どうもー、ヨシカツっす。
あれから正月までは2人にもみくちゃにされながら過ごすというありがたいけど疲れる日々を過ごし、
アカデミアに戻ってきたら、テニスやったり夜中に現れるというデュエリストを探したり、
ドローの好きなターザンと闘ったりと色々あった。
まあ、デュエルをやったのは十代だったから俺はあくまでオマケだけど。
相手のデュエリストは皆最初だけ引きが良くて途中から詰まってくるのはお約束だったが。
それと、今もデッキ強化に余念がない俺に敵はなかった。
ラーイエローの一般生徒にもかなりの率で勝利しているので、順調に嫌われ始めている。
ブルーとは元からあまり戦えないので、このままだといずれ戦ってくれる人がいなくなる気が……。
十代に対する勝率は5%くらいだしな……orz
ともあれDPも溜まってきたので買い足しをして、速効魔法非常食を入手、ドレインシールドと入れ替えた。
そして、ゴブリンのやりくり上手を2枚入手、守備封じと入れ変えたが、デッキは41枚になってしまった。
これでやりくりターボが可能になった……気もする。
成功率はあまり高くなさそうだけどな……。また調整しなおさないとな……。
そして、今日はデュエルチャンプ遊戯のデッキ公開前日だ。
このデュエル脳の世界においては、世界的名画と同じくらいの格付けに当たる。
この分だと遊戯って、今頃成金になってるんじゃね?
プロデュエリストになるまでもなく、デッキを貸すだけで毎月何百万とか入りそうだ……。
著書とかも売れそうである。
もっともこの世界の武藤遊戯がアニメ版遊戯王デュエルモンスターズの遊戯本人なのかは微妙なんだが。
それと、デュエルアカデミアが海馬瀬戸社長によって運営されていると言う事は、
少なくともプロデュエルが定着化するのに2〜3年かかるので、
アカデミアを作るにはデュエルモンスターズから5年くらいはかかるはず。
その上で、カイザーらが初の卒業生だとしても、3年は運営している計算になる。
だが、アニメ内の会話を聞く限り初めての卒業生ではなく毎年恒例的な要素があるようだ。
では少なくとも、こちらも後2年は前からやっているとして、5年。
つまり幾ら早くてもデュエルモンスターズから10年くらいはこの舞台を作り上げるために必要なはず。
と俺なりに計算するのだが……社長も遊戯も年を取っているようには見えないんだよな……。
あんまりメタな事を考えていると、消されそうでもあるし、この辺にしておくか。
ともあれ、よく似ているのは事実だが整合性は取れていないと言う事だ。
十代達は喜び勇んで夜のうちに見に行こうと誘ってくれた、
俺は十代のデュエルを見るのもいいかもしれないと、又ついて行く事にした。
途中、三沢と合流し、クロノス教諭からデッキが盗まれた事を聞く、俺達は手分けして捜索する事にした。
「じゃあ、俺はこっちに行くかな……」
多分灯台のある場所へと向かう途中にある橋の下だろうと当たりをつけ、俺は先に向かう事にする。
恐らく、今頃翔が神楽坂とデュエルを……。
「うわー!?!?」
あっ、負けた。
俺は、十代達が追い付いてくるだろうと思いつつ、
ゆっくり近づこうとしたが……、まずい、どうしても上から近づく事になるので目ざとく気付かれてしまった。
「オシリスレッドの男が何の用だ」
「神楽坂、もうやめろ……。そんなデッキで強くなれると思うのか?」
「何を言っている?
このデッキはデュエルチャンピオン武藤遊戯のデッキだぞ!
俺はデッキ内のカードさえ分かればどういうデュエルをしてきたのか全てわかる!
武藤遊戯のデュエルも徹底的に研究している俺なら、このデッキの特性を100%発揮できる!
