銀河英雄伝説 十字の紋章
第十六話 十字、出世を目指す。
第三次イゼルローン攻略戦は同盟の敗北で終わった。
同盟は艦隊の3割近い被害を出し、撤退したが再編されたイゼルローン駐留艦隊の追撃を受け更に被害を増す。
結果艦隊の被害は4割を超える結果となった。
俺達は比較的被害が少なかった事もあり、後方に配置され殿の役を果たす羽目になった。
とはいえ、あくまで戦艦の影に隠れて砲撃するだけだったが。
先ず第六艦隊は実に7割もの被害を出していた。
壊滅といって差し支えない、中央をトゥールハンマーで焼き払われ、艦隊司令部が壊滅したせいで逃げ遅れたのだ。
ロボスの第三艦隊とクブルスリーの第七艦隊は共に2割強の被害を出していた。
俺達というか駆逐艦ガラパゴスは何とか航行可能な程度に修理され、撤退支援を行ったが実際牽制ではミサイル艦一隻程度の戦果がせいぜいだった。
とはいえ、一応この戦いで駆逐艦3とミサイル艦2ということで5隻の戦果が出ている。
戦艦のアシストはかなりの数に登ると思う、実際ガラパゴス乗組員の練度は高い。
艦長の俺以外はだが。
ともあれ、その後2週間ほどをかけて艦隊はどうにかハイネセンまでたどり着き、修理を受けている。
戦果らしい戦果もなく負けた今回は被害こそ半数を越えなかったものの、完全敗北と言っていい。
だが、だからこそ英雄が必要になるとはヤンが言った事だろうか。
気付けば、俺は英雄になっていた。
俺のやったことは、せいぜい少しばかりの命令と、一部報告と、まっさきに逃げ出した根性足りない所くらいか。
戦果は全て部下のおかげであり、生き残れた事自体が奇跡に等しい。
だが、逃げた時、艦隊に忠告を入れた点や撃墜スコアが一応5隻となっている事等を評価されたらしかった。
まあ何より、こちらからトリューニヒトを議員に送り出していたのが効いているのだろう。
既に小規模ながら、トリューニヒト派は形成されており、それを通して十字教や回帰教のアピールもしており相乗効果で人が増えている。
十字教と回帰教はそれぞれ五千万近い信徒を持つ大宗教となっていた。
2つ合わせれば表立っては同盟内の地球教の信徒数と同程度まで来ている。
まあ、フェザーンとのつながりを考えれば、まだ互角になったとは言えないが。
ただ、ルビンスキーを含めたフェザーンの人間は利益には敏感だ。
この勢いが続けば、地球教徒とフェザーンの離反を誘える可能性も出てきた。
まあ、帝国側とフェザーンの地球教徒を合わせれば向こうは5億やそこらはいるんだろうから、まだまだだが。
ともあれ、そうやって現在4人ほどこちらから議員を送り込んでいる、そして金や利権を使い派閥として取り込んだ議員は20人近い。
同盟議員数は200議席を超えるものの、得票率が6割前後に推移していることから3000万票弱あれば議員になれる。
人気取り次第ではまだまだ議席数を増やせるということだ。
そこで、トリューニヒトは今回の戦争に着目したわけだ。
負け戦には英雄が必要というのは同盟政治においてお決まりなのだが、誰を英雄にするかに関しては活躍した人間が少ないため難航した。
ロボス中将はロイヤル・サンフォード最高評議会議長の派閥の支持を受けているが作戦が失敗したため英雄にしづらい。
クブルスリー中将は撤退戦をしっかり戦ったが、飛び抜けた活躍もないため派閥による後押しがない事と合わせ見送られた。
因みにクブルスリー中将はシトレ閥だがシトレが今士官学校の校長をしているため影響力が低い。
そういう、英雄はほしいが、これといった英雄候補がいないという事に合わせて俺をねじ込んだのがトリューニヒトだ。
ヤンのようにきっちり活躍した結果として持て囃されるならいいが、実のところ俺がやったことは報告だけで後は何も出来ていない。
戦果はほぼガラパゴス乗組員の成果だし、俺はいち早く撤退指示を出したのでむしろ軍法会議にかかってもおかしくない。
だが、俺はこの藁を掴むしかない事はわかりきっていた。
第一に、トリューニヒトが政治力を駆使し、俺の軍法会議を阻止してくれた事。
