今回はディケイド繋がりのオリジナルライダーが主役。滅茶苦茶に強いです!!そして、旅に付き合う二人の仲間のうち一人は幼馴染、もう一人は……。
旅立ち
「全くしつこい…」
スーツ姿……さらには両目の上下に稲妻型の彫りが施された仮面と言う、かなり怪しい恰好をした青年は気だるそうに呟いた。
その原因はというと………。
『ウォォォォ…!』
『ファァァァ…!』
『グルルルゥ…!』
彼を狙う幾体もの怪人達。
「しょうがね、相手するか。…俺の邪魔をする者は、潰すだけだ…!」
ドスの効いた声。
青年は懐から”真黒なバックル”のようなものを取り出すと、腰にあてた。
バックルからはベルトが伸び、青年の腰に装着された。
そして、青年は一枚の”カード”を前方に突き出してこう言った。
「変身」
そう言うと青年はカードをバックルのサイドにあるハンドルを動かしてバックルを90°回転させて装填する。
≪KAMEN RIDE≫
電子ボイスが鳴ると、青年は素早くハンドルを動かし、バックルを閉じた。
≪DEROAD≫
すると、彼の周囲に幾つものビジョンのようなものが現れ、彼に重なり、灰色のアーマーになると、バックルから出現した九つのプレートがそれぞれ頭や額、更には鋭い目付きをしたダークグレーの複眼の部分にまで突き刺さるようにして備わると、アーマーの色は鮮やかなイエローと黒に染まっていく。首には漆黒のマフラーが巻かれていた。
「ハアァァァ!」
変身を終えて、掛け声と同時に怪人たちに駆けて行った仮面の戦士はベルトのサイドに装備されていた本型のツールを剣型にして斬りかかっていく。
さらには本型ツールだった剣からカードを一枚バックルに装填。
≪ATTACK RIDE…EXTRA SLASH≫
その瞬間に刃は淡い光を帯び、戦士は圧倒的な力で全ての怪人たちを切り裂いた。
『ガ…お、前は…一体…?』
怪人の内の一体がそういうと、仮面の戦士はこう答える。
「仮面ライダーディロード」
そう言った直後に怪人達は爆散した。
「…フウゥ…」
戦いを終えて一息ついていると。
「廻イィ!!」
「ん?」
自分を呼ぶと思われるデカイ声にディロードは振り返る。
「何自分ひとりだけで戦ってんの!」
そう文句を言ってきたのは膝にまで届く綺麗な黒髪をポニーテールにしている。一人の美しい女性。
口調のせいか明るく、活発な性格に見える。
「悪い悪い」
潔く謝罪する。
「ほら、行くよ。”信彦”も待ってるし」
「わかってる」
ディロードはそう言った。
ディロードの本名は砕谷廻。
そして彼の仲間と思われる女性の名は彩条流姫。
「早くしよ!こんな何もない”世界”に居座っても仕方ないよ」
そう今二人がいるのはただただ殺風景な砂漠のような荒野のような場所。
二人は二台のバイクにそれぞれ跨ると、エンジンをかけて走りだす。
***
それから数分後、掘っ立て小屋みたいな建物の前で。
「お、やっときたよ」
バイクに乗って近づく二人を視認する、優しげな青年。
「待たせたな信彦」
ディロードはそう言うと流姫は
「それじゃ、行きますか!」
と言うと、ディロードに装着されているライドプレートが淡い光を放ち、彼等の前にオーロラのようなものが現れる。
だが、其処から出てきたのは………。
『ガアァァァ!』
『ギャゥゥゥ!』
『フゥアァァ!』
「アンノウン、ワーム、ファンガイア…か」
ディロードは出てきた三体の怪人達の種類を口にする。
「仕方ないアタシらも戦いますか」
と言う流姫。
「僕らが出した”次元の壁”からなんて、珍しいこともあったもんだね」
と信彦。
流姫は銃剣一体型のツールを取り出すとカードを銃身にセットして銃身のすぐ下に付けられた刃を突き出させるようにスライドする。。
信彦も腕を構えてポーズを取り始めた。
≪KAMEN RIDE≫
「変身」
銃を斜め前方へ構え、引き金を引いた。
≪DI-GUIDE≫
「変身!」
瞬く間に変身を終えた二人。
流姫が変身したのはグリーンと黒を基調色とし、首に純白のマフラーを巻く”仮面ライダーディガイド”。
そして信彦が変身したのは、優しい緑色の複眼に銀色のボディを持つ…。
「俺は月の寵児!仮面ライダー、SHADOW!RX!」
高らかに名乗りポーズを取る。
「さて、このワームはどう料理してあげようかしら♪」
「お前の料理など食いたくもないがな」
「うるさい!」
さり気に毒舌を吐くディロードにディガイドはご立腹な声を出す。
ディガイドはベルトのサイドにあるホルダーからカードを取り出してツール…ディガイドライバーに装填する。
電子ボイスと共に赤・青・緑の像が現れるとそれは一つとなって蜂をモチーフとする”仮面ライダーザビー・ライダーフォーム”となった。
すると召喚されたザビーはワームに向かって拳を食らわせ始める。
「それじゃ、俺はファンガイアを」
さっきまで一人称が”僕”だったのに変身したら”俺”になっているSHADOW RX。
「ということは俺はアンノウンか」
残り者と対峙するディロード。
