傭兵部隊:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1000/守1000


「ならず者傭兵部隊の効果発動! 死山血河! 自身を生贄に相手モンスター一体を破壊する!

 俺が破壊するのは、THEトリッキー!」

「にゃうっ!?」

「更に、切り込み隊長で裏守備モンスターに攻撃! アサルトスラッシュ!」

「反転召喚されたのは、水霊使いエリアなのです!」

裏守備→水霊使いエリア:効果モンスター/星3/水属性/魔法使い族/攻 500/守1500


「エリアの効果は相手が水属性でないので不発ですが、守備力は1500あるのです!

 切り込み隊長は攻撃力1200なので300の反射ダメージがいくのです!」

「つっ!」

佳克:LP4000→LP3700



上級モンスターを召喚する前にリバース効果を潰しておくのは定石だが、

流石に切り込み隊長は攻撃力が不足気味かもしれないな……。

とはいえ、現在使い勝手のいい伏せカードはない。

そういえば、エリアも微妙に未来カードだったりする。

2005年2月、まあ、アニメ始まって4カ月ほどなので誤差の範囲だが。


「ターンエンド」

「私のターン、ドローなのです!」



流石に前のターンと違い少し慣れたのか動きもよくなっている。

まあ、本来カードゲームでここまで決める必要はないんだが。

そこはそこ、デュエル脳の世界と言う事で諦めるしかない。



「スタンバイフェイズ、手札から捨てた黄泉ガエルの効果が発動するのです!

 黄泉ガエルは自分フィールドに同名カードがなく、またトラップマジックも存在しない時特殊召喚する事が出来るのです!」

黄泉ガエル:効果モンスター/星1/水属性/水族/攻 100/守 100


「へぇ、やるね……」



というか、黄泉ガエル自体かなりのレアカードだろうから、早々引き当てられないわけだが(汗

本来2005年11月の発売になる訳だが、まあ一年くらいなら、ペガサス会長張り切って色々渡したんだろうな……。

こりゃ色々な意味で怖いデッキのようだな。



「フィールドに水霊使いエリアと水属性モンスターがいる時、2体を墓地に送って効果発動!

 デッキから憑依装着−エリアを特殊召喚するのです!」

憑依装着−エリア:効果モンスター/星4/水属性/魔法使い族/攻1850/守1500


「いくのです! 憑依装着−エリアで切り込み隊長を攻撃! テンペストウエーブなのです!」

「くっ」

佳克:LP3700→LP3050



自身の効果で特殊召喚された憑依装着−エリアは貫通効果を得る。

もっとも、攻撃表示のモンスター相手では意味が無いが。

切り込み隊長は渋い声でヤラレ声を表現しつつエリアの従えているガガギゴの起こした波に飲み込まれる。

確か、公式では切り込み隊長はガガギゴの恩人だったはずなのだが……。

まあどうでもいいネタではあるが。

本当にペガサス会長いろいろ渡してるな……。



「カードを一枚伏せてターンエンドなのです」



イリーニャの手札は残り1枚、俺は3枚。

強欲な壺のこともあるが、最初にイリーニャが大量に使ったのが響いているのだろう。

もっとも、向こうの墓地には何度でも復活するリリースソースがある。

あれを除外でもしないうちは安心できないな。



「俺のターン、ドロー!」



俺が引いたのは、異次元の女戦士。

ん? あれ……気のせいだろうか。

あのエリア俺の方を睨みつけている様な……。

まさかな、いや、精霊の事もあるあれがそうである可能性も……。

まあ、確かめる術はない。

話しかけてくれば話は別だが。



「俺は異次元の女戦士を攻撃表示で召喚する」

「にゃう!?」

「カードを一枚伏せてターンエンド」

「えっと、特攻かけてこないのです?」

「まあそれもいいんだけどな」

「なんだか伏せカードが怖いのです」

「その辺はそっちが頑張って考えてくれ」

「にゃう、意地悪なのです」



ぷうと言う感じにほほを膨らます銀髪の少女。

白い肌と血が上ったのだろう赤いほっぺがやたらとかわいい。

ペガサス会長が俺の事を血走った目で睨みつけてなければもっと楽しめただろうが……。



「私のターン、ドローなのです!