最強のデッキを手に入れた俺は、最強のデュエリストなんだ!!」
「……本気で言っているのか?」
「俺が使いこなせないとでも思っているのか? ならば、俺とデュエルしろ!!」
あー、勘違いされたか。
いや、武藤遊戯のデッキには強いカードが何体かいることはいるが、使い勝手は悪い。
彼らのチートドローがあってこそコンボする、いわゆる一般人には事故デッキなんだよな。
それに、遊戯はデッキに入れていないカードをドローするというゲームのルールを違反したプレイヤーだしな。
そりゃディスティニードローの時だけだが、それでも酷いカードも多かった。
神楽坂に同じ事が出来るとは思えないが……。
「そうだな、俺もチャンプとは一度戦ってみたいと思っている。
まあ、今のデッキでは本人の相手はきついと思うがな」
「ならば俺が、デュエルチャンピオンの強さを教えてやるよ!」
「「デュエル!」」
佳克:LP4000 神楽坂:LP4000
「俺のターン! ドロー!
幻獣王ガゼルとバフォメットを手札融合! 出でよ、有翼幻獣キマイラ!!」
有翼幻獣キマイラ:融合・効果モンスター/星6/風属性/獣族/攻2100/守1800
なんというお約束……。
キマイラは面白い動きをする融合モンスターではあるんだが、わざわざ融合してまで呼び出したいモンスターでもない。
攻撃力2100でサポートカードがある訳でもない、その上手札3枚消費だからかなり痛いのだ。
せめてフレイムウイングマン程度には使える効果ならいいんだが。
「ターンエンド!」
「俺のターン、ドロー!」
今回の手札は……。
荒野の女戦士:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1100/守1200
ならず者傭兵部隊:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1000/守1000
コマンド・ナイト:効果モンスター/星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1900
稲妻の剣とリビングデッドの呼び声、それからゴブリンのやりくり上手が一枚。
とりあえず、キマイラを破壊して相手の反応を見るか。
「俺はコマンド・ナイトを召喚!」
コマンド・ナイト:効果モンスター/星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1900
「コマンド・ナイトのモンスター効果発動! 戦士族モンスターの攻撃力を400アップ!」
コマンド・ナイト:攻撃1200→攻撃1600
「更に、稲妻の剣を装備、攻撃力が800ポイントアップ」
コマンド・ナイト:攻撃1600→攻撃2400
「バトル! コマンド・ナイトでキマイラを攻撃! タクティクスチャージ!」
「くっ!?」
神楽坂:LP4000→LP3700
「だが、有翼幻獣キマイラが破壊された事により、効果発動!
融合素材モンスター一体を蘇生する! バフォメットを守備表示で特殊召喚!」
バフォメット:効果モンスター/星5/闇属性/悪魔族/攻1400/守1800
「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
さて、次は……やっぱりあれかね?
だとすると稲妻の剣がもったいなくはあるが。
「俺は、手札を一枚捨て、死者転生を発動! 幻獣王ガゼルを手札に戻す!
そのまま召喚!」
幻獣王ガゼル:通常モンスター星4/地属性/獣族/攻1500/守1200
「そして、マジックカード光の護封剣を発動! 貴様は3ターン攻撃をする事が出来ない!」
「神楽坂何をしている!?」
「三沢か、何っ、俺のデッキのお披露目ってところだな」
「バカなことはよせ!」
「そうだぜ、今ならまだクロノス先生も大事にはしないって言ってる!」
「このデッキがあれば……もう俺は誰にも負けない!」
「その割に、お前のほうが先にダメージを食らってるがな」
「貴様!!」
「悔しかったら勝ってみる事だ」
「この俺に挑んだ事後悔させてやるからな」
皆さん到着、つーか遅いよ。
十代先に来ると思ってたんだけどな……。
今の神楽坂は遊戯になりきっているようだが。
さてはて、どんなコンボで来るのか、楽しみではあるな。
俺が失敗しても十代がやるだろうし、気楽にできると言うものだ。
「カードを一枚伏せてターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー!」
手札に来たのはゴブリンのやりくり上手……うむ、デッキ圧縮に役立ってねぇ。
サーチカードがないと厳しいかね?