まあ、俺が軍法会議にかかる可能性はもともとそれほど高くはなかったが、リベラルによく思われていない俺は見せしめにされる可能性もあったようだ。
第二に、出世のため。
俺がそのままで中将以上の提督になれる可能性はかなり低い、下手すれば原作開始しても准将にすらなれないなんてこともあり得る。
俺が中将以上になるためには、虚名でも英雄になるのは手ではあった。
第三に、トリューニヒトの政治基盤強化のため。
英雄の効果はこちらだけのものじゃない、英雄の親友という箔がつけばトリューニヒト派閥の得票数に影響が出るのは事実だ。
そうして、ハイネセン帰還の翌日には中佐への昇進が決まり、来年には大佐となることが内定した。
俺にとってはありがたい事だが、裏取引のようで後ろめたくもあった。
だが手段を選んではいられない、原作開始までに最低でも中将になっておかねば、同盟に勝利をもたらすのはおぼつかないだろう。
それから俺は暫くはマスコミ対応のため後方待機となり、半年ほど休暇というわけではないがハイネセンで活動を続けた。
テレビ出演などもした、無論ブームが終わるまでの間だと割り切ってはいる。
今後俺が手柄を立てられないなら一過性で終わりだ。
漫画等の原案は少しづつ減らしている、流石にネタが尽きてきたのもあるし、俺がいなくても軌道に乗りつつあるからだ。
代わりに十字教のほうを多少バックアップしたが、基本的にはプライベートを優先した。
今まで忙しくてあまり出来なかった、エミーリアとの日常を噛み締めながら。
だが、そんな日々も直ぐに過ぎ、俺は辞令を言い渡される。
辺境艦隊の司令官という地位とともに大佐に任じられたのだ。
辺境艦隊といっても、色々あるのだが、エル・ファシル等の帝国側に近い所では相応の規模が必要になり地位も相応の人が務める。
だが、逆に帝国とは反対側に位置する端のほうでは艦隊といっても必要数は少なく、たまに出る海賊を狩るのが主な仕事だ。
俺が配置されたのも、そうした戦争とは無関係な辺境宙域。
大佐に任じられたのはいいが、そこからの出世には時間がかかりそうというのがよく分かる構図だ。
まだまだトリューニヒトの力が小さいということなのだろう。
このままでは原作開始までにほとんど出世出来ないかもしれない。
俺は、今のうちにやるべきことをやっておく事に決めた。
「聞いたよジュージ。君、会社の株を売るつもりだって?」
「ああ、今を置いて他にないと思っている。もちろん売り方は少し仕掛けをするが」
「へえ、面白そうだね」
「閣下も可能なら手伝ってくれると助かる」
「どんなふうに?」
「なあに、少しだけ煽ってくれるだけでいいさ」
「ほう」
トリューニヒトの議員オフィスで俺は悪巧みを話した。
といっても別に大したことじゃない。
そもそも、俺の会社、つまり漫画、アニメ、映画のそれぞれの会社は株式公開を何度も求められていた。
だが今まではやっていなかったのだ。
理由としては、公開するなら一気に値があがるくらいまで名が売れておく様にしたかったというのがある。
それに、下手をするとフェザーン側の企業に買い占められる可能性があった。
だから俺が出来る限り資金を持つ状態にしてから株を売る事を考えていた。
今のそれぞれの会社は資産、つまり株として売り出される名目はそれぞれ1億ディナール。
約110億円分の株券があるということになる。
一株1ディナール(約110円)で売りに出せば1億枚の株券となるわけだ。
俺はとりあえず一回目はそれぞれ2000万株づつ売りに出す予定だ。
そうして値が上がってから、3000万株を売る。
つまり、二段階の儲けを期待できるようにする。
どうせ、最初の売上はそこまで儲からないだろう、いや値上がりはするが俺が売りに出した利益は少ない。
どんどん持ち主が入れ替わりながら値上がりするからだ。
だがそれでは、俺が売りに出した意味がない。
会社は大きくなって、株券の価値はあがるから俺は何倍も金持ちという事にはなるが、株券を金に変えられなければ意味がない。
そこで、二段階売買である。
そして残りの50%は乗っ取りよけのために残しておく必要がある。