 スタンバイフェイズ、黄泉ガエルの効果が発動するのです。

 黄泉ガエルを特殊召喚!」

黄泉ガエル:効果モンスター/星1/水属性/水族/攻 100/守 100


「そして、手札からネフィティスの導き手を召喚するのです!」

ネフティスの導き手:効果モンスター/星2/風属性/魔法使い族/攻 600/守 600


「なに!?」



フィールドに黄色い鳳凰神を模した服装の女性が現れる。

ネフィティスの鳳凰神と共に2004年11月のパックで出たカード。

アニメが始まってすぐに出たわけだから、こっちの方でも普通に販売されてはいるんだろう。

レアと言うほどの事もないのかもしれないな。

確かに、黄泉ガエルを前提としているなら、生贄確保は非常にしやすい。

水属性にこだわる必要もまるでない、という事は、イリーニャのデッキは魔法使い族でも水属性でもないと言う事か。



「ネフィティスの導き手の効果はこのモンスターとともう一体のモンスターを生贄に、

 デッキか手札からネフィティスの鳳凰神を特殊召喚できるのです!

 もう一体に選択するのは黄泉ガエルなのです。 ネフィティスの導き手の効果発動! 鳳凰降臨!」

ネフティスの鳳凰神:効果モンスター/星8/炎属性/鳥獣族/攻2400/守1600


「バトルなのです! ネフィティスの鳳凰神で投石部隊に攻撃! 再生の炎!」



鳳凰神は鳥なのに金色の鎧のような体表をしており、首の付け根には胸があるように見える。

元がネフィティスとは女神の名前なのだからその辺の関係なのかもしれない。

それはともかく、攻撃が始まると翼が炎に包まれ炎の塊のような姿で投石部隊を襲う。

部隊だけに何十人と逃げまどい消えて行った。



「ターンエンドなのです」

「警戒してるな」

「にゃうう……意地悪なのです」

「デュエルに勝つにはちょっとは意地悪にならないとな」

「にゃうにゃう、頑張るのです」

「お互いにな、それじゃ俺のターン、ドロー!」



俺の引いたカードは、コマンド・ナイト。

今回は割と引きがいいな、どういう事だかよくは分からないが。

まあ、折角だ使わせてもらうとしよう。



「俺は、手札からコマンド・ナイトを召喚!」

コマンド・ナイト:効果モンスター/星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1900


「コマンド・ナイト第1の効果発動! 士気高揚!

 コマンドナイトがいる限り俺のフィールドの戦士族モンスターの攻撃力は400ポイントアップする!」

異次元の女戦士:攻撃1500→1900

コマンド・ナイト:攻撃1200→1600


「トラップ発動! 鎖付きブーメラン! その第2の能力を発動! 異次元の女戦士に装備!」

異次元の女戦士:攻撃1900→2400


「にゃうう……さっき攻撃したら戦闘破壊されていたのです」

「そう言う事だ」

「でもダメージが大きくなって更に損した気分です」

「まあ何事もタイミングだからな」

「にゃう」



前回は言ってなかったが、コマンド・ナイトにはもう一つの効果がある。

それは、自分フィールドに他の戦士族モンスターがいる場合、

相手プレイヤーはコマンド・ナイトをバトルの相手として選択できないと言う事だ。

攻撃力の低いモンスターなので、この効果は意外と使いやすかったりする。



「バトル! 異次元の女戦士で、憑依装着エリアを攻撃! 次・元・斬!」

「にゃうう」

イリーニャ:LP4000→LP3450



エリアが墓地へと消えて行く。

ふむ、そこそこ粘ったかねぇ。



(そうでもないよ、マスターは頑張ってボクを守ってくれるしね)

「……」



エリアだかエリアルだかよく分からない精霊らしきものが視界の隅に見えた気がしたが……。

無視することにした。

いやだって、俺にしか見えてないんだとすると色々やばいじゃんか。



「ターンエンド」

「にゃう! 私のターン、ドローなのです!

 またまた、スタンバイフェイズに黄泉ガエルが特殊召喚されるのです!」

黄泉ガエル:効果モンスター/星1/水属性/水族/攻 100/守 100


「そして、黄泉ガエルを生贄に……、氷帝メビウスを召喚するのです!」

氷帝メビウス:効果モンスター/星6/水属性/水族/攻2400/守1000


「何っ!?」



おいおい、氷帝は確かにとっくに発売こそされているが、

帝を持つデュエリストは確か、光の結社に所属している一部のデュエリストが占有していたはずじゃあ……。



(別に帝は一枚こっきりって訳じゃないと思うけど)

「あー、確かにペガサス会長がいるんだから何枚でも量産が効くか」

(そんなに簡単でもないとは思うけど、多分そう言う事だよ)

「……」



いかんつい返事を……。



「にゃうう……、誰かそこにいるのです?」

「いや、すまん独り言だ」

(マスターはまだボクを認識出来ないんだ、多分もっとデュエルをすれば気がついてくれると思うけど)

「なら効果処理の続きなのです。

 氷帝メビウスは召喚されると同時に効果が発動するのです。

 フィールド上のトラップマジックカードを2枚まで破壊します!