右腰にある”ライドセイバー”から一枚のライダーカードを出すと、ディロードライバーに装填する。
≪FINAL KAMENRIDE…A・A・A・AGITO≫
ディロードライバーから光が放たれ、その光に包まれたディロードは”アギト・シャイニングフォーム”へと姿を変えた。
そこへさらにカードを装填。
≪ATTACK RIDE…SHINING CALIBER≫
D(ディロード)シャイニングアギトは出現した”シャイニングカリバー”を手に取ると”ツインモード”にして三枚目のカードを装填。
≪FINAL ATTACKRIDE…A・A・A・AGITO≫
シャイニングカリバーに青白い光が灯ると、D(シャイニングアギトは二本の剣をアンノウン目がけて振った。
「あらよ!」
『グガアァァァ!!』
必殺技、”シャイニングクラッシュ”を受けて頭に光の輪を浮かべて、そのアンノウンは爆発した。
「フッ!ハァ!」
一方フットワークを活かしてワームを翻弄するザビー。
だが、少しずつ押されていく。
ディガイドはそれに見かねたのか、カードを装填した。
≪ATTACK RIDE…EXTRA BLAST≫
電子ボイスがすると、ディガイドライバーから無数のエネルギー弾が発射されてワームにダメージを与える。
「そろそろ潮時ね」
ディガイドはカードを装填する。
≪ATTACK RIDE…CROSS ATTACK≫
電子ボイスを合図にザビーは左腕に収まっているザビーゼクターのスイッチを押した。
「ッハアァァァ!!」
ザビーは思いっきりよく拳を振り、ワームに”ライダースティング”が決まった。
そして、SHADOW RXは…。
「…シャインブレイズ!」
そう叫ぶと、SHADOW RXはベルトから二振りの剣を現す。
ブンッ!
「トオッ!ハッ!」
二本のシャインブレイズを巧に使いこなす。
『アァァァ!」
ファンガイアも負けじと自らのステンドガラス状の細胞組織で作り上げた剣で対抗する。
だが、結果的にはそんなものは焼け石に水。
能力ではSHADOW RXのほうが圧倒的に上回っていた。
「止めだ!」
SHADOW RXはシャインブレイズでファンガイアをX字型に切り裂くと、ファンガイアはガラス状に砕け散った。
「招かざるゲストは片づけたし、とっとと別の世界に行くか」
「うん」
ディロードの言葉にディガイドはOKする。
実はこの三人、様々な異世界を旅している仮面ライダー達なのだ。
「…ん?なぁ、ちょっと妙な感じがするんだけど」
戦いが終わったせいか、雰囲気が優しいものに戻ったSHADOWだが、何か不吉な予感を感じていた。
「妙な感じ?」
その瞬間に次元の壁が突如現れてディロード達を別の世界に飛ばした。
そこはまるで何もないところ。
いや正確には何かはある。建物”だった”物の瓦礫が。
「なんだ?二人のどっちかがやったの?」
「やってないけど」
「同じく」
SHADOWの問いかけに二人は知らないと答える。
「じゃあ、誰が…?」
その瞬間に、
『キュウゥゥゥゥ!!』
『ギュギュウゥゥ!!』
大量の怪人たちが現れた。
「おいおい、何なんだ今日は?厄日?」
能天気を言ってのけるディロード。
といっても心底ふざけている訳ではないのか、しっかりとカードを装填する。
≪FINAL KAMENRIDE…RYU・RYU・RYU・RYUKI≫
ディロードは”D龍騎サバイブ”に変身する。
≪ATTACK RIDE…SHOOT VENT≫
手中に出現した”ドラグバイザーツバイ”の銃口を怪人たちに向けると、どこからかミラーモンスターの”ドラグランザー”が現れた。
『グウゥゥゥ!!』
唸り声をあげるドラグランザー。
D龍騎サバイブは照準を合わせ引き金を引いた。
『ギャアウゥゥゥ!!』
ドラグランザーは吠えると同時に口から高熱火炎弾を発射し、ドラグバイザーツバイから放たれたレーザー光線によるマーキングを施された怪人たちは全滅する。
「フッ…」
一息つくディロード。後ろからそれを見る二人はやれやれと言った顔で見ている。
『ディロードよ』
いきなり聞こえてきた謎の声にディロードはたじろいだ。
『そして、ディガイドとSHADOW RX』
「誰!?」
いきなり飛ばされた別世界で何処からともなく聞こえて来る声。
『突然だが、お前達にに頼みたいことある』
「頼み?」
ディロードはその言葉に疑問する。
『あぁ、今とある九つの世界のライダーが危機に瀕している』
「九つの世界のライダー…」
『そう。今こうしている間にも別の世界達は滅亡への歩みを始めている。そちらの世界達は”ディケイド”という名の仮面ライダーが向っている筈』
「だったらそのディケイドに任せれば良いじゃない」
ディガイドは文句を言う。
『それは無理だな。お前らに行ってもらう世界のライダー達の実力はかなりのもの。
今のディケイドでは対抗しきれないからな』
「要するに、我々三人でなければその世界達をどうにかできないと?」
SHADOWがそう言った。