ともあれ、今出来る事は3ターン耐える事、サイクロンでも来ればいいんだが。
まあ、その前に、アニメと同じ展開だけは打破しておくとしますか。
神楽坂はどうやら、相手に合わせてやるのが苦手のようでもあるし。
幸い、まだエクシーズ召喚はない、だからマスタールール2も適用前だ。
マスタールール2に移行すると召喚直後に効果発動の優先権を主張出来なくなるんだが……。
まあ、細かいルール過ぎて俺もうろ覚えだ。
「俺はならず者傭兵部隊を守備表示で召喚!」
ならず者傭兵部隊:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1000/守1000
「やはり召喚してきたか、守備表示で耐えようなんて甘い事はさせないぜ!
トラップカード黒魔族復活の棺を発動!
このカードは相手がモンスターを召喚した時、その魂と……」
「そのまま効果発動!
ならず者傭兵部隊を生贄に捧げ、幻獣王ガゼルを破壊する! 死山血河!」
「なっ、なにー!?」
「地が出てるぞ神楽坂」
「うっ、うるさい、トラップの発動がキャンセルされただけだ、
チェーン発動したんじゃない以上、次に召喚すれば同じ事だ!」
分かっていて召喚はしないと思うがね……。
まあ、ようは条件つまり敵のモンスター一体がいる事、相手の召喚がある事。
それから、トラップが残っている事、墓地にブラックマジシャンがいる事。
この4つのうち1つでも揃わなければこのトラップは発動できない。
神楽坂はこのピンチをどう抜けるかな?
「なら俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ」
「ふん、トラップを一枚潰した程度でいい気になるなよ。
俺のデッキにはまだまだ強力なカードが眠っているんだからな!」
「それは否定しないが、その分重いんだよ、そのデッキは」
「っ、手札から強欲な壺を発動! デッキからカードを2枚ドローする!
クイーンズナイトを召喚し、ターンエンド!」
クィーンズ・ナイト:通常モンスター/星4/光属性/戦士族/攻1500/守1600
次に何をしようとしているのか凄くよく分かる。
だが、残念ながら俺の手札にあるのは荒野の女戦士一枚のみ。
というより、デッキ内にマジックカードを止められる術がない(汗)
ならば、力技で突破するしかないということになるな……。
「俺のターン! ドロー!」
手札に来たのは……異次元からの帰還……。
むう、このままでは使用しづらいな……。
もうトラップマジックゾーンには4枚のカードがある。
だがそうだな……次のターンまで全部残っているようならむしろ負けないだろうし。
そうでないなら、次のターンは必要な空間が出来ているだろう。
「俺はカードを一枚伏せてターンエンド」
「トラップマジックゾーン全てを使いきるとは……もう少しタクティクスを考えたほうがいいぜ」
「どうかな」
「フッ、俺のターン、ドロー! 俺はキングスナイトを召喚するぜ」
キングス・ナイト:効果モンスター/星4/光属性/戦士族/攻1600/守1400
「俺のフィールドに、クイーンズ・ナイトとキングス・ナイトが揃った時。
デッキからジャックス・ナイトを特殊召喚出来る! 出でよ絵札の三銃士ジャックス・ナイト!」
ジャックス・ナイト:通常モンスター/星4/光属性/戦士族/攻1800/守1200
ふむ、微妙にOCGとはステータスが異なるな。
遊戯のパターンを考えると元々は2体の騎士が揃うと残り1体を特殊召喚出来る効果だったのではないだろうか。
だが、こういう風に効果が限定されてしまっているので、使いづらいものとなっている。
「そして、手札より融合を発動!
これこそが、神に次ぐ攻撃力を持つ戦士! このデッキの真のエースカードだ!