間違いなく、フェザーン資金が動いて乗っ取りがかけられるだろうから。
そうでなくても、ある程度以上まとまった株を持った株主なら、社内を見て回り内部機密を持ち出す可能性は高い。
ある程度は仕方ないが、流石に現時点で乗っ取りを受けるのはまずい。
まあ、株を資産として残す意味合いもあるが。
ともあれ、この方式で俺はどんどん株を売っていった。
もともと、漫画、アニメ、アニメ映画は新鮮で成長枠であったため、爆発的な売上となった。
とはいえITバブルや不動産バブルなんかとは比べ物にならないが、それでも株価は最終的にそれぞれ200倍前後まで増えた。
結果として俺の持つ資産は3億ディナールから400億ディナール(約4兆4千億円)と考えうる限り巨大化した。
それでも、大金持ちとして上はいくらでもいたが、同盟長者番付の50位位内くらいまではきたといっていい。
もちろん、そんな金持っていたら税金で大半持っていかれるので、大部分は使ってしまう事にする。
先ず、100億ディナール(約一兆一千億円)を使い超長距離移民船開発機構を立ち上げる。
いざという時にサジタリウス椀から脱出し、別の椀まで移民するためのものだ。
まあ、サジタリウス椀は非常に長いのでその気になれば、椀内でも逃げ切れるかもしれないが。
どちらにしろ、超長距離の移民となるのは間違いない。
次に、100億ディナールを使いコンビニエンスストア事業を立ち上げる。
まだ利益を出すのかといわれかねないが、フェザーンに対抗できるまでとは言わないが、邪魔されない程度には必要だ。
それにコンビニエンスストアは事業規模に比して金は少なくて済む。
基本的に、大量生産、大量買い付けの繰り返しであり、販売はシステムだけを売りつける形になるからだ。
だから、コンビニ事業は自社生産物の利益と加盟店に対する出店税との二重の利益が入る。
しかも、リスクは店主と折半になるため固定利益が安定すれば凄まじい利益を出すだろう。
まあ24時間に関してはこだわる必要はない。
システムが重要なのであって、形態までは気にする必要がないからだ。
残る約200億ディナールは株券としてそのまま残るため、会社として使う必要がある。
だから100億は事業拡大に使う、以前やったように同系統の会社の買収や才能のある新人の囲い込みなど。
それに、提携グッズの会社を買収するのも手だろう。
色々と手広くやりすぎない程度に拡大する予定だ。
そして次に50億ディナールを政治献金としばら撒く。
その内容は基本的にトリューニヒトに任せる、そういう鼻が利くだろうからだ。
後は福祉事業として20億ディナールほどつぎ込む事にする。
十字教や回帰教にも多少金を撒いておかないといけないからな。
残りは内部留保として会社に残す。
貸付けとして税金の支払い対象から外すのも忘れない。
手元に残るのは差し引きであまり利益とみられない1億ディナール(約110億円)少々だが、
それだけあれば個人としてはいくらでも贅沢ができる。
またばら撒きが必要になれば会社から返してもらうのも手ではあるしな。
ともあれ、そうして稼ぎ、使いまくった結果俺の知名度は跳ね上がった。
英雄であり漫画王であり田舎惑星の年間予算に匹敵する資金を持つとして名が売れてしまった。
その後は、薔薇の蕾を常に表に出して護衛をしなければならないほどになってしまった。
誘拐計画なんてのは当たり前、ストーカーもどきやいたずら等色々なマイナスも背負いこむ羽目になった。
だがこれでようやく後顧の憂いを無くす事が出来たともいえる。
念願の移民船を作れる立場となったからだ。
つまり失敗に対する保険ができたという事、後は作戦を実行するだけの立場を手に入れるだけだ。
そして宇宙歴787年、俺は大佐になり辺境惑星の駐留艦隊司令となっていた。
とはいっても駆逐艦、フリーゲート艦、ミサイル艦ばかり100隻程度であり、海賊退治はともかく艦隊戦などできるはずもない。
ちなみに俺は今30歳、ヤンは20歳、ラインハルトは10歳という感じだ。
原作開始まで後9年、エルファシルの英雄が誕生するまで後1年だ。