 ヨシカツさんのフィールドの2枚の伏せカードを破壊! フリーズ・バースト!」



帝の特徴は、召喚後に発動する効果で相手フィールドや手札、墓地等を荒らして生贄分の損失を相手にも与える事だ。

だから、帝が召喚されれば、大抵五分五分か、逆転になる傾向がある。

しかし、今回はうまくいったと言える部分もある。



「伏せカードの一枚は鎖付きブーメランなのでそのまま破壊される。

 しかし、もう一枚は発動させてもらう!」

「にゃう!?」

「トラップ発動! 落とし穴!

 攻撃力1000以上のモンスターが召喚された事により発動!

 氷帝メビウスを破壊!」

「にゃにゃにゃー!?」



まあ折角召喚したメビウスが破壊されたんだから動揺するのも分かるが。

今まで攻撃力1000以上のモンスターは全て特殊召喚していたという事実も面倒なものだ。

だがこれで、また鳳凰神が攻撃しにくい状況になった。

可能ならばコマンド・ナイトに攻撃したいだろうが、コマンド・ナイトは異次元の女戦士がいる限り攻撃できない。

そして、異次元の女戦士を攻撃すれば一緒に除外されて折角の復活するという鳳凰神の能力が生かせない。

その上、フィールドがガラ空きになるわけだから、迂闊に攻められない事になるな。



「にゃにゃ、厳しいのです」

「手加減したほうがいいか?」

「(ふるふる)」

「まあ、負けてもデッキをまた調整して頑張ればいいだろ?」

「はいなのです! 頑張るのです!」



イリーニャは気合を入れ直した感じで、表情を引き締める。

そして、唯一残った手札を確認する。



「カードを一枚伏せてターンエンドするのです!」



今、イリーニャはちょっとした賭けに出たようだ。

伏せたカードが何かはわからないが、少なくとも異次元の女戦士をどうにかできると踏んで用意したのは間違いない。

俺の手札は残り2枚、拘束解除と強欲な壺だ。

まあ、強欲な壺はともかく、拘束解除はギア・フリードが来てくれない事にはなんとも。



「俺のターンドロー!」



手札に来たのはギア・フリード!

今回は調子がいいな本当に。



(へえ、引きがいいんだねマスターほどじゃないけど)



ええい覗きこむんじゃない、今回はお前は相手側だろうが。

と目だけで訴えるのだが、エリア(ル)は知らんぷりで俺の手札を確認している。

まあ、イリーニャは気付いていないんだから問題はないんだろうが……。



「俺は鉄の騎士ギア・フリードを召喚!」

鉄の騎士ギア・フリード:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1800/守1600


「トラップ発動なのです! 釣り天井!

 全フィールド上にモンスターが4体以上いる時に発動!

 表側表示のモンスターを全て破壊するのです!」

「なっ!?」

(おおー、流石マスター!

 ヨシカツのフィールドのモンスターは全滅だし、

 次のターン鳳凰神が戻ってくるからトラップやマジックを伏せても壊滅だよ)

「ヨシカツさんが召喚してくれなかったら危なかったのです。

 モンスターが4体以上言ないと使えないので、何とかなってよかったのです」

「やるな……なら俺も出し惜しみしている場合じゃないか」

「にゃう?」

「マジックカード発動! 強欲な壺!」

「にゃにゃにゃ!? 使わず持ってたのです?」

「やはりこういうのはピンチになってからってのが相場だからなっと」



ドローしたのは、稲妻の剣とエネミーコントローラー。

むぅ、意外に難しいカードが来たな。



「俺はカードを一枚伏せてターンエンド!」

「私のターン、ドローなのです!

 そして、スタンバイフェイズ、黄泉ガエルとネフィティスの鳳凰神が特殊召喚されるのです!」

黄泉ガエル:効果モンスター/星1/水属性/水族/攻 100/守 100

ネフティスの鳳凰神:効果モンスター/星8/炎属性/鳥獣族/攻2400/守1600


「ネフィティスの鳳凰神は、効果によって破壊され墓地に行った時、次のターンのスタンバイフェイズに特殊召喚されます。

 そして、この効果で特殊召喚された時、フィールド上に存在する魔法・罠カードを全て破壊するのです!

 ヨシカツさんの伏せカードを破壊! 鳳凰の爆風!」

「チェーンして発動! エネミーコントローラー! その一つ目の効果を発動!