融合召喚! アルカナ ナイトジョーカー!!」
アルカナ ナイトジョーカー:融合・効果モンスター/星9/光属性/戦士族/攻3800/守2500
「ああ、このカードは!!」
「すげぇ、攻撃力3800なんてサイバーエンドドラゴン並じゃねーか」
「そっ、それだけじゃないよね確か……」
出やがった……確かに、攻撃力だけなら神に次ぐと言っていいカードだ。
融合モンスターとしては、ブラックパラディン等の強力な効果を持つカードもあるが。
基礎攻撃力においては追随を許さない。
というか、遊戯王Rに出てきたカードなので原作にもアニメにもないはずなんだが……。
まあ、持っていても不思議ではない、あの3枚がただ入っているというのもさびしい話ではあるしな。
流石に十代達もびっくりしているようだ。
まあ、俺としてもよく呼びだしたもんだなと感心するが。
「アルカナ・ナイトジョーカーはトラップにはトラップ、マジックにはマジック、
モンスター効果にはモンスターを手札から捨てる事によって無効化し破壊する事が出来る!」
「手札は残ってないようだがな」
「ッ!
だが、攻撃反応型のトラップは張っていないだろう!
俺はバフォメットを攻撃表示に変更し」
バフォメット:守備1800→攻撃1400
「アルカナ・ナイトジョーカーでコマンド・ナイトを攻撃! ライトニング・ブレード!!」
「グッ!?」
佳克:LP4000→LP2600
「更にバフォメットでダイレクトアタック!!」
「トラップ発動! リビングデッドの呼び声!! 墓地よりコマンド・ナイトが帰還する!」
コマンド・ナイト:効果モンスター/星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1900
「コマンド・ナイトのモンスター効果発動! 戦士族モンスターの攻撃力を400アップ!」
コマンド・ナイト:攻撃1200→攻撃1600
「くっ、バフォメットの攻撃力では倒せないか……。
だが、護封剣によってもう1ターンお前は攻撃できない、ターンエンド」
これは……ちょっと本格的にまずいか。
このままだと、次回でモンスターでも召喚されれば終わりだ。
偉そうなことを神楽坂に言ったんだから、それなりに決めないとな。
「俺のターン、ドロー!!
俺が引いたのは、マジックカード強欲な壺!
デッキから2枚ドロー!」
「ここに来て引いてくるとはな」
格好つけてるな、まあ、なりきりの一環なんだろうけど。
神楽坂もデュエルタクティクスを研究はしているんだから、そのままマネするより効率のいい方法もあるだろうに。
ともあれ、手札が3枚になったのは大きい。
「伏せてあるマジックを発動! 死者蘇生! 俺はお前の墓地からブラックマジシャンを守備表示で特殊召喚する!」
ブラック・マジシャン:通常モンスター/星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100
「何っ、俺のブラックマジシャンを奪うだと!?」
「お前のじゃないから……、そして、荒野の女戦士を守備表示で召喚!」
荒野の女戦士:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1100/守1200
「くっ、黒魔族復活の棺は復活するべきブラックマジシャンがいなくては使えない……」
「そう言う事だ、俺はコマンド・ナイトを守備表示にし、カードを一枚伏せてターンエンド!」
「やったなヨシカツ! これで光の護封剣の効果が消える! 次のターンからは攻撃できるぞ!」
「がんばるんだな!
コマンド・ナイトは他の戦士族モンスターが尽きるまで攻撃対象に指定されないんだな。
つまり、他の戦士族が残っている限り全員の攻撃力を400アップするんだな!」
「三沢、隼人ありがとうな!」
「俺のターン! ドロー!!
俺が引いたのは、マジックカード天よりの宝札!