既に4年、マルカートという名の辺境惑星で足止めを食っている。
大々的に目立ったのが悪かったのだろう、確かに金は手に入れたし、事業は成功が続いている。
新分野の開拓に関しては、リサーチさえしっかりしていれば、元の世界で成功している事業だうまくいく。
だが、逆にそれがフェザーンの危機感を煽ってしまったらしい。
全力で金をばらまき俺を栄転という形で左遷させた。
幸いというべきか、この惑星には100万人ほど住民がいる。
あまり良質というわけではないが鉱山惑星なので仕事には事欠かないのだろう。
因みに、コンビニ事業は方法論を決めた後は株の半分をエミーリアに譲りメイドのバーリさん等が手伝いながら経営している。
そのためここにもコンビニがいくつか出来ており、それを名目にしてエミーリアもついてきていた。
大きな利益が見込めないこんな場所まで来る酔狂な海賊と地元住民の諍いを鎮める程度の仕事しかないこの星。
危険度は低いと俺も否定はしなかった。
今ではすっかり、こちらでの我が家も出来ており、のんびり仕事をしている。
だが、流石にこのまま田舎で引っ込んでいるわけにもいかない。
放置しておけばトリューニヒトが暴走しかねないというのもあるしな。
最近は、俺から融通した資金で派閥も40人以上になり、国防委員長の側近的地位にまで来ていた。
いつでも交代出来ると息巻いている彼だ、本当に来年にでも国防委員長になるだろう。
俺がいつまでもここにいるようなら、地球教やフェザーンからもっといい条件を提示させ離れてきかねない。
この4年彼が俺を引き戻さないのも天秤にかけている証拠だろう。
国防委員長になるまで待てば切り捨てられると見て間違いない。
幸いというべきか、俺とて4年も手をこまねいていたわけではない。
最初こそ、エミーリアとの暮らしを優先した部分はあるが、その後は脱却するための情報を探していた。
そして、担当している宙域ではないものの、不審な点を見つけた。
精査を続けていた事でわかったのだが、アステロイドに偽装した要塞が管轄外というか隣の管区にある事がわかった。
それを忠告すればいいと思う人もいるかもしれないが、ああいったものが出来る事自体おかしいのだ。
恐らくは海賊の住処なのだろうが、ああいった要塞を構える規模の海賊となるとかなり大規模なものだろう。
隣の管区の基地司令や駐留艦隊司令が知らないという可能性は低い。
となれば……。
そう、癒着が存在していた、見逃す代わりに見返りとして一部金の譲渡とその管区では海賊行為をしないという取引がなされていた。
それを薔薇の蕾で調べ上げてもらったのだ、このまま報告しても恐らく手柄にはなる。
ただ、パンチとしては弱いだろう。
証拠をいくつか握りつぶせば知らないふりだってできる。
だから俺はそれを知ってもすぐに動かず、証拠固めを急いだ。
幸い、同盟中に広がりつつあるコンビニチェーン店が情報網として役に立った。
隣の管区にもコンビニが幾つか存在しており、その店からの情報を吸い上げる事が出来たからだ。
「バーリさん、これは……」
「はい、恐らく間違いないかと」
なるほど、これは使えるな。
調べてもらった海賊のバックが複雑に絡みついた権力の切れ端である事がわかる。
書類を見る限り、同盟企業の一つで、ミサイル等を開発している兵器メーカーがバックアップしているように見える。
しかし、この企業とある強硬派議員の資金源でもあり、また株主として個人を挟んではいるがフェザーンが絡んでいる。
つまり、戦争を続けさせるためのフェザーンの工作を行う企業なのだろう。
因みに、同盟が勝利する方法の一つに、イゼルローン、フェザーン両回廊を塞いでしまうというものがある。
隕石やら何やらで構わない、回廊内を通行不能にして100年ほど置くだけでいい。
同盟は自由経済でもあるし、そもそも惑星移民のスペシャリストが多い。
ここ150年の戦争のせいでかなり減っただろうが、資料等は残っているはずでもあるし。
移民を続ければ50年で人口が倍になっても経済は順調に成長するだろう。
内部分裂等が起こる心配はあるにはあるが、戦争するより惑星開拓を急ぐほうが儲かる。
