またまたヨシカツっす。
2年にあがり、最初にやったのはティラノ剣山とのデュエルでした。
その頃、十代はイヤッッホォォォオオォオウ!
ことエド・フェニックスに先輩風を吹かせて後でプロだと分かって周りが囃したててたらしい。
しかし、俺は肝心なことを忘れていた……。
それは、剣山がイエロー寮に入ったということは、そうペガサスの姪……。
イリーニャ・S・リークリッドが入寮したということ。
そう、ブルー女子寮にだ。
さっさと挨拶くらいしておかないと、明日になってからでは色々うるさいだろう。
俺はさっき降した剣山に付いて来ないよう言うとすぐさまブルー女子寮に向けて走り出した。
そして、俺は自分のバックに入れている持ちカードをいろいろ探し、風系で使えるカードを何枚か引き出す。
もともと俺は地属性のデッキだし、あまり使わないからだ。
ついでに、自分のデッキも少しだけいじった。
途中おばちゃんの店によりラッピングを頼んでからブルー女子寮に向かう。
女性にカードをプレゼントするのもどうかとは思うが、今俺にはアクセサリーもバッグも買える環境にない。
実際ブルー女子寮の生徒も化粧っけの濃い子は少ない。
学生で許される範囲内ということだろう。
「しかしまー、やっぱ飛び級してきたか……」
そう、彼女は実年齢23歳ということになるが、恐らくコールドスリープのような状態だったのだろう。
去年見た限り10年前と変わらないというペガサス会長の話であったので、まだ実質13歳。
14歳の誕生日が12月に来るらしい、デュエルアカデミアは南国時間。
即ち10月から一学期が始まる。
もっとも、そもそも雪も降らなきゃ年中水泳ができるようなところだが。
入学後すぐに誕生日といってもいいのかもしれない、彼女は普通なら中二だ。
つまり2年生と3年生を飛んだわけで2年の飛び級ということになる。
まあ、早乙女レイの入学は12歳だったわけだが……。
4年の飛び級ということになる、カイザー亮ですら飛び級していないのに、どんだけという話である。
もしかしたら、女性の方が飛び級しやすいのかもしれないが……。
そんなどうでもいい事を考えつつ、ブルー女子寮の方までやってくる。
あんまり中に入ったりとかはしたくないので、入り口付近で先生がいないか見る。
そして、見知った顔があったことに気づいた。
「佐藤先生!」
「ん、君は天谷(あまや)君」
そうそう、苗字を忘れた人も多いかもしれないけど、俺の名前は天谷佳克(あまやよしかつ)。
そして、目の前にいるのは細身でロン毛のちょっと渋い兄ちゃん、佐藤 浩二(さとう こうじ)先生だ。
遊戯王GXが好きだった人は覚えている人もいるかもしれない。
3年目コブラの協力者としてスカブ・スカーナイトを引っさげ、アカデミアに復讐をしようとした教師だ。
だが、この人の根っこは悪い人ではない。
そもそも、アカデミアにいること自体が家族のためであり、プロに復帰して不安定な収入になるのを避けるためだ。
そしてまた後進にすべての技術を教える気でいる。
だが彼は既に孤立を始めている、ありていに言ってデュエル理論が一般的でないからだ。
流行のデュエルタクティクスと比べ地味に見えるからかもしれない。
だけど、決して問題がある先生ではない、疑問や反論に対して真剣に向き合ってくれるからだ。
俺は、デッキ構築やコンボ等に関して先生と話すことも多い。
最初の頃カード不足だった頃は特に話をしに行っていた。
逆に、先生はメタデッキに寄りがちなので俺と話していて思うこともあったようだ。
デッキ調整を手伝ったりすることもある。
因みに彼のキーカード、スカブ・スカーナイトは既に存在する。
スカーナイトがスカブ・スカーナイトになったのは、デュエルアカデミアに来る前だから仕方ない。
できれば、死ぬようなことになってほしくないのだが。
「どうかしたのかい? 女子寮の方に行くみたいだが?」
「はい、実は知り合いが今日入学してきたので、会いに行こうかと」
「なるほど、それで。じゃあ鮎川先生に頼んで呼んできてあげるよ、名前は?」
「ありがとうございます! イリーニャ・S・リークリッドといいます」
「それって、ペガサス会長の姪っ子じゃないかね?」