互いに手札が6枚になるまでドローする!」
「大盤振る舞いだな」
天よりの宝札、原作ナンバーワンチートドローカード。
6枚になるまでドローするってその頃手札はないから大抵6枚ドローしているという恐ろしいカードだ。
強欲な壺なんて2枚でも禁止カード化したくらいなのに。
ただまあ、一応欠点もあるにはある。
6枚も手札が増えるので、一気に決め切れればいいが、決められない場合相手も6枚あるので逆に猛攻をくらうのだ。
だから、遊戯も大抵はラストの直前に使うようにしていたように見える。
「ワタポンは通常のドロー以外で手札に加わった時特殊召喚する事が出来る!」
ワタポン:効果モンスター/星1/光属性/天使族/攻 200/守 300
「そして、ワタポンを生贄に。ブラックマジシャンガールを召喚!」
ブラック・マジシャン・ガール:効果モンスター/星6/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1700
ここに来てブラックマジシャンガールか、しかもウインクまで決めてやがる。
しぐさの一つだけで、もう翔はメロメロだ。
露出も多いし、明るい感じで、まあ人気なのもよく分かるんだけど。
「更に、手札から心変わりを発動!
ブラックマジシャンが俺のフィールドに戻る!」
ブラック・マジシャン:通常モンスター/星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100
「くっ!!」
こりゃまたいいカード引いてやがる。
心変わりは精神操作の上位互換で、元の世界では禁止カードだった、裏守備関係なしで1ターンの間コントロールを奪うからだ。
シンクロ、エクシーズ素材としてこれほどお得なカードはそうない。
しかも、精神操作では出来ないが、心変わりの場合は攻撃も出来るし、生贄素材にする事も出来る。
凄まじく応用力の高いカードである、だから禁止になっているんだけど。
「そしてブラックマジシャンを攻撃表示にする」
ブラック・マジシャン:守備2100→攻撃2500
「さあ、行くぞ! バトル! バフォメットで守備表示の荒野の女戦士を攻撃!」
「くっ!」
破壊されて、墓地に行く荒野の女戦士、画像的には野獣に襲われる美女である。
まあそれは置いておいて、かなりまずいな……。
「墓地に行った荒野の女戦士の効果発動! デッキから翻弄するエルフの剣士を特殊召喚する!」
翻弄するエルフの剣士:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1400/守1200
「更に、コマンド・ナイトの効果で攻撃力400アップ!」
翻弄するエルフの剣士:攻撃1400→1800
「そんな小さな攻撃強化で防げるものか! 続けて行くぞ!
ブラックマジシャンで翻弄するエルフの剣士を攻撃! 黒・魔・導(ブラックマジック)!!」
「ごっ!? だが、翻弄するエルフの剣士は攻撃力1900以上のモンスターには破壊されない!」
佳克:LP2600→LP1900
「それがどうした! 貫通ダメージだけで十分倒せる!
速効魔法発動! 光と闇の洗礼! ブラックマジシャンを上回る最強の魔術師を見せてやろう!」
混沌の黒魔術師:効果モンスター/星8/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2600
神楽坂、本当に得意満面だな……。
確かに、これだけ一気に出してこれれば凄いの一言だが。
遊戯だってこんなに同時展開はしなかった気もするしな。
「混沌の黒魔術師が召喚もしくは特殊召喚された時、墓地からマジックカード一枚を手札に加える。
俺が加えるのは、天よりの宝札!
更に、混沌の黒魔術師で翻弄するエルフの剣士を攻撃! ディメンション・マジック!」
「くっ……」
佳克LP:1900→LP900
「更に、師の力は弟子に引き継がれる、
ブラックマジシャンが墓地に行った事により、ブラックマジシャンガールの攻撃力が300アップ!」
ブラック・マジシャン・ガール:攻撃2000→攻撃2300
「ブラックマジシャンガールで翻弄するエルフの剣士を攻撃! 黒魔導・爆裂破(ブラック・バーニング)!」
「くぅ!?」
佳克LP:900→LP400
なんという怒涛の連続攻撃、しかも止めをまだしていない。
神楽坂もかなり鬱憤がたまってたんだろうな……。
アルカナナイトジョーカーの攻撃3800とパワーアップしたエルフの剣士の攻撃力1800。
てんで相手にならねー(汗)
「ラストだ! アルカナナイトジョーカーで攻撃! ライトニング・ブレード!!」
「トラップ発動! ゴブリンのやりくり上手!」
「はっ、何を意味の無い事を!」
「更にチェーン発動! ゴブリンのやりくり上手!」
「だから、無意味な事をするんじゃ・・・」
「更にチェーン発動! 非常食!