100年すれば人口は4倍、経済は10倍以上になるだろう。
技術進歩だって停滞どころか技術衰退が起こっている帝国と比べるべくもない。
カストロプ公の領民が原始生活を営んでいた様に、貴族は領民をまともに教育していないことも多い。
識字率が半分くらいしかないと思われる、そんな領民の中で宇宙船技術者がどの程度育つものか。
そもそも、帝国の宇宙船技術が同盟に近しいレベルにあるのは同盟と戦争しているせいだ。
鹵獲し、情報を得ているからであり、またフェザーンから技術情報がもたらされるからに過ぎない。
つまり、封鎖後100年たってから戦争が再開されたとして、もう帝国では相手にならない。
そして、同盟との戦争がなければラインハルトだって階級が上がらないだろう。
結果として同盟の勝利は疑うべくもない。
それをされては困るのがフェザーンだ、フェザーン唯一の利点である経済すら意味をなくすのだから。
そのためフェザーンは地球教と繋がり、裏で同盟の主戦論を盛り上げているというわけだ。
少し回り道が過ぎたが、要約すると海賊は色々な権力構造の渦の中で発生したものであるという事だ。
当然、海賊自体がどうも胡散臭い、直接的かどうかはわからないが繋がりがあるのだろう。
そして海賊は兵器メーカーから兵器を受け取って実験するための部隊でもあるようだった。
つまりは、これを表に出す事が出来ればフェザーン脅威論を同盟内に根付かせる事が出来る。
ただ、当然ながら現在政治もメディアもフェザーンの資金が入っており、ちょっとやそっとでは拡散しないだろう。
どうにかする手立てが必要だ。
それらを前提に、一網打尽にしたうえで俺の手柄になる様にするにはどうするか。
一番楽なのはトリューニヒトを使う事だが、当然今の彼は信用に値しない。
俺が地球教徒やフェザーンよりトリューニヒトにとって良いと判断されない限り判断を保留にするだろう。
今やトリューニヒトは40人の派閥の長だ、つまりは地球教にもフェザーンにも一目置かれる位置にいる。
つまり、トリューニヒトの気分次第で乗り換える事も可能であるということだ。
まあ、今の状況で積極的に俺と敵対するとも思えないが、味方もしない可能性が高い。
次点で十字教や回帰教を使うという手もあるが……今はやらないほうがいいだろう。
あれだけズブズブでも、フェザーンと地球教が表向きでは繋がりがない事になっている。
繋がっていると思われていても表立ってそうでなければ問題ないのだ。
同盟は推定無罪の国なのだから。
それと同じ様に、俺も表向きは宗教との繋がりを出していない。
場合によっては切り捨てる事もありうる、あまりのめりこみ過ぎる訳にはいかない。
最後にコンビニ等を含む、企業群だが。
情報集めには使えるが、それ以上を期待するわけにはいかない。
薔薇の蕾も同様だ、規模は多少大きくなったが私設軍のようなわけにはいかない。
となると、実質実験部隊である海賊に、フリーゲート等の小型艦の艦隊で挑む必要が出てくる。
少々無茶な注文である。
せめて戦艦の一隻でもあれば……この際ヤンの使った戦法でも……いや、それが上手くいくのは初見だからだ。
こんな小さな規模の戦いで披露してしまうのは勿体ない。
となれば、少々リスクはあるが……コネを使うしかないな。
出世のためにコネを使うというのはあまりいいものではないかもしれないが、それでも俺は……。
……こんな所で躓いていられない。
あとがき
ほとんど箇条書きに近い内容になってしまいました。
申し訳ありませんorz
とはいえ、そろそろ巻きでいかないと、原作がいつまで経っても始まらないという事になりそうですので。
4年ほど飛ばしました、恐らく次回の話ではエルファシルの英雄が誕生していると思います。
どうにかこうにか、原作にかかわるイベントに入れそうだと少し安心しております。
この先もなんとか続けて完結にもっていってみせるぞと気合を入れなおしております。
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