「その通りです。少し前に知り合いになりまして」
「凄いね、そう言えば彼女、長い間行方不明になっていたと聞いたが……」
「詳しいことは分からないのですが、森の中の研究所でコールドスリープのような状態にあったようです」
「いや、充分詳しいよ。そうか、それを君が助けたんだね」
「一応そういう事になりますね」
「誇っていいことなのだから胸を張り給え。彼女は2年スキップして入学している。
彼女のようなデュエリストはアカデミアでも貴重だ、言わばその才能を助けたとも言える」
「それは……」
「あ、いや少し飛躍しすぎだったかな。では行ってくる」
「よろしくお願いします」
彼は話してみると結構細かく気を使ってくれる。
本気で生徒を大事にしようとしてくれているのがわかる。
だが、佐藤先生は女子寮に入る前に俺に振り返り言葉を放つ。
「そうだ、今度のデュエル実験にその子もつれて来てはどうだね?」
「そうですね、では明後日に連れて行く事にします」
「うん、待っているよ」
彼の実験に付き合う人はかなり少ない、これはもともとだ。
だが変わった事をしているので時々参加している。
毎回とまではいかないのは申し訳ない、実際忙しくなることもあるしな。
先生とイリーニャを待ちながらふと思う。
そう言えば、先生が十代に怒りを覚えた理由は英雄である十代が勤勉でないから。
と言うものだったはずだ、つまり、既に今三幻魔を俺が倒した関係で今の十代は英雄ではない。
一応ではあるが、俺が英雄ということになるのかもしれない。
つまり、光の結社というか斎王を俺が倒せば……。
真面目に俺が先生の授業に通い続けている限りそこまで酷い事にはならない筈だ。
そんなことをつらつら考えているうちに、イリーニャを連れて先生が戻ってきた。
「佳克(よしかつ)さ〜ん!」
手をブンブン振りながら、イリーニャはダッシュで突撃してくる。
このまま飛び込んでくる気だろうか?
まあ、よっぽどじゃない限り受け止めたいと思うが……。
ドンッっと胃袋辺りに衝撃が走る。
いったい何キロで走ってるんだ!?
だが俺も何とか倒れず踏ん張って面木を保つことができた。
「お久しぶりなのです!」
「ああ、入学おめでとうイリーニャ」
「にゃにゃ、ありがとうなのです♪
これで佳克さんと一緒にデュエルできるのです!」
「これからも宜しくな!」
「はいなのです!」
こうした会話をしている俺達を見守って微笑んだ佐藤先生は片手を挙げて去っていく。
俺達も例を言って頭を下げた。
「優しそうな先生なのです」
「まあ、真面目に授業を受けてればね」
「怖いのです?」
「……佐藤先生は一度はデュエルチャンプに挑戦したほどのデュエリストなんだ」
「それって、ランキング上位だったっていうことです?」
「そう、だからいつも真剣に教えてくれてるんだよ」
「にゃっ! 分かったのです。頑張って授業を受けるのです!」
「その意気だ」
俺は思わずイリーニャの頭を撫でる。
彼女はくすぐったそうにしているが、跳ね除けるでもなくじっとしている。
そう言えばナデポとかいうのあったな……。
流石にそんな能力はないとは思うが、銀髪の雪の妖精みたいな少女が頬を染めているのは可愛い。
「にゃふぅ〜。佳克さんは一級ナデリストなのです〜」
「なんだそりゃ……はい終わり」
「にゃふッ!?」
ぽんと頭を叩いて終わりを告げる。
少しびっくりしていたイリーニャはしかし、直に表情を直し俺を見る。
俺は、このまま寮の近くで話してると変な噂が立つかも知れないことに気づいた。
「にゃ、ないのです! 有っても無い事になるのです!」
「いやいやダメだろ。実際はどうなんだ?」
「にゃにゃ、6時半に夕食を兼ねて歓迎会をすることになってるのです」
「そっか、じゃあ少し時間があるな」
「なのです!」
今は4時くらいなので2時間半、流石に島を案内するには短い。
なら、ついでにちょっとやっておくか。
そういえばアウスを見ない、どっかに行ったのか?
まあ、アウスとイリーニャがいるとややこしいからいいが。
「それと、これはお祝い。よかったらこのカード貰ってくれ」
「ラッピングが綺麗です! カードは……あ!
水精霊アクエリアとペンギン・ソルジャーなのです!