こいつはトラップマジックゾーンのカードを1枚墓地に送るたびに1000ライフを回復する」
「えっ?」
「先ずゴブリンのやりくり上手2枚を墓地に送って、ライフポイントを2000回復!」
佳克:LP400→LP2400
「そして、ゴブリンのやりくり上手の効果発動!
カードを一枚ドローし、カードを一枚デッキに戻す。
しかし、墓地にゴブリンのやりくり上手がある場合その枚数分追加でドローできる。
速効魔法非常食によって、効果発動時点に墓地には既に2枚のゴブリンのやりくり上手があるため。
3枚ドローし、1枚デッキにもどす!
そして2枚目のゴブリンのやりくり上手の効果処理も同様となり3枚ドローし1枚デッキに戻す!」
「手札10枚だと……しかし、戦闘は続行される! 行け! アルカナ・ナイト・ジョーカー!!」
「ごぉぉぉ!?!」
佳克:LP2400→LP400
「なんとか……生き残ったな」
「くっ、だが……まだ手札は3枚残っている、無効化は使えるぞ。
だが念のためだ、手札を1枚伏せて、ターンエンド!」
「俺のターン! ドロー!! これで手札は11枚だな」
「くっ……」
流石に11枚もあるとババ抜きみたいな手札になっているが……。
これだけあって逆転できなかったら逆に笑えるな。
とはいえ、先にしておく事があるか。
「手札よりマジックカード魂の解放を発動!
墓地にあるカードを5枚まで除外する!
俺が除外するのは、荒野の女戦士、ならず者傭兵部隊、幻獣王ガゼル、有翼幻獣キマイラ、そしてブラックマジシャン!
これでまた黒魔術復活の棺は使えなくなった」
「くそっ!」
「更に、手札から速効魔法サイクロンを発動! 右側のカードを破壊する!」
破壊したのはマジックシリンダーか、危ない危ない。
サイクロンを引いていなかったらやられてたな。
「だが、俺のフィールドは最強のモンスターばかりだ。この差をどう覆す!?」
「悪いが、お釣りが来すぎて迷ってる状態だ」
「は?」
「申し訳ないが、派手にいかせてもらおう」
「何!?」
「このモンスターは相手よりモンスターが2体以上少ない時特殊召喚できる!
魔道ギガサイバーを特殊召喚!」
魔道ギガサイバー:効果モンスター/星6/闇属性/戦士族/攻2200/守1200
「そんなザコなどに」
「コマンド・ナイトの効果で攻撃力400アップ」
魔道ギガサイバー:攻撃2200→攻撃2600
「まっ、まだまだ」
「トラップ発動! 異次元よりの帰還!
ライフを半分払い除外されているモンスターを可能な限り特殊召喚する!」
佳克:LP400→LP200
荒野の女戦士:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1100/守1200
ならず者傭兵部隊:効果モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1000/守1000
「雑魚ばっかりじゃ……」
「コマンドナイトの効果!」
荒野の女戦士:攻撃1100→攻撃1400
ならず者傭兵部隊:攻撃1000→攻撃1400
もう既に半分涙目になっている神楽坂。
正直俺もやりすぎな気もしないでもないんだが、さっき盛大になぶってくれたんだし。
俺も仕返ししないとな。
「ならず者傭兵部隊、荒野の女戦士、翻弄するエルフの剣士、3体のモンスターを生贄に……」
「まさか!? その召喚条件は!」
「ギルフォード・ザ・ライトニングを召喚!!」
ギルフォード・ザ・ライトニング:効果モンスター/星8/光属性/戦士族/攻2800/守1400
「げぇ!?」
「3体の生贄をささげて召喚された事により、ギルフォード・ザ・ライトニングの効果発動!!