 ネフィティスの鳳凰神を守備表示にする!」

ネフティスの鳳凰神:攻撃2400→守備1600


「にゃう!?」

「まああれだ、ネフィティスにしろメビウスにしろフリーチェーンの速効魔法や罠には割と弱い。

 その効果はあくまで破壊で、効果は無効にできないからな」

「にゃにゃ、そうなのですか……。次からは気をつけるのです!」

「その意気だ!」

「頑張るのです!」



ふんっという感じで気合を入れるイリーニャ、なんというかその姿自体が微笑ましい。

思わずお父さんみたいな気分になる、まあペガサス会長ほど過保護にしたいと言う訳でもないが。

そんな事を考えていると、背後に感じていた精霊の気配が消える。



「私は、2枚目のエリアを召喚するのです!」

水霊使いエリア:効果モンスター/星3/水属性/魔法使い族/攻 500/守1500


「そして、エリアと黄泉ガエルを墓地に送ってデッキから2枚目の憑依装着エリアを特殊召喚するのです!」

憑依装着−エリア:効果モンスター/星4/水属性/魔法使い族/攻1850/守1500


「憑依装着エリアでダイレクトアタック! テンペストウエーブなのです!」

「やるな……」

佳克:LP3050→LP1200 


「ターンエンドなのです」



これが今の彼女の全力、まあこのデッキではだろうが。

なら俺も、出来れば相応の力で答えてやりたい。



「俺のターン! ドロー!」



俺の引いたカードは……、装備魔法巨大化!!



「このカードは相手フィールドよりモンスターが2体以上少ない時、特殊召喚する事が出来る。

 魔道ギガサイバーを特殊召喚する!」

魔道ギガサイバー:効果モンスター/星6/闇属性/戦士族/攻2200/守1200


「装備魔法巨大化を装備! ライフポイントが相手より小さい時元々の攻撃力の倍の攻撃力になる!」

魔道ギガサイバー:攻撃2200→攻撃4400


「にゃ!?」

「更に! 稲妻の剣を装備! 攻撃力が800ポイントアップ!」

魔道ギガサイバー:攻撃4400→攻撃5200


「にゃう!?」

「稲妻の剣の第二の能力を発動! 水属性モンスターの攻撃力を500下げる!」

憑依装着−エリア:攻撃1850→攻撃1350


「にゃうう(半泣)」

「魔道ギガサイバーで憑依装着エリアに攻撃! ギガンティック・プラズマ・クラッシャー!!」

「にゅぅぅぅぅぅ!?!?!?」

イリーニャ:LP3450→LP0


「なかなか楽しいデュエルだったぜ!」

「にゃにゃ、ありがとうなのです!」



どうにか勝ったが、やはり最後は運任せなところが大きかったな。

巨大化が来なければかなり粘られていただろう。

まあ、この世界はリアルアックがものを言うのは事実なので、少々アレでも実力だというフリをしておくとしよう。



「ところで、ヨシカツクーン、最後のあれはひどいのデース」

「そうなノーネ、か弱い女の子にアレはないノーネ!」

「クロノス先生いつのまに……」

「という訳で、巨大化は没収するのデース」

「そうなノーネ、是非私のデッキに入れるノーネ」

「いやいやいや、それは公私混同じゃ……」

「イリーニャとはいい友達になってほしいと思ってマース、ですが……」

「もう、伯父さんも先生もヨシカツさんをいじめちゃダメなのです!」

「えっ、しかし、これはイリーニャのためをおもってなのデース」

「そうなノーネ、あんなチート臭い勝ち方されたら腹が立つノーネ」

「そんな事ありません! ヨシカツさんは本気でデュエルしてくれたのです!」



小さな女の子に2人の大人がたじたじであった。

まあ、元々ペガサス会長はイリーニャを泣かせたくなかっただけだろうから、

しっかりしたイリーニャの言葉にこれ以上何かをする気はなくなったようだが。

クロノス先生のほうは少しもったいないと考えているようだ。


ともあれその後、何度かデュエルして彼女のデッキ調整に付き合った。

その後、来年来るのだからと少しデュエルアカデミア内を案内し、

まだ居たいような口ぶりもあったが、ペガサス会長に”明日は大会の申込期日になるので早く帰らねばなりまセーン”

と言われしぶしぶ帰って行った。


しかしまあ、個性的な子のようだな彼女も……。

これからどう成長していくのか、楽しみというより不安だ……。





あとがき

当時、幼女が書きたかった、それだけ・・・w

ネタはかなり盛り込んだと思いますが、早く追いついて続編もだせという話ですやね(汗



押していただけると嬉しいです♪

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