ペンギンさん可愛いのです!」
まあ、なんていうかペンギンソルジャーの見た目はペンギンじゃないが……。
雀か燕といった感じの顔つきにしか見えない。
だがなんにしろ、喜んでもらえたようでよかった。
アクエリアは特殊召喚効果で生贄要員として使い勝手がいいし、
ペンギンソルジャーは相手のボードアドバンテージを逆転する事ができる。
使い方次第ではあるが、どちらも応用範囲の広いカードだ。
「早速デッキに入れてみるのです!」
「ちゃんと調整したほうがいいぞ」
「にゃっ、はいなのです。だから佳克さんに付き合ってほしいのです!」
「なるほど」
既にイリーニャはデュエルディスクを持ってきているようだ。
俺は、ある程度女子寮から離れた所に広っぱを見つけたのでそこで受ける事にした。
「では行くのです!」
「ああ、来い!」
「「デュエル!」」
佳克LP4000 イリーニャLP4000
「先攻は私なのです! ドロー!
マジックカード愚かな埋葬を発動なのです!
デッキからモンスターを一体墓地に送るのです!」
墓地に行ったのは恐らく黄泉ガエルだろう。
愚かな埋葬で墓地に送って有利になるカードは今の所そう多くはない。
「更に裏守備で一枚召喚するのです!
そして、カードを一枚伏せてターンエンドなのです!」
裏守備……この世界において裏守備表示で召喚できるのはリバースモンスターのみ。
イリーニャが持っている裏守備を全て知っている訳ではないが、何度かデュエルは見ている。
恐らくは霊使いのエリアか、もしくはペンギンソルジャーだろう。
「俺のターン! ドロー!」
俺が引いたモンスターは
戦士ダイ・グレファー:通常モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1700/守1600
融合呪印生物−地:効果モンスター/星3/地属性/岩石族/攻1000/守1600
これはドラゴンウォーリアーを使えというお告げだろうか?
トラップマジックは
非常食にガイアパワー、お触れと和睦だ。
各2枚づつ来てるのも珍しい。
「手札から戦士ダイ・グレファーを召喚!」
戦士ダイ・グレファー:通常モンスター/星4/地属性/戦士族/攻1700/守1600
「そのままバトル! 裏守備モンスターに攻撃! グレートソード!!」
『ハァッ!!』
「トラップ発動! 和睦の使者なのです!
このターンバトルでモンスターは破壊されず、ダメージも受けないのです!」
「くっ!」
和睦はリバース効果モンスターを保護するのに向いたカードだ。
モンスターは破壊されないが、モンスターフィールドに変化がないため攻撃のキャンセルができない。
つまり、防御力の低いリバース効果モンスターを保護しつつ効果を発動させられる。
更に言えば、フリーチェーンである和睦は消費しやすく、次のターンに黄泉ガエルを復活させやすい。
イリーニャも好く考えてデッキ組んでるな……。
「攻撃によって、裏守備のモンスターが反転召喚するのです!
反転召喚するのは、水晶の占い師なのです!」
水晶の占い師:効果モンスター/星1/水属性/魔法使い族/攻 100/守 100
水晶の占い師、宝玉獣と一緒に出てたカードか。
ちょいレアクラスってところだな。
その効果は……。
「水晶の占い師の効果発動なのです!
デッキの上から2枚をめくり、一枚を手札に加え、もう一枚をデッキの一番下に戻すのです!」
「カードを一枚伏せてターンエンド」
現状、一応俺の方がボードアドバンテージで上回っているが、
手札が増えた以上次のターン狙ってくるだろう。
それに、向こうには……。
「私のターン、ドローなのです!
そして、スタンバイフェイズ、トラップマジックゾーンにカードが存在しない時。
自身の効果により墓地から黄泉ガエルが特殊召喚されるのです!」
そう、とびきり優秀な生贄要員黄泉ガエルだ。
このカードが特殊召喚を続ける以上、ボードアドバンテージは簡単に逆転されうる。
「黄泉ガエルを生贄に、氷帝メビウスを召喚するのです!」
氷帝メビウス:効果モンスター/星6/水属性/水族/攻2400/守1000
「生贄召喚に成功したことにより、氷帝メビウスの効果発動なのです!
トラップ、マジックゾーンのカードを2枚破壊するのです! フリーズ・バーストなのです!」
「チェーンして発動! 和睦の使者! このターン、バトルによるダメージは0になりモンスターは破壊されない!」
「お返しをされてしまったのです!?