相手フィールド上のモンスターを全て破壊する!! ライトニング・サンダー!!」
「ぐおぉぉぉ!?!?」
手札コストで対象を取る効果を全て無効にできるアルカナ・ナイト・ジョーカーも、
全体除去の前では普通のモンスターと変わらない。
バフォメット、ブラック・マジシャンガール、混沌の黒魔術師らと一緒に墓地へと消えるのみだ。
それを見た神楽坂はもう自分に勝機が無い事を悟ったようで半ば呆然としている。
「続けて、コマンドナイトの効果ギルフォードの攻撃力が400アップ」
ギルフォード・ザ・ライトニング:攻撃2800→攻撃3200
「更に、装備魔法巨大化をギルフォードに装備! 攻撃力が元々の攻撃力分アップ!」
ギルフォード・ザ・ライトニング:攻撃3200→攻撃6000
「こっ、攻撃力6000!?」
「行け! ギルフォード・ザ・ライトニングでダイレクトアタック! ライトニング・クラッシュ・ソード!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
神楽坂:LP3700→LP0
神楽坂はかなりの衝撃だったのか、後ろが海だと言う事も忘れて後ろ向きに倒れて行った。
まずい、神楽坂は落ちてから助けても間に合うが、デッキが濡れたら弁償額が想像もつかない!?
俺は大急ぎで走り出す、しかしデュエルとはいえ、5mは離れた場所でいたわけだからとても間に合いそうにない。
だが、倒れる直前まるで何かに支えられたかのようにふわっと落下速度が緩んだ。
俺は急いでそこに駆け込み、どうにか神楽坂の体を支える。
「ふぅ、大丈夫か!? 神楽坂!!」
「あっ……ああ……」
「ん……人だかりができてる?」
「いつの間に……」
そう、俺達のデュエルを皆が見ていたのだ。
アニメで十代達も見られていたのだから俺も気がつきそうなもんだが……。
熱くなってたからなわりと(汗)
それから、クロノス先生にきちんとデッキを返す事にした俺達だが、
犯人は外部の者だったと伝える事にした、学生の頃から犯罪者じゃ辛いだろうしな。
何にしても、神楽坂に俺は負けそうだったのは事実だ。
俺が勝ったのは半分は神楽坂のミス、天よりの宝札をつかったせいだ。
あれを使わなければ俺も怒涛の反撃なんてできなかったしな。
「俺はどうして勝てなかったんだ。あれだけのデッキを使いながら」
「勘違いするなよ、チャンプのデッキは強力なモンスターは多いが、重い。
一つプレイングミスが入るとリカバリーが効かないほどにな」
「俺はプレイングミスは……」
「自分のデッキを完璧に使えても、相手のデッキを把握していなければ同じだ」
「相手のデッキを把握?」
「自分のコンボに夢中になって、相手がどう返してくるかを自分の想定範囲でしか考えないのがお前の弱点だ」
「想定の範囲内だって?」
「そう、このコンボはこれが弱点だからこう攻められるだろう、だからこう返す。
しかし、力技で破る奴もいるし、そもそもカウンター罠等を仕掛けて使わせてくれない奴もいる。
そう言う部分に対する対処がお前にはないんだ」
神楽坂のデュエルは完璧にモノマネをしている、しかし、それは他の人間だって見たことがあるのだ。
例えば、十代とクロノス教諭のデュエルはかなりの人間が見ている。
しかし、それを完璧にマネすれば、同じ物を見たことがある翔ならどう対処すればいいのか分かる。
同じ反応に対しては対処出来ても、元々別の対処法を練っている相手にはまるっきり効かない。
神楽坂の欠点は、融通がきかない事だ。
そう……、分かってはいたんだが……。
翌日、よく研究もせず俺のマネをする神楽坂を見て思わずぶっ倒れた俺は暫く再起不能だった……。
あとがき
神楽坂君の回は一年目の前半では割と節目の回だった気がします。
後、後半ですがカイバーマンの回もww
ああいうコラボネタって面白いですよね♪
押していただけると嬉しいです♪
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