『厳しい使命になるやもしれないが、その世界のライダー達のこと頼む』
それを機に再び次元の壁がディロード達を別世界に移動させる。
『…仮面ライダー達を救い、悪を砕け…』
***
「この世界は…」
変身解除している一行。
「あれ、何この恰好!?」
なんでかわからないが、流姫の服装が婦警の制服になっていた。
「本当に別の世界に来たみたいだね。僕達」
「でも、九つの世界のうちのどの世界…?」
信彦と流姫が困惑する中。
「テンガの…世界」
廻は今まで見たこともない、絵柄から色の消え去ったライダーカードを手にとってそう呟いた。
紹介
砕谷廻/仮面ライダーディロード
今作品の主人公。
仮面にスーツ姿と言う奇妙な服装をしている。
自分の目的を妨害するものには冷血態度で接する。肩回しをする癖がある。
年齢は24歳。物語開始の数年前からライダーとして旅をしている。
彩条流姫/仮面ライダーディガイド
今作品ヒロイン。膝にまで届く綺麗な黒髪をポニーテールにしているのが特徴。
明るく活発な上、気が強い。
廻とは同じ世界出身で、幼馴染の間柄。廻と同時期にライダーとなって共に旅をしている。
使命を託されて以降、異世界に行くと服装が変化するようになる。
秋月信彦/仮面ライダーSHADOW RX
サブ主人公のポジションにいる心優しい青年。
”BLACK”や”BLACK RX”に登場した信彦と同一人物。
年齢22歳。物語開始二年前から廻と流姫の旅に同行している。
尚、変身前の一人称は”僕”だが、変身すると”俺”に変化する。
仮面ライダーディロード
廻の変する仮面ライダー。基本色はイエローと黒。首に漆黒のマフラーを巻く。複眼の色はダークグレー。アーマーの形状は攻撃的且つがっちりとしている。
クウガからキバのFKRによって各々の最強形態に変身可能。
通常でも異常な戦闘能力を有する。
身長:195cm
体重:85kg
キック力:17トン
パンチ力:13トン
ジャンプ力:45メートル
走力:100メートルを4秒
ディメンションクラッシュ:40トン
ディロードライバー
ディロードの変身ツール。
形状、機能共にディケイドライバーと同じだが、色が黒と言う違いがある。
ライドセイバー
ディロードの専用武器兼ライダーカードのホルダー。
基本構造はディケイドのライドブッカ?と同じだが、こちらは名の如くブッカ?モードとセイバーモードの二形態しかない。色は灰色。普段はベルトの右サイド部にある。
仮面ライダーディガイド
流姫の変身する仮面ライダー。基本色はグリーンと黒で純白のマフラーをしている。複眼の色はオレンジ。主役ライダーのカード以外全てのライダーカードを所持し、ディガイドライバーで召喚することもできる。更にはバックルのトランスドライバーによる変身も可能。
ディロード同様に桁外れな能力を備える。力はディロードに劣るが、それを補う俊敏さを誇る。
身長:192cm
体重:83kg
キック力:15トン
パンチ力:12トン
ジャンプ力:55メートル
走力:100メートルを2秒
ディガイドライバー
ディガイドの変身ツール。外見はディエンドライバーとギャレンラウザー・強化型を掛けあわせたような感じである。ライダーカードの装填方法はディエンドライバーとかなり酷似している。色は緑と黒。
ライダーカードホルダー
ディガイドの左腰に付いている。
任意のライダーカードを取り出せ、無限に貯蔵可能。
トランスドライバー
ディガイドが他のライダーへの変身に用いるバックル型のツール。色は銀。
基本構造はディケイドライバー、ディロードライバーと同じ。
他のライダー変身してそのライダーの力を使う際はこれにライダーカードを装填する。
仮面ライダーSHADOW RX
信彦が変身する。変身・名乗りポーズ・スペックはBLACK RXと同様。基本色は銀、複眼は緑。外観はBLACK RXの体色と複眼の色が前述通りになったようなものである。
太陽であろうと月であろうと、光エネルギーを力の元とするので昼夜問わずに能力を発揮できる。
腹部の”ムーンバスク”からエネルギーを取り入れる。
武器は変身ベルト・ムーンライザーから生成される双剣・シャインブレイズ。
三人の専用バイク
マシンディローダー
ディロードの乗るバイク。基本カラーは黄色と白。ディロードと同じように装備されたライドプレートによって様々な異次元を通過する機能を備える。最高時速は500km。
マシンディガイザー
ディガイドの専用バイク。基本カラーは緑と白。機能に関してはマシンディローダーと同等。
最高時速は540km。
ライトグラス
SHADOW RXの専用マシン。カラーは黒で複眼の色は緑。BLACK RXのアクロバッターに極めて近い存在で、自らの意思を持っているので命令無しで動き回ったりすることができる上、自己修復能力を持つ。最高時速は740km。
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