カードを一枚伏せてターンエンドなのです!」
やはりボードアドバンテージは逆転された。
だが、互いにダメージは0、ここからが本番だろう。
「俺のターン! ドロー!」
引いたカードは強欲な壷。
今は使わないほうがいいな。
リリーを手札に加え、俺はもう一体のモンスターを召喚する。
「俺は、手札から融合呪印生物−地を召喚する!」
融合呪印生物−地:効果モンスター/星3/地属性/岩石族/攻1000/守1600
「速攻魔法を発動するのです! ディメンションマジック!」
「なっ!?」
「水晶の占い師を生贄に、効果発動! 手札から憑依装着エリアを特殊召喚するのです!」
憑依装着エリア:効果モンスター/星4/水属性/魔法使い族/攻1850/守1500
そうか、魔法使い族のギミックを入れてきていたのか。
以前は水属性の帝デッキに近いものを使っていたが、今回は少し変えてきてるんだな。
「そして、更に戦士ダイ・グレファーを破壊するのです!」
「くっ!」
これで、俺のフィールドには融合呪印生物地だけが攻撃表示で残る結果になった。
そして、相手フィールドには氷帝と憑依装着エリアの2体。
どちらも攻撃力1000で相手ができるカードじゃない。
しかも、俺の持っているカードの中には戦闘ダメージを防ぐものはない。
仕方ない……。
「カードを2枚伏せてターンエンド!」
正直、こう返されるとは思っていなかった。
イリーニャの成長ぶりには驚かされる。
運なのか、タクティクスなのかははっきりとするほどしていないが、おそらく狙っていたはずだ。
「にゃ、私のターン、ドローなのです!
スタンバイフェイズ、黄泉ガエルが戻ってくるのです!
そして、ネフティスの導き手を召喚するのです!」
ネフティスの導き手:効果モンスター/星2/風属性/魔法使い族/攻 600/守 600
「ネフティスの導き手の効果発動! 鳳凰降臨!
このカードと黄泉ガエルを生贄に、デッキからネフティスの鳳凰神を特殊召喚するのです! 」
ネフティスの鳳凰神:効果モンスター/星8/炎属性/鳥獣族/攻2400/守1600
「バトル! ネフティスの鳳凰神で融合呪印生物−地に攻撃!」
「速攻魔法発動! エネミー・コントローラー!
その2つ目の効果、融合呪印生物−地を生贄に、氷帝メビウスのコントロールを得る!」
氷帝メビウス:効果モンスター/星6/水属性/水族/攻2400/守1000
「にゃにゃにゃッ!?
でも、戦闘は続行するのです!
ネフティスの鳳凰神で氷帝メビウスに攻撃! 再生の炎!」
「数を減らしてもダメージを当てに来たか!?」
「確かに減るのです、でも1体だけなのです!
速攻魔法収縮を発動! 氷帝メビウスの攻撃力を半分にするのです!」
氷帝メビウス:攻2400→攻1200
「いくのです! ネフティスの鳳凰神。エターナルストーム!!」
「ぐぉぉ!!?」
佳克 LP4000→LP2600
「続けて憑依装着−エリアでダイレクトアタック! テンペストウエーブなのです!」
「がぁぁ!?」
佳克 LP2600→LP750
「にゃにゃ、佳克さんにリードなのです!」
「流石だ、大会何度も出てるだけあるな」
「ありがとうなのです! 手札を1枚伏せてターンをエンドするのです!」
今回はかなりびっくりだ、イリーニャが随分強くなっている。
コンボ内容は去年の年末の頃と大きくは違わないが、タイミングがなかなかに凶悪だ。
だが、俺だって先輩の意地があるここで負けてはやれない。
「俺のターン、ドロー!」
俺の引いたカードは……神獣王バルバロス!
ならば。
「俺は神獣王バルバロスを生贄なしで妥協召喚!」
神獣王バルバロス:効果モンスター/星8/地属性/獣戦士族/攻3000/守1200
「妥協召喚により表側表示でフィールドにいる限り元々の攻撃力は1900となる」
神獣王バルバロス:攻3000→攻1900
「トラップ発動なのです! 落とし穴!
攻撃力1000以上のモンスターが召喚された時そのモンスターを破壊するのです!」
「チェーンして発動! 王宮のお触れ!
このカードが発動した時このカード以外のトラップカードの効果は無効になる!」
「にゃにゃ!?」
「そして、フィールド魔法ガイアパワーを発動する!
地属性モンスターの攻撃力は500アップし、守備力は400ダウンする」
神獣王バルバロス:攻1900→攻2400
「そして手札からマジックカード強欲な壷を発動! デッキから2枚ドロー!」
とりあえずは負けずに済みそうな手札だ、
逆転できるかはまだ賭けだが。
「バトル! 神獣王バルバロスで憑依装着エリアに攻撃! トルネードシェイバー!!」
「にゃう!?」
イリーニャ:LP4000→LP3450
「カードを1枚伏せてターンエンド!」
これで勝利のための切り札は揃った。
後は、向こうのタクティクス次第だな……。
お手並み拝見といくか。
「私のターン、ドローなのです!
そしてスタンバイフェイズ、また黄泉ガエルが戻ってくるのです!」
これで、イリーニャの場にはネフティスの鳳凰神、黄泉ガエルの2体となった。
やはり黄泉ガエルのアドバンテージは大きいな。
「私は手札からカードを一枚捨てて死者転生を発動するのです!
手札に戻すのは氷帝メビウス!
そして、そのまま召喚なのです!」
氷帝メビウス:効果モンスター/星6/水属性/水族/攻2400/守1000
「そう来たか……」
「ここまで来たからには、このターンで決めるのです!
氷帝メビウスの効果発動! フリーズ・バースト! 伏せカードとガイアパワーを破壊するのです!」
「チェーンして速攻魔法発動! 突進! このターンの間神獣王バルバロスの攻撃力を700アップする!」
神獣王バルバロス:攻2400→攻3100
イリーニャはこのターン攻撃が出来ない事を悟ったのだろう少し眉が寄る。
だが、直ぐ気を取り直したようだ。
「でも、ガイアパワーが破壊されるので攻撃力が500ダウンするのです!」
神獣王バルバロス:攻3100→攻2600
「だが、バルバロスの攻撃力を上回るカードはない」
「なら……水晶の占い師を除外して水の精霊アクエリアを特殊召喚するのです!」
水の精霊アクエリア:効果モンスター/星4/水属性/水族/攻1600/守1200
「これでバルバロスは次のターン攻撃できないのです。ターンエンド!」
「ここで出してきたか」
「にゃ、頂いたカードですし、効果も強力なのです」
確かに、このままでは俺は次のターン倒されるだろう。
例え多少攻撃力の高いカードがあっても対処は難しい。
普通に考えれば次のターンを凌いだところで勝ち目はない。
「俺のターン、ドロー!!」
俺の引いたカードは、装備魔法巨大化……。
まあ別にいいんだけどね、使いようがない。
「スタンバイフェイズ、水の精霊アクエリアの効果発動なのです!
神獣王バルバロスの表示形式を守備表示に変更! このターン形式は変更できないのです!」
「本当、強くなったなイリーニャ」
「はい、頑張っているのです! でも佳克さんがこれくらいで倒されない事は知ってるのです。
多分、もうこのターンで終わりなのですね?」
「……なんていうか、読まれてるな」
「だって、佳克さんは最強のデュエリストなのです!」
「ありがとう、それじゃ俺も期待に応えないとな。
俺は、神獣王バルバロスを生贄に、偉大魔獣ガーゼットを召喚する!」
偉大魔獣ガーゼット:効果モンスター/星6/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
「偉大魔獣ガーゼットの効果発動! 攻撃力が生贄にしたモンスターの元々の攻撃力の2倍になる!」
偉大魔獣ガーゼット:攻 0→攻6000
「偉大魔獣ガーゼットでネフティスの鳳凰神に攻撃! グレート・トルネード・クラッシャー!!」
イリーニャ LP3450→LP0
「なかなか楽しいデュエルだったぜ」
「はい、楽しかったのです。またやってください♪」
LPが0になり倒されたイリーニャは、それでも楽しそうにしていた。
俺はどういっていいのかは分からなかった。
ただイリーニャがペンギンソルジャーを引き当てられなかった事をちょっと悔しそうにしていたのが印象的だった。
それと、アウスがいないことを不審に思っていたのだが、エリアとの久々に会ったので話をしていたとか。
あの性格だし、アウスのやつエリアを虐めてないか心配だな……。
あとがき
前回までで修正が終わり今回より新たな書き起こしとなります。
ただ、ペースの問題でこれからは月2回くらいが限度かな?
長い間お休みだったにも関わらず見てくださっている方々ありがとうございます。
2年目も頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いしますね!
押していただけると嬉しいです